相田みつをのおすすめ書籍5選!「にんげんだもの」など名言多数の作品たち

更新:2018.7.26 作成:2018.7.26

独特の書体と詩で有名な相田みつを。カレンダーやグッズなどにも起用され、その作品を見たことがある人も多いでしょう。この記事では、代表作である詩集『にんげんだもの』を含め、おすすめの書籍を厳選してご紹介していきます。

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相田みつをとは

 

1924年、栃木県生まれの相田みつを。中学生の頃から、書や絵画、短歌などに親しんできました。歌人の山下陸奥に師事した後、1943年から本格的に書家を志します。

書における最高峰の賞である「毎日書道展」に7年連続で入選するなど、技巧派の書家として高評価を得ていました。やがて専門家でないと理解しにくい業界に疑問を抱き、書と詩の融合を考えるようになります。

30歳のころに、短く平易な言葉を、型にとらわれない独特の書体で表す作風を確立させました。

転機となったのは、1974年に宗教家の紀野一義が自著『生きるのが下手な人へ』のなかで相田みつをを紹介したこと。その後1984年に発表した詩集『にんげんだもの』がミリオンセラーとなり、一躍有名になりました。

彼の描く書と詩は、シンプルでありながら人間の奥深さを訴えるものとして、長い時を経ても愛され続けています。

手元に置いておきたい相田みつを作品『生きていてよかった』

 

「むりをしないで なまけない  わたしは弱い人間だから」(『生きていてよかった』より引用)

「いちばん書きたかったことが、いちばん自由に書けた」と著者自身が後に語ったといわれている詩集です。魂からにじみ出た言葉のひとつひとつが心に染み入ります。

大型本や単行本の多い相田作品ですが、本書は文庫版が発売されているので手軽に持ち運ぶこともできますし、相田みつをの入門書としてもおすすめでしょう。

著者
相田 みつを
出版日
2003-06-01

 

「そのうち そのうち べんかいしながら日がくれる」(『生きていてよかった』より引用)

難しい言葉は使われておらず、その内容もともすれば当たり前のことなのに、読んだ人の胸にずっしりと響くのは、おそらくそれが物事の核心をついているからでしょう。

本書では収録されている作品のひとつひとつに解説がついていて、シンプルな言葉の字面からはなかなか読み解けない、その言葉を使うにいたった本質がわかる構成になっています。

壁にぶつかった時や落ち込んだ時にたびたび読み返し、励まされている読者が多い作品です。プレゼントとしてもおすすめの一冊でしょう。

エッセイと未収録作品を加えたベスト盤『相田みつを ザ・ベスト 一生感動一生青春』

 

「相田みつをザ・ベスト」シリーズの第1弾で、やわらかく優しい口調で語りかけるエッセイと、いくつかの書を見ることができます。

巻末には相田みつをの息子で、美術館の館長も務めている相田一人が、父の魅力について語っています。

著者
相田 みつを
出版日
2011-07-23

 

「感動とは 感じて 動く と書くんだな」(『相田みつを ザ・ベスト 一生感動一生青春』より引用)

相田みつをは10代のころ、曹洞宗高福寺の武井哲応という人物と出会い、禅を学んでいます。彼がつむぐ言葉は、実は仏教の教えが背景にあり、豊富な人生経験を経て選び抜かれた言葉なのです。

だからこそ読者もその言葉に心を動かされるし、彼の模倣をしようとしてもそう簡単にはできないのでしょう。

作品が生み出された背景に迫る『相田みつを 肩書きのない人生』

 

ベストセラーとなった初めての詩集『にんげんだもの』の発表から30年を記念して発表された作品です。

息子の相田一人が同書の背景に焦点をあわせて、父親である相田みつをの生き方と作品群を解説付きで紹介しています。

著者
相田 みつを
出版日
2014-05-30

 

相田みつをの詩は、その書を見るべきだとよくいわれます。本書では異なる年代で書いた同じ詩の書体を比較紹介。年齢を重ねたために出る違いを知ることで、相田が何を表現したかったのか、どのような魂が込められているのか、感じとることができるでしょう。

言葉だけでなく、書自体がもつエネルギーを存分に体感できるはずです。

また、ゆかりのある品々の写真やエピソードを相田みつを本人が紹介。多方面から彼の人物像を掘り下げられる一冊でしょう。

いわさきちひろとのコラボ絵本『みんなほんもの』

 

教育に関して強いメッセージを発信している作家や詩人が手掛ける「絆」シリーズの第2弾。本作は相田みつをと絵本作家のいわさきちひろがタッグを組んでいます。

対象としているのは、「お母さん」。疲れたり悩んだりしたときに、心を癒してくれる作品です。

著者
["相田 みつを", "いわさき ちひろ"]
出版日
2008-08-29

 

「トマトがねえ トマトのままでいれば ほんものなんだよ
トマトをメロンにみせようとするから にせものになるんだよ
みんなそれぞれに ほんものなのに 骨を折って にせものになりたがる」(『みんなほんもの』より引用)

いわさきちひろと相田みつをが出会い、命の大切さを優しい言葉と透明感のある絵で伝える素敵な作品になっています。お互い示し合わせたかのような絶妙なコラボレーションですが、実は2人は生前に交流がなかったそう。両者の息子たちが強力して実現した企画です。それなのにまるであつらえたかのようにマッチをしていて、その完成度の高さにも驚くでしょう。

ちなみに「絆」シリーズは、親子の心をつなぐことを目的に刊行されていて、売り上げの一部は世界の子どもたちのためにユニセフに寄付されています。命の尊さや、子どもに対する愛情に胸がじんわりとあたたかくなる一冊です。

相田みつをの代表作『にんげんだもの』

 

1984年に刊行された『にんげんだもの』。相田みつをの初詩集で、ミリオンセラーを果たし話題になりました。30年以上が経っても増版を重ねていて、世代を超えて多くの人に親しまれています。

相田が本作を発表したのが、60歳のとき。生きる力を与える彼の言葉と書は、心に響く名言ばかりです。

著者
相田 みつを
出版日
1984-04-15

 

「つまづいたって いいじゃないか にんげんだもの」(『にんげんだもの』より引用)

いつ読んでも決して色あせることなく、みずみずしく人間の心理を表している言葉たちが収められています。その内容は仏教の教えの根本にある道理のようなものも多く、説教じみているわけではないのに、一種の教訓として読者の心に染み入ってくるでしょう。

おそらくそれは、相田みつをの書の力があるから。「上手い」「下手」の次元を超えた、感情を含んだエネルギーの塊として、見る者の目に飛び込んできます。

人生のなかで大切な本のうちのひとつとしている人も多く、多くの人を救っている作品です。

相田みつをは1991年12月17日、『にんげんだもの』の出版からわずか7年後に67歳という若さで永眠しました。実は大変気性の荒い人で、作品づくりにも一切の妥協を許さない人物だったそうです。そんな彼が絞り出した詩と、試行錯誤をくり返したといわれる書は、私たちの心の中にこれからも生き続けるでしょう。