『北斗の拳』で有名な原哲夫のSF漫画『CYBERブルー』を、完全リメイクした本作。作画も含め手がけるのは、漫画版『戦国BASARA4』や、泣けるサッカー漫画『U-31』などで知られる吉原基貴が担当。ストーリーやキャラクター設定にもアレンジが加えられるなど、新たな世界を堪能できるリメイク版です! 今回は、全4巻分の魅力を徹底紹介!ちなみにスマホアプリで無料で読めるので、ご自身でその魅力をご覧いただくのもおすすめです。
近未来、人類は地球を旅立ちます。そして人類が降り立った惑星ティノスを舞台に、ロボットと融合し、究極の生命体となった少年が腐った行政や悪党に立ち向かっていく、SFアクション漫画です。
原作となっているのは、SF版『北斗の拳』とも言われている原哲夫のSF漫画『CYBERブルー』。本作はその完全リメイク版になります。リメイク版ということで原作の魅力を守りつつも、ストーリーやキャラクターにはアレンジが加えられ、新たな世界を楽しむことができます。
今回は、そんな新たなる『サイバーブルー 失われた子供たち』の魅力を、あらすじも含めてご紹介!続編を含め、スマホアプリで無料で読むこともできるので、そちらからご自身でこの作品の面白さを体感いただくのもおすすめです!
A.D.21××年――開拓(フロンティア)を求めて宇宙へ旅立った人類が降り立ったのは、地球からもっとも遠い宇宙にある赤い惑星・ティノスでした。しかし、そこは人類が生身の体で生きていくには過酷過ぎる環境――人類は生命維持装置を付けることで生き延びることに成功しました。
- 著者
- ["吉原 基貴", "原 哲夫"]
- 出版日
- 2011-05-20
惑星ティノスへと降り立った人類でしたが、そこでは生命維持装置を装着しなければ生き延びることができませんでした。そんな過酷な惑星の中で生きているブルーは、あっさりと人を信じて金をだまし取られるなど、お人よしな少年。しかし第1巻の序盤、生命維持装置を管理する星府に反発したことで1度は殺されてしまいます。
しかし、そんな彼を助けたのは1人のロボット・ファッツ。ファッツは、300年前にティノスへとやってきたロボットでしたが、その時からずっとプログラムに従い生き延びてきた存在です。ひょんなことからブルーのことを気に入ったファッツは、殺されたブルーと自らを融合します。結果、ブルーは究極の生命体・サイバービーイングとして蘇ったのでした。
自分を殺した相手でもある腐った星府や悪党をやっつけていく展開は、SF版「北斗の拳」と呼ばれるのも頷けます。悪党をやっつけてスカっとするだけでなく、ギャグもあって笑いながら読むこともできるでしょう。
主人公のブルーは、ロボットと融合した後は、お人よしの少年から筋肉隆々のオレ様系になっていきます。原作である原哲夫版では、ダークヒーローなイメージですが、リメイク版ではイケメンで王道のヒーローといった雰囲気かもしれません。ストーリーも少しずつ原作と違うので、原作を知っている方でも新たな展開も期待しながら読むことができるでしょう。
ファッツと融合し、究極の生命体・サイバービーイングとして蘇ったブルーでしたが、彼の持つ究極の生命維持装置を狙った星府に狙われることになってしまいました。彼を倒すために星府が放ってきたのは、狼と人を融合させたバイオビーイング。しかし、それにはある非道な秘密が隠されていて……!?
- 著者
- ["吉原 基貴", "原 哲夫"]
- 出版日
- 2011-11-19
ファッツと融合することで究極の生命体・サイバービーイングとして生まれ変わったブルーは、自分を殺した星府や悪党など、弱い者を食い物にしているヤツらとの戦いに身を投じていました。しかし彼の持つ究極の生命維持装置「新世代生命維持装置」に目を付けた星府の権力者・クリフによって放たれた刺客との戦いを余儀なくされてしまいました。
その刺客とは、狼と人を掛け合わせたバイオビーイング、キメラ・ウルフ。しかし、その正体は、家族のために実験体となった少年でした。そのことを知ったブルーは、刺客との戦いに苦戦してしまいます。弱い者のために自らが傷つくのも厭わない彼の戦いは、ハラハラしないで読むことはできません。
また同時に、ブルーを倒すために子供が犠牲になっているなど、敵側の事情にも心打たれるものが多くあります。行動をともにするようになった美女・ローズも加わり、ますます今後の展開が気になる第2巻です。
星府の本部である星府軍都市区へと、たった1人で乗り込んだブルー。そこで待ち受けていたのはクリフ、そして精鋭部隊隊長であり星府最強の男・ジン=サイクスでした。全ては惑星ティノスのため、正義は星府にあると信じるジンでしたが、彼にはどうやら隠された過去があるようで……!?
- 著者
- ["吉原 基貴", "原 哲夫"]
- 出版日
- 2012-05-19
究極の生命体・サイバービーイングとして生まれ変わったブルーは、その動力源として新たな生命維持装置を持っていました。それこそが「新世代生命維持装置」。そんななか星府の権力者であるクリフから「新世代生命維持装置」を狙われることになってしまった彼は、その非情かつ非道な星府を倒すために単身、星府軍都市区へと乗り込むことになります。
そこで待ち受けていたのは、ジン=サイクスという男でした。ジンは、弱者を守り惑星ティノスの未来のために戦うことを信念とした、星府軍最強と言われる、正義感に溢れた男です。星府こそが正義であり、そのために戦うことが弱者を守り、そしてティノスの未来を救うことだと信じています。つまり、ブルーとの戦いにも一切迷いはありません。
敵とはいえ、それぞれの正義や人生があり、それらが描かれていると、キャラクターはとても奥深い魅力を持つということが感じられる、注目の人物です。
そして、このジンは、ローズの過去を知っている様子。
敵キャラクターに魅力があるからこそ、これからの戦いの展開へのドキドキ感も増していくというものです。ジンがこの戦いを経てどう変わっていくのか……戦いの行方は次巻へと続いていくので、先が気になる方は3巻と4巻、合わせて用意しておくのもよいかもしれません。
星府軍最強の男・ジンとの戦いに追い詰められていくブルー。しかし、その流れを変えたのは1人の女の「心」と「生命」でした。再び立ち上がったブルーは、蘇っただけではなく、新たな力を手に入れていて……!
- 著者
- ["吉原 基貴", "原 哲夫"]
- 出版日
- 2012-09-20
自らの正義のため戦いに身を投じていたジンでしたが、戦いの中で、人の心をくみ取ることや、またローズ達の想いに気が付き、初めて自分の正義に迷いを感じ始めていました。
しかし、そんなジンに対しクリフは、さっさとブルーを倒し、「新生代生命維持装置」を奪えと命令をします。その時、ジンが取った行動は……と、ここはぜひ本編を手に取って実際に確認してみて頂きたいところです。自分の正義を貫くあまりに何も見えていなかったジンが、戦いを経て変わっていく様子に胸が熱くなる方も多いはず。ぜひじっくりと読み込んでみてください。
また、ブルーの前に立ちはだかるのは、ジンだけではありません。人体実験によって生み出されたバイオビーイングとの戦いも、ぜひ注目したいところです。バイオビーイングそのものに悲劇性を感じられ、奥深い戦いを読むことができるでしょう。
戦いの行方、そして惑星ティノスの未来がどういうものになるのか、ぜひ手に取って確認してみてください。『サイバーブルー 失われた子供たち』自体はここで完結ですが、続編として「クロスバトラーズ」という作品も刊行されており、こちらもスマホアプリで無料で読むことができます。興味がある方はぜひ、そちらもチェックしてみてくださいね。
いかかでしたか? 原作である原哲夫版よりも絵柄がやや現代的だったり、ストーリー自体もアレンジが加えられたりと、新たな楽しみを発見することができるでしょう。同時に、原作の魅力もバランスよく取り入れられているので、原作を知っている方も知らない方もぜひ読んでみてください。