チョウチンアンコウの生態を解説!オスの末路が切なすぎ!光る仕組み等も解説

更新:2021.6.6

まだまだ謎に満ちている深海の世界で圧倒的な人気を誇っているのが、チョウチンアンコウです。意外な繁殖方法を知ると、彼らの暮らしている環境がいかに過酷なものなのかを垣間見ることができます。この記事では、チョウチンアンコウの生態や繁殖、光る仕組み、姿を見ることができる水族館などを紹介していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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チョウチンアンコウの生態は?大きさや生息海域など

アンコウ目チョウチンアンコウ科に分類される魚類です。「深海魚」といわれて真っ先に思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

体長は、メスが40~50cmほど、オスは極端に小さく5cmほどしかありません。紫がかった灰色や黒色をしていて、体は丸く、下顎が出ています。

最大の特徴は、頭部から1本生えている「誘引突起(イリシウム)」と呼ばれる触手のようなものと、その先端にある「発光器」でしょう。また全身がいぼ状の突起に覆われています。

主な生息地は大西洋の深海部です。そのほかカリブ海の熱帯域や、太平洋、インド洋にも分布していますが、数は多くありません。具体的な水深は明らかになっていませんが、200~800m域でよく捕獲されるようです。

 

切なすぎる!チョウチンアンコウのオスの末路は「吸収」

チョウチンアンコウのオスの体長は、メスの10分の1ほどしかありません。一見別の種類の魚かと思ってしまうほどですが、これだけの差があるのにはきちんと理由があります。

多くの生物のオス同様、チョウチンアンコウのオスもメスを求めて生きます。しかし彼らの場合、メスを見つけると交尾をするのではなく、体に噛みつくのです。そしてそのまま離れず、特殊な酵素を出して徐々に融合していきます。

最終的にオスの体は吸収され、精巣のみが残り、メスはいつでも出産をできる体になります。ちなみに融合できるオスは1匹のみとは限らず、同時に複数匹のオスがメスの体にくっついていることもあるそうです。

なぜこのような特殊な生殖方法をとるのか、明確なことはわかっていませんが、確かに合理的だと考えられる理由がいくつかあります。

チョウチンアンコウが生息している深海は餌がとても少ないため、個体数が多いと同じ種のなかでも餌を取り合うことになります。加えて、広大な海でオスとメスが出会える可能性は低いので、1匹のメスに複数匹のオスが融合したほうが子孫繁栄に効率的なのでしょう。

 

チョウチンアンコウが光る仕組みと、捕食方法

彼らの最大の特徴である「誘引突起」は、背びれのトゲが進化したものだと考えられています。体長の半分ほどの長さがあり、しならせて背中側に倒すこともできます。

先端には「発光器」と、そこから分岐した糸状の「疑似餌」がついていて、明かりに誘われて近寄ってきた魚などを大きな口で丸飲みするのです。

ではこの発光器は、どのような仕組みで光っているのでしょうか。電気などが通っているわけではありません。実は自然界には、自ら光を生成して放射する「生物発光」という特徴をもったものがいます。クラゲやイカなどが有名です。

チョウチンアンコウは、生物発光をする細菌を誘引突起の先端に住まわせています。そうすることで細菌は寄生することで安全な暮らしを手に入れることができ、チョウチンアンコウは光をもらえる、まさにwin-winの共生関係だといえるでしょう。

 

チョウチンアンコウを見られる水族館

特徴的でユニークなチョウチンアンコウを、実際に自分の目で見てみたいと思う人も多いことでしょう。しかし残念ながら、彼らの生態にはまだまだわかっていないことも多く、飼育をすることは非常に難しいといわれています。

世界で初めて生きた個体の飼育観察がされたのは、1967年のこと。当時の「江の島水族館」で8日間生きました。

2021年現在は、泳いでいる姿を見ることはできる場所はありませんが、標本が展示されている水族館があります。

・沼津港深海水族館(静岡県)
・あわしまマリンパーク(静岡県)
・海のはくぶつかん東海大学海洋科学博物館(静岡県)

その他にもいくつか実績のある施設はありますが、展示物は入れ替わることが多いので、事前に確認してから足を運ぶことをおすすめします。

 

深海から生物とは何かを考える

著者
["長沼毅", "倉持卓司"]
出版日
2015-02-02

深海生物の多くが、陸上で暮らす人間には想像もつかないような特徴をもっています。太陽の光が届かず、強い水圧もかかる過酷な環境で、彼らは命を繋いでいるのです。

本書では、そもそも深海とはどういう場所なのかということと、チョウチンアンコウをはじめ、ダイオウイカやリュウグウノツカイなどの生態を説明し、学問としての面白さを教えてくれます。

写真やイラストも随所にあるほか、難しい言葉も使っていないので気軽に読み進めることができるでしょう。なぜ彼らが「深海」という場所を選んだのかも、わかるかもしれません。

 

チョウチンアンコウなど深海生物に特化した図鑑

著者
出版日
2017-06-23

深海生物に特化した図鑑です。写真やイラストが大きく掲載されているのが特徴で、迫力満点です。小さな子どもでも眺めているだけで楽しめるでしょう。

解説は「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」をはじめとする多くの専門家が担当しており、詳細ながらもわかりやすく記してくれています。

また、NHKが撮影した、ダイオウイカや深海ザメの貴重な映像がDVDで付いています。図鑑と両方見ることで、より具体的なイメージをしながら知識を深めることができるでしょう。

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