歌野晶午のおすすめ作品ランキングトップ5!絶対ハマる推理小説

更新:2021.12.13

歌野晶午と聞くと、『葉桜の季節に君を想うということ』を思い浮かべる方も多いかと思います。 というのも、ミステリー作品として数多くの賞を受賞し、書店でも大反響の1冊となったからかもしれません。そんな歌野晶午を初めて読む方におすすめの5作を、厳選してご紹介致します。

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島田荘司が歌野晶午デビューのきっかけ

歌野晶午は大学を卒業すると、編集プロダクションで働き始めます。空いた時間を利用し、小説を書き進めていました。そんなある日、歌野晶午は島田荘司の家を訪れます。それをきっかけに、島田の推薦を受け、『長い家の殺人』で文壇デビューを果たすことになったのです。

その後の歌野晶午活躍としては、『長い家の殺人』の名探偵が登場する推理小説シリーズを書いたり、シリーズものでない作品を発表します。

『さらわれたい女』を発表してから、3年という月日を経て、ようやく『ROMMY』が世に送り出されました。この復活のきっかけとし、歌野晶午は再び年間で1、2冊程度、新作を出し続けるように。

そして、『葉桜の季節に君を想うということ』が、2004年度のこのミステリーがすごい!と本格ミステリ・ベスト10で第1位を獲得したことを皮切りに、第4回本格ミステリ大賞、第57回日本推理作家協会症への受賞を果たしました。

歌野晶午は本格推理小説を書き、「新本格第一世代」と呼ばれる人の中で、大きく活躍している人物と言えるでしょう。

ちなみに本名は「歌野博史」ですが、島田の考案した「晶午」をペンネームとしています。
 

5位:これはゲームか、現実か「密室殺人ゲーム」シリーズ

不可思議なニックネームを持つ5人……頭狂人、044APD、aXe、ザンギャ君、伴道全教授が、ネットワーク内で推理ゲームの出題をします。ひとりが出題者となり、どのようなトリックなのか解いてみろと、チャットを駆使して出題。しかし、これは出題者が現実に密室殺人を行ったものが題材で……。

著者
歌野 晶午
出版日
2010-01-15

5人が繰り広げるバトルは、実際に殺人を犯したものを推理クイズとして出題します。たかだかゲームに勝つために、人殺しを行う狂った5人。このゲームのトリックは何なのか、誰がどうなってしまうのか、そもそもこのゲームに終わりは訪れるのか……。読者までゲームに引き込まれる、歌野晶午の本格推理小説です。
 

4位:この石は、「神」かもしれない『絶望ノート』

「絶望ノート」と名付けた日記帳に、日々のいじめの辛さ、苦しさを書き込む中学2年の照音。そんな彼が、道端で頭の大きさくらいある石を見つけます。それを「神」とし、自分の血を塗りつける儀式を行った照音。その石に、彼をいじめるグループの中心にいる是永が死ぬよう祈り、その結果是永が死んでしまう…。

照音は、いじめグループの中心人物が死んでもいじめを続ける級友に恨みを持ち、重ねて「神」に皆が死ぬよう祈り続けます。すると、祈ったさきから、彼をいじめる者が死んでいってしまうのです。
 

著者
歌野 晶午
出版日
2012-08-02

照音自身はもちろんですが、彼の両親も警察に疑われ、取り調べが行われるます。しかし、その最中にも人が死んでいく……どういう仕掛けなのか、結末が分かるまで眠れない、歌野晶午の1冊です。

3位:終わりがこない、最悪の想定『世界の終わり、あるいは始まり』

家族と新興住宅地で暮らす富樫修は、ニュースで小学生を狙った連続誘拐事件が起きていることを知ります。小学6年の息子の身を案じた矢先、息子の部屋から出てきた事件に関わる物的証拠。まさか自分の子どもが、と思う気持ちと、本当に息子がやったことなら、一家の将来が崩れ去ってしまうという不安が修の中をかけ巡り……。

著者
歌野 晶午
出版日

主人公の修は、作中にさまざまな想像をします。どのようにこの事件を逃げ切るか、息子の将来を守か、家族を守るか。あらゆる想定をしつつも、彼は息子に真相を聞けず、だからといって周りにも相談できるはずもなく、ひとり悶々と生活を送り続けるのです。

想像は徐々に、現実を帯びたものになり、読んでいるこちらまで修の不安感に飲まれていきます。次第に、なんともならないという絶望と、どうにかなるという希望に挟まれ、最後まで決着のつかない想像を読み手が担わなければならなくなる、そんな歌野晶午の作品です。

2位:人気アーティストが突然絞殺される、謎の事件『ROMMY 越境者の夢』

奇抜なファッションと特殊なメイクで、一世を風靡している歌手のROMMY。そんな彼女が、海外の音楽家とのレコーディングが予定されているスタジオの中で、絞殺されてしまいます。ROMMYの音楽に可能性を感じている中村が、何故か奇妙な行動を取り始め……。
 

著者
歌野 晶午
出版日
2011-01-14

その場にいた全員が、一瞬現場を離れた瞬間、ROMMYの死体がバラバラに切り刻まれ、おかしな装飾をされています。何故?誰が?何を目的に?そんな疑問を持った関係者のひとりが、探偵ごっこを初めてしまうことで、犯人が独白を迫られてしまう場面は圧巻です。

また、ROMMY自身に隠された真実や、ROMMYになる前を描かれる様子で、読者が予想もしていなかった真相が差し出されてます。全てが驚愕となる、歌野晶午の渾身の1冊。
 

1位:多くのミステリー賞を受賞した『葉桜の季節に君を想うと』

元私立探偵の成瀬将虎は、「何でもやってやろう屋」を営んでいます。喧嘩も強けりゃ弁も立つ、そんな彼が通っているフィットネスクラブの知り合い、愛子に霊感商法の調査を依頼されます。それは調べてみれば調べてみるほど、悪質な商法。彼が憤りを感じている中、自殺をしようとする間宮さくらと出会い……。
 

著者
歌野 晶午
出版日

将虎とさくらは、お互いに深く愛し合います。しかし、将虎が調査を進めていくと、さくらの素性や素行を知ることになります。愛している、だけどやっていることは犯罪……。そんな想いが、彼を苦しめていきます。

苦しみの中に共感しながらも、衝撃のラストに読者はつい叫んでしまうでしょう。「え、そういうこと!?」と。最後まで2人の行方と、読者を待ち受ける衝撃から目が離せない、歌野晶午のラブストーリーと探偵推理の融合小説です。
 


いかがでしたか?今回は歌野晶午の傑作を5作品ご紹介しました。今まで、ミステリー、あるいは推理小説家としての歌野晶午の名前や、その代表する作品名を目にすることがあった方もいらっしゃるかもしれません。しかし読んでみれば、ミステリーあり、推理あり、ラブストーリーありと、実はひとつの作品に多ジャンルを盛り込んでいるのです。推理しながらもぞっとする、ぞっとしながらもきゅんとする。そんな歌野晶午の世界観に、どっぷりはまってみて下さい。

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