『名探偵コナン』安室透の意外にアツい10の事実!かっこよすぎ!

更新:2021.12.9

連載開始から27年が経っても未だ人気が衰えない『名探偵コナン』。そのなかでも人気があるキャラクターのひとりと言えば、2018年の劇場版でも大活躍した安室透です。大人気キャラクター安室透の意外な事実を10コ、ご紹介します!

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ミステリアスなトリプルフェイス、安室透!かっこいい!

 

安室透の『名探偵コナン』初登場エピソードは第75巻File.9「プライベート・アイ」です。第75巻が発行されたのが2012年ですから、安室が私たち読者の前に現れてから、すでに8年以上が経っています。

その安室の人気が爆発的に上昇したのが、2018年公開の劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』です。この映画で安室の魅力を目の辺りにし、「安室の女」を自称する熱心なファンとなった女性が大勢出現しました。

「安室の女」たちは安室を「100億の男」にする、すなわち『ゼロの執行人』の興行収入100億円を達成するため、足しげく劇場に通いました。しかし残念ながら、その興行収入は91.8億円(興行通信社調べ)となりました。あと一歩及ばず、と言ったところです。

この興行成績は、それまでの劇場用『名探偵コナン』21作(2017年現在)のうち、最高額を記録した第21作「から紅の恋歌(ラブレター)」の68.9億円を抜いて、ぶっちぎりの第1位でした。しかし、その次回作となった『名探偵コナン 緋色の不在証明』の興行収入が93.7億円を記録したことで、『ゼロの執行人』の記録は破られました。

しかしながら、安室透は初登場から年月を経て、劇場版のほぼ主役といえる座を獲得し、それまでのコナン作品の興行収入を大きく上回る成績を叩き出した男です。その安室透とはどんな人なのか、ここでおさらいしておきましょう。

 

著者
青山 剛昌
出版日
2012-04-14

安室透はどんな人?

名は安室透(あむろ・とおる)、職業は私立探偵をしながら喫茶ポアロでアルバイト。年令は29歳、独身。右利きです。殺したいほど憎い相手には左利き。

趣味はボクシング。テニスはジュニア大会で優勝の経験を持ち、ギターも演奏できます。愛車は白いマツダRX-7、運転技術はスタントドライバーも驚愕するだろうほど。

料理も上手で喫茶ポアロで提供するハムサンドはそれ目当てで来店する客もいるくらいです。何でもうまくこなしてしまう安室透、何というハイスペック!

出典:『名探偵コナン』88巻

彼は私立探偵・安室透として登場しました。登場後すぐに探偵・毛利小五郎に弟子入り志願し、毛利探偵事務所の下階にある喫茶ポアロでアルバイトをはじめます。  

しかし、その姿はどうやらフェイク。あるときは「黒の組織」に所属するコードネーム「バーボン」。またあるときは警察庁警備局警備企画課(通称ゼロ)に所属する降谷零(ふるや・れい)。3つの顔を持つ「トリプルフェイスの男」です。

バーボンは闇社会で暗躍する「黒の組織」の一員として活動する際のコードネーム。「黒の組織」と言えば高校生探偵・工藤新一にAPTX4869という開発途中の薬を飲ませて幼児化させ、江戸川コナンとして生きることを余儀なくさせた組織です。では、バーボン=安室も悪の一人なのでしょうか?

実は、バーボンも仮の姿なのです。彼の正体は、警察庁警備局警備企画課、いわゆる公安に所属する降谷零です。公安の仕事は「国を守ること」。国民一人一人の安全を守る警察官とは違って、国家の安定を図るのが公安の目的であり、降谷(=安室)の仕事です。

公安は身分を隠し、職務を隠し、重要な任務を遂行します。それは「存在しない組織であれ」という意味を込めて警察庁警備局警備企画課を「ゼロ」と通称することにも現れています。

降谷は国家の安全のため、「黒の組織」にバーボンとして潜入し、公安としての捜査活動をしていました。公安の降谷であることも「黒の組織」のバーボンであることも、いずれも伏せておくために「安室透」は存在しているのです。

公安としての正義を貫く安室は「ゼロの執行人」終盤で、こう言いました。

「僕の恋人は……この国さ!」
(映画「名探偵コナン ゼロの執行人」から引用)

日本という国を愛し、日本のために身命を厭わず任務に服するストイックな日々を過ごす安室・しかし、そんな彼からも時折意外な一面が垣間見えます。

次の項からは安室の魅力が覗く意外な事実、ちょっとした一場面を漫画『名探偵コナン』から10コ選んでご紹介します。

意外な事実1:覗き込む茶目っ気

『名探偵コナン』第78巻File.9「消えた密室の鍵」より。

ベルツリー急行の一件(第78巻File.1~File.7)が終わった後のこと、園子の誘いでコナン、蘭、小五郎は伊豆高原の別荘でテニスをすることになります。そこにはテニスのスペシャルコーチがいると言うのですが、何とそれは安室でした。

出典:『名探偵コナン』78巻

「安室=バーボン」であることがベルツリー急行の一件で明確になったこともあって、コナンは警戒しますが、そこに飛来したテニスラケットがコナンの頭を直撃! 倒れたコナンは招かれた園子の別荘ではなく、意図せずラケットを放り投げてしまった学生の別荘へと運び込まれます。そこで事件が……。

コナンと小五郎、安室、静岡県警の横溝警部が事件解明に当たり、謎が解けたコナンがいよいよ小五郎を使って推理ショーをしようと腕時計型麻酔銃を構えたとき……。

出典:『名探偵コナン』78巻

腕時計型麻酔銃の照準を、ごく至近距離から安室が覗き込み、そのためにコナンは麻酔銃を撃てなくなってしまいます。

このときの安室は、実はコナンが推理をしているのだという「眠りの小五郎」の絡繰を知りません。

コナンの仕草が不思議に見えたのかもしれませんが、小学生の目の高さまで身体を折り曲げて覗き込むというのは、30歳間近の男性の行動にしてはずいぶんかわいらしいですね。

意外な事実2:華麗なドライビングテクニック

『名探偵コナン』第76巻File.5「立体交差の思惑」より。

ある事件の犯人とコナンが、誰にも行く先を告げず自動車でどこかに行ってしまいます。犯人が判明するのはいなくなった後のこと。それ以前に事件の真相に気付いたのはコナンだけだったのです。

犯人が先ほどまで一緒にいた人物と判明し、コナンを助け出すべく、世良真純はバイクで、阿笠博士と灰原哀は沖矢昴の車で、そして蘭と小五郎は安室の車でそれぞれ走り出します。

車内の小五郎が携帯電話で「犯人は自分たちが走っている路線を青いスイフトで走っている」と情報を受けます。それを聞いた安室の目には、ちょうど対向車線を走る青いスイフトが。ただちに安室は車を急転回させます。

このとき、安室が使ったテクニックが「ヒール・アンド・トゥ」です。

出典:『名探偵コナン』76巻

ヒール・アンド・トゥとは、マニュアルトランスミッション(MT)車を運転するときのテクニックです。

シフトダウンする際に、下記の操作を一連の流れとして行います。

  • 右足でブレーキペダルを踏んで減速する。 
     
  • 減速と同時に、左足でクラッチペダルを踏んでクラッチを切る。 
     
  • 右足の爪先でブレーキペダルを踏んだまま、踵でアクセルペダルを踏んで、エンジンとギアの回転数を同調させておく。 
     
  • 左脚を戻してクラッチをつなぐ。 
     
  • 右の爪先を離して、アクセルペダルを踏み、再加速。

減速、クラッチ解除、エンジンの回転数調整、クラッチ接続、再加速という、一旦減速をしてから再び加速するまでの一連の動作をスムーズにかつ素早くおこなうためのテクニックがヒール・アンド・トゥです。

この操作がスムーズに行われないと、カーブやターンの際にギアがロックして、車がガクガクしたりスピンしてしまったりと危険です。

ヒール・アンド・トゥは難しく、また公道を走る市販車ではほぼ必要のないテクニックで、超高速の世界でコンマ1秒を争うF1パイロットなどのプロドライバーが使うもの。

そんなプロのテクニックをとっさの急転回時に使えるのも安室のカッコイイところ。愛車がマツダRX-7というスポーツカーであることも相まって、クールさが際立ちます。

著者
青山 剛昌
出版日
2012-06-18

意外な事実3:法令遵守、安全運転

『名探偵コナン』第78巻File.10「謎解きの鍵」より。

事件がひとつ解決した後、帰路についた安室。彼は一人、車に乗り、何らかの通信機器を介してベルモットと話します。RX-7で走行中、つまり運転中です。

まさかスマホ運転?! と勘ぐってしまいますが、実は安室は基本的には安全運転の人なのです(猛スピードで曲芸紛いのミラクル走行をすることもありますが)。

出典:『名探偵コナン』78巻

片手運転、脇見運転にならないよう、ヘッドセットを使用して会話しています。また、よく見ると、きちんとシートベルトも着用しています。

安室の愛車RX-7はすでに生産終了しているので、壊してしまうと新しい車両は手に入りません。大事に乗るためにも、今後も道路交通法をしっかり守って安全運転を続けてほしいですね。

著者
青山 剛昌
出版日
2012-12-18

意外な事実4:小さな紙片も捜査で発見

意外な事実4:小さな紙片も捜査で発見
出典:『名探偵コナン』80巻

 

『名探偵コナン』第80巻File.4「工藤様方配達物」より。

安室が喫茶ポアロでの勤務中のこと。コナンが安室に事件を知らせるために暗号を忍ばせたレシートを猫に託して届けようとしたところ、梓がそれを手に取ったのですが、風にさらわれてしまいます。それが何らかの事件に関わるものと気付いた安室は、ポアロの仕事をその場で切り上げて、レシートを追います。

一瞬見えただけのレシートから幾つかの文字を読み取り、それだけの要素から、誰から届いたどういった用件のレシートなのかを判断し、すぐ行動に移せる頭脳の機敏さはさすがです。

また、風にさらわれたレシートの見つけ方もすごい!何と風力や風向、地形などからレシートが飛ばされた方向をシミュレーションで予測して、風にさらわれたレシートを見つけ出そうというのです。駆けながらスマホを操作しているのは、風力などを調べてシミュレーションのための計算をしているのでしょうか。

その結果、街角の吹きだまりでレシートを見つけ、拾い上げます。

 

出典:『名探偵コナン』80巻

安室はその場でコナンがレシートに忍ばせた暗号を読み解いてしまいます。風に飛ばされた小さな紙片を知識と計算と脚力で見つけ出した上、暗号も難なく解読してしまうなんて、もはや超能力者と言っていいのでは?

読み解いた暗号の内容を頼りにコナンたちがいるところに駆けつけ、彼らを助け出しますが、彼らには「レシートは見つけられなかった」「偶然通りかかった」と安室は言います。「大急ぎで駆けつけた」とは言わないところがまたかっこいいですね。

出典:『名探偵コナン』80巻

意外な事実5:やさしくて容赦ない?!

『名探偵コナン』第80巻File.4「工藤様方配達物」より。前の項と同じエピソードからです。

レシートを拾って暗号を解読した後、安室は愛車RX-7でコナンたちがいるであろう場所にやってきます。コナンたちは殺人犯が死体隠蔽のために利用している宅配業者の冷凍車に閉じ込められていました。

死体を見つけてしまったことで、コナンたちは犯人に口封じのため生命を奪われそうになります。そこに安室がやってくるのです。

冷凍車が停まっていたのは工藤邸前の幅が狭い道。冷凍車とRX-7はすれ違うことができません。そこで安室が犯人に言います。

「譲ってもらえますか? 傷つけたくないので!」
(『名探偵コナン』80巻から引用)

車を降り、冷凍車の荷台にコナンたちがいることを確かめた安室を犯人は見咎め、やはり口を封じようとします。しかし安室は犯人が行動に移る暇も与えず、鋭い左フックでノックアウト!

「言ったでしょ? 傷つけたくないから譲ってくれと…」
(『名探偵コナン』80巻から引用)

 

出典:『名探偵コナン』80巻

安室の台詞は、「車を傷つけたくないから道を譲ってくれ」という意味だけでなく、「あなたたちを傷つけたくないからコナンたちの身柄を譲ってくれ」という意味も含んだダブルミーニングでした。また、この台詞は何が起こっても自分は無事でいるという自信がないと言えませんね。

このあと、前の項でご紹介したように「レシートは見つけられなかった」と言って立ち去るのです。まるで映画のヒーローのような颯爽とした去り際です。

著者
青山 剛昌
出版日

意外な事実6:コナンに負けない芝居っ気

『名探偵コナン』第84巻File.7「ゼロ」より。

妻である妃英理が仕事先で倒れたとの報を受け、小五郎は慌てて病院に駆けつけます。先に蘭とコナンが来ていて、英理の手術は終わっていました。

英理は虫垂炎(盲腸)とのことで大事もなく、それは一安心なのですが、その病院の別の病室で事件が起きます。目暮警部や高木刑事がやってきて、病院には安室も別件で来ています。

コナンたちは一緒に事件の捜査をすることになりました。

そこでは安室も鋭い推理を見せるのですが、その後すぐに師匠である小五郎に「ですよね?」と話題と手柄を振り分けています。当の小五郎は安室が推理した点については分かってはいなかった様子で曖昧な返事をしています。

出典:『名探偵コナン』84巻

この話の振り方って、どこかで見たことありませんか?

そうです。コナンが、本当は高校生の工藤新一だということを伏せるために、小五郎に話を振るのととてもよく似ています。

このエピソードの少し前、第81巻File.2「赤井秀一の消息」のラストで安室はコナンについてこのように言っていました。

「怖ろしい男ですよ…あの少年は…」
(『名探偵コナン』第81巻より引用) 

この発言から、第84巻のこの事件の頃には、安室もコナンの正体に気づきはじめていたのではないかと推測されます。小五郎に話を振るのも、コナンを真似たのかもしれませんね。

著者
青山 剛昌
出版日

意外な事実7:僕の○○…

『名探偵コナン』第84巻File.10「僕の日本から…」より。

FBIのジョディ・サンテミリオンの友人が転落した事件で、安室は警察に呼び出されます。ジョディの友人の携帯電話に安室の電話番号も記録されていたからです。ジョディの友人はストーカー被害に遭っていて、探偵の安室に対策を依頼していたのです。

FBIと言えば安室が仇敵と目する赤井秀一が所属する組織。赤井もまた安室と同じように、FBIに所属しながら「黒の組織」に潜入していました。赤井は「ライ」というコードネームを名乗り、バーボン(=安室)や彼と同じ公安からの潜入捜査官である「スコッチ」というコードネームの男と、同じ時期にともに活動していたのでした。

しかし、スコッチは組織に潜入捜査官であることがばれてしまい、自決を余儀なくされてしまいます。赤井の目の前で拳銃を自分に向けて発砲し、絶命したスコッチは、安室の警察学校での同期で、彼にとって大切な存在でした。

安室は、赤井ほどの人物ならスコッチの自決を阻止できたと考えています。そのため、彼の自決をみすみす許してしまった赤井を、いまも許せずにいるのです。その影響で赤井が所属するFBIという組織にまで憎しみをあらわにします。

FBIとはアメリカ情報捜査局(Federal Bureau of Investigation)、ごくごく簡単に言ってしまうと「アメリカの公安」です。日本の警察に捜査協力することもないからか、FBI捜査官であるジョディたちに安室は言うのです。

「とっとと出て行ってくれませんかねぇ…僕の日本から…」
(『名探偵コナン』84巻から引用)

 

出典:『名探偵コナン』84巻

他所の国の捜査官など、自分が守る日本にはいらない。そんな気持ちも重なっているのでしょうか。

「僕たちの」ではなく「僕の」日本と言いきりました。「ゼロの執行人」では「僕の恋人は……この国(日本)さ!」と言い放った安室。「僕の」なんていう独占欲さえ垣間見える言葉を付けるあたり、まさに「恋人」のように熱烈に日本を愛しているのでしょう。

著者
青山 剛昌
出版日

意外な事実8:不測の事態に慌てることも

『名探偵コナン』第85巻File.4「緋色の真相」より。

来葉峠で死んだと思われていた赤井が生きていると踏んだ安室は、工藤邸に間借りしている沖矢のもとを訪れます。沖矢こそが赤井が変装した姿だと看破してのことです。

マスクをつけて迎える沖矢と工藤邸で対峙する安室。同じ頃、FBIのジョディとキャメルの二人が来葉峠へと向かい、その車を公安が追います。安室は沖矢の面前で赤井失踪の絡繰を解いてみせ、沖矢=赤井であることを暴露しようと詰め寄っていきます。

一方、来葉峠に至る山道を走る公安はFBIの2人を捕縛しようとしていました。沖矢が頑なに赤井であることを明かさなかった場合、彼らを人質に取って正体を明かすよう仕向けるためです。しかし、安室の携帯電話が鳴り、「赤井が発砲した」と告げられます。FBIの2人を追う公安の部下たちからの報せです。

目の前にいる沖矢=赤井だと信じていた安室は席を立ち上がり、明らかに動揺した声で部下を問い質します。

出典:『名探偵コナン』85巻

いつも冷静で余裕を見せる安室が不測の事態に大声を出すのです。沖矢がテレビの声が聞こえないから静かにするようにと告げるくらいですから、普通の話し声よりよほど大きな声で喋っているのでしょう。

また、動揺が声に表れているのはふきだしのかたちを見れば明らかですし、沖矢に声をかけられたときには愕然とした表情も見せています。これほど取り乱した様子を見せる安室は、このエピソードでしか見ることができません。

車の運転、スポーツ、料理、ピッキングなど、何でもできる万能者のような安室ですが、このようにはげしく感情を動かす姿を見ると、より人間的な親しみが感じられます。

著者
青山 剛昌
出版日
2014-12-18

意外な事実9:チャーミングなジェスチャー

『名探偵コナン』第93巻File.1「待ち合わせは喫茶ポアロで」より。

突然、東京にやってきた服部平次と遠山和葉。聞けば銀座のイルミネーションを見に来たと言います。蘭を誘いに来た和葉が蘭と一緒に小五郎の夕食を用意している間、平次とコナンは喫茶ポアロに。そこで折り悪く殺人事件が発生。

ちょうど安室もポアロに出勤していて、ともに事件を捜査することに。ルミノールという血液を感知する薬剤の説明や現場の状況を流暢に話す安室を見て、平次は「何者や、あの男…」と訊ねます。このとき、平次と安室は初対面だったのです。

「ああ…あの人は…」と安室の素性を平次に明かそうとするコナン。気づいた安室がジェスチャーします。

出典:『名探偵コナン』93巻

口の前に人さし指を立てるジェスチャーは、フィクションの世界ではたびたび見受けられますが、実際にやる人はあまりいません。しかし、これだけ魅力的な安室がやると画になりますね。ウィンクも相まって、ハートを射抜かれてしまったファンも多いことでしょう。安室ファン垂涎モノの一コマです。

意外な事実10:ときには公私混同も?!

『名探偵コナン』第94巻File.6「ストラップを探せ!」より。

少年探偵団の面々とサッカー観戦した帰りの電車の中で、灰原は大切な携帯ストラップを紛失してしまいます。灰原が大好きなビッグ大阪の比護選手の姿を模したぬいぐるみストラップで、しかも比護選手本人が手で触れた「世界でたったひとつ」のものです。

阿笠博士宅に帰り着いてから紛失したことに気づいた灰原は、あまりのショックに放心。コナンたちはストラップ捜索に乗り出します。

なぜか阿笠博士宅の隣、工藤邸前に車を停めて仮眠を取っていた安室に乗せて貰い、駅の遺失物係に向かいますが、届いていたのはよく似たかたちの別の携帯ストラップ。少ない手掛かりをもとに安室とコナンたち少年探偵団は携帯ストラップの行方を推理します。

しかし、あと一歩のところで携帯ストラップの在処がわかりません。仕方なく別の手掛かりを捜査しようとする一行の陰で、安室はこっそり電話をかけ……。

出典:『名探偵コナン』94巻

電話の相手は安室の忠実な部下、警視庁公安部の風見裕也警部補。生真面目な風見は安室の指示通りに指定された電車に乗車します。

彼らが知りたかったのは、電車の窓に子供が息を吐きかけて指で書いた文字。指定された電車の扉の前までやってきた風見は、さらに安室から指示を受けます。

「その扉の窓にしゃがんで息を吹きかけろ!」
(『名探偵コナン』94巻から引用) 

思わず「はい?」と聞き返してしまう風見が何とも言えないコメディタッチで微笑ましくさえあります。安室に「早くしろ!」と急かされ、周囲を気にしながらも言われたとおりに窓に息を吹きかけると文字が浮かび上がりました。

その文字を伝え、「これは一体何の捜査…」と風見は問いますが、安室はさっさと電話を切ってしまいます。

出典:『名探偵コナン』94巻

風見はもちろん公務中。仕事中に上司から電話で指示を受けたこともあり、重大な捜査だと考えて機敏に行動しています。よもや少女が紛失した携帯ストラップを探す手伝いをさせられているとは思ってもみないでしょう。

風見の捜査協力のおかげで手掛かりを掴み、携帯ストラップは無事に灰原の手に戻りました。しかし残念ながら、風見自身はこの功績を知らないままです。

安室は公安でもかなり高い地位にある様子で、部下も多くいます。なかでも風見は安室の指示に忠実に行動します。しかし、それを私用に使ってもいいものでしょうか……。

「正義」を貫く安室もときにはこんな公私混同をするとは、意外な一面が見られるエピソードでした。

なお、劇場用『名探偵コナン』第20作「純黒の悪夢(ナイトメア)」で『名探偵コナン』に初登場した風見はアニメ先行のキャラクターで、原作漫画ではこのエピソードがはじめての登場となります。

出典:『名探偵コナン』94巻

安室透の意外な事実を10コご紹介しました。普段は穏やかでかっこいい安室にも、実は激しい一面やお茶目な一面があって、ファンのみなさんもそういったところに魅力を感じているのではないでしょうか。

単行本を詳しく読むと、もっと多彩な安室の表情を見つけ出すことができますよ。ぜひご自身の目で確かめてみてください!

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