川上和人のおすすめ本5選!鳥に興味がない鳥類学者のベストセラー

更新:2018.12.3

「特別に鳥が好きなわけではない」と公言している鳥類学者の川上和人。しかし彼は、鳥類の謎に迫るために無人島やジャングルにも足を運び、日々研究を続けています。この記事では、そんな彼の著作のなかから特におすすめのものを紹介していきます。ユーモアがたっぷりでクスっと笑えるサイエンスエッセイをお楽しみください。

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川上和人とは

 

1973年生まれ、大阪府出身の川上和人。東京大学農学部林学科を卒業し、茨城県つくば市にある国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所に勤めています。

その名のとおり森林に関する研究をしている機関なのですが、そのなかに「鳥獣生態研究室」という部署があり、川上はここの主任を務めているのです。

恐竜から鳥類へはどうやって進化したのか、なぜ鳥類は空を飛ぶことを選択したのか……鳥たちの謎を解き明かすべく、川上は火山やジャングル、無人島などどんな過酷な状況でも研究を続けます。

そんななか執筆した『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』が異例の大ヒット。鳥に関する書籍のほかに、図鑑も多数監修しています。いま注目したい作家のひとりだといえるでしょう。

 

川上和人の代表作!爆笑必至のサイエンスエッセイ『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』

 

鳥類学者の川上和人が、生態を調査するためフィールドワークに出た先でのあれこれを語ったサイエンスエッセイです。

調査した鳥の生態を解説しているだけではなく、鳥類学者たちの研究の様子が綴られている作品。吸血生物と格闘したり、コバエに襲われたりと、その実態はかなり過酷なもの。川上自身も、鳥類学者に必要なものは「体力」だと言っています。しかし彼の手にかかると、どんなことも爆笑必至のエピソードになってしまうのです。

 

著者
川上 和人
出版日
2017-04-18

 

「おそらく、一般に名前が知られている鳥類学者は、ジェームズ・ボンドぐらいであろう。英国秘密情報部勤務に同姓同名がいるが、彼の名は実在の鳥類学者から命名されたのだ。隠密であるスパイに知名度で負けているというのは、実に由々しき事態である。スパイの名前が有名ということも、英国秘密情報部としては由々しき事態である」(『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』から引用)

本書の特徴は、随所に笑える小ネタが散りばめられているところ。「学者」とありますがけっしてアカデミックな内容ではなく、ユーモアにあふれている作品です。

一方で外来生物の問題や生態系保全など、研究者としての持論も語っています。説明は論理的で、楽しみながらも知識をつけることができるでしょう。

 

川上和人が語る恐竜の生態『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

 

鳥類は恐竜から進化した、ということは、今では通説になってきています。ということは、鳥類学者は恐竜学者ともいえるのではないか、鳥類学者が恐竜について語ってもいいのではないか、そのへんを飛んでいる鳥を調べれば太古の謎がわかってしまうのではないか……本書の執筆は、こんなところから始まったそうです。

鳥と恐竜との類縁関係を再考し、進化の過程をたどることで恐竜の生態を復元しようという取り組み。知的興奮を楽しめる川上和人のエッセイです。

 

著者
川上 和人
出版日
2018-06-28

 

いま生きている鳥たちの生態から恐竜について考える、やや無謀ともいえる考察。これまで恐竜というと、化石からそのおおよその姿を感じることしかできませんでしたが、本書ではたとえばどんな求愛行動をとっていたのかなど、斬新なアプローチから展開していきます。

川上和人お得意の軽快な語り口とユーモラスな解説は健在。また彼が想像した恐竜たちのイラストも掲載されていて、イメージを膨らませながら読み進めることができるでしょう。

 

おもわず見とれる写真集『美しい鳥 ヘンテコな鳥』

 

世界各地の鳥を、写真と解説で紹介している作品です。

鮮やかで思わず目を見張ってしまうような美しい鳥はもちろん、どうにもおかしな外見をしている鳥たちもたくさん掲載されています。

「ナショナルジオグラフィック」などでも活躍する、世界的に有名なカメラマン、ティム・レイマンの写真も掲載。プレゼントにもおすすめです。

 

著者
川上 和人
出版日
2015-10-29

 

基本的に地味な色合いをしている哺乳類と比べ、鳥類は実に鮮やか。色を識別でき、視覚でコミュニケーションをとる彼らにとっては、外見はとても重要な要素なんだそうです。

人間の目から見ても、驚くほど美しい鳥たち。生き残るために長い年月をかけて進化した結果だと思うと、生命の神秘を感じるでしょう。

そんな写真たちに添えられている川上のコメントがまた魅力的。長々と生態を説明しているわけではなく、「威嚇しても可愛いだけだぞ」など、鳥たちの特徴を述べつつも愛情が伝わってくるものなのです。

何度もくり返し読みたくなってしまう作品。鳥好きでなくても楽しめるでしょう。

 

川上和人が語る島の進化論『そもそも島に進化あり』

 

離島の鳥を研究するなかで川上和人が感じた「島」という存在について語っていく作品です。

本書のテーマは、海に囲まれた小さな陸地「島」の生物について。周囲は海にも関わらず、なぜ島には生物がいるのでしょうか。彼らは一体どこからやってきたのか、そしてどのように進化していったのかを探ります。

 

そもそも島に進化あり (生物ミステリー)

2016年07月08日
川上 和人
技術評論社

 

島というのは、海上に突然現れた岩石のようなもの。でもそこに、植物が育ちます。その種は、空飛ぶ鳥が運んできたものです。ここまでは何となく想像がつくでしょう。

では、そのほかの生物はどうやって島にやってきたのでしょうか。実はこの鍵を握るのも鳥なんだとか。

本文中にはやや難しい言葉も出てきますが、しっかりと解説がついているので予備知識は必要ありません。島という「箱庭」で独自のバランスを保ちながら生きていく生物たちの世界を覗いてみてください。

 

川上和人が教える野鳥のひみつ『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ』

 

川上和人と、鳥を題材にした漫画を執筆しているマツダユカによる、野鳥の解説本です。

4コマ漫画にエッセイ風の解説がついている構成で、スズメやカッコウ、カラス、ハトなど身近な野鳥たちの「ひみつ」を教えてくれます。

 

著者
["川上 和人", "マツダ ユカ", "三上 かつら", "川嶋 隆義"]
出版日
2018-09-08

 

「ハトは本当は首を振っていない」「キジバトの巣はざっくりしすぎ」「イヌワシは兄弟殺しを運命づけられている」「キジが国鳥に選ばれたのは桃太郎のおかげ」……目次を眺めているだけでも興味をそそられるのではないでしょうか。

読めばついつい周りを見渡して野鳥を探したくなってしまうようなトリビアが83も詰まっています。

川上和人のユーモアたっぷりの解説はもちろん、それぞれの野鳥の特徴を的確にとらえた漫画もかわいらしくて魅力的。読後はつい誰かに話したくなってしまう内容です。