実在するゲーム「ドラクエⅩ」を題材に描かれた本作。略称は「ゆうたの」。ゲーム内で知り合い、現実でもルームシェアすることになった男女プレイヤーのラブコメです。2019年にはドラマ化も予定されており、注目の作品となっています。 今回はそんな本作を、既刊分6巻分ご紹介。ネタバレを含みますので、気になる方はスマホアプリで無料で読むこともできます!
「ドラゴンクエストⅩ」を題材に描かれるラブコメ漫画。作者は、『ジャングルはいつもハレのちグゥ』などの作品で知られる漫画家・金田一蓮十郎です。
本作に登場する「ドラゴンクエストⅩ」は、現実に存在するゲーム。主人公である「パウダー」と「ゴロー」のキャラを使う2人が、ドラクエシリーズの中で初となるオンラインゲーム「ドラクエⅩ」をきっかけに出会い、現実でも交流を深めていく……というのが基本的なストーリーです。
ゲームを題材にしているといっても、物語の基本的な舞台は現実世界。「パウダー」と「ゴロー」の恋愛を描いたラブコメになります。
一方、「ドラクエⅩ」のちょっとマニアックな部分も描かれていて、ゲームファンにとっても面白く読める部分が満載なのも特徴。プレイしたことのある方は、そのぶん楽しみ方の幅も広がりますが、プレイしたことがない方でもストーリーを楽しむには問題ありません。
2019年にはテレビドラマ化も予定されており、ますます人気も高まっていくであろう注目の作品です。
金田一蓮十郎のおすすめ作品を紹介した<金田一蓮十郎のおすすめ漫画ランキングベスト5!『ハレのちグゥ』の作者>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
ドラクエシリーズ初のMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)である「ドラゴンクエストⅩ」。そのプレイヤーであるパウダーとゴローは、ひょんなことからゲーム内でフレンドになり、一緒にプレイを楽しむようになりました。
そうして1年くらいが経った頃、ゴローのアパートが契約切れになったことをきっかけに、2人はルームシェアをすることに。
しかし、現実で顔を合わせたところ、思わぬ事実が発覚し……!?
- 著者
- 金田一 蓮十郎
- 出版日
- 2015-03-25
本作の主人公は、「ドラゴンクエストⅩ」のプレイヤーである、パウダーとゴローです。「パウダー」も「ゴロー」もゲーム内での名前であり、それぞれの本名は「さつきたくみ」(男)と「おかもとみやこ」(女)といいます。
この2人はゲーム内でフレンドになり、もう1年以上も一緒にプレイをしている仲。それもあって、ゴローの住むアパートの契約が切れてしまうことをきっかけに、一緒にルームシェアをすることになるのです。
しかし、いざ現実で初めて顔を合わせた2人は、そこで発覚した思わね事実に驚きます。なんと、お互いに同性だと思っていた2人は、実は異性だったのです。ゲーム内では2人とも性別を偽ったキャラクター設定をしていたために、実際に顔を合わせるまで気が付かなったのでした。
いくらゲーム内で仲良くしていたといっても、同性だと思っていたからこそルームシェアをしようという話になったわけで、2人は動揺します。しかし、なんだかんだお互いによい人だと思っている2人は、結局そのまま一緒に住むことに。
もともと対人コミュニケーションが苦手なパウダー(さつきたくみ)が、女性の同居人、しかもちょっと苦手としているギャル系のゴロー(おかもとみやこ)の存在に戸惑ったり、メイクを落とすと案外タイプの清楚系でさらに動揺したり、そんなパウダーをゴローが「キモイ」とばっさり切ったりと、2人のすれ違う日常が「ドラクエⅩ」のプレイ画面とともに楽しく描かれていきます。
まだ1巻ということで恋愛面はそれほど進展はありませんが、ドラクエを通して生まれる2人の交流に、ほっこりとした気分になれるでしょう。
お互いに性別を勘違いしていたために、男女でルームシェアをすることになった「ドラクエⅩ」プレイヤーのパウダーとゴロー。なんだかんだとありつつも日々を過ごすうち、お互いの仕事の話をするなど、少しずつゲーム以外の場面でも交流するようになっていました。
ある日、パウダーがドラクエカフェに行きたいと言ったことがきっかけで、2人は出かけることになり……!?
- 著者
- 金田一蓮十郎
- 出版日
- 2016-02-12
実は男と女だったという事実に当初は動揺していた2人も、今は落ち着いたルームシェア生活を送っていました。本巻では、そんな2人の日常を中心にしたまったりとした一冊となっています。
恋愛面の話では、ゴローのギャルメイクを落とした清楚系の素顔を見たパウダーが、やや彼女のことを意識している様子が描かれてはいるものの、はっきりした感情はまだわかりません。ゴローのほうはといえば、まったくそういう素振りは描かれていないので、どう思っているのかこの時点ではまだ不明。
ですが、そんな2人がちょっとしたことをきっかけに、一緒にドラクエカフェに行くことに。そこでは、ドラクエに登場するモンスターであるスライムの形をしたパンケーキを提供しており、2人はそれを食べに行くのです。
男女が2人でパンケーキを食べに行くというシチュエーションは、まさにデートそのもの。ちょっと緊張している様子のパウダーと、まったくそうでもなさそうなゴローとの、2人の温度差を表現した絵にもぜひ注目してみてください。
また、「ドラゴンクエストⅩ」のプレイヤーによるオフ会など、ドラクエ好きだからこそ楽しいエピソードもあります。ドラクエプレイヤーの方は、こちらもぜひ楽しんで読んでみてください。
ルームシェア相手のゴローのことがどんどん気になっていくパウダー。しかし、もともと人とのコミュニケーションが苦手な彼は、どうやって「気になる人」をデートに誘ったらいいのかわかりません。
そこで、「ドラクエⅩ」の仲間に、デートの誘い方について相談するのですが……!?
- 著者
- 金田一 蓮十郎
- 出版日
- 2016-11-11
前巻では、ゴローのことが気になっているパウダーと、彼を異性としては気にしていない様子のゴローが描かれていました。そうというのも、物語はパウダー視点のものが多く、ゴローの気持ちはいまいちよくわからなかったのです。
ですが、本巻では彼女の視点で描かれるエピソードもあり、彼女もパウダーのことを意識していたらしいということがわかるのです。
ちなみに、ゴローは過去に「ドラクエⅩ」が原因で彼氏と別れるという経験もしているようで、「ドラクエⅩ」という共通点を持つパウダーには、そういう意味でも惹かれるものがあったのかもしれません。
そんななか、パウダーはゴローをデートに誘いたいと思いますが、コミュニケーションが苦手な彼がそう簡単に誘えるわけもなく、彼は「気になる人」をデートに誘うにはどうしたらいいか、と「ドラクエⅩ」の仲間達に相談します。
そのかいもあってか、デートに誘うことには成功するのですが、相談した相手はゴローもいるチームのメンバー。彼が相談していることは、すでに彼女に筒抜けなのでした。
そんな感じでいまいちカッコつけることのできないパウダーですが、ゴローとの距離は確実に縮まっていきます。しかし、そんな2人の前に、今度は現実の問題が突き付けられるのです。
穏やかだけどなかなかうまくいかない2人の日常に、ちょっとヤキモキするかもしれない一冊です。
アルバイトから契約社員にならないかと誘われているパウダー。しかし、社員になれば転勤の可能性もあり、なかなか踏み切ることができません。そんななか、ゴローは彼の社員昇進の邪魔にならないようにと自らルームシェアを解消しようとします。
そんな彼女に、パウダーが言ったこととは……!?
- 著者
- 金田一蓮十郎
- 出版日
- 2017-09-13
前巻ではゴロー視点のエピソードも多く、そのために彼女のパウダーに対する気持ちも読み取ることができました。そんな前巻に引き続き、本巻でも彼女視点の話が多く、気持ちのさらに細かなところに触れることができます。
2人とも互いに憎からず思っていることは間違いないのですが、パウダーの社員昇進問題が壁になってしまいました。社員にはなりたいけど、なれば転勤になり、ゴローとは離れ離れになる可能性が高い……パウダーは、これからどうするべきなのかと悩んでしまいます。
ゴローは彼の邪魔にならないように、早々にルームシェアを解消しようとするのですが、彼女と離れたくないパウダーは、遂に彼女に告白するのです。告白するかしないかという選択を、「ドラクエくじ」の出る目に委ねるというあたりは「ドラクエⅩ」プレイヤーらしいところ。
ちなみに、パウダーを誘惑するゴローさんの友達・あやのというキャラクターも登場します。全体的にほのぼのした作品なので、彼女の存在は結構、刺激的。誘惑にパウダーがどういう行動をとるのかも、ぜひ注目してみてください。
勇気をふり絞ってゴローに告白をしたパウダー。ゴローも彼のことを憎からず思っていたので、2人は無事に付き合うことになりました。
そんな幸せのなか、社員になったパウダーはさっそく転勤することになってしまい……!?
- 著者
- 金田一蓮十郎
- 出版日
- 2018-08-27
前巻で互いに気持ちを確認し合い、交際することになった2人。付き合うとなれば、ルームシェア生活も同棲生活とラブラブな雰囲気に早変わりです。いざ幸せな日々を送ろう!と思っていた矢先、なんとパウダーは大阪に転勤となってしまったのでした。
しかし、そこはオンラインゲームである「ドラクエⅩ」のプレイヤーである2人。ゲームを通じての交流ができることもあってか、案外、遠距離恋愛もうまくいっているようです。もともとゲーム内での交流でお互いの人の好さを知ってきたので、遠距離恋愛にも向いていたのかもしれません。
しかし、やはり交際相手と会えないのは寂しいものもあるらしく、連休を利用して大阪へ遊びに来たゴローは、久しぶりに会えたパウダーに抱きついて喜びます。この辺りは、リア充っぽくて楽しい場面です。
さらに、恋愛面では割と展開が早く、ゴローは早くも結婚を意識している様子。次巻でもう結婚してしまうのかも……!?とも思えるのですが、そんな予想を覆す何かがあるのかもしれません。
いずれにしても次巻への期待が高まる最新刊です。
自分が一生行くことがないであろうと思っていたバーベキューイベントに参加することになったパウダー。所属しているチームで自分の歓迎会をしてくれるということになり、恐れながらも仕方なく参戦することに。
しかしそこはゲーム仲間。案外みんなでワイワイ楽しくできました。そしてその会話の中で、メンバーのひとりがリアル結婚式をしない代わりに、ドラクエで結婚式をするという話を聞きます。
それをきっかけにパウダーの、結婚クエストに思い悩む日々が始まります……!
- 著者
- 金田一 蓮十郎
- 出版日
- 2019-01-25
結婚が決まったということで、リアルでいろいろなクエストが出てきたパウダーとゴロー。始まりはドラクエのメンバーにどう話すかということでしたが、やはり最も大変なのは、両親とのクエスト。
ゴロー側の結婚報告クエにもなかなか面白いですが、最大の見所はパウダーの結婚報告。
もともとコミュ障なパウダーは、ゴローとの日々が幸せすぎて、彼女が自分のイマジナリーフレンドに思えてしまうほど。
そしてそれは彼の両親も例外ではなく、ゴローが本当に存在するのか、もしかして3次元なのではないか、相手にとっては結婚相手ではなくストーカーと認識されているのではないかなどと心配するのです。
そんな両親に納得してもらうのも大変ですが、6巻のいちばん最後は、結婚するには避けて通れないある話題がゴローから投下されます。パウダーの結婚クエストはまだまだ苦労が絶えなさそうです。
いかがでしたか?実在する「ドラクエⅩ」が物語のキーポイントになっていることもあり、ラブコメ好きだけではなくドラクエ好き、ゲーム好きにもおすすめの本作。登場人物が少なく、ほのぼのとした作風でもあるので、気軽にあっさりとしたラブコメを読みたい方にもおすすめです。