全男性に捧げるメンズファッション漫画。理論さえ押さえれば、センスがなくてもオシャレになれるんです。悩める主人公・祐介と一緒に、ファッションの基本を学びましょう! 今回は、読めば誰でもオシャレになれる本作の見所をご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。
27歳、会社員の祐介は、同窓会の打ち合わせで会った友人たちのオシャレさに愕然。どうせ自分はファッションセンスがないんだと落ち込みます。
加えて、鏡を見るなんてナルシストみたい、場に適した服がわからない、かっこいい服は高い。ファッションに興味が無い人が陥るありがちな悩みに悶々……。
しかし、そんな彼に救いの女神が!!
ファッション好きな妹の環が、コーディネートの指南をしてくれることになったのです。しかし、オシャレに目覚めようとする者が必ずぶつかる壁に、彼もぶち当たります。
そう、服を買いに行くための服が無い。
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2015-12-10
そんな彼でも気負うことなく行けるショップだと環が連れてきたお店は「ユニクロ」。ベーシックな品がそろうこのショップで、基本のアイテム探しが始まります。
「試着ってなんか……しんどいだろ……」
(『服を着るならこんなふうに』1巻から引用)
祐介が数多くのアイテムに惑わされ、試着というハードルを越え、ようやく手にした基本のキ。そのアイテムは、細身のシルエットがきれいな「スキニ―フィットテーパードジーンズ」!色は黒!! 長ったらしくて覚えられません。しかし、この最初の1着が、彼の生活を変えていくのです。
値段でもブランドでもなく、大切なのは全身の調和感。環の助言で、ひとまず組み合わせやすく大人っぽく決まるモノトーンの服に照準を定め、オシャレコーディネートを目指します。
印象の決め手となるボトムを購入してご機嫌な祐介ですが、環のファッション指南はまだ始まったばかりです。
1巻のコーディネートも好評を得て、同窓会を無事に終えた祐介。それなのに、家で無気力にゲーム三昧。それは同窓会で再開した女性・樋口との思い出が原因なのでした。
「その服装良いと思ってしてるの?」
(『服を着るならこんなふうに』2巻から引用)
彼女は、祐介がファッションに苦手意識を持つきっかけを作った人物。明るくてよい人ですが、正直すぎる発言の切れ味が抜群なのです。そんな苦手な彼女の買い物に付き合うことになってしまった彼の運命は!?
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2016-03-10
そんななか、祐介がやって来たのは百貨店!ユニクロとは雰囲気も、商品の値段も、全然違います。百貨店によく来る樋口の振る舞いに対し、さらに萎縮する祐介。
しかし、服が趣味だという樋口から、流行がどこからやってくるのか教わり、初めて高価な服とファストファッションの違いを意識するようになります。百貨店は、初めはハードルが高いかもしれませんが、自分の目を養うことになるのです。
ファッションをとおして、苦手だった彼女と連絡先を交換すること。服に興味を持ったことで祐介の世界が広がりました。服を楽しむ気持ちを知り、次なるチャレンジはどうなるのでしょうか。
春になると、男性も女性も、柔らかな色合いの華やかな服を着たくなります。環もワクワク気分で少々浮かれ気味です。しかし、服に興味を持ち始めたばかりの祐介は、そうはいかない様子。
「季節が変わったくらいで、オシャレの基準がそんなに変わるのかよ!」
(『服を着るならこんなふうに』3巻から引用)
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2016-08-10
これまで、「おしゃれで大人っぽく見えるのはモノトーン」という環の言葉を信じ、それを守ってきた祐介。それなのに、春になったら今度は華やかな服を勧められるなんて!唐突に彼にとってのそんな危機が訪れました。
しかし、それでも大丈夫!彼にはファッショニスタ環がついています。
春はやっぱりペールカラー!環がおすすめするその春物アイテムは、コットンシャツです。モノトーンの服に明るいカラーを組み合わせてみた彼の反応は……?
テンションが上がる色の服にも興味が湧いてきた彼は、手軽に取り入れられるカラフルな小物にも挑戦します。果たしてそれが、吉と出るか、凶と出るか?
新潟から、いとこの圭がやって来ました!祐介と環が、東京の街を案内します。
「この日のために春からバイトしてお金を貯めて来たんだ……」
(『服を着るならこんなふうに』4巻から引用)
目的を聞いてもなぜか恥ずかしそうにしている圭。一生懸命バイトをしてきた彼が、東京でしたいこととは……。
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2017-02-10
実は、オシャレな服を買いたくて東京までやって来た圭。東京にはたくさんのショップがあるので、憧れるのはわかります。オシャレな服を着てみたいと言う彼に、以前の自分をダブらせる祐介。不慣れな彼を手助けするべく、環と祐介が一肌脱ぎます!!
圭が欲しいのは、大学に通うための服。毎日同じアイテムを着ているよりも、違う服を着こなしている人のほうがオシャレに見えますよね。そこで、着回しがきかないブランド物よりも、着回しができる低価格な服を狙ってお買い物です。
こんな時に頼りになるのは、GUやユニクロ。圭は不安そうですが、祐介はファストファッションの有能さを体験済み。心配ご無用です。
体のラインをきれいに見せる3つのシルエット。それさえ知っていれば、一見普通のアイテムでもオシャレなコーディネートが可能になります。さあ、みなさんも覚えましょう! Iライン・Aライン・Yライン!
本巻では、圭がオシャレを頑張ろうとしている理由も明らかになります。読んでいて、つい彼を応援したくなってしまうこと間違いなしです!
今度の祐介の課題は、友人の結婚式の二次会です。メールでさらっと送られてきた「ドレスコードはスマートカジュアル」という難題。
環が不在ななか、1人で調べ始めますが、二次会の服装ルールを守ったコーディネートを完成させることは出来るのでしょうか。
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2017-08-04
ネクタイはしてもいいし、しなくてもOK。ダメージジーンズはダメだけど、近年はジーンズOKになってきた気がするetc……。ネットの情報はあやふやで、一体何を信じればいいのか!?
「俺はもうわけわかんなくなってんだよ~~~」
(『服を着るならこんなふうに』5巻から引用)
結局、樋口と帰宅した環にアドバイスを求めた結果わかったのが、ドレスとカジュアルの割合を8対2にすること。ビジネススーツではなく、上下合わせて着るカジュアル用のセットアップにたどり着きます。ビジネス用もセットアップも、両方スラックスとジャケットですが、シルエットが異なるのです。
セットアップの中に合わせるTシャツやニット、スニーカーでカジュアルさを演出すれば完璧!いろいろな人のアドバイスに助けられて、二次会のコーディネートは心配なさそう……?
さらに、偶然会った低身長がコンプレックスな祐介の友人。その低身長をカバーするアイテムを、環が教えてくれます。
これまでは会社の飲み会に参加するのを嫌がっていた祐介。後輩からの誘いで、他部署も交えての飲み会に初参加です。同僚や上司から、私服もちゃんとしていてオシャレと褒められウキウキ気分。
しかし、オシャレな受付嬢・斉藤から衝撃の一言が。
「無難で地味ですよ!!!」
(『服を着るならこんなふうに』6巻から引用)
浮かれ気分から一転、ネガティブ発動で落ち込むことに……。無難で地味な服装を変えられるのでしょうか!?
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2017-12-04
服を好きになっていたからこそ、祐介は地味だと言われたことがショックでした。今好んでいる無難なコーディネートはトレンドに左右されにくい利点もありますが、新しいことに挑戦するのもよいこと!というわけで、次のステージへ進む決意をするのです。
カラーニットやダークトーンの柄物バッグ、ひざ上丈のハーフパンツなど、子供っぽくならないアイテムを見て回り、脱ノームコア(「標準」という意味)を図ります。いろいろなアイテムのなかから、彼が選ぶトレンド品は何なのでしょうか。
会社の頼りになる先輩・山本さんがスニーカーオタクであることも発覚し、祐介のファッションに関する興味は尽きることがありません。
古着というだけで、他人のお古・ボロボロ・中古品だと避けてしまうことがあります。祐介もその1人でした。しかし、古着にはまだ知らない魅力が詰まっているようなのです。
「なんでわざわざ人のお古をそれなりの値段で……」
(『服を着るならこんなふうに』7巻から引用)
樋口が、環と祐介に古着の知識と魅力を伝授します。
- 著者
- 縞野やえ
- 出版日
- 2018-09-03
祐介、環、樋口の3人がやって来たのは、偶然通りかかった古着屋さん。入るのを嫌がる祐介ですが、ノリノリの樋口に連れられて入店します。
教えてもらったのは、古着屋にはブランド古着とヴィンテージ古着もあること、必ずしもただのお古とは限らないこと、そして流行の服の原型が手ごろな値段で買えることです。
過去のモデルから現在のデザインが作られているという現象を知り、また1つ知識を得た祐介。特に環は興味津々です。先入観を捨てれば、賢く買い物できるのですね。
知れば知るほど楽しくなり、どんどんレベルアップしていく祐介が、次に興味を持つのはどんなお店でしょうか。まだまだ、さまざまなアイテムに挑戦します。
環の高校時代の同級生も登場し、祐介のファッション指南者たちは心強くなる一方です。
お店に入りづらい、試着するのは迷惑になりそう、何が似合うのかわからない……。そんな多くの人がぶつかる悩みを、優しく解決に導いてくれる頼もしい作品です。
流行やオシャレがわからない人にこそ、読んでほしい本作。お気に入りの一着が見つかれば、毎日が楽しくなります。ぜひ祐介と一緒に、気分があがる服を探してみましょう。