5分でわかるポリプテルスの生態!種類ごとの特徴や、飼育方法などを解説!

更新:2018.8.28 作成:2018.8.28

生物はめまぐるしく変わる環境に適応するために進化を遂げてきました。ところがはるか昔から姿を変えずに現代まで生き残り、「生きた化石」と呼ばれるものも存在します。そのうちのひとつが、古代魚である「ポリプテルス」。この記事では、彼らの生態や種類ごとの特徴、歴史、飼育方法などをわかりやすく解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひご覧ください。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

ポリプテルスの生態は?寿命や食性など

 

ポリプテルス目ポリプテルス科に分類される魚類の総称です。約4億年前のデボン紀に出現したとされる、とても長い歴史をもつ巨大魚。さまざまな進化の枝分かれのなかでももっとも古くに分岐したと考えられています。

これまでに亜種も含めて17種のみが確認されていて、そのすべてがザイールやスーダン、セネガルなどのアフリカに分布しています。淡水魚のため、生息地は川や湖などの淡水域です。

食性は肉食で、昆虫や甲殻類、カエルなどを捕食します。体格が自分よりも小さいものであれば、小魚も積極的に口に入れるようです。

基本的には夜行性で、昼間はあまり活動的ではありません。流木などの物陰に隠れて、身を守りながら休んでいます。

魚類のなかでは比較的長生きで、寿命は10年以上。15年ほど生きる個体もいるようです。

ポリプテルスの体の特徴

 

熱帯魚ファンのあいだでも人気の高い理由として、ポリプテルスの一風かわった容姿が挙げられるでしょう。

まず目を引くのが、たくさんのヒレです。通常の魚でいえば尾ビレの位置まで、途切れることなく背ビレが並んでいます。恐竜にたとえるとステゴサウルスのようで、まさに古代魚のイメージを象徴しているといえるでしょう。

顔の横についている胸ビレが、まるで前脚に見えるのも大きな特徴です。遠目から見ると、魚というよりもトカゲなどの爬虫類に近い印象を受ける人も多いようです。

また稚魚の頃には、外エラという両生類の幼生期に見られる器官があることから、魚類と両生類の分岐点にあたる生物だと考えられています。

鱗も特徴的で、象牙質とエナメル質でできた「ガノイン」と呼ばれる鱗が連なり、体を覆っています。体格はドジョウのような円筒形をしていますが、鼻孔が突き出ているのでシャープな印象を受けるでしょう。

エンドリケリーやセネガルスなど種類ごとの特徴を紹介。

 

エンドリケリー

ポリプテルスのなかでも代表的な種類です。体色のベースは茶褐色で、太い黒の縞模様があります。体長は最大で70cmほどとかなりの迫力。世界的に人気があり、東南アジアで養殖された幼魚が流通しています。

セネガルス

エンドリケリーと比べると小柄で、体長は野生のもので最大50cmほど。飼育下では30cm前後で成長が止まるようです。体色は薄いグレーで、わずかに黄色や赤のグラデーションがかかっていて、たくさんのヒレを使って泳ぐ姿は美しいです。

セネガルスも大量に養殖されていて、日本ではポリプテルスの飼育の入門種として扱われています。

パルマス

セネガルスと同じく入門種として知られています。大らかな性格をしていて、同じ水槽内に他の種がいても気にしません。体は水槽の大きさに合わせて成長します。

ポリプテルスの歴史

 

ポリプテルスが古代魚と呼ばれているその歴史を、もう少し深く掘り下げてみましょう。最初に出現したのは約4億年前のデボン紀。地球環境の激変にも屈せず、大量絶滅などを乗り越えてほとんど姿を変えずに生き残ってきました。

原型であろう魚の化石が見つかったのは、白亜紀中期から後期のものとされる地層から。ただ、彼らはもともと化石の乏しい種で、はっきりとした裏付けはあまりとれていません。

それでもデボン紀に存在したと考えられているのは、ちょうどその時代に植物を除く生物が陸に上がりはじめたといわれているからです。つまり両生類が誕生したと考えられている時期で、ポリプテルスに魚類と両生類の分岐点ともいえる特徴があることから、このように推測されています。

ポリプテルスの飼育方法を解説!値段や混泳など

 

見た目も美しく、ゆったりと泳ぐ姿は見ているだけでも癒されるため、飼育をしてみたいと考える方も多いでしょう。実際にファンも多いので市場もそれなりに大きく、値段も数千円から数十万円するものまであります。

水槽は、最低でも90cm以上のものを用意しましょう。エサは基本的に生のものを好みますが、人口のものを選ぶときは購入先で与えられていたものと同じ商品にすると、慣れているので食いつきがよくなります。水槽の底で行動することが多いので、沈下性のものがおすすめです。

慣れてきたら数を増やして混泳させたくなるかもしれません。同種であれば問題はありませんが、相性が悪いとお互いを傷つけあう可能性もあります。喧嘩をしないよう、流木など身を隠せるものを用意してあげるとよいでしょう。

他の魚を入れる場合は、ポリプテルスよりも大きなものにしてください。基本的には穏やかな性格なので、捕食対象から外れれば攻撃を仕掛けることもなく、トラブルになりません。

ポリプテルスなど古代魚の魅力が詰まった一冊

著者
小林 道信
出版日
2010-10-01

 

タイムマシンに乗って過去に行くことは今のところできませんが、ずっと姿を変えていない古代魚を見れば、はるか昔の空気感を味わうことができるのではないでしょうか。

本書は熱帯魚専門の水槽写真家が、ポリプテルスをはじめとした魅力あふれる古代魚たちの魅力を余すことなく撮影し、生態を解説している作品です。

水槽に関する知識も豊富な作者なので、アングルやシチュエーションも凝って撮影されています。普段はなかなか見ることのできない古代魚たちの姿を堪能してみてください。

環境に適応するために生物が進化したと考えるのなら、形を変えないポリプテルスは誕生時からほぼ完璧な生き物だったのでしょうか。考えれば考えるほどもっと知りたくなる魚です。