『能面女子の花子さん』が想像の斜め上をいく面白さ!4巻まで全巻ネタバレ!

更新:2018.10.24

能面をつけて日常生活を送る女子高生・花子さんと、彼女を取り巻くちょっと変わった人々との日常や恋模様を描いた本作。普通の現代に突如現れた、もしかしたら日本のどこかにいるかもしれないと思わせる、でもかなり変わった人物たちが魅力的な作品です。 今回はそんな本作の見所を全巻ご紹介していきます。ネタバレ注意です。

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『能面女子の花子さん』がやばくて面白い!【あらすじ】

 

能面を作る一族の末裔として生まれた泉花子は、一族の伝統によりそれをつけて日常生活を送っていました。

高校に進学した彼女は、能面に驚きながらも親しげに声をかけてくれた同級生や、別の学校に通う幼馴染の男の子、能楽師一族の男性などと絆を深めていき、能面をつけながらも、普通の女子高生と変わらない日常生活を送っていました。

能面女子・花子を取り巻く友情と恋模様、現代社会と伝統文化のミスマッチが、月日を重ねるごとに面白おかしく変容していきます。

 

著者
織田 涼
出版日
2016-04-07
コミックDAYSで無料で読んでみる

作品の魅力とは?

作品の魅力とは?
出展:『能面女子の花子さん』1巻

 

『能面女子の花子さん』の魅力はなんといっても、「能面」と「花子のキャラクター性」ではないでしょうか。

まず、能面をつけて生活しなければならないという設定ですが、これが実際になさそうでありそうなのが、すごいところ。日本はわりと伝統芸能を大事にしているので、現実的にこういう一族がいてもおかしくないだろう、と思えてしまうのがいいですよね。

99%ありえないと思いつつ、残り1%に可能性を感じられると、読者としてはワクワクするもの。そういった「ありえないのに、ありえそう」という期待感をうまくついている設定が、面白いところであり、本作がより魅力的に思えるポイントだと思われます。

また、本作の主人公・花子のキャラクター性についてですが、現代社会において能面をつけて生活できることを考えると、鋼のメンタルを持っていることがすぐにわかりますよね。この彼女のメンタルが鋼鉄すぎるうえに、ちょっとズレているのが面白い点です。

母を含めた母方の親戚の女性全員が能面をつけているからといって、いざ自分が能面をつけることになったら、嫌がるのが普通ですよね。しかし、彼女にはそういったことがなく、能面を喜んでつけるうえに、能面を使って友だちと遊ぶなど、想像の斜め上をいく行動を起こすのです。

能面は恥ずかしくないのに、お重のお弁当は恥ずかしがったり、周りの人間に噂されていることを知っているのに、それを堂々と話したりと、その強すぎるメンタルを常に披露する姿が、彼女の独特さを物語っています。

 

『能面女子の花子さん』1巻の見所をネタバレ紹介!

 

大昔、能面を作ることを生業にし、女性は能面をつけて商売をしていた、という名残により、一族の女性は3歳を迎えたら全員、能面をつけて生活しなければいけない家系に生まれた、泉花子。

地元ではかなり存在を知られているものの、高校は地元から離れ、同じ中学出身者もいないため、周りからかなり距離を取られてしまいます。

しかし、入学式初日、声をかけてくれた江口香穂との出会いにより、他の生徒たちとの距離も縮めていくようになりました。

 

著者
織田 涼
出版日
2016-04-07

 

本巻の見所は、やはりメインキャラクターとなる4人が勢ぞろいする、文化祭シーンではないでしょうか。

本作のメインキャラは、主人公の花子、友人の香穂、花子の隣に住む同い年の幼馴染男子・賢司、花子に初対面でプロポーズをした名門能楽師一家の次男・三郎の4人なのですが、早い段階で全員集合を果たします。

花子のクラスは、文化祭でお化け屋敷をやることになりました。三郎の協力を得ながら、花子と能面を生かした新タイプのお化け屋敷が完成。あたり能面・花子と、ハズレ能面・三郎の姿は、能面姿の分、とてもカッコよくて美しいので見モノですよ。

そして、遅れて賢司が登場。彼は三郎が花子と結婚したがっていることを知り、一瞬だけ三郎をライバル視するものの、もともと人のよい彼は、純粋に三郎を尊敬するように。花子をめぐった三角関係に発展するかと思いきや、賢司が三郎に懐いたのに花子が嫉妬するという、一方通行が過ぎる三角関係が完成したのです。

ただ、三郎曰く恋のライバルは香穂らしいので、下手をすれば四角関係にまで発展しかねません。香穂に勝つため、手を組むことを賢司に持ちかける三郎や、将来的に3人で暮らすことまで考えてしまうズレた賢司の思考など、おかしな感覚を持った人が勢ぞろいし、相関図だけがどんどんカオスになっていきます。

 

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『能面女子の花子さん』2巻の見所をネタバレ紹介!

 

頭脳明晰で人当たりもよい花子。自分で能面を彫るため、木を加工して簡単にキャラものを作ってしまったり、可愛らしいキャラ弁も作ることもでき、また昔の能面を真似して作ることから、手先の器用さ、物事のコピー能力にも長けているというスペックの高さを披露します。

本巻での見所は、メインキャラ4人で花子の家に遊びにいくところではないでしょうか。まず、花子の家で注目したいのは、玄関を開けてすぐに出てくる木彫りの能面たち。

実際、友人の家に遊びに行って、玄関を開けた先の壁一面に、人の顔をかたどった面が並べられていたら驚きますよね。

 

能面女子の花子さん(2) (KCx)

2017年01月06日
織田 涼
講談社

見慣れている花子や賢司、能楽師の三郎はともかく、香穂がここで叫ばなかったのは偉いですね。いくら能面に慣れてきたとはいえ、さすがに壁一面のお出迎えは、血の気が引きます。日本家屋というのも、より一層恐怖心を煽りますね。

ただ、この話で注目したいのは、スペックが高いくせにポンコツな賢司の様子と、三郎の本気か冗談かわからない提案、1人何も知らない花子と、1人ですべてのツッコミを請け負わねばならない香穂の苦労ではないでしょうか。

賢司の脳には幸せフィルターがついていて、自分にとっていいことしか届かないという仕様。ある日、花子とキスがしたいと言った彼に、三郎が「僕とキスすれば(花子と)間接キスになる」と言います。その訳のわからない提案に、賢司が「天才!」と興奮するほどです。香穂も本来ボケ側のキャラでありながら、この2人を前にするとツッコミにならざるを得ません。

そして1人何も知らず、通常運転の花子。彼女の平穏な日常が守られているのは、少々ポンコツな賢司と、彼女を守ろうとする香穂のおかげというのが、よくわかるお話ですよ。

『能面女子の花子さん』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

女子たちの距離はいまいち縮まらないまま、男子との距離はちょっとずつ近づいていく花子。隣の席の坂本の友人・真田と話す機会ができた彼女は、クールで大人しい彼の本質を見事に見抜きます。人に観察されることが多い彼女は、人を観察することも得意なようでした。

坂本は以前からちょいちょい登場していましたし、真田も今後話に登場するので、ぜひ覚えておきたいクラスメイトです。

 

著者
織田 涼
出版日
2017-10-06

そんなクラスメイトたちとの距離も縮み始めた花子ですが、すぐに夏休みに突入。そして本巻で注目したいのは、三郎と賢司の文通の様子と、4人で海に遊びに行くところではないでしょうか。

まず三郎と賢司なのですが、賢司はなぜかどんどん三郎に懐いていきます。1巻での「ライバルだ」という意気込みはどこにいってしまったのでしょうか。しかも、彼はだいぶ三郎の世界に毒されてきているようで、彼が飼育している鳥が運搬してくれる三郎との文通を当然のように受けて入れているのです。

そのうえ、持ってきてくれるそれぞれの鳥の名前や特徴を、普通に説明する始末……。花子が賢司の保護者のような振る舞いをするのも、彼女が賢司のことで三郎を敵視するのもわかりますね。

ただ、この手紙には花子、賢司、香穂宛にそれぞれあるものが用意されていました。このあたりが、三郎の憎めないところ。海ではそんな三郎の贈り物が大活躍しますし、彼の可愛いところがたくさん見られますよ。

また、海から上がってくる花子の姿にも注目したいところ。もう少し暗い時間だったら、心霊写真としてネットに上げられてもおかしくない登場の仕方は必見です。

『能面女子の花子さん』4巻の見所をネタバレ紹介!

 

海に遊びに行った様子を写真に撮られ、ネットにアップされ、拡散されてしまった花子。彼女の身バレを防ぐため、三郎が兄の一と協力し、「NO☆面ガールズ」というアイドルを作り出しました。事情を知らない生徒たちは、花子が「NO☆面ガールズ」に関わっているのではないかと噂し、以前とはまた違った好奇の目の向けるようになります。

そんな本巻では、以前にも増して学校の人々と絡んでいく花子にも注目したいのですが、やはりなんといっても、三郎の兄弟揃い踏みが、1番の見所といえるのではないでしょうか。

 

著者
織田 涼
出版日
2018-08-07

 

花子の流出してしまった写真を紛らわすため、三郎が手回しをして、一が能面アイドルをプロデュースしたと知った花子は、香穂、賢司とともに、三郎の実家である松田家を訪問することに。

この松田家の話は、家族が出てくるまでがインパクト抜群。バス停にその名が使われているほど広大な敷地を持つなど、知名度があることが、あらためて記されます。「松田」だけのバス停と、「松田本家前」というバス停があるというあたり、そのすごさがわかりますよね。

そんな松田家には3男1女の子どもがいて、長男の一、長女の二葉、次男の三郎、三男の四郎という、覚えやすい名前をつけられています。全員能に関わる仕事をしていて、三郎含め、世間的には麗しい一族として知られているのですが、実際はまったく違う性格をしているよう。

初対面で能面をつけた女性に求婚する人間の兄弟といえば、だいたいのおかしな態度も納得ですが、1番の驚きは、全員がコピーしたように顔がそっくりすぎるところ。一は舞台以外ではもっさりした髪と髭、丸メガネで顔がわからないのですが、きちんと整えた姿は、まさに三郎の生き写しレベルなのです。

顔が同じなのに、まったく違う表情を見せる松田家兄弟たちの姿ややりとりは、ぜひ注目したいところですね。

 

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能面をかけた女子高生を主人公にするという、なかなかぶっ飛んだ設定なものの、現実でありえるかもしれないと思わされるストーリーが魅力的な本作。花子をめぐる恋模様はもちろんですが、能面の違いについても、非常に興味をそそられる内容となっていますよ。

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