小説投稿サイト「小説家になろう」にて、2012年から連載が始まり、2013年には書籍化された人気ライトノベルシリーズ。すでに漫画化やドラマCD化などのメディア展開がされていますが、2019年に第1期のアニメが放送され、話題を呼びました。また、2021年より第2期の放送も決定!これからがますます目が離せない作品です。 この記事では、既刊19巻分をご紹介していきます。
2021年10月からテレビアニメ第2期が放送開始予定で、第3期も製作が決定している本作。詳しくはTVアニメ「盾の勇者の成り上がり」シーズン2公式サイトをチェックしてください。
多くのファンから支持を得ている大人気作品『盾の勇者の成り上がり』ですが、テレビアニメ第1期では、尺の関係もあってか、重要なシーンや物語において欠かせない設定を飛ばしてしまい、原作を知らない方には理解できないストーリーに。
そのため、一部ファンからは「アニメ版がひどい」と酷評されているようです。
しかし、おそらく2期では原作でも人気が高い「霊亀」との戦いが描かれるため、アニメも期待できるのではないでしょうか。
ある日突然、異世界に召喚されたハタチの大学生・岩谷尚文。
彼は、数ヶ月後に訪れようとしている災厄から、世界を救うための勇者の1人として召喚されたのですが、その特性は攻撃力を持たない盾の勇者というもので……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2013-08-20
勇者として召喚されたにも関わらず、力も仲間もないどん底に落とされてしまう主人公・岩谷尚文を巡るサクセスストーリーの第1弾。
盾という攻撃力を持たない勇者である彼は、物語の序盤から周りに馬鹿にされ、数少ない仲間にも罠にかけられ陥れられるなど、読者も辛くなってくるほどに追い詰められます。その状況で、彼はすっかり人間不信に。
しかし、自分自身は攻撃力を持っていないため、攻撃手段として亜人の奴隷・ラフタリアを購入しました。
本作のメインヒロインとなる彼女は、タヌキ系の小さな亜人で、災厄の波に巻き込まれて家族と故郷を失い、奴隷にされていた少女でした。尚文にとっては最初の仲間であり、物語の序盤はこの2人が少しずつ信頼関係を築いていく様子が1番の見どころといえるでしょう。
ちなみに、ラフタリアは10歳くらいの少女ですが、レベルが上がると体が成長するという亜人の特徴により、途中からは18歳くらいの美少女に育っています。尚文の成長だけでなく、彼女の成長が描かれているのも、本作のポイントです。
ラフタリアがさまざまな困難を乗り越え成長していく姿には、心を動かされることでしょう。ぜひチェックしてみてください。
ラフタリアと本当の仲間となり、災厄から村人達を守ることに成功した尚文でしたが、それでも国王からの扱いはひどいままでした。
そんななか、彼はモンスターが出てくるという「たまごガチャ」に挑戦します。そして引き当てたものは、鳥型の魔物フィロリアルで……!?
- 著者
- アネコユサギ
- 出版日
- 2013-10-24
勇者として召喚されたにも関わらず、誰からも相手にされない尚文。それどころか、卑劣な罠にかけられて国王や勇者仲間、そして守るべき国民からも馬鹿にされ、ないがしろにされていました。
人間不信になるのも無理はない扱いを受けた尚文ですが、ラフタリアや守った村の人々など、少しずつですが仲間を増やしているようです。
それでも国王からはないがしろにされていますし、まだまだ馬鹿にされる立場です。そんな彼に、本巻では新しい仲間が加わります。それが、鳥型の魔物フィロリアル。「たまごガチャ」で引き当てた卵からふ化し、「フィーロ」と名付けられました。本巻の見所は、このフィーロのかわいさといっても過言ではありません。
天使のような可愛らしい少女の姿になれる彼女は、実は食肉用の弱い魔物。しかし尚文に育てられたことにより、後に上位種のフィロリアル・クイーンとなることになります。
戦いのなかでは強力な攻撃要員となるだけでなく、ヒロインの1人としてその可愛らしさをを振りまいてくれる存在です。本巻では初登場ということもあり、そんな彼女の活躍を、思う存分楽しむことができるでしょう。
クラスアップを目指し「龍刻の砂時計」へとやってきた尚文、ラフタリア、フィーロの3人。しかし、そこで待ち受けていたのは、またもや国王達による尚文への屈辱的な妨害でした。
そんな扱いに憤りを隠せない尚文でしたが、そこへ災厄の波が発生し……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2018-07-25
理不尽な扱いを受ける不遇の勇者は、果たして自分を虐げる人間達にリベンジできるのか……。
ラフタリア、フィーロと仲間を増やした尚文ですが、国王を始めとした連中からの冷遇ぶりは相変わらず……。むしろ、さらにひどくなっているかもしれません。
「クラスアップのための施設を使わせてもらえない」「他の勇者を手助けすれば手柄を横取りした卑怯者扱い」「王女の命を救えば誘拐犯扱い」など散々な扱いを受けています。
さらに本巻では、グラスという強敵も現れ大ピンチ。彼女は扇の勇者でもある、和風美少女。ある目的のために動いており、尚文とも当初は対立、戦闘することになってしまいます。彼女の戦闘能力は高く、勇者達も歯が立ちません。
彼女は、魅力的なビジュアルはもちろんのこと、武人肌で高い戦闘力を誇るなど、美しさと力強さを兼ね備えたキャラクターです。最終的には勇者一行と和解するのですが、なぜそんな展開に至ったのか……。それは実際に手に取って確認してみてください。
尚文に訪れる、さらなる危機。それは、王国第二王女メルティを誘拐した犯人にされてしまったことでした。
国から追われる立場になってしまった彼の前に現れたのは……!?
- 著者
- アネコユサギ
- 出版日
- 2014-02-22
異世界に召喚されて早々仲間に裏切られ、あらゆる人間から迫害されることになった不遇の主人公・尚文。本巻では、盾の勇者である彼がどうしてそこまでひどい扱いをされるのか、その黒幕が明らかになります。
黒幕が明らかになったことで、尚文はこれまでに受けた仕打ちに対して復讐を果たすことになりました。本巻は、これらの謎を解きながらの復讐劇となっています。
そんな本巻のキーパーソンでもあるメルティは、メルロマルク第二王女である少女。一行とはたまたま出会うことになったのですが、その出会いを利用され、尚文は彼女を誘拐した犯人に仕立て上げられてしまいます。
尚文は、これまでに何度も「自分がどうしてここまで追い詰められなければならないのか」と苦心していましたが、その思いは読者も同じ。これまでの展開で生まれたフラストレーションを解消する本巻を、ぜひじっくりと読んでみてください。
遂に、自分を貶めていた王や王女に復讐を果たした尚文。これまで強姦魔や王女誘拐犯など、散々な濡れ衣をかけられていた彼ですが、ようやく少しずつ誤解が解けていきます。
そんななか、尚文たちはクラスアップを目指してある島を訪れます。そこで出会った青年とは……!?
- 著者
- アネコユサギ
- 出版日
- 2014-04-24
ようやく不遇の身から脱した尚文が、レベルを上げるための旅に出る本巻。
彼の誤解が解けたことで、他の勇者との関係も前進しました。そんな本巻の舞台となるのは、カルミラ島という島です。これまでさまざまな迫害を受けていた彼は、クラスアップさえ妨害されていましたが、本巻ではしっかりとレベル上げをしています。
そこで、新しいキャラクターが登場。それがラルクベルクとテリスという2人組。ラルクベルクは、見た目は20代くらいの青年で、テリスはおしとやかな女性です。
ラルクベルク、通称ラルクは、面倒見のいい性格の兄貴分ですが、実はグラスの仲間。彼女から尚文の悪口を散々聞かされていたので、島で出会った際は、話で聞いていた彼と、実際の彼とのギャップを感じたようです。
さらに、5巻ではグラス本人も登場します。3巻以来2度目の登場となる彼女が、今度はどういう動きをするのかにも注目です。
グラス達との戦いも終えて、カルミラ島を後にした一行。そんな彼らが出会ったのは、今にも自ら命を絶ってしまいそうな弱気な少女でした。
リーシアというその少女の事情を知った尚文が、彼女に言ったこととは……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2014-06-24
グラス達との戦いを終え、島を後にした一行。その帰りの船の中で出会ったのが、リーシアでした。
彼女はもともとメルロマクの貴族の娘だったのですが、家が没落し、彼女自身も売り飛ばされてしまいそうになったところを、弓の勇者・川澄樹に助けられたのでした。以来、樹の仲間として、彼に信頼を寄せるのですが、この樹というのが実に迷惑な正義感の持ち主なのです。
彼は正義感が強く、旅をしながら悪人を倒して回るのですが、そもそもよく人の話を聞かないので、余計に事態を悪化させてしまうこともしばしばでした。
そのうえ、リーシアを弱いというだけの理由で濡れ衣を着させ、仲間から追放してしまいます。信頼を寄せていた相手から裏切られた彼女は、今にも死んでしまいそうなほど落ち込んでしまったのでした。そんな時、尚文と出会ったのです。
彼女は見た目も幼く気弱な性格の少女ですが、尚文と出会ったことにより、樹を見返すために仲間になりました。新しい仲間である彼女の活躍が楽しみなところですが、本巻の見どころは、やはり霊亀(れいき)との戦いでしょうか。
霊亀は巨大な亀の姿をした守護獣ですが、今はたくさんの人間を殺して回る怪物になっています。この霊亀を巡り、ちょっと不思議なキャラクターも登場。ミステリアスな要素も感じるかもしれません。
強力な敵にどう立ち向かっていくのか、新しい仲間のリーシアがどのような活躍をするのか、ぜひ注目して読んでみてください。
霊亀は倒した……そう思っていた一行の前に現れたのは、霊亀の使い魔を名乗る謎の美女でした。霊亀は死んでいなかったどころか、ますます恐ろしい存在になっていたのです。
状況を打破するべく、彼らがとった行動とは……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2014-09-24
仲間とバラバラにされながらも霊亀を倒した一行。しかし倒したはずの霊亀は実は死んでおらず、それどころかさらにその凶暴性に輪をかけていました。そんななかで現れたのが、霊亀の使い魔だという女性・オスト=ホウライです。
彼女は一見すると嫌な性格のように見えるのですが、弱気な性格に自己嫌悪するリーシアを励ましたり、いざとなれば自分を犠牲にしてでも仲間の力になったりするなど、本質的には悪い人ではなさそうです。
本巻では、彼女が大きな役割を担うことになるので、要チェックです。このオストや、さらに伝説のフィロリアルであるフィトリアの再登場で、一行は再び霊亀に立ち向かい、さらに霊亀事件の黒幕である人物と相対していくことになります。
ちなみに、これまでもWeb版と書籍版では大幅な加筆修正が加えられていましたが、本巻では特にその違いが顕著です。すでにWeb版を楽しんでいる方も、書籍版を読めば新しい発見があるでしょう。
霊亀を操っていた黒幕は、本の勇者・キョウ=エスニナという少年でした。戦いの果てに彼を追い詰めることに成功した一行でしたが、異世界に逃げられてしまいます。
後を追う尚文でしたが……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2014-11-21
霊亀事件もいよいよクライマックスな本巻。霊亀を操り、多くの人々を殺すことでエネルギーを回収していたのは、キョウ=エスニナという少年でした。
キョウは美少年ですが、性格はかなり歪んでいるタイプ。しかもその陰湿さをうまく隠して、周りにはいい人間のように振舞っているのだから、タチが悪いというものです。
そんな彼こそ、霊亀事件の黒幕だったわけですが、前巻で一行によって追い詰められ、異世界へと逃げ出していました。
彼を追いかけていた尚文だったのですが、なぜか気付いた時には牢の中に閉じ込められていたのです。しかも、リーシア以外の仲間とは離れ離れになり、自身のレベルは1に戻ってしまうという大ピンチ。そこに現れたのが、風山絆(かざやまきずな)でした。
彼女は自分のことを「オレ」と呼ぶ、18歳の少女。その年齢よりもずっと若く見られるので、見た目は子供のようですが、まっすぐで優しい性格をしています。ある理由から牢に閉じ込められていたところ尚文と出会い、力を合わせることになりました。
前巻もWeb版から大きく加筆修正されていましたが、本巻も、もはや完全オリジナル。Web版とは大きく異なるストーリーを楽しむことができます。
本巻で登場するラフタリアの髪の毛から生まれた式神・ラフちゃんの誕生エピソードも、Web版とは異なるものになっています。アライグマに似て「ラフー」と鳴くかわいいキャラクター。ラフちゃんの活躍にもぜひ注目してみてください。
遂に始まった、キョウとの再戦。彼の幼馴染の女武士・ヨモギは、彼に与えられた武器で一行の前に立ちふさがりました。
しかし、その武器にはキョウのひどい罠がしかけられていて……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2015-01-22
前巻より、Web版にはない書籍オリジナルで展開されているストーリーも、本巻で完結します。牢に閉じ込められて自分の力も失くしてしまった尚文でしたが、新たな仲間も得てピンチを脱していました。
しかし、それも束の間。キョウの幼馴染のヨモギやホムンクルス達の襲撃を受け、一行は再びキョウと戦うことになります。しかもキョウは、当然のように次々と卑劣な手をくり出してくるのです。
特にヨモギに対する仕打ちは、読んでいて腹が立つという読者も多いかもしれません。彼女はキョウから強力な異形の武器を与えられていましたが、これにはヨミギごと尚文たちを倒そうとする罠が仕掛けられていたのです。キョウのために戦う彼女にとって、こんなひどい仕打ちはありません。
他にも、仲間を助けるという甘言で半獣半人の改造を施したり、死人を蘇らせたりとやりたい放題。そんななかで活躍するのが、リーシアです。彼女の活躍がどうキョウを追い詰めていくのか、それはぜひ手に取って確認してみてください。
仇敵キョウを倒し、無事に元の世界へ戻ってきた一行。しかし、世界のタイムリミットである災厄まで、あと3ヵ月半になっていました。
これまで散々迫害されていた尚文でしたが、あらためてメルロマルクの女王から援助を受けられることに。
それに対して、彼が要求したものとは……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2015-03-24
キョウのいる異世界から戻ってきた一行は、再び世界の災厄に立ち向かうべく動き出します。これまで散々濡れ衣を着せられ、バカにされ、究極の人間不信になるまで追い詰められていた尚文でしたが、黒幕も倒したことによって立場は回復していました。
前巻までは書籍オリジナルの異世界ストーリーが展開されていましたが、本巻から本筋となるストーリーが再開します。
あらためて王女から援助を受けることになった彼は、ある土地を自分の領地として与えてほしいと要求しました。ある土地というのは、すなわちラフタリアの村があった場所。彼は、彼女の故郷を再建しようとしていたのです。
そのために必要な人手として奴隷を手に入れることにするのですが、これもラフタリアのように村から連れていかれ、奴隷にされていた人達を買い戻すためでした。
そしてその奴隷を手に入れるために、「闇のコロシアム」に参加することになります。ここでは、新しいキャラクターも登場。舞台がコロシアムということもあり、多彩なバトルを楽しむことができる一冊になっています。
10巻もWeb版と異なる展開が少なくありません。Web版では登場していた者が登場していないなど、いい意味で先の読めない展開にページをめくる手が止まらないことでしょう。
ラフタリアの故郷を再建するために動き出した一行。再建のための人手集めとして、これまで奴隷として売られてしまった村人達を買い集めていた尚文でしたが、そんななか、ある勇者の生存情報が入り……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2015-06-25
前巻に引き続き、ラフタリアの故郷再建編です。
前巻は、ラフタリアと同様、奴隷として売られてしまった村人達を買い集めるために「闇のコロシアム」に参戦していました。
本巻では、そこで出会ったキャラクターも含め、新しい仲間が続々と増える一冊となっています。なかでも、フォウルとアトラの兄妹は今後もメインキャラクターとして活躍するので、ぜひチェックしてみてください。
2人はハクコ種と呼ばれる亜人と人間のハーフであることから、いろいろと辛い過去を背負っているようです。妹のアトラは病気がちで、兄のフォオルは妹の治療費のためにコロシアムで戦っていました。
フォウルは妹思いの純粋なタイプではあるのですが、度が過ぎて極度のシスコンなのが玉に傷。アトラからも煙たがれてしまっています。
そんななか、バラバラにされてしまった勇者達の生存情報が入り、一行は捜索に出ることに。この勇者達とのやり取りには腹立たしいシーンもありますが、とうとう尚文がキレてくれるので、スカッとする方も多いかもしれません。
かつてリーシアにありもしない罪をかぶせた挙句に、仲間から追放した弓の勇者・川澄樹。そんな彼がなぜかコロシアムでファイトマネーを荒稼ぎしていて……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2015-09-25
前巻より続く、他の勇者達の物語。キャッチコピーも「勇者更生編」となっており、その名前のとおり、尚文が勇者達を改心、更生させていくことになります。
本巻で更生させられるのは、かつてリーシアをボロボロにして追い出した川澄樹です。コロシアムでは、「パーフェクト=ハイド=ジャスティス」という自己顕示欲の塊のような偽名を使い、ファイトマネーを稼いでいました。
本巻の見どころの1つとしては、この樹とリーシアの一騎打ちが挙げられます。どれだけひどい仕打ちを受けても、樹に対して一途な信頼を抱く彼女との戦いを経て、彼がどう変わっていくのかとても気になるところです。
もう1つチェックしておきたいのが、新しく登場するキャラクター、ガエリオンです。彼はウィル種というドラゴンの男の子で、まだ赤ん坊であるため尚文に育てられます。
尚文のことが大好きなあまり、同じように彼に育てられた魔物であるフィーロと仲が悪いという、ちょっと面倒だけどかわいいキャラクターです。
本巻では、そんなガエリオンが巻き起こす事件も描かれているので、ぜひチェックしてみてください。
突然の襲撃を受けたラフタリア。本巻では、彼女の出生の秘密に触れることになります。
彼女を監視している国、クテンロウの存在を知った尚文は、現地へと乗り込むことにしますが……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2015-11-25
災厄の波で村と両親を失い、奴隷となってしまっていたラフタリアですが、本巻からは、彼女の本当の出生の秘密が明かされる新章が始まります。
前巻で、彼女が新調した巫女服をきっかけに、クテンロウの存在が明らかになりました。その巫女服が、実はクテンロウの王族の衣装だったからです。それらの事実から、ラフタリアがクテンロウの王族、すなわち天命だったことがわかりました。
もっとも本人もその事実を知らなかったらしく、彼女自身はそういったことに戸惑いを覚えているようです。
一方、尚文はこれまで彼女が散々苦労していたことを知りながらも、何も手を差し伸べなかったクテンロウに腹を立てます。彼女を守るためにもクテンロウの国家転覆を企み、一行はクテンロウへと向かうのでした。
このエピソードも、Web版では描かれていないオリジナルストーリーになるので、Web版をすでに読み終えているという方も、先の読めないワクワク感を味わえるでしょう。
国家転覆を企みクテンロウへと乗り込んだ尚文は、そこで革命派と手を組むことにします。
順調に作戦を遂行していく彼でしたが、そこに現れた意外な人物とは……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2016-02-25
前巻から始まった、ラフタリアの出生の秘密に迫るクテンロウ編。いざクテンロウに乗り込んでみると、そこは閉鎖的で、悪政のはびこる腐敗した国家でした。当然ながらそんな国家を改革しようとする人達もいて、尚文はそんな革命派と手を組み、クテンロウを追い詰めることにします。
しかし、そんな彼の前に現れたのが、札の勇者・シルディナ。彼女は、実はラフタリアが姉と慕うサディナの妹でした。サディナがクテンロウを出た後に生まれたようですが、勇者対策として敵対することになってしまい、一行もしだいに追い込まれていってしまいます。
クテンロウでの物語は、本巻でひとまず完結です。次巻からは再び領地となった村へ戻ることになります。
クテンロウから村へと帰ってきた一行。そんな尚文の前に現れたのは、槍の勇者・北村元康でした。フィロリアルに引かせた馬車で走り屋をしている彼に対して、尚文は……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2016-09-23
クテンロウへと行く前、勇者達を改心、更生させていた彼ですが、本巻では、残りの1人である北村元康が再登場します。とにかく女好きだった彼ですが、紆余曲折を経てフィーロのことを気に入ってからは、彼女やフィロリアルを変態的に愛する男になっていました。
ちなみに尚文のことも、フィーロを育てたということで、「お義父さん」などと呼ぶようになります。
そんな元康は、今はフィロリアルに引かせた馬車で走り屋をしていました。尚文は彼を仲間とするべく、馬車でのレース勝負をすることに。
フィロリアルレースは、どこか競馬や競輪のようなイメージで展開されます。レース特有のスリルがあるだけでなく、思わず笑ってしまう要素もあるので、ぜひ気軽に読んでみてください。
とはいえ、レースは15巻のメインの話ではありません。メインは鳳凰とのバトルです。雰囲気も一転、鳳凰戦はシリアスに展開されていきます。クライマックスでは驚きの展開が待っています。鳳凰戦の結末が気になる方は、ぜひ本編を手に取って確認してみてください。
鳳凰戦で横やりを入れてきた人物は誰だったのか……?そのために尚文達が負った被害は計り知れませんでした。
怒りにかられた尚文が対峙した相手とは……!?
- 著者
- アネコ ユサギ
- 出版日
- 2017-01-25
前巻より始まった鳳凰戦で、尚文たち一行は大きな被害を被りました。鳳凰との戦いに横槍を入れ、そんな状況を作った人物が、タクト=アルサホルン=フォブレイです。
鞭の勇者だという彼を前に、尚文は怒りのまま戦いに突入します。しかし、なんとタクトに盾の勇者としての力を奪われてしまうのです。
同じように、彼は他の勇者からも能力を奪っており、鞭や盾以外にも、斧やツメなど複数の力を所持していたのです。そのために強大な戦闘力を有しており、尚文もあっという間にピンチに陥ってしまいます。
しかし、そんな彼の前に現れたのは、これまで彼や村を守るために体を張った彼女達……この辺りの展開は心動かされるものがあります。ぜひ実際に手に取って読んでみてください。
タクトを倒し、自らのケジメもつけた尚文でしたが、勝利の余韻に浸る暇もなく、さらなる危機の知らせが届きます。
それは絆達のいる世界からで、彼女が誘拐されたというのですが……!?
- 著者
- ["アネコ ユサギ", "弥南 せいら"]
- 出版日
タクトとの戦いは終わりましたが、次なる危機は絆のいる世界で起こっていました。もともとその世界では、彼女以外の勇者は世界を守るという使命も放棄しており、彼女とは対立状態でした。そんななか、彼女は裏切りによって連れ去れ、石化されてしまいます。
石化されてしまった絆を助けるため、一行は再び彼女のいる世界へと向かうことになったのです。もはや大幅な加筆修正は本シリーズではお馴染みではありますが、本巻もほぼ書籍オリジナルなので、Web版にはない面白さを見つけることもできるでしょう。
今回は特にハラハラする展開も多く、先が気になる!と思える方も多いでしょう。
余談ではありますが、この巻では樹の音楽の才能が示唆されています。異能力がある世界では、彼の才能は正当に評価されていなかったものの、どんな楽器でもすぐに弾けるなど音楽のセンスはかなり高いようです。本筋とは関係ないものの、物語を支えるキャラクターをそれぞれ魅力的に描写しているのは、読者にとっても嬉しいポイント。
このようなキャラクターのかわいいポイントを見つけるのも本作の楽しみでしょう。
絆の世界での戦いを経て、新しい力を手にいれた尚文。
その力の特徴の1つ、「食事をすると能力を上げる事ができる」という力を最大限に活かすため、彼は有名料理人の元を訪ねることにしますが……!?
- 著者
- ["アネコ ユサギ", "弥南 せいら"]
- 出版日
絆のいる世界で、「食事をすると能力を上げる事ができる」という新たな能力を手に入れた尚文は、ここぞとばかりに大量の食事をします。しかし、いくら食べれば食べるほど能力が上がるといっても、人間なので限界があります。そこで彼は効率よく、最小の量で、最大の力を得られるような料理を探すことにしました。
しかし料理を探しに来たはずの場所で、なぜか料理人と料理勝負をするという事態になってしまうのです。もともと彼は料理が得意で、それは仲間から「飯の勇者」などと呼ばれるほど。どんな食べ物でも1度食べたら同じものを作れるという、天才的な料理の腕をもっていました。
そんな彼と料理人との料理バトルはもちろん盛り上がります。これまで戦い続きだった本シリーズでは異色のストーリーであるだけに、気楽に読むことができるでしょう。
ひょんなことから災厄の波に関する敵の正体を知った一行は、大陸にある城へとやってきました。
しかし、そこで襲ってきたトレジャーハンター(の振りをした連中)を撃退したことで、ある問題が起こってしまい……!?
- 著者
- ["アネコ ユサギ", "弥南 せいら"]
- 出版日
料理バトルをきっかけに敵の正体をつかんだ一行は、魔竜の案内で大陸にある城を訪れました。この魔竜というのは、絆達のいる世界の竜帝、つまり竜の王様でした。
もともと絆や尚文達とは敵対関係でしたが、世界が崩壊しては自分も困るので、今は協力関係にあります。現在は尚文に好意を寄せており、今回も彼に協力しているのです。本巻では、この魔竜が重要な役割を担ってくるので、ぜひ注目して読んでみてください。
また一行は、強化を解除してしまう「援護魔法無効化」への対抗手段を知るため、自在珠玉流の師範代のもとを訪ねます。これはグラスの流派でもあり、ここで彼女の過去も明かされることになります。ここで登場する師範代の老人もなかなか個性的で、読者を飽きさせません。
ちなみに本巻は、作者が昔から温めていたネタが盛り込まれています。この機会に、いま一度1巻を読んでみると新たな発見があるでしょう。
尚文一行が絆たちの世界から帰還すると、領地の村ごと見知らぬ場所に飛ばされてしまいます。
そこには現れたのは、なんともうひとりの盾の勇者で……!?
- 著者
- ["アネコ ユサギ", "弥南 せいら"]
- 出版日
尚文とその一行は、絆たちの世界から元の異世界に帰還してきます。
セインの姉に警告されたこともあり、一行は警戒を強めながら溜まっていた報告や用事を済ませていました。
しかし本拠地である村に帰ってきた尚文は、何の前兆もなしに謎の閃光に包まれて、村ごと見知らぬ場所に飛ばされてしまいます。そこに現れたのは、先代盾の勇者・城野守でした。尚文たちは過去に飛ばされてしまったのです。
過去編ということもあり、またしても本編とは趣向の違うストーリーが展開されています。なかなか本筋のストーリーに戻りませんが、先代盾の勇者との交流は非常に興味深い要素です。先が読めないだけに、今後の展開がますます気になりますね。
村ごと過去の世界に飛ばされた尚文たち一行は、先代盾の勇者である城野守と協力関係を結びます。
しかし、守は裏でとんでもない実験をしていて……!?
- 著者
- ["アネコ ユサギ", "弥南 せいら"]
- 出版日
尚文は先代の盾の勇者である守と協力関係を結びます。しかし、尚文は守のことをいまいち信用しきれずにいました。
そんなある日、尚文は守が保護している遺児の一人から、夜中に呼び出され、シルトラン城の隠されていた地下室へと案内されます。
そこでは、守が人体実験に近い非人道的な行為に手を染めていました。守は、遺児をより強い種族へと改造しようとしていたのです。
盾の勇者である守は、なぜこのような行為に手を染めてしまったのでしょうか?また、尚文は守の行為に対してどのような思いを抱くのでしょうか。その結末は、ぜひ本書で確認してみてください。
過去の世界には、ピエンサと呼ばれる大国がありました。
力ですべてを解決するピエンサは、尚文たちが滞在する小国シルトランと同盟を結ぼうとした各国に向けて、突如侵攻を開始します。
- 著者
- ["アネコ ユサギ", "弥南 せいら"]
- 出版日
22巻でも引き続き過去編のストーリーが展開されます。
尚文たちが滞在する小国シルトランは、大国ピエンサの侵攻を退けたこともあり、各国の人間から偵察されていました。
そんな中、シルトランに同盟を申し込んだ国々に、ピエンサが攻め込むという事態が起きます。ピエンサを偵察していた尚文の仲間も巻き込まれ、重症を負ってしまいました。
何とか仲間を治療しようとする尚文ですが、その傷は盾の勇者でも治せない回復不可の傷だったのです。致命傷を負った仲間はどうなってしまうのでしょうか?
また、この巻では尚文の宿敵である「神を僭称する者」も登場します。尚文たちとピエンサ軍との戦いに宿敵がどのように関わってくるのか、注目です。
いかがでしたか?アニメ第2期の放送も決定し、今後の展開からますます目が離せない本シリーズ。特に序盤は、主人公の追い込まれぶり、変貌ぶりに心を痛める人も多いでしょう。しかし、尚文たちがそんな困難を乗り越える姿こそ、本作の魅力でもあるのです。アニメが放送されるまでの間に、ぜひ1度読んでみてください。