今回は漫画『我妻さんは俺のヨメ』を紹介します。未来にタイムスリップする能力に目覚めてしまった男子高校生が、意中の女子と距離を縮めていく物語です。青春ラブコメ&ギャグ満載な世界を、ぜひとも覗いてみてください!
漫画『我妻さんは俺のヨメ』は、蔵石ユウと西木田景志によって「マガジンSPECIAL」から「週刊少年マガジン」と掲載誌を変え、2011年から2014年まで連載された作品です。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2012-02-17
たくさんの破壊力のあるギャグとは裏腹に、未来における周囲の不幸や後悔を無くそうと奔走する主人公の姿が人気を博し、単行本は13巻まで発売されました。
本記事では、単行本全巻の内容に触れながら、作品の魅力を紹介していきたいと思います。ネタバレを含むので、未読の方はご注意ください!
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勉強、スポーツ、ルックス全てが平均以下の主人公・青島は、学校のアイドル的存在である女子、我妻(わがつま)さんに思いを寄せていました。しかし、競争率が高い上にモテモテ男子たちが次々と彼女にフラれているという噂に、意気消沈します。
そんなある日、我妻さんと結婚している夢を見る青島。ところがそれは夢ではなく、未来へ意識がタイムスリップしていたのでした!
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2012-02-17
未来にタイムスリップする能力に目覚めた青島。1巻ではいきなり2人のヒロインが登場します。
ひとり目はなんと学園のマドンナ・我妻さん。しかも未来では何と彼女と結婚しているのでした!妻である彼女からいろいろな思い出話を聞くのですが、それがまだ現実では学生である青島にとっての「予言」となるのです。
その予言を手がかりに、青島は未来での不幸や後悔を無くそうと行動します。それを通して高嶺の花だった我妻さんと接点を持ち、彼女の魅力をより深く知っていくのでした。
ところがある日、未来の妻が突如ハーフ女子に差し替わってしまいます!! 現在に戻り、転校してきた彼女の名は下妻(しもつま)シルヴィアだと判明。何としても我妻さんと夫婦生活を送る未来に戻そうと、再び行動を起こします。
青島はかなりのおバカさんなので、未来を守ろうとする言動は、傍目には奇行にしか見えません。ついつい彼の不器用な様子、お約束の流れに笑ってしまいます。
けれどもその一生懸命さは、大笑いしつつも心を打たれるものがあります。不器用ながらもまっすぐにぶつかっていく様子が熱いです!
青島の友人・伊東は、あることをきっかけに爽やか系イケメン男子・土橋に怒りを抱いていました。そんな彼と青島を、もう1人の友人・小松がある場所に招待します。
そこは土橋に天誅を下すための組織「DX団」の拠点。クセの強いメンバーたちが、超どうでもいいディスカッションをくり広げています。見るからにモテない……。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2012-09-14
そんな2巻の重要人物は、「さわやか王子」こと土橋。青島と我妻さんの未来に関わってきます。
当初はさほど土橋のことを嫌っていなかった青島ですが、タイムスリップ時に我妻さんから土橋と接近していたことを知り、土橋を敵視するように。まったく乗り気でなかったDX団にも入団するほどの本気(?)ぶりです。
そんな中、再びタイムスリップした青島が見たのは、土橋の予想外すぎる情けない未来の姿。我妻さんを取られたくない気持ちと板ばさみになりながらも、青島は土橋の未来を変えようとある行動に出ます。
二転三転するストーリー展開を、ぜひ楽しんでください!
DX団の前に突然現れた謎のオッサン・山ちゃん。たわいもないやりとりをくり返しながら、仲良くなっていきます。
ところが未来の世界で出会った山ちゃんは、余命いくばくもない様子。そんな未来を変えるべく、青島は現在の山ちゃんの生活習慣を改善しようとするのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2012-11-16
3巻の見どころは、2巻から続く山ちゃんとのエピソードです。
未来の世界で山ちゃんが大病を患うと知った青島は、現在で酒とタバコをやめて健康的な生活をしてもらおうと、思いつくかぎりの手を尽くします。しかし、山ちゃんはなかなか生活習慣を見直そうとはしません。
DX団の力も借りるものの、あまり効果は出ず、未来での病状は悪化するばかりです。最後の手段として、青島は山ちゃんにダメ元で未来の話をします。
「まさかDX団で……」と思ってしまうくらい、感動必至のエピソードは必見です!
2学期になり、どの運動部も新人戦に向けて練習に励んでいました。水泳部の我妻さんも有望選手として期待をかけられ、猛練習を重ねます。
そんな彼女の姿を伊東たちとともに見つめる最中に、タイムスリップした青島。新人戦の記念写真をきっかけに、我妻さんからレース中のケガで最下位に終わってしまったことを知るのでした……。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2013-01-17
4巻の見どころは、我妻さんの新人戦の行方です。
彼女がオーバーワークによるケガで最下位に終わる結果を知った青島は、無理をせずに大会当日を迎えてもらおうとします。しかし、現在ではまだちょっとした知り合いでしかない彼は、そこまで口出しができません。
悩んだ末に、青島は未来の我妻さんから現在の自分にメッセージを送るように働きかけることを思いつきます。
大会本番のシーンはまるでスポーツ漫画のような描き方になっており、全力で戦う我妻さんの姿に胸が熱くなることでしょう!切ない展開が時たま挟まれるからさらに読み込んでしまうんですよね。
我妻さんと結婚した経緯が気になった青島。紆余曲折あって明らかになったのは、青島が修学旅行で告白したのがきっかけということでした。
不安を抱く青島は、修学旅行までに我妻さんの好感度を上げておこうと考えます。そんな中で、未来の我妻さんの思い出話を聞き、青島が文化祭でバンドをやったことを聞くのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2013-04-17
5巻の見どころは、文化祭です。
告白を成功させるため、青島は未来で得た情報のとおりにバンドをやることに。楽器の演奏はまったくの未経験ながら、DX団やシルヴィアに協力してもらい、当日までに形にしようと猛練習します。
ところが、文化祭当日にトラブルが相次ぎ、演奏できるかどうかがわからないほどの危機的状況に……。
意外にも真剣に取り組むメンバーたちの一体感が高まる様子に、きっとワクワクさせられることでしょう。
ついにやってきた修学旅行。青島はお馴染みの伊東と小松、そしてシルヴィアと班を作ります。
さらに、我妻さんのある様子に気付き、彼女も自分たちのグループに誘う青島。しかし、そこで痛恨のミスを犯してしまうのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2013-07-17
6巻の見どころは修学旅行です。
我妻さんが旅行中に訪れたい場所があるのを我慢していることに気付いた青島。「僕たちの班に来て、一緒にめぐろう」と、我妻さんを誘います。ところが、青島がある肝心なことを忘れていたことにより、我妻さんを傷つけてしまうのでした。
最悪の滑り出しに絶望する青島。しかし、我妻さんが思いを捨て切れていないことを知った青島は、意を決して再び我妻さんを誘います。
マイナスからのスタートにハラハラしてしまいますが、そこから青島が巻き返していく姿に、ぜひご期待ください!
修学旅行でまさかの玉砕をしてしまった青島。しかし、直後のタイムスリップでは夫婦のままだったことを知り、立ち直ります。
そしてまた、いつもの学校生活に戻ったかと思いきや、事件発生! DX団メンバーにBL本が送られてくるという謎のいたずらが相次ぐようになるのです。
対策を考えるDX団の前に突如現れたのは、腐女子サークル「葉隠(はがくれ)」。DX団が気に入らないと勝負を仕掛けてきたのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2013-09-17
7巻では、葉隠という非リア充女子たちが登場します。DX団が負ければ解散、葉隠が負けた場合は相手の言うことを何でも1つだけ聞くという条件で勝負が行われることになります。
しかしながら、勝負は終始グダグダ。DX団が勝つには勝つものの、微妙な感じの幕引きになってしまいます。
実は本番は勝負の決着がついた直後。葉隠メンバーの1人・伊富蘭(いとうらん)が突如、青島の未来の嫁になってしまうのです。地味でコミュ障な彼女ですが、実はかなりの美少女であることがわかります。
青島の恋愛模様に、新たな波乱の予感です!
ある日突然、シルヴィアの自宅に招かれた青島。そこにいたのは彼女の母国オランダから来た兄・ケンジロウでした。日本文化を見せるように頼まれ、間違いだらけの文化を披露していますが、何とか満足してもらいます。
ところが後日、青島が見たのは、泣きながら校長室から出てくるシルヴィアの姿。さらにケンジロウも一緒です。彼はシルヴィアが日本になじめていないことに気づき、オランダに連れて帰るために来日したのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2013-11-15
8巻では、青島がシルヴィアの帰国を阻止しようと動きます。
シルヴィアに友達がいるということをアピールするため、青島は葉隠メンバーに協力を要請。シルヴィア宅で強引にパーティーを開催します。しかし、実際には友達でない上にコミュ障な葉隠メンバーとでは、まるで盛り上がりません。
そこに駆けつけたのは、DX団の面々。そして、我妻さんも登場し、説得に当たります。
我妻さんの優しさと誠実さが感じられるシーンが見どころなので、ぜひ注目してください!
未来の我妻さんから、クリスマスにキスをしたという話を聞いた青島。クリスマス当日、DX団のパーティーを抜け出し、我妻さんのいるパーティーに参加します。
しかし、そこはスクールカースト上位の生徒が集まる場所。我妻さんに近づけないどころか、完全に孤立してしまいます。さらには我妻さんに告白する男子まで出てくるのでした。
果たして、我妻さんとのキスは実現するのでしょうか……?
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2014-01-17
9巻では、青島の気持ちに揺らぎが生じます。
我妻さんとキスすべく、リア充たちのパーティーに乗り込んだものの、何もできずに終わってしまった青島。我妻さんのモテっぷりを目の当たりにしたことも手伝って、すっかり戦意喪失してしまいます。
そんな彼の目の前に現れたのは、DX団のパーティーに参加していた伊富。寒い中自分を待っていてくれた上に、手編みのマフラーをプレゼントされ、青島の気持ちが伊富に向こうとします。
我妻さんを想い続けるのか伊富の想いを受け止めるのか。どちらを選んでもおかしくないシチュエーションにきっとハラハラしてしまうことでしょう。
突然我妻さんから誘われた青島。行き先は彼女が大好きなドラマの撮影現場です。
俳優のサインをゲットしてあげるなど、青島は我妻さんに楽しんでもらおうとがんばります。そして帰り道に、再び我妻さんにアタックするのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2014-03-17
10巻では、ついに青島の願いが叶います。
我妻さんに再び告白するにあたり、言葉にヒネリをきかせる青島。それが功を奏し、ついに我妻さんからOKの返事を勝ち取るのです。
我妻さんの自宅で一緒にドラマを見たり、動物園でデートしたりと、2人だけの時間を過ごせることに、青島は喜びをかみ締めます。
しかし、青島のある行動によって、2人の関係にほころびも……。
どことなく不穏な感じもある恋人関係に、思わず緊張感を抱いてしまいます。結末に向けてラストスパートがかかってきた感じにどんどんのめり込んで読んでしまうことでしょう!
我妻さんと1週間で別れることになり、絶望から引きこもり生活に転落してしまった青島。その延長で未来でもクソニートと化しており、我妻さんとのフラグが完全に消滅したのだと痛感します。
しかし、1人の時間を過ごす中で、我妻さんに対して不誠実だったことに気づいて反省。心機一転して再び登校します。
フラれたことをバカにされる覚悟で教室に入った青島ですが、クラスメイトたちの様子はなぜか青島に無関心。その理由は、産休代理の教師・梶五月子(かじめいこ)にあったのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2014-06-17
11巻は、新キャラの梶を中心に物語が展開します。
彼女は38歳の教師でありながら、妙な色気とドジっ娘のコンボから生じるラッキースケベが男子生徒たちの心を鷲づかみにしています。とくに、熟女好きのDX団メンバー・富士川は梶に本気で恋をしていました。
ところが、タイムスリップ先の未来では青島と梶が結婚しており、富士川は失恋のショックで出家しているという状況に。青島はどうにかして富士川と梶をくっつけようと行動を起こします。これをきっかけに、彼の中で消えかかっていた我妻さんへの思いが再燃するのでした。
梶が見せる破壊力抜群のラッキースケベと、久々に見られる胸アツな展開は必見です!
3年生になった青島。「我妻さんと付き合ったことがある」という理由だけで、後輩からバレー部のキャプテンに推挙されます。しかし、新顧問の関(せき)が、バレーの下手な青島がキャプテンをすることに難色を示すのです。
我妻さんの見ている前で引き受けた手前、青島は引き下がれません。そんな彼に、関は「侵入部員を12人確保すれば認める」と、難題を課すのでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2014-08-16
12巻では、青島がキャプテンとして奮闘!
キャプテンとして承認される条件である部員集めに苦戦します。しかし伊富がマネージャーになり、なかなか入部してくれなかった有望な新入生を入部させたことなどが評価され、晴れてキャプテンとなるのでした。
そこからバレー部は一気に活性化。青島は部員たちから厚く信頼されるようになっていきます。その一方で、我妻さんとの距離は疎遠になっていくばかり……。
我妻さんとの関係も気になりますが、一方でバレー部のマネージャーになっていた伊富が、再び青島にアプローチ!どちらにするのかハラハラする展開が見られます。
青春度と衝撃度の高い内容となっていますので、ご期待ください!
部活を引退し、進路指導を受ける青島。ところが、担当の関が、いきなり青島がタイムスリッパーだと言い当てます。実は彼もまたタイムスリッパーで、青島と違って、能力を自在に使えるのです。
そんな彼が青島に告げたのは、青島と我妻さんが結ばれる可能性がなくなったことと、我妻さんが若くして命を落とす運命にあるということでした。
- 著者
- 西木田 景志
- 出版日
- 2014-10-17
最終巻となる13巻では、我妻さんの死の運命を変えるために、青島が全力を尽くします。
関のタイムスリップ能力によって、獣医になる夢を叶えた我妻さんが希少動物保護のボランティアでアフリカに渡り、マラリアによって死亡してしまうことが発覚。彼女のアフリカ行きを阻止すべく、青島はタイムスリップ先でいろいろと手を尽くしますが、何をやっても止めることができません。
万事休すの状況で、青島はタイムスリップ以外のある手段に出ます。それは青島にとって一世一代の賭けです。
その賭けに勝つことを信じ、必死で努力する青島の姿に心を揺さぶられ、本作を象徴するラストに、きっと涙することでしょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!