『はなさかじいさん』の教訓は?あらすじや読み聞かせにおすすめの絵本も紹介

更新:2018.11.6

「ここ掘れ、わんわん」「枯れ木に花を咲かせましょう」など有名なフレーズが並ぶ『はなさかじいさん』。単なるおとぎ話ではなく、大人が読んでも学べることがあるのではないでしょうか。この記事では、あらすじを簡単に説明したうえで、教訓や死生観を解説していきます。あわせて、読み聞かせにおすすめの絵本など関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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『はなさかじいさん』のあらすじを簡単に紹介

 

江戸時代に生まれたおとぎ話『はなさかじいさん』。良いおこないをすれば良い結果が返り、悪いおこないをすれば悪い結果が返ってくるという「勧善懲悪」の構成をした物語です。

ではあらすじを簡単に紹介していきましょう。


あるところに、優しいおじいさんと意地悪なおじいさんが住んでいました。優しいおじいさんはある日、弱った犬を見つけます。手当てをして子どものようにかわいがっていると、その犬が畑に向かって「ここ掘れ、わんわん」と鳴き始めました。

不思議に思ったおじいさんが掘ってみると、なんと金貨がたくさん出てきます。優しいおじいさんは大喜びで、近所の人にもおすそ分けをしていきました。

それを見ていたのが、隣に住んでいた意地悪なおじいさんです。自分たちも儲けようと犬を無理やり連れ去って、財宝を探させようと乱暴をします。しかし示された場所から出てきたのがガラクタばかりだったので、意地悪なおじいさんは怒り、犬を殺してしまいました。

かわいがっていた犬が死んでしまったことを悲しんだ、優しいおじいさん。犬の墓を庭に作り、そばに木を植えました。その木はあっという間に大きくなります。しばらくすると夢に犬が出てきて、その木で臼を作ることを指示してくるのです。おじいさんがその通りに臼を作り、餅をつくと、なんと中から財宝があふれ出てきました。

それを見ていた意地悪なおじいさんは、臼を奪って同じように餅をつきますが、出てくるのは汚物ばかり。怒った意地悪なおじいさんは、臼を叩き割って燃やしてしまいました。

悲しく思った優しいおじいさんは、燃やした際に出た灰を引き取ります。するとまた夢に犬が出てきて、桜の枯れ木に灰をまいてほしいとお願いしてきました。

優しいおじいさんがその言葉通りに灰をまくと、なんと枯れ木に次々と花が咲いていきます。おじいさんは「枯れ木に花を咲かせましょう」と言いながらあたりを満開にし、それを見て感動した大名からたくさんの褒美をもらいました。

その様子を見ていた意地悪なおじいさんも同じように灰をまきますが、花が咲くことはなく、大名の目に灰が入ってしまい、重い罰を受けることとなりました。

 

『はなさかじいさん』の教訓は?

 

優しいおじいさんも意地悪なおじいさんも、犬に指示された場所を掘る、臼で餅をつく、枯れ木に灰をまくなど、基本的には同じ行動をしています。しかし結果は真逆のものとなっているのです。

両者の最大の違いは、行動をする時の気持ちでしょう。

優しいおじいさんは、犬や他人を思いやる気持ちをもっていたのに対し、意地悪なおじいさんは自分の欲望のためだけに動いています。

このことから、たとえ同じ行動をとったとしても、気持ちしだいで結果が変わってくるということが学べるのではないでしょうか。

 

『はなさかじいさん』から読み取れる死生観を考察

 

禅の言葉に「枯木再生花(こぼくふたたびはなをしょうず)」というものがあります。「死んだものが再度息を吹き返し、新たな人生を送る」ということ。さらに『はなさかじいさん』はもともと、千手観音の教えをモデルにしたものだといわれているのです。

枯れてしまった桜の木がおじいさんの手によって満開の花を咲かせることができたように、枯れ木のような状態に陥ってしまった人でも、再び心に花を咲かせることができるという意味が込められているのではないでしょうか。

また『はなさかじいさん』には、冒頭に犬が登場します。犬を助けて親切に接した優しいおじいさんと、財宝に目がくらんで犬に対して酷い扱いをした意地悪なおじいさん。その後両者は、同じ行動をしてもまったく異なる結果が出るようになり、本作において犬は2人の命運を分ける重要な役割を果たしています。

途中で意地悪なおじいさんに殺されてしまいますが、犬は死してなお臼となり灰となって、おじいさんたちを試していたのかもしれません。

 

いもとようこが描くあたたかい『はなさかじいさん』

著者
いもと ようこ
出版日
2000-09-01

 

あたたかみがあって優しいイラストに、見覚えのある方もいるのではないでしょうか。作者のいもとようこは、これまでに300冊以上を出版している絵本作家です。

文章は素朴でシンプル。一文が短めに設定されているので読みやすく、文字も大きいため、ひらがなを覚えたてのお子さんにぴったりでしょう。

『はなさかじいさん』は、『桃太郎』や『さるかに合戦』とともに、日本五大御伽噺のひとつとされています。昔から人々に愛されてきたものなので、初めて触れる物語としてもおすすめです。

 

オノマトペで楽しく読める絵本

著者
["石崎 洋司", "松成 真理子"]
出版日
2012-02-24

 

ダイナミックな表紙のイラストが美しい本作。「よみきかせ日本昔話」シリーズとして、随所にオノマトペが散りばめられているのが特徴です。

「シロは、おたからとじいさまをのせて、また、ずんがずんが、やまをおりていった」(『よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん』より引用)

聞いているだけでも登場人物の動きが想像しやすくなっています。物語が進むペースもテンポがよいので、次々とページをめくりたくなってしまう一冊でしょう。

 

『はなさかじいさん』から生き方を学ぶ

著者
竹田 和平
出版日
2015-08-19

 

竹田和平は日本一の個人投資家といわれていて、自身の経験や財産を子どもたちに還元してきたことから、「平成のはなさかじいさん」と呼ばれていました。

物語に登場する優しいおじいさんは、自身のためではなく周囲のことを思いやり、得た財産も分け与え、皆から好かれる存在でした。本書では、そんなおじいさんと同じように「人に愛されるお金持ちになる秘訣」を紹介しています。

一見ややこしそうにも思えますが、やり方はいたって簡単。まずは元気に挨拶をすることで、そこには余計な知識や費用は必要ありません。

大人も子どももためになる一冊。『はなさかじいさん』を通じて豊かな人生を歩んでみませんか。

 

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