小説「本好きの下剋上」の魅力を全巻ネタバレ紹介!アニメ化が待たれる傑作!

更新:2021.5.30

本が大好きな女子大生、本が存在しない異世界へ転生!? 本のない世界でゼロから本を作るという、これまでにないモノ作り異世界転生小説「本好きの下剋上」は、「ビブリア・ファンタジー」として人気を博しました。漫画化もされ、2020年4月からはアニメの第2期が放送されました。 今回の記事では、そんな本作のあらすじや見所をご紹介しましょう!

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「本好きの下剋上」とは?テレビアニメ化決定!!

本作は、小説投稿サイト「小説家になろう」で連載され、2015年に書籍化されて以降、「このライトノベルがすごい!」で1位を獲得。表紙や挿絵などはイラストレーターの椎名優が担当しており、漫画化やドラマCD化などのメディア展開もされるなど高い人気を誇っています。

さらに2019年3月にはテレビアニメも放送!キャストには井口裕香、速水奨、中島愛など人気声優が抜擢されています。アニメ版も人気を集め、2020年4月には2期が放送されました。

ちなみに、正式タイトルは『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません』。

いわゆる異世界転生ものですが、作風としては少女小説寄り。中世ヨーロッパ風のファンタジーな世界と、主人公の少女がゼロから本を作るというモノ作りをメインにした内容となっています。

またタイトル通り、庶民の娘として生まれた少女が、紆余曲折の末に「下剋上」していく成長物語でもあり、気持ち良く読むことができるでしょう。

ファンタジーな世界観を楽しみたい方や、モノ作りをテーマにした作品を読みたい方には、まさにピッタリな作品です。

「本好きの下剋上」第一部 兵士の娘Ⅰ

本須麗乃(もとす うらの)は、死ぬほど本が大好きな、読書狂の女子大生。念願叶って図書館で働けることになりましたが、そうと決まった、まさにその日。地震で落ちてきた本の下敷きになって死んでしまういます

もっと本が読みたかった……と嘆く彼女が気が付いた時、なんと異世界で小さな女の子になっていて……!?

著者
香月美夜
出版日
2015-01-25

 

本が大好きで仕方がない麗乃。しかし、図書館で働くと決まったその日に死んでしまい、異世界の少女・マインに転生します。しかし、その世界には、文字を読める人がほとんどおらず、そもそも本というものがない世界でした。

読書狂の意識を受け継ぐマインは、本がない世界に耐えられません。そこで思いついたのが、本がないなら作ればいい!ということ。しかし、その異世界は中世ヨーロッパくらいの生活水準で、彼女も下町に暮らす兵士の次女であり、家も決して裕福な環境にはありません。

そのうえ、彼女自身は病気がちの女の子。本を作るといっても、紙もなければ、そもそも文字を書くことすらままならないのです。

それでも彼女は諦めず、幼馴染の少年・ルッツの手も借りながら、あらゆる方法で本を作ろうと奮闘します。本巻では、何とか紙を作れるか……!?というところまでこぎつけて終了。

本作りどころか、ようやく紙を作れるのかというところまでで1巻分使ってしまうなんて、前途多難な幕開けではありますが、だからこそ続きも気になります。

異世界で、文字通りゼロから本を作る女の子が活躍する本作。他の異世界転生ものとは一線を画する物語の序盤を、ぜひ手に取ってみてください。

 

「本好きの下剋上」第一部 兵士の娘Ⅱ

 

ようやく本格的に紙作りに取り掛かることにした、マイン。しかし紙を作るためには、当然のごとく材料と道具が必要でした。

彼女は道具を調達するため、字の先生でもあるオットーの家へ向かうのですが……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2015-02-25

本が大好きなのに、本のない世界に転生してしまった彼女。大好きな本を作るため、まずは紙作りから取り掛かることにしました。

彼女のいる世界では、ほとんどの人が文字を読み書きできないので、当然、本も普及していません。だからこそ本を自ら作ろうとしているのですが、そのためにも彼女自身が字を書けるようにならなければなりませんでした。そのため、書類作業を生業にしていて、文字の読み書きのできるオットーに習っていました。

今回は、そんなオットーに、紙作りのための道具の調達に協力してもらうことになります。そしてルッツが、正式にマインの世話係になりました。

2人ともまだ幼い子供ですが、マインに関しては前世の記憶があるので、大人びた言動が目立ちます。そんな彼女をルッツは不思議に思うのですが、虚弱体質なマインにとって彼は必要不可欠な存在でした。

ルッツは商人見習いの子供ということもあり、とても働き者で、紙作りでも活躍します。そして、そんな彼は本巻でマインの秘密を知ることになるのですが、その時に取った行動が、6歳ながら男っぽくて、なんともカッコイイ。ぜひ注目してみてください。

また本巻は、本編の他に短編が2編収録されています。Webにはない書籍オリジナルの話もあるので、こちらも要チェックです。

「本好きの下剋上」第一部 兵士の娘Ⅲ

 

病弱な体に苦しんでいるマイン。彼女を苦しめているのは、「身食い」と呼ばれる病気でした。この病気を患う子供は、短命を受け入れるか、生き延びるために貴族に頭を垂れるかの選択をしなければならず……。

 

著者
香月美夜
出版日
2015-06-25

 

生まれつき病弱な彼女。その病気は、庶民の間では「生まれつきの病」とされていましたが、正体は「身食い(みぐい)」というもの。「身食い」とは、己の体の中にある魔力が体の許容量を超えてしまうことで、体が破壊されてしまう状態のことです。

これを持った子供は7歳になる前に死んでしまうとされていますが、助かる方法もありました。それは、溜まってしまった魔力を魔術具などの道具に移すこと、自らの精神力で魔力を抑えこむこと、そして魔力を必要としている貴族と契約して従うことでした。

しかし、子供が精神力で魔力を抑えこむことは難しいため、彼女が生き残るために残された道は、道具を使うか、貴族に従うかの2つだけ。

とりあえずは同じ身食いを患う少女・フリーダの持っていた道具のおかげで命拾いしますが、それも持って1年。どちらも選択しなければ、残るは家族とともに過ごし、死ぬのを待つだけ……何より家族を大切に思うマインがどういう選択をするのか、ぜひ注目してみてください。

本作りに関しても、紙作りに成功したことで権利関係が発生するなど、前進をしている様子。しかし本巻は、やはりマインの行く末が気になる一冊といっていいでしょう。また、おまけの短編も収録されているので、そちらもチェックしてみてください。

 

「本好きの下剋上」第二部 神殿の巫女見習いI

 

神殿で巫女見習いとして働くことになったマイン。強い魔力を買われて、特例で見習いになりました。そこには夢にまで見た図書室が存在し、彼女にとってはまさに天国でした。

しかし、仕事は戸惑うことも多く……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2015-09-25

 

本巻より、第2部が始まります。前巻で、神殿には関係者しか見られない図書室があることを知り、巫女見習いになることを決めたマイン。神殿では、魔力を持つ貴族を集めていました。彼女は庶民でしたが、その魔力の大きさを買われて、貴族と同じ待遇で巫女見習いとして働くことが認められたのでした。

そんな事情があるので、彼女の周りは貴族ばかり。さらに庶民出身なのに貴族と同等の扱いを受けることで、彼女に辛く当たる人々も……。庶民である彼女にとっては、戸惑うことも多い生活でした。

主な舞台が神殿へと移ったことで新しいキャラクターも増え、ますます先が気になるところです。なかでも注目は、教育係となった神官長のフェルディナンド。見た目は水色の髪に、金色の瞳を持つ美しい男なのですが、スパルタで腹黒い一面を持っており、マインからは「マッドサイエンティスト」なんて呼ばれるほどです。

他にも、彼女の側仕えになるフランやギルなど、新しいキャラクターが続々と出てくるので、そこから生まれる人間ドラマにもぜひ注目してみてください。

 

「本好きの下剋上」第二部 神殿の巫女見習いⅡ

 

神殿で、巫女見習いとして働くマイン。本作りを初めてから2年、とうとう究極の本が完成しました。そこに、喜ぶ彼女のもとにさらなるよい知らせが!なんと、母が妊娠したとのことです。

彼女は、新しく生まれてくる赤ちゃんのために、絵本を作ろうと考えるのですが……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2015-12-25

 

第二部の2巻目、第一部から数えると5冊目となる本巻。本のない世界に転生してしまった読書狂が本作りを始め、ようやく本を完成させることができた記念すべき一冊です。マインはもちろんですが、ここまで読んできた読者にとっても、きっと感慨深いものがあるでしょう。

さらに嬉しいことは重なるものなのか、本の完成を待っていたかのように、彼女の母の妊娠がわかりました。彼女は、そのお祝いに絵本を作るべく動き出します。一方、見習い巫女としての仕事も忙しく、体の弱い彼女はいろいろと振り回されてしまいます。

そんな彼女の保護者的存在で、教育係なのがフェルディナンドです。本巻では、2人の絆を感じられるエピソードが描かれています。彼は読者からの人気も高いキャラクターなので、その活躍を見たい方は、ぜひ本巻をチェックしてみてください。

ゼロから作り始めた本作りが着々と進んでいく様子はもちろん魅力的ですが、庶民出身のマインが貴族と同じ場所で働き、身食いという命の危険とも戦いつつ、それでも前向きに頑張って成長していく姿に惹き込まれていきます。

成長の止まらない彼女が、そういった問題にどう立ち向かっていくのか、これからの展開に目が離せません。

 

「本好きの下剋上」第二部 神殿の巫女見習いⅢ

 

その魔力の大きさから、貴族に目を付けられることになってしまったマイン。神官長のフェルディナンドは警戒を強めますが、当の本人であるマインは相変わらず本作りに夢中で……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2016-03-25

 

前巻で、上級貴族・カルステッド率いる騎士団にその魔力の高さを見せつけたことで、彼女は貴族からの注目をより集めてしまいました。騎士団長を務めるカルステッドは、騎士として洗練された実力を持った赤茶の髪と青い瞳が特徴の男。彼は今後、彼女にとっても重要な立場になるので、注目しておきたいキャラクターです。

魔力の高さで貴族から注目されるようになったマインですが、魔力だけではなく、本を普及させるための印刷技術にも利用価値を見出す人物が現れるようになりました。魔力と印刷技術、両方を持つ彼女は、しだいに狙われるようになってしまいます。

その危険をいち早く察知したのがフェルディナンド。彼は彼女を守るため、神殿に彼女を匿うことにしました。

本巻では、家族と離され1人「冬籠り」をすることになってしまったマインのちょっと寂しい日常と、彼女のことを気に入らない人物達によるちょっとシリアスな事件も描かれます。全体的に少しシリアス気味な展開もあり、他の巻の雰囲気とは違う印象を受ける読者もいらっしゃるかもしれません。

二部は次巻で完結するので、ラストに向かっていよいよ動き出した、勢いを感じる一冊です。

 

「本好きの下剋上」第二部 神殿の巫女見習いⅣ

 

春の訪れとともに、マイン達は新しい家族の誕生に喜んでいました。しかし、そんな喜びも束の間、マインを良く思っていない神殿長の画策により、彼女の幸せな日常は壊されていき……。

 

著者
香月美夜
出版日
2016-06-10

 

第二部完結の本巻。彼女のことを嫌っている神殿長が、本格的に彼女を排除しようと動き出します。神殿長はもともと彼女の魔力にしてやられてしまったことをきっかけに、第二部が始まると同時にずっと彼女の敵役でした。

権力を笠に着て、金にがめついという典型的な悪キャラクターなので、彼の迎える最期は少々かわいそうなものではありますが、読者にとっては当然と思える展開かもしれません。

本巻の見どころは、なんといっても、マインと家族の深く強い絆のエピソードです。第一部と第二部を通し、病弱なマインを支え続けてきた家族。マインも、何よりも家族を大切にしてきました。しかし、その魔力の高さと印刷技術を狙う貴族達の陰謀は、彼女のみならず、家族にも牙をむき始めます。

家族を守るために、マインが選んだ道。それは、彼女の持つ印刷技術を重く見た領主の養女となることでした。しかし、それは1番大切な家族との決別を意味していました。ここまで強い絆と愛情で結ばれてきた家族との別れの物語は、涙なくして読むことができません。

ここまでで1番切ない一冊です。

 

「本好きの下剋上」第三部 領主の養女Ⅰ

 

家族を守るために領主の養女となり、身分を詐称することになったマイン。さらに神殿長も務めることになり、多忙な日々を送ることになりました。

そんな過酷な生活のなか、神官長が彼女に渡したものとは……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2016-09-10

 

第三部開始となる本巻。自身の魔力を狙う貴族達の牙から家族を守るため、彼女は領主の養女となる道を選びました。名前もローゼマインとあらため、まさに新しい物語の始まりといったところでしょうか。

家族を守るためとはいえ、大切な人達と別れ、さらに新しい神殿長となるなど、たった7歳の少女にはとても過酷な日々が待ち受けている……と思いきや、思ったよりも追い詰められていない様子の彼女。

というのも、神官長のフェルディナンドから「ご褒美」として図書室の鍵をもらいました。念願だった鍵を手に入れて大喜びします。

加えて、元の家族とは絶縁状態になったとはいえ、下町の人々との交流がまったく切れているわけでもないようです。それでも前と同じというわけではなく、いろいろな制限があるので、その辺りが少し切ないところ。

一方、領主のジルヴェスターや、領主の息子でローゼマインの兄となったヴィルフリートなど、新しい家族も実に個性的。とてもよい人達のようで、生活が順調なのが救いといったところでしょうか。

順調な分、本巻では物語的には少し話が進んでいないような印象も受けるのですが、新シリーズの序章といった雰囲気のある一冊になっています。貴族となったことで本作りがどう進展し、普及していくのかにも注目です。

 

「本好きの下剋上」第三部 領主の養女Ⅱ

 

庶民から貴族、そして神殿長となったローゼマインは、貴族としての常識や、権力を持ったからこその問題と向き合う日々を送っていました。

そんななか、隣町の孤児を救った彼女行動が、ある問題を引き起こしてしまい……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2016-12-10

 

第三部が始まってからの2冊目である本巻。領主の養女となり、身分制度のあるこの世界で、権力と地位を手に入れたローゼマイン。しかし庶民出身の彼女にとって、貴族の世界は別世界でした。下町にいた時の常識は通用せず、その時の感覚のままでいると、思いもよらない問題を引き起こすことがあるようです。

神殿長としての仕事も前巻よりも本格的になっており、貴族になったからこそ、これまでになかった葛藤に悩まされることになります。

たとえば、隣町ハッセの孤児を引き取ったがために、意図せずハッセを追いこむ形になってしまうなど、それまでの彼女にとっては思いもよらない問題が表れてしまいます。それは、領主の娘という立場を手に入れたからこそのものでした。

庶民の時は、お金がなかったり、身分が上の物にいじめられたりと庶民の葛藤が描かれていました。同じ主人公の目から両方の葛藤が描かれるというのは、本作の面白いところかもしれません。しかも、その主人公がまだ幼い姿をした少女だというのが、切ない気持ちを倍増させてくれます。

もちろんそんな彼女を支えてくれるキャラクターもちゃんといて、最後はちゃんと心温まる優しい気持ちにさせてくれるのが本作。元の家族との再会のエピソードなど、本巻も泣き所がたくさんです。

 

「本好きの下剋上」第三部 領主の養女Ⅲ

 

季節が冬へと近付いているなか、ローゼマインは神殿長としての仕事に追われ、毎日を忙しく過ごしていました。

本の普及の第一歩として、まずは人々の識字率をあげるため、彼女は貴族の子供達を教育することにしたのですが……。

 

著者
香月美夜
出版日
2017-03-10

 

第三部も3冊目。神殿長としての仕事も徐々に板についてきた様子の彼女ですが、それゆえに苦悩も抱えているようです。

前巻から続いている隣町ハッセの問題も本巻で決着するわけなのですが、それに関しても彼女はいろいろと悩みながら、どうするのが1番最善なのか考え抜いて行動しています。その姿は、とても健気で、それでいて神殿長らしい成長を感じさせてくれます。

もちろん、そんな彼女を支えるのは、神官長のフェルディナンド。元庶民であるローゼマイン、さらに現世の記憶を持つ彼女にとっては貴族の世界、異世界での価値観は奇異なものに写ることもあり、だからこそ暴走してしまう時もあります。そんな時は、フェルディナンドがしっかり支えてくれていました。

支えてくれるというよりも、振り回されているという言い方をしたほうがいい時もありますが、この2人のコンビネーションは巻を重ねるごとに魅力的になっていくので、ぜひ注目してみてください。

他にも、薬用の素材集めも並行しておこなうなど、本巻もやることが山積みです。そんな奮闘が楽しめる一冊になっています。

 

「本好きの下剋上」第三部 領主の養女Ⅳ

 

冬が終わり、春の訪れを感じるなか、改良を重ねていた印刷機が遂に完成。絵本を始め、楽譜や小説など、さまざまな本が普及していく世界は、まさにローゼマインの夢みた通り。

さらなる本の普及を目指し、彼女は製紙業を広めることを考えますが……。

 

著者
香月美夜
出版日
2017-06-10

 

本のない世界に転生して本を作ると決め、紙を作るところから始めた物語も、とうとうここまで来たかと思う一冊。

さらなる本の普及を目指し、まずは製紙業の普及を目指すローゼマインは、今度は新素材の研究をすることにしました。前進を続ける彼女の本作りですが、そんななか、不穏な空気を連れて登場するのがゲオルギーネです。

彼女は領主のジルヴェスターの姉で、今は上流貴族に嫁いでいる女性。ローゼマインを目の仇にしていた前神殿長と交友関係があったことや、自分が狙っていた領主の座をジルヴェスターに取られたことなどから、彼やローゼマインのことを憎んでいます。彼女は今後も何かと暗躍することになるので、その動向に注目しておきたいキャラクターです。

また、他に登場するキャラクターとして、アンゲリカがいます。彼女は、騎士見習いの少女。見た目はお嬢様風で魔力の量も多めなのですが、勉強が大の苦手。それは見かねたローゼマインが、彼女の成績を上げるべく「アンゲリカの成績上げ隊」などというものを結成するほどです。

ですが、そんなおバカキャラな部分が前面に押し出されて、とても魅力的なキャラクターになっているので、こちらもぜひ注目してみてください。

 

「本好きの下剋上」第三部 領主の養女Ⅴ

 

体の弱いローゼマインにとって必要な薬・ユレーヴェ。それがあれば、健康的な普通の女の子になれると期待して薬作りに励む彼女でしたが、そんな彼女の前に現れた少女がいて……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2017-09-09

 

第三部完結の一冊。領主の養女となり、神殿長となり、本作りはもちろん、孤児を保護したり、教育をしたり、薬を作るための素材を集めたりと、本当にさまざまなことをしてきた「養女編」も、ひとまずこれで終わりとなります。

そんなクライマックスで登場したのが、妹のシャルロッテ。兄のヴィルフリートと同じく領主の娘なので、養女となったローゼマインとは義理の妹という間柄になります。見た目はもちろん性格も良く、まさに良家のお嬢様といった彼女は、これまでローゼマインがおこなってきたさまざまなことを聞いていたため、彼女のことをとても尊敬していました。

ローゼマインも初めての妹なうえに、そんなふうに自分のことを慕ってくれる彼女にメロメロにならないわけがなく、「お姉ちゃん」としていつも以上に張り切ります。何事にも一生懸命頑張る彼女ですが、可愛い妹のために張り切る様子には、いつもとは違う可愛らしさを見ることもできるでしょう。

第三部完結編ではありますが、サイドストーリーの短編がなんと半分くらいあります。サイドストーリーとはいえ、本編と関係ないわけではありません。続きも気になるところですが、第三部がどんなクライマックスを迎えるのか、ぜひ手に取って確認してみてください。

 

「本好きの下剋上」第四部 貴族院の自称図書委員Ⅰ

 

貴族達の陰謀に巻き込まれ、2年もの間眠り続けたローゼマイン。目が覚めた時、兄のヴィルフリートはもちろん、妹のシャルロッテも成長を遂げていました。

まるで浦島太郎のような気分で、戸惑いを隠せず……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2017-12-09

 

第四部1巻目となる本巻。ゲオルギーネ達貴族の陰謀によって、2年もの間眠り続けていたローゼマインが目覚めるところから始まります。彼女が眠っていた間には、当然、ヴィルフリートやシャルロッテも成長していて、世間の時間も進んでいます。彼女の気分は、まるで浦島太郎です。

しかし、そんな戸惑いのなかでもさっそく、貴族院へ入学するための猛勉強が始まりました。貴族院とは貴族の子供達が通う学校で、将来領主となる者は、土地を治めるための修行もおこないます。目が覚めたと思ったら、あっという間に貴族院での生活がスタートです。

そしてこの貴族院にはなんと、国内蔵書数2位の貴族院図書館がありました。ローゼマインがこの事実に喜ばないわけがありません。あらゆることを放り出して図書館に夢中です。

そんな彼女の暴走にフェルディナンドを始め、周りも振り回されてしまうわけですが、本に対する情熱に素直で一直線な彼女の猪突猛進ぶりは、潔く清々しい気持ちで読むことができるでしょう。

また、舞台が貴族院となったことで、新たなキャラクターも続々と登場。なかには王族の王子や領主候補など、さすが貴族院といったキャラクターもいて、また新しい世界を楽しむことができる一冊です。

 

「本好きの下剋上」第四部 貴族院の自称図書委員Ⅱ

 

貴族の子供達が通う貴族院。眠りから覚めたローゼマインも通い始めていましたが、彼女にとって大切なのは図書館に通うこと!

そんな図書館に夢中で、貴族らしからぬ言動をする彼女を、周りの人達は心配していましたが……!?

 

著者
香月美夜
出版日
2018-03-10

 

全ては図書館に通うために、勉強も試験も頑張る。さすがローゼマイン、と感じる第四部の2冊目です。通算だと14冊目になるわけですが、最初は本がないと悲しみ、自ら本を作ると決意したところから始まったかと思うと、図書館に目の色を変えている彼女の姿が夢のようです。

しかし、貴族という枠組みに良くも悪くもハマっていない彼女は、貴族の常識から外れた行動を取ることも多く、周りの人間を戸惑わせています。貴族院に通うのは貴族の子供なので、その背後にはさまざまな権力が控えています。

その力関係や政治的背景は、貴族院の子供達の生活にも影響をおよぼしていました。本巻では、そういった政治的背景から引き起こされた子供達の騒動も描かれています。

学園を舞台にすると、どうしても閉鎖的な雰囲気になることも多いのですが、政治的な背景があるゆえに奥行のある物語になっており、興味深く読むことができるでしょう。

もちろんそれだけではなく、学生達の恋物語があったり、ローゼマインの兄・ヴィルフリートの物語が描かれたりと、本巻もエピソードが盛りだくさん。ますます加速する物語から目が離せません。

 

「本好きの下剋上」第四部 貴族院の自称図書委員 III

貴族院での貴族らしからぬ言動や、王族との対立を招いてしまったローゼマインは神殿へと呼び戻され、養父フェルディナンドからお説教をくらってしまい……!?

著者
["香月美夜", "椎名優"]
出版日

貴族院から呼び戻されてしまったローゼマイン。フィルディナンドからはしっかり叱られるものの、彼女は息の詰まる貴族院よりも神殿での暮らしのほうが平和だと感じていました。

そんな気持ちとは裏腹に、ゆっくりする時間は与えられません。彼女は神殿で働く傍ら、印刷業を軌道に乗せるため本格的に働くことになりました。

相変わらず本が最優先のマインの姿は、他の巻同様、楽しく読み進めることできるでしょう。しかし本巻の見所は、ルッツとの関係の変化です。

下町から離れることになっても何かと彼のことを頼りにしていたマインでしたが、印刷業との兼ね合いで、かつて交わした契約魔術の解消を余儀なくされてしまいます。

養女になった時点で下町の家族と離れ離れになってしまった彼女にとっては、これでまた1つ、下町との繋がりを失ってしまったことになりました。とても切なく苦しい選択をせざるを得なかった彼女の姿に、ぐっと胸を掴まれる読者はきっと多いでしょう。そして、そんな彼女を支える周囲の人々にも感動を覚えるはずです。

他にも、ローゼマインに婚約の話が持ち上がるなど、本巻も波乱万丈な一冊です。

「本好きの毛国情」第四部 貴族院の自称図書委員 Ⅳ

契約魔術の解消により、下町とのつながりをまた1つ失ってしまったローゼマイン。しかし、時間は待ってはくれません。貴族院1年目が終わり、2年目が始まるまでの間、彼女にはやることが盛りだくさんで……!?

著者
["香月美夜", "椎名優"]
出版日

貴族院からエーレンフェストに戻ったローゼマインの、貴族院2年目が始まるまでの間を描いた本巻。

そこで起こった大きな出来事は、やはりヴィルフリートとローゼマインの婚約でしょう。もちろん本人達の意思ではなく、これは領地を保つために必要な事の1つでした。

いわゆる政略結婚ではありますが、このことが今後どのように物語に関わってくるのかが気になるところです。

また、何かと忙しく動いているローゼマインですが、その1つに下町の整備というものがあります。他の領地の人を迎えるためなど外交的な意味合いも強い整備活動でしたが、そこには下町に暮らす平民達の協力が欠かせません。

とはいえ、貴族と平民の間には、そう簡単には打ち壊すことのできない壁がありました。ローゼマインがその壁をどうやって乗り越えていくのかも今巻の見所となっています。

他にも、相変わらずのマイペースぶりを発揮しているローゼマインが無意識に周りを振り回したり、忙しくて本が読めないことを嘆いていたり、貴族院にいなくても慌ただしさ、賑やかさは健在の一冊です。

「本好きの毛国情」第四部 貴族院の自称図書委員 Ⅴ

領地の発展、そして他の領地への影響力を強めるためにさまざまな活動をおこなうローゼマイン。その1つである下町の整備は見事に成功し、彼女はエーレンフェストの下町を美しく生まれ変わらせました。

しかし、さらに発展をさせたい彼女の前には、貴族と平民という高い壁が立ちはだかっていて……!?

著者
["香月美夜", "椎名優"]
出版日

前巻に引き続き、貴族院2年目に入る前にエーレンフェストでさまざまな行動を起こしているローゼマインが描かれる本巻。

もともと貴族と平民の間には高い壁がありました。しかし、下町出身のローゼマインの存在は平民にとってもやはり大きいものであった様子。ローゼマインは平民と肩を並べ、協力し合うことに成功します。

貴族から見れば、そんな彼女の行動は奇異なものでしたが、やがて貴族からも協力者が現れるようになるなど、少しずつ貴族と平民の壁も変化していきます。

貴族として教育を施され、それなりに貴族っぽい考え方・振舞い方を覚えてきたローゼマインですが、その中身は下町にいた頃と何も変わっていないのだということがわかるのは、読者としてもちょっとうれしい部分かもしれません。

何かと騒動が巻き起こり、のんびり構えることのないストーリーは相変わらずではありますが、前巻と同様、中休み的な一冊でもあるので、物語が大きく進むということはありません。

次巻ではいよいよ貴族院2年目が始まるので、本巻まではぜひローゼマインの慌ただしい日常を楽しんでみてください。

「本好きの毛国情」第四部 貴族院の自称図書委員 Ⅵ

貴族院2年目へと突入したローゼマイン。貴族院に戻ったことで、さらに図書委員としての活動に邁進するなか、そんな彼女に対し密かに想いを寄せる人物がいて……!?

著者
["香月美夜", "椎名優"]
出版日

前巻で貴族院1年目が終わり、2年目に突入したローゼマイン。1年前には彼女の悪気のない言動がさまざまな騒動を巻き起こしていましたが、その辺りは2年目もあまり変わらないようです。

貴族院に戻ったローゼマインは、今度は図書委員の活動をさらに拡大するべく動き回ります。密かに彼女に好意を寄せている王族の息子であるヒルデブラントや、図書館の司書として働くソランジュ先生など、ローゼマインを取り巻くキャラクターにも注目したいところ。

ローゼマインは、ヒルデブラントと仲良くはするもののその気持ちには気が付いていません。そのために周りのほうがハラハラとしてしまう姿には、思わず笑ってしまう部分もあるでしょう。

図書館を1人で守ってきたソランジュ先生のキャラクターも個性的で、ローゼマインから憧れの目で見られているあたりは、なぜか微笑ましい気持ちになってしまうかもしれません。

ローゼマインの行動は、本人にとっては至ってマイペースなものなのに、周りの大人にとってはすべてが予想外のものであるようで、周囲は常に彼女に振り回されてしまいます。その構図は本巻に限ったことではないものの、いろいろな障害があっても決してブレることのないローゼマインの行動に心惹かれることは間違いありません。

また、書下ろし短編として、フィルディナンドの貴族院在学時代の話も収録。こちらもぜひ楽しんでみてください。

『本好きの下剋上』の2期の放送が決定!

 

2019年10月からアニメの放送が開始し好評を得た『本好きの下下剋上』の2期が、2020年4月4日より順次放送開始です!「dアニメストア」や「Amazonプライム・ビデオ」などの配信サイトでも、配信予定です。

キャストは1期と変わらず、井口裕香や速水奨が担当。オープニングテーマには、諸星すみれの「つむじかぜ」に決定しています。

無事に巫女になれたマインは、困難を乗り越えて本を作ることができるのか目が離せません!

そのほかの詳細情報や最新情報はTVアニメ「本好きの下剋上 司書になるには手段を選んでいられません」をご覧ください。

いかがでしたか?異世界転生ものの作品はたくさんありますが、そんななかでも本作は、ファンタジーの世界観を大切にした作品です。ライトノベルジャンルですが、児童文学のようなファンタジーを読みたい方にもおすすめ。これまでありそうでなかったライトノベル作品を、ぜひ読んでみてください。

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