漫画『聖闘士星矢セインティア翔』の見所を全巻ネタバレ紹介!アニメ化決定!

更新:2021.11.24

車田正美の名作漫画『聖闘士星矢』といえば、聖衣(クロス)と呼ばれる鎧を纏って戦う少年たち、聖闘士(セイント)の戦いを描いた作品。しかし、本作で戦うのは、なんと少女たちなのです。 2018年12月からANIMAX on PlayStation(R)でのアニメ化も決定した聖闘少女(セインティア)たちの熱い戦いの見所を、全巻ご紹介します。ネタバレを含むのでご注意ください。

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『聖闘士星矢セインティア翔』1巻の見所をネタバレ紹介!【アニメ化決定!】

 

この世に悪がはびこる時、必ず現れるとされる戦士、聖闘士(セイント)。女神アテナを守るために戦う彼らは、星座を主語に持ち、聖衣(クロス)と呼ばれる鎧を身に着けていました。階級は、聖衣の種別に応じて3段階に分けられています。

聖闘士は主に少年がなるものですが、女性でもなれないわけではありません。その場合、女を捨てることを求められ、常に仮面をかぶるこが義務付けられます。

女性聖闘士にとって顔を見られることは、裸を見られることより屈辱的なこと。素顔を見られた場合は、愛するか、殺すか。この2つの条件が課せられるのでした。

女神アテナの生まれ変わりの少女である城戸沙織が、「射手座の黄金聖衣」をかけたトーナメント戦「銀河戦争」を開催する少し前のこと。流星学園中学に通う翔子は、離れ離れになってしまった姉・響子を探していました。

果たして、なぜ響子は突然姿を消したのでしょうか。それには、翔子のある秘密が関係していて……。

 

著者
久織 ちまき
出版日
2013-12-06

 

本作は、車田正美の描く『聖闘士星矢』のスピンオフ作品です。作者である久織ちまきは、自身が「頭の固いファン」というほどの作品ファン。世界観や設定を損なわないよう、徹底的に原作に忠実な物語であるため、原作ファンも少し違った視点で楽しめます。

多くのファンが気になっている女性聖闘士と聖闘少女の違い。それは、聖闘少女たちはアテナの身の回りの世話役が主な職務のため、仮面の装着を義務付けられていないことです。

独特な設定が多い作品ですが、本作で初めて『聖闘士星矢』の世界に触れる読者であっても、わかりやすく、物語にのめり込めるように工夫されています。


『聖闘士星矢』については<漫画『聖闘士星矢』本編の魅力を全編徹底考察!【アニメ化】>の記事で紹介しています。

『聖闘士星矢セインティア翔』2巻の見所をネタバレ紹介!

 

翔子を庇ったことで、響子はエリスに取り込まれてしまいました。姉が傷ついたこと、敵に奪われてしまったことにショックを受けた翔子。

しかし、このことをきっかけに、響子が持っていた子馬座の聖衣を纏って、戦う聖闘少女となることを決意します。そして、沙織に修行を申し出るのです。

短期間の修行場所として紹介された戸隠連峰にやってきた翔子でしたが、なんと聖衣を取り上げられてしまいます。そして、聖闘士である孔雀座のマユラと対面した際、姉を助けたいという思いが強すぎたせいか、人間の心にある邪悪を増大させる種「イヴィル・シード」に取り込まれそうになってしまうのです。

 

著者
久織 ちまき
出版日
2014-06-20

 

「邪悪を取り込んで増幅させる力」の強大さを危惧したマユラに、1度は封じされそうになった翔子。守りたいという強い意思の力で封印を破り、マユラに認められることで聖闘少女への道を歩み始めたのでした。

本巻はさまざまな事情を知らず、普通の少女として育った翔子が、聖闘少女になるために新たな一歩を踏み出すというストーリーが描かれます。修行回ではありますが、敵であるエリス側の事情も徐々に見え始め、不穏な空気が漂う一冊。

原作ファンとして嬉しいところは、ユニコーンの邪武の登場でしょう。沙織に心酔している聖闘士ですが、今回は修行を終えて帰還した場面で登場します。聖闘少女には態度が柔らかめである沙織ですが、聖闘士たちには厳しめな態度をとるというギャップも見所です。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

新たな問題点が発覚しながらも、聖衣を纏うことを認められた翔子は、マユラのもとで本格的な修行をおこないます。

しかし、沙織の危機を察知したマユラに修行を切り上げられ、アテナのところに戻るように指示されました。そして戻った先で、なんとエリスと対峙することになります。

彼女を傷つけることは、姉を傷つけることでもあります。コスモをうまく扱えず、迷いが生じた翔子は、うまく戦うことができません。

そんななか沙織の手助けにより、エリスの魂に僅かながら傷をつけることに成功した彼女は、逃げるエリスを追います。しかし、そこで敵に捕まり、囚われてしまうのです。

 

著者
久織 ちまき
出版日
2014-10-20

 

一方、エリス復活を阻止するため、聖域から黄金聖闘士である蠍座のミロが遣わされていました。その前に立ちふさがるのは、リゲル。黄金聖衣でさえも食い止めることが困難な蒼い炎を操る、元オリオン座の白銀聖闘士が立ちふさがるのでした。

修行の場面から、いきなりラスボス級の敵との戦いと急展開ですが、未熟な翔子と、原作のなかでも屈指の聖闘士であるミロとのやり取りと、その対比が見事。

聖闘士として誇り高い戦士であるミロは戦闘も丁寧に描写されており、美しい絵柄と相まって、読者の目にもとても眩しく映ることでしょう。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』4巻の見所をネタバレ紹介!

 

響子が、自身の身体にエリスを捉えたままミロに討たれたことで、エリスは消滅しました。姉を助けるために戦うことを決意した翔子でしたが、結局救うことも出来ないまま失うことになり、悲しみに暮れてしまいます。

しかし、響子が遣える存在だった沙織には、新たな戦いの舞台が待っていました。聖闘士を戦わせる「銀河戦争」の開催を機に、反乱分子を炙り出そうというのです。

著者
車田正美 久織ちまき
出版日
2015-02-20

 

1度は日常生活に戻った翔子でしたが、響子からもらったペンダントを落としたことをきっかけに、天馬星座の青銅聖闘士の星矢と出会います。

自身も姉と離れてしまった経験を持っているため、その境遇に共感した星矢は、彼女を励まします。彼から言葉を受け取った彼女は、聖矢と、龍座の紫龍の激闘を観戦。聖矢の励ましの心を受け取り、再び戦いの世界へと戻っていくのでした。

見所はなんといっても、原作の主人公である聖矢の登場です。表紙でも主人公である翔子と並んでいますが、「銀河戦争」の紫龍との戦いなど、見せ場は満載。強烈なインパクトを残してくれます。

原作の「銀河戦争」のエピソードを知っているファンには、舞台裏でこんなことがあったのかも……と思わせる演出も多く、新たな発見の多い一冊となるでしょう。

『聖闘士星矢セインティア翔』5巻の見所をネタバレ紹介!

 

星矢の激励により、悲しみを乗り越えて、聖闘少女としてあらためて戦うことを決意した翔子。グラード財団が独自に設立した、聖闘少女を育成するためのアカデミーに身を寄せることになります。

しかし、聖域に反逆する存在として認知されてしまい、蟹座のデスマスクの襲撃によりアカデミーは壊滅。小熊座のシャオリンらとともに、鷲座の魔鈴のもとで新たな修行が始まります。

一方、沙織を取り巻く環境は大きく変化していました。そして聖域を統治する存在、教皇との戦いに赴くのでした。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2015-05-20

 

本巻では、翔子の新たな修行と、エリスの残り香を求める邪霊との対峙を描く一方、原作では長い年月をかけて描かれた「十二宮編」のエピソードが語られました。十二宮編は、原作屈指の長いエピソードで、多くの黄金聖闘士が命を落とすなど、個人の思惑が複雑に入り乱れています。

本編では悪役扱いだった魚座のアフロディーテやデスマスクに、また違った描写が与えられたことで、原作からのイメージが変わったという読者の方も多いのではないでしょうか。

長い闘いの裏側で起こっていた翔子たちの戦いも見所ではありますが、十二宮編をダイジェスト的に違った角度から見られる、原作ファンにも嬉しい展開となっています。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』6巻の見所をネタバレ紹介!

 

聖域十二宮での戦いによって生じたエネルギーにより、邪神エリスが復活してしまいました。その姿はミロに討たれて彼女ともども消滅したはずの響子そのもので、翔子を驚かせます。自身の庇護下に入ることを望むエリスの言葉に姉の姿を見た翔子は、再び苦悩することになるのでした。

一方で聖域の前に、闇のエデンが出現。沙織はこれを撃破すべく、黄金聖闘士である獅子座のアイオリアを送り込みます。侵入した彼の前に現れたのは、双子座のサガ。アテナの補佐役として聖域を統括した教皇であり、十二宮の戦いで自ら命を絶った人物でもありました。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2015-10-20

 

エリスが響子の姿で復活するという展開に、翔子がどう戦っていくのかというのも気になるところ。原作ファンにも嬉しい聖闘士たちの活躍も描かれてはいますが、少々押され気味な聖闘少女たちの戦いを、しっかりと見られるところがポイントです。

特に注目したいのが、いるか座の美衣の戦い。物腰柔らかで沙織の秘書役も兼ねている、まさしく右腕ともいえる少女です。

翔子と時間をともにすることも多く、出番の多いキャラクターである彼女のメインともいえるエピソード。幼少の頃から戦うことを義務付けられてきた少女の葛藤に、読んでいて胸が熱くなります。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』7巻の見所をネタバレ紹介!

 

争いの小宇宙(コスモ)を吸収することで、成長を続けている邪神エリス。

彼女を封じるための結界を張り続けていた沙織でしたが、逆に生気を吸い取られてしまい、倒れてしまいます。気を失った沙織の姿を見たことで、どれだけ守ってもらっていたのかを悟った翔子は、あらためて自分の甘さを知るのでした。

響子を救うという目的のため、黄金聖闘士の牡羊座のムウの助けを借りながら、邪精霊マッドネスのマニアと激闘をくり広げます。

一方、エリスによって蘇った悪のサガと戦っていたアイオリアのもとに、ミロが参戦。熾烈な戦いが続くのでした。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2016-03-18

 

緊迫した展開が続いていますが、聖闘士たちが次々と参戦し、見せ場を作っています。翔子をはじめとした聖闘少女たちのバトルシーンも増えてきていますが、本巻では特に翔子の精神面での成長が大きなポイントとなるでしょう。彼女を導くムウの言葉が、一層胸に響きます。

巻末には特別編として、エクレウスの聖衣修復の短編漫画が収録されており、戦いの裏側を覗いたような気分を味わえます。そして読者に大きなインパクトを与えた、聖衣でバイクを運転するシーンも見どころ。聖闘少女カシオペア座のエルダの勇姿をご覧ください。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』8巻の見所をネタバレ紹介!

 

もう1度響子と話をしたいと願った翔子。ムウや、1度は敵として立ちふさがったリゲルの助けを借りることで、再び対話する機会を得ます。

邪神エリスとなった響子は妹と対峙し、その覚悟を問うのでした。しかし、響子は完全に邪神に取り込まれてしまうのです。

エリスの誘いに乗って悪の人格のみで出現し、アイオリアやミロと激しい戦いをくり広げていたサガは、戦いによって集められた膨大なエネルギーを使用し、自身の目的を達成させようとします。

彼の目的は、エリスの配下としてあることではなく、新たな神となることだったのです。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2016-06-08

 

羽の生えた邪霊衣を纏い、戦神アレスとなったサガ。沙織はいまだ目覚めず、緊迫した展開が続いていきます。

見どころは、仲のよい姉妹だった響子と翔子をメインとしたシーン。妹を守るために邪神に取り込まれ、姉を助けるために戦うことを選んだ姉妹の別れは、胸に響きます。

聖闘士と聖闘少女が共闘する場面も多くなってきており、互いに関わりがあるという描写も見られるようになってきました。恋とも憧れともつかぬ、複雑な感情を抱える少女たちの、心の揺れ動きにもご注目ください。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』9巻の見所をネタバレ紹介!

 

可憐な聖闘少女たちが表紙を彩る本巻。

前巻では目覚めぬ沙織を助けるために動き出す、聖闘少女たちの様子が描かれました。月の神殿に赴いたカティアやエルダの戦いと、シャオリンの過去の話が登場。カティアはサガへの感情を、エルダはデスマスクへの憎悪と対峙することとなりました。

シャオリンは天真爛漫な性格で、お団子頭にチャイナドレスがトレードマークの少女。ちょっとおっちょこちょいで、執事の辰巳を不審者と勘違いして取り押さえる、という場面も過去には見られました。

戦力的には未熟な彼女の過去を知る邪精霊ユウファが登場し、彼女は激しく動揺することになるのです。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2016-12-20

 

聖闘士たちが、己の信念と守る者のために戦うように、聖闘少女たちも、沙織を守って助けるために、その力を振るってきました。

心中にさまざまな想いが渦巻くのは、まだ未成熟な少女なら当然のこと。戦う彼女たちの、戦闘だけではない細かな感情の揺れ動きが描かれ、真っ直ぐであろうとするその姿に心打たれます。

物語は、十二宮の戦いで命を落としたはずの蟹座のデスマスクが登場するなど、新たな強敵が登場。圧倒的な戦力差をどう覆していくのか、戦いから目が離せません。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』10巻の見所をネタバレ紹介!

 

カティアとエルダの奮闘により、月の神殿のアルテミスから神具を授かった聖闘少女たちは、沙織を目覚めさせようとエリス神殿へと向かいます。そしてシャオリンが持ち帰った秘薬を摂取したことで目覚めた沙織は、少女たちとともに再び戦いの舞台に戻るのです。

エリスは、アレスとなったサガとともに、地上を掌握しようと目論みます。争いの種子を拡散させるために彗星レパルスを破壊。隕石として地球へと降らせ、文字通り争いの種をばら撒こうとしました。

危機を察知した沙織はその隕石を受け止めますが、代わりに自身が囚われの身となってしまうのでした。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2017-08-18

 

シリーズファンにはおなじみ、1度は囚われてしまう沙織(アテナ)という展開が待ち受けていた本巻。

13年前の事件なども絡め、翔子と響子姉妹の母が、アテナを守る聖闘少女の長であるオリヴィアだったことも判明するなど、過去や現在が錯綜。人間関係が複雑にからみ合います。

オリヴィアの亡骸が新たなエリスの依代として選ばれてしまうなど、翔子にとって辛い展開が続いていきます。

聖闘少女たちは敵の本拠地に赴き、新たな戦いに身を投じていくのですが、さまざまな事実が判明する巻でもあるので、情報を整理してみると、より物語を楽しむことができるでしょう。

 

『聖闘士星矢セインティア翔』11巻の見所をネタバレ紹介!」

 

沙織を救うため、邪神エリスの本拠地である天上のエデンへと乗り込むこととなった聖闘少女たち。

そんな彼女たちの前に現れたのは、エルダの宿敵ともいえるデスマスクでした。強力な攻撃で立ち上がることも出来ない少女たちのなか、唯一エルダだけが立ち上がります。

本巻最大の見所は、エルダとデスマスクの戦いです。デスマスクは聖闘少女のアカデミーを襲撃しており、仲間を殺されたエルダは彼を憎み、時にその憎悪と向き合ってきました。

戦いに特化した聖闘士たちと、聖闘少女の違いをしっかりと認め、聖闘少女としての存在理由をしっかりと認めている姿が印象的です。

 

著者
久織ちまき 車田正美
出版日
2018-02-20

 

そして、嫌われ役でもあったデスマスクの意外な一面が見られるというところも、大きなポイント。悪逆の限りを尽くしてきたキャラクターではありますが、最後には皮肉を交えつつも、黄金聖闘士らしい姿を見ることができます。

激しい闘いが続きますが、ちょっと息抜き的な笑える展開が挿入されており、力んでいた肩の力が抜けることでしょう。

特にエルダの葛藤には、本巻で一区切りが付けられることになりました。他の聖闘少女たちにはどんな試練が待ち受けているのか、安堵とともに心がざわつきます。

 

多くのファンに愛される『聖闘士星矢』のスピンオフ作品ではありますが、本編を知らなくても物語にのめり込むことができます。シリーズのファンにとっては、好きな聖闘士たちの新たな一面を見ることができ、新鮮な気持ちになれるはずです。熱い心を胸に秘めた少女たちの戦いをご堪能ください。

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