5分でわかる『不思議の国のアリス』!あらすじ、映画との違いなどを紹介

更新:2018.7.7 作成:2018.7.7

ルイス・キャロルが書いた『不思議の国のアリス』は、世界中の国々で愛される作品です。100年以上経過した今でも、不屈の名作として読みつがれています。2016年には、有名な映画監督であるティム・バートンによって、「アリス・イン・ワンダーランド」として、映画化され、人気俳優であるジョニー・デップが主演を務めるなど注目を集めました。 この記事では、そんな小説『不思議の国のアリス』のあらすじなどについて詳しく紹介していきます。なお、ネタバレも含みますのでご注意ください。

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『不思議の国のアリス』のあらすじの内容を紹介!

 

『不思議の国のアリス』は、ファンタジー文学であり、その内容からか「怖い」「ホラー」などと言われることもある作品です。

また、不思議の国において、主人公であるアリスは、薬を飲んで大きくなったり小さくなったりします。余談ではありますが、このエピソードにちなんで「不思議の国のアリス症候群」と命名された症状があります。

ふしぎの国のアリス症候群は物の見え方に異変をきたす症状です。子供に多く見られ、知覚した外界のものの大きさや自分の身体の大きさを正しく認識することができなくなります。具体的な対処法も現在の医療では明確となっていません。

 

著者
ルイス・キャロル
出版日
2010-02-25

 

そんな一見怖くて不思議な小説であるように感じられる本作のあらすじは以下の通りです。
 

ある日、物語の主人公であるアリスは、お姉さんと一緒に本を読んでいました。本を読みながらぼーっとしていると、服を着た白いウサギが慌ただしい様子で走っていく様子を目にします。

そのウサギは、「もう間に合わない!」と人の言葉を喋りながら走っていくのです。そんなウサギに興味を覚えたアリスは、そのウサギを追って穴の中へと入っていきます。

穴の中に入ると、そこは広間になっていました。彼女はウサギを見失ってしまいます。怖くなったアリスが泣いていると、涙が池となって彼女はその池に落ちてしまいました。

池に落ちたアリスは、ドードーらと出会い、コーカスレースという競技に出場することになります。それからまた白いウサギに出会って、大きくなったり小さくなったりします。

アリスは、森にいたイモムシに教えてもらい、キノコを齧ることで、自分の身体の大きさをちょうどよいサイズにしていました。

アリスは、その後もチャシャ猫と出会ったり、帽子屋と三日月ウサギと一緒にお茶会に参加するなどします。

物語の最後に、アリスは、「アリス起きなさい」という声で目を覚まします。目を覚ますと、アリスははじめの木の下にいて、お姉さんも一緒でした。アリスはお姉さんの膝の上で寝ていただけだったのです。

今までみていた夢が忘れられなかったアリスは、お姉さんに覚えている限りの物語を精一杯伝えるのです。

 

作者、ルイス・キャロルとは?

『不思議の国のアリス』を書いたルイス・キャロルはペンネームで、本名をチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンと言います。イギリスの作家、数学者、写真家、理論家、詩人として活躍しました。アマチュアの写真家としても高い評価を受けています。

ルイス・キャロルは、昔から吃音を患っており、幼女と本を読んだり遊んだりするのが好きでした。『不思議の国のアリス』において主人公として登場するアリスは実在の少女をモデルとしており、ルイス・キャロルは彼女を気に入り、楽しませるためにアリスシリーズの本を制作したと言われています。

『不思議の国のアリス』の登場人物を紹介!

ここでは簡単に登場人物について紹介していきましょう。

  • アリス
    物語の主人公で、白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込んでします。
  • 白うさぎ
    アリスを不思議の国へと導いた、服を着て言葉をしゃべることができる白いウサギ。
  • たまご(ハンプティ・ダンプティ)
    鏡の国に迷い込んだアリスに対して、偉そうな物言いで言葉についての様々な解説をおこなう卵。
  • ねこ(チシャ猫)
    常ににやにや笑っており、会話が出来る猫。また、自身の身体を消したり出現させたりすることができる不思議な特徴をもっています。

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原作と映画の違いを考察!

著者
森 はるな
出版日
2010-11-27

本作は「ふしぎの国のアリス」としてディズニー映画ともなりましたが、ディズニー映画では、『不思議の国のアリス』とその続編である『鏡の国のアリス』という2つの作品がミックスされています。

そのため、原作と映画では多少の違いがあり、とえば、不思議の国は夏の物語である一方で、鏡の国は冬の物語として描かれた内容です。そして、不思議の国では、アリスはウサギを追いかけて不思議の国に入っていきましたが、鏡の国では、鏡の中に入っていくことになります。さらに、不思議の国のアリスには、ハートの女王がおり、トランプがモチーフとなっていますが、鏡の国では、赤の女王がおり、チェスがモチーフとなっています。

映画版ではそんな違いのある『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』で描かれた話が混ざっており、ほうき犬のような原作に登場しない映画のオリジナルキャラクターも登場。

また、キャラクターの絵を映画版と原作の挿絵で比較してみると、映画版の方がかわいらしく、親しみやすい絵柄で描かれています。なかでも、アリスが不思議の国に迷い込むきっかけとなったうさぎに関しては、原作に比べて登場シーンも多く、うさぎという特に愛着のもたれやすいキャラクターにスポットが当たっていることが分かります。

このことから、原作の世界観は壊さないままに、大衆に受け入れられるアレンジが加えられていることが分かりますね。

『不思議の国のアリス』の続編!『鏡の国のアリス』とは?

著者
ルイス・キャロル
出版日
2010-02-25

ある寒い夜、暖炉の前で猫と遊んでたアリスは、暖炉の前にあった大きな鏡をすりぬけて、鏡の世界に入ってしまいます。

この鏡の世界では、チェスの駒がたくさんおり、また彼らには彼女の姿がみえていません。彼女は、見えないのをいいことに駒をからかって遊んでいますが、そのうちに鏡文字でないと読めない本を発見します。

そのまま鏡の国から出て丘の上に登ろうとするアリスですが、何度行っても元いた場所に戻ってしまいます。そんなことを繰り返しているうちに、花壇にたどり着いた彼女。

アリスは、そこで赤の女王に出会います。彼女は赤の女王に追いつくため、道を反対に登って丘にたどり着きます。丘から景色をみると、その世界全体がチェス盤のようになっていることが分かり、女王の助言によってアリスもチェスに参加することとなるのです。

チェスの駒となったアリスは、ヤギやカブトムシ、大きな蚊とともに列車に乗っていろいろな動物たちに出会うことになります。

最終的にアリスは自分の頭に冠が乗っていることに気づき、いつのまにか自分が女王になったことを知ります。両隣には赤の女王と白の女王がいますが、変な質問ばかりをされるばかりか、出された食事も説明されるばかりで、食べることができません。

気がつくと、相変わらず暖炉の前に自分がおり、アリスはこれが自分の夢なのか、赤の王の夢だったのか自問して、物語は幕を閉じます。

前作がトランプをモチーフにしていたのに対して、こちらの作品ではチェスがモチーフになっています。また、マザーグース(英米の童話)からの引用やキャラクターの登場があったり、ナンセンスなギャグがちりばめられて至りと見所が満載です。ファンタジーなら前作を、シュールさならこちらがオススメです。

『不思議の国のアリス』の名言・名シーンをランキングで紹介!

『ふしぎの国のアリス』の名言・名シーンを紹介します。

 

4位:「どこに行きたいかわからないなら、どの道を選んだってそこにたどり着けるんだから。」

Alice: What road do I take?
Cheshire Cat: Well where are you going?
Alice: I don't know.
Cheshire Cat: Then it doesn't matter. If you don't know where you are going, any road will get you there. (『Alice's Adventures in Wonderland』より引用)

アリス「道を聞いてもいい?」

チシャ猫「どこにいきたいかによるけど?」

アリス「どこに行きたいか、わからないの」

チシャ猫「ならどうでもいいよ。どこに行きたいかわからないなら、どの道を選んだってそこにたどり着けるんだから。」

アリスがチシャ猫に道を訪ねたときに、チシャ猫が応えた言葉です。人生も同じですね。

3位:「なにごとにも教訓はありますよ。問題はただ、それを見つけるかどうかということよ。」

Everything’s got a moral, if only you can find it.
(『Alice's Adventures in Wonderland』より引用)

こちらは公爵夫人の台詞です。教訓とは、自分で見つけるものであることを思い出させてくれます。

2位:「みなが自分ことだけを考えて、人のことに口出ししなけりゃ、この世は今よりずっとうまく行くものよ」

When everyone is doing his thing neatly without doing the busybody of the person, 
it’s much faster than an age and now, 
it would turn around.
(『Alice's Adventures in Wonderland』より引用)

この台詞も公爵夫人の言葉です。自分の周囲の小さな世界でも愛を持ち、人に余計な口出しをしなければ取り巻く環境はずっとうまくいくということを表した台詞です。


 

1:「世界を動かすものは、ほかならぬ愛である」

Oh ’tis love ’tis love that makes the world go round
(『Alice's Adventures in Wonderland』より引用) 

ゲームに参加しているみんながズルをしたり、喧嘩をしていたのに、今はゲームがうまくいくようになったとアリスが言うと、公爵夫人は、「世界を動かすものは、ほかならぬ愛」であると答えました。
 

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『不思議の国のアリス』の結末をネタバレ解説!

著者
ルイス・キャロル
出版日
2010-02-25

『不思議の国のアリス』は、主人公であるアリスが夢の国の中に迷い込んでしまい、夢の国の中で様々な特徴あるキャラクターと出会う物語です。そして、『不思議の国のアリス』は、はじめと終わりには、必ずアリスのお姉さんが出てきます。

このお姉さんが、アリスが夢の中の世界から現実の世界へと連れ戻してくれる役割を担っています。

話としてはいわゆる夢オチ。今ではよくある結末ですが、1865年の出版当時はまだ馴染みがなく、夢オチの原点ともいえるであろう作品です。

また、物語が終わったその後、お姉さんが思うところが述べられています。

お姉さんは夕日を見ながら、アリスのことを考え、アリスからきいた不思議な冒険のことを考えます。そして、アリスはこれからどうなっていくのかを考えるのです。

アリスの物語が終わった後に挿入されているこの言葉は、作者であるキャロルが物語を書き終えて物思いにふけっている内容が書かれています。アリスは実在する人物ですから、不思議の国のアリスを書き終え、キャロルがアリスに対して物思いにふけっているのです。

実際、不思議の国のアリスは、アリスという実在の人物のために書かれた物語と言えます。

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不思議の国のアリスは、児童文学の新しい地平を切り開いた作品として高く評価されている作品です。

不思議の国のアリスとその続編である鏡の国のアリスは、純粋に子どもを楽しませるために書かれていました。読み手である子どもを自分と対等な存在として扱い、これまでの児童書としての体裁から離れて、わかりやすい物語の流れの中に長い多音節の単語や難しい概念を積極的に取り込んだ作品として文学史上も非常に重要な作品と位置付けられています。

大人になってからも楽しめるので、ぜひ原作を読んでみてくださいね。