人と人の間を掴む本【住岡梨奈】

女ともだち

女ともだち (文春文庫)

著者

["村山 由佳", "坂井 希久子", "千早 茜", "大崎 梢", "額賀 澪", "阿川 佐和子", "嶋津 輝", "森 絵都"]

出版日

2018-03-09

女性作家8人がそれぞれ“女ともだち”をテーマに描いた短編集です。同じ女としてこれは読んでみたい！と思い、購入しました。

社会人になって学生時代からの友人と疎遠になってしまったり、仕事仲間から友達になるために悪戦苦闘したり、はたまた親友だと思っていた人が実は裏切り者……!?と、ワクワク、ハラハラ、ドロドロ〜な要素が散りばめられています。この本を読めば、女友達の平和な関係などこの世に存在しないのかもしれない……と、ある意味腹を括るよいきっかけになるかもしれません（笑）。 ゾッとするような物語もあるので、怖いもの見たさな気持ちがある方はぜひ、おすすめです！

と言いつつ、問題を乗り越えたからこそ築けた関係を見せてくれる物語もあるので、自分の目で様々な“女ともだち”を見つけてみてください。ちなみに私は一番最後の「獣の夜」が好きでした。

東京のほっとなお茶時間

東京のほっとなお茶時間

著者

茂木雅世

出版日

2018-04-14

この本では、美味しい日本茶を味わえる空間と癒しの時間を提供してくれる東京（近郊含む）のお店が紹介されています。お店の情報以外にも、お茶の種類や日本茶の品種、日本茶のおいしい淹れ方についてもわかりやすく書かれているので「あまり詳しくないので何をどう飲めばいいのかわからない……」という方には持ってこいの1冊です。

というのも、以前から私は著者の雅世ちゃんと親しい仲であり、“日本茶アーティスト”と名乗る彼女は私に急須で淹れるお茶の魅力を教えてくれた張本人なのです。身近な存在だからこそ、彼女の言葉の丁寧さ、物腰のやわらかさが冒頭から巻末まで感じ取ることができ、隅々まで心がこもっているのが伝わってきます。彼女の人柄の良さと、急須で入れる日本茶の良さを皆さんにもぜひ知っていただきたいです！

大切に大切にお茶を淹れてもらうと、飲む時心にしっかり届いて満たされていく感覚になります。その温かさに気持ちを委ねられるのが、日本茶の良いところ。

一人でも、誰とでも、過ごしている時間をゆったり味わいに、気になったお店へ足を運んでみてくださいな。

永遠のおでかけ

永遠のおでかけ

著者

益田 ミリ

出版日

2018-01-26

「また益田ミリ！」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうですね。益田ミリさん、3冊目のご紹介です！（思ったほど多くはなかったでしょうか？）

今回は漫画ではなく、今年の1月に出版されたエッセイ本です。

はじまりは作者の叔父が亡くなったことから。その後、父親が体調を崩し死に至るまで、他界後の手続き、母とのやりとりなど、いくつもの場面が少しずつ時間をかけて触れていくように綴られていました。生きていれば誰にでも訪れる悲しい出来事について、こうして作者が作品として形にしてくれたおかげで、自分の中でも考える時間ができたように思います。だからと言ってこれを機に自分の父にとことん優しくできるかというと別の話ですが（笑）。

それはそれとして、『永遠のおでかけ』は、苦い出来事も思い出としては悪くないのかもしれないと思わせてくれます。「思い出の中ではいつでも会いに行けるから」と、悲しいけれど寂しくはないようにしてくれているのかもしれません。会えなくても関係は続いているのです。

そのためには忘れない努力を！

今回紹介した『東京ほっとなお茶時間』の作者・茂木雅世さんとのライブ企画が決定！
住岡梨奈のライブと、茂木雅世さんが淹れる日本茶をお楽しみください。

■Sumioka PLUS＋ vol.1 ～和みの時間～
2018年6月23日（土） 東京・#802 CAFE&DINER 渋谷店
開場13:00／開演14:00
チケット料金：￥4,000（税込） ※1ドリンク（日本茶）付き
ゲスト：日本茶アーティスト･茂木雅世
チケット予約受付URL：http://www.sma-ticket.jp/artist/sumiokarina