漫画『風都探偵』の見所を全巻ネタバレ紹介!名作の新たな物語!

更新:2018.8.24 作成:2018.8.24

本作は「ビッグコミックスピリッツ」で連載されている、佐藤まさき作画、三条陸脚本の作品。2009年に日曜の朝、いわゆるニチアサ枠で放映されていた特撮番組『仮面ライダーW』のコミック版にして、正統続編となっています。 青年誌にて連載している、異色作で、かつてのドラマに親しんでいた視聴者はもちろん、まったく知らない方でも楽しめる、大人の「ハーフ」ボイルド探偵アクションです。この記事ではそんな本作の魅力を存分にご紹介したいと思います。

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漫画『風都探偵』が面白い!【あらすじ】

 

日本のどこかにあるという架空の地方都市「風都」。悲喜こもごもを風が呼んでくるといわれる、名前通り風多き街です。

一見穏やかな、どこにでもある都市にしか見えませんが、この街の裏側では怪現象が多発していました。ビルが溶け、人が死ぬ――そんなことが珍しくなかったのです。

 

著者
三条 陸
出版日
2018-03-30

 

怪現象の原因は、かつてある組織が実験のために流通させたアイテム「ガイアメモリ」にあります。メモリの使用者が人知を越えた怪物「ドーパント」に変貌し、自身もろとも周囲を破滅させていくのです。いわば街に巣くい、侵食する見えない病魔。

そんな怪事件に人知れず挑む者たちがいました。名前を伏せ、正体を隠す正義のバイク乗り。彼らは誰からともなく、こう呼ばれていました。「仮面ライダー」と。

恐ろしさも感じさせる風都を愛し、この町に住んでいるのが私立探偵、左翔太郎(ひだりしょうたろう)と相棒のフィリップ。実は彼らこそ2人で1人の、仮面ライダーWの正体でした。

翔太郎が構える鳴海探偵事務所には、新顔の美女「ときめ」が舞い込み、風都を巡る一連の事件に新たな局面が訪れようとしています……。

 

魅力:名作特撮ドラマ『仮面ライダーW』の直接の続編!

 

本作はタイトルからは(風都を知っている人を除いて)連想出来ませんが、2009年から2010年にかけてテレビ朝日系列で放送されていた『仮面ライダーW』の公式続編作品です。

『風都探偵』を楽しむうえで『仮面ライダーW』を知っているに越したことはありませんが、まったく知識がなくても楽しむことが出来ます。知らない人にもおすすめする理由は後述するので、今しばらくご辛抱ください。

本作の特徴は、単なるコミカライズやスピンオフのたぐいではなく、完全な続編という点にあります。

1年間の放送で慣れ親しんだ街、風都。そこで暮らす主人公の半熟探偵・翔太郎、魔少年・フィリップ、コメディリリーフの鳴海亜樹子――もとい照井亜樹子、燃える男の照井竜がそのままの姿で出てきます。

それだけではありません。翔太郎に協力する情報屋達、風都イレギュラーズも健在。懐かしの面々が誰1人欠けることなく総登場するのです。

脚本家、クリーチャーデザイン、それらを総括する監修という作品にとって重要なポジションが、原作から丸ごと続投しているので、まったく違和感がありません。

やはり『仮面ライダーW』最終話から地続きの物語である点が、ファンを魅了する本作最大の魅力なのです。

 

魅力:続編ならではの新たな謎と展開!

魅力:続編ならではの新たな謎と展開!
出典:『風都探偵』1巻

 

ここからは『風都探偵』単体での魅力をお伝えしましょう。

先述したように本作は『仮面ライダーW』と地続きの物語となっています。しかし、東映公認の続編にも関わらず、世界に誇る人気ブランド「仮面ライダー」の冠が外されているのがキモ。これはひとえに、ブランド力に頼ることなく、中身で勝負するという意気の現れでしょう。

実際、物語の冒頭では探偵モノの伝奇ホラーを匂わせるばかりで、仮面ライダー色はまったくありません。1巻も中盤に差しかかって、ようやく変身するほど払拭は徹底されています。

このようにして風都を舞台にした新しい物語が念入りに構築されているので、原作未見の読者でもストーリーを純粋に楽しむことが出来るのです。また、用語や設定についても説明がきっちり入るので、事前知識がなくても問題ありません。
 

翔太郎達の新しい敵は、風都で密かに活動する「街」を自称する集団です。そして物語のキーになってくるのが、「ハイドープ」――W本編の黒幕・園咲琉兵衛のように、人間態でも強大な能力が使える過剰適合者。彼らの狙いと秘密とは。

『仮面ライダーW』のオリジナルスタッフが描き出す未知の展開から目が離せません。

 

『風都探偵』1巻の見所をネタバレ紹介!

著者
三条 陸
出版日
2018-03-30

 

怪事件の駆け込み寺、鳴海探偵事務所に、いつもと変わらず奇妙な依頼者が訪れます。依頼人の坪崎忠太(つぼさきちゅうた)は近頃、風都にある夕凪町に出没するという、「T字路の魔女」を探してほしいと言ってきました。どうやら件の魔女に襲われた依頼者が、彼女に一目惚れしてしまったようですが……?

本作初登場にして、レギュラーキャラとなる謎の美女・ときめ。翔太郎が彼女を追ううちに、頻発するバラバラ殺人の犯人「ロード・ドーパント」の正体は彼女ではないか、という疑いが浮上してきます。そこで当然のように発動する、翔太郎のお節介。

非情なハードボイルドになりきれないハーフボイルド、これこそWの醍醐味です。またドラマ版で見ていた人たちにとっては、まったく違和感なく、ドラマで見ていたキャラクターたちがそのまま登場するので、まさに感動もの。必見です。

果たしてロード・ドーパントの正体は。

満を持して披露されるコミック版初変身も見逃せません。

 

『風都探偵』2巻の見所をネタバレ紹介!

著者
三条 陸
出版日
2018-03-30

壊れたガイアメモリを所持するときめは、記憶を失っていました。翔太郎達は彼女の記憶を取り戻すため、しばらく探偵事務所で助手として身柄を預かることになります。

心機一転、新顔の増えた事務所への最初の依頼は、身辺警護。有名ゲーム会社のクリエイターにして、ゲームイベントの顔でもある森口もな子の護衛と、犯人の究明です。事件の真相はライバル会社の妨害か、はたまた逆恨みか……。

2巻では、ハイドープの1人、メガネウラ・ドーパントが登場し、この奇妙奇抜なクリーチャーが翔太郎達を苦しめます。かつての組織に変わって暗躍する「街」との関係性が気になるところです。

そんな2巻の見所は、ファングジョーカーの活躍。フィリップの体で変身する、唯一の形態となっています。その痛快な活躍に注目です。

『風都探偵』3巻の見所をネタバレ紹介!

風都探偵 3(3)

三条 陸
小学館

3巻では(W本編まで含めて)一転して、クローズド・サークル(密室もののように、外界との関係が遮断された状況のなかで物事が起こること)で物語が進んでいきます。

フィリップの知的好奇心で風都郊外の山にやって来た翔太郎は、猛吹雪に見舞われます。記憶を頼りに近くの集落を目指した2人は、突然現れた奇妙な洋館に招かれました。

奇妙というのは、洋館でおこなわれていた催しのことです。大地主「鏡野家」によって、花嫁選びの仮面夜会が開かれていたのです。夢かうつつか定かでないまま、2人は新たな事件に巻き込まれていきます……。

Wで初めての、王道ミステリ設定です。Wの雰囲気を忠実に残したまま、ニチアサ枠では絶対に放送出来ない、青年漫画ならではの凄惨な事件が起こっていきます。なかでも、あらゆる意味で映像化不可能なアルコール・ドーパントの狂態は必見です。

ついに巡り会う、「街」のリーダー格であるオーロラ・ドーパント。2人目の仮面ライダーアクセルもいよいよ登場し、ダブル最強のあの姿まで登場して、本格的に動き出す物語は見所が目白押しです。

『風都探偵』4巻の見所をネタバレ紹介!

著者
出版日
2018-10-30

右腕を探してほしい――いつもの鳴海探偵事務所に、奇妙な依頼が舞い込みます。新たな依頼者、菅生伝一郎(すごう でんいちろう)は、精緻な絵を描く漫画家でした。

しかし、鳴かず飛ばずで絶望しかけていた彼は、どこからともなく現れた「右腕だけの怪人」に、現金1億円を対価に、自身の右腕と才能の譲渡を持ちかけられて、それに応じたのです。

当初、翔太郎は、菅生が被害者ではないことから難色を示しますが、右腕とともに失った才能への悔恨と、代価1億円返却が本気と見るや否や、いつものハーフボイルドを発揮するのでした。

裏で暗躍する怪人の名は、パズル・ドーパント。「街」と強い繋がりを持ったハイドープです。他人から奪った能力を自在に操ることが出来、相手に合わせて特性を変化させることが可能。

実写では表現が難しかった彼の特性が漫画ならではの技法で描かれ、人間の弱みにつけこむ彼の恐ろしさが際立ちます。仮面ライダーWの戦闘スタイルに酷似した、これまでにないタイプの強敵。果たして、戦いの行方は?

このエピソードの他にも、探偵業を脇から支える情報屋達、風都イレギュラーズの活躍も見逃せません。彼らの関係性も嬉しいファンサービスといえるでしょう。

そして、破損していた、ときめのガイアメモリの正体がここで明らかに。「街」のリーダーですら一目置く、そのメモリとは……?徐々に明らかになっていく謎にさらに引き込まれる展開です!

『風都探偵』5巻の見所をネタバレ紹介!

著者
出版日
2019-02-28

ときめが所持していたメモリは、彼女が翔太郎と出会うべくして出会ったことを予感させるものでした。しかし、その意味を考えるより前に、新たな依頼が探偵事務所へ舞い込みます。

下町の機械工場の一流技術者、蘭堂廉太郎(らんどうれんたろう)の失踪。孫娘の依頼で調査を始めた翔太郎達ですが、早々と「街」の関連が濃厚となっていきます。

そんな中、オーロラ・ドーパントこと万灯雪侍(ばんどうゆきじ)の企てで、ときめは1人で「街」の支配地である異次元「裏風都」へと迷い込んでしまうのでした。翔太郎達は表と裏、2つの風都で蘭堂廉太郎と彼に繋がる「街」の痕跡を追うことになります。

今回W達の前に立ち塞がるのはリアクター・ドーパントです。准幹部クラスのハイ・ドープで、Wヒートメタルやアクセルを遥かに凌ぐ莫大な熱エネルギーを操ります。2人がかりのマキシマムドライブの直撃にも耐える強敵です。

ときめは探偵助手として依頼人のために奔走し、目覚ましい成長と活躍を見せてくれるので、ご注目ください。しかしその一方で、彼女に関する謎は深まるばかり。

また、裏風都が主な舞台となることで、万灯のカリスマ性など「街」の内情がうっすらと見えてきます。果たして、ときめは何者で、「街」とどんな関係だったのでしょうか?

巻末ではファンには驚きのリアクター・ドーパントの裏設定が語られるので、こちらも必見です。

いかがでしたか?見知った街、風都の見知らぬ物語。ゾクゾクしますよね。『仮面ライダーW』の人気は未だに衰えを知らず、『風都探偵』の連載も好評だとか。その波に乗って、いつか本作をベースに再ドラマ化――という日が来るかも!?