漫画『おちくぼ』の魅力を全巻ネタバレ紹介!最新5巻も面白い!【無料】

更新:2021.11.16

実の母を亡くした少女が義母に引き取られ、理不尽ないじめに遭うはめに……!女同士の争いが濃いめの和製シンデレラストーリーが、漫画『おちくぼ』。平安時代の『落窪物語』をコミカルに仕上げています。 ドロドロしたシーンはあるものの、義母以外は基本的には良い人たちばかり。また、主人公の性格から爽快感も感じられる作品です。 この記事では、その魅力をご紹介!スマホアプリで無料で読めるので、気になった方はそちらもどうぞ。

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漫画『おちくぼ』が面白い!無料で読める!【あらすじ】

 

時は平安。ところは京の都の、さるお屋敷。

中納言の子で「落窪(おちくぼ)の君」と呼ばれる娘がいました。彼女はたいそう美しい娘でした。実母と死別してしまった彼女は、継母に当たる「北の方」のもとに身を寄せています。

しかし北の方は、落窪の実母譲りの美貌が気に入らず、彼女をひたすらに冷遇するのです。「落窪」という通称も、屋敷の隅の1番程度が低い部屋がそう呼ばれ、彼女をそこに追いやっていたからでした。

 

著者
山内直実
出版日
2015-08-20

 

屋敷での味方は、実の姉妹同然に育った、乳姉妹の「あこき」という女房(貴族の使用人のこと)だけです。その出自ゆえに北の方によって面会が制限されていますが、落窪が北の方に引き取られる時にも付き添ってきたほど、いつも彼女を思いやっていました。
 

あこきは、屋敷で北の方の娘「三の君」に仕えており、その婿である「蔵人(くろうど。天皇配下の役人のこと)の少将」の部下・惟成(これなり)と交際していました。

誰かよい人がいれば落窪も救われるのに、というあこきの相談で、彼は1人の男を紹介することになります。右近少将(宮中警護を司る役所の次官のこと)の道頼(みちより)です。

彼は飛び抜けた美男子でしたが、宮中でも有名なプレイボーイ。彼の落窪への接近が、彼女の生活をいろいろな意味で変えていきます。

 

 

原典である『落窪物語』は、10世紀頃に成立した古典文学の名著です。本作『おちくぼ』では現代語訳された『新版 落窪物語』をベースとして、キャラクターと話のあらすじは変えず、表現方法や言葉遣いなどを現代風にアレンジしています。

 

著者
出版日
2004-02-25

 

原典の面白さはそのままに、『シンデレラ』のような少女漫画的側面が強調されており、非常に取っ付きやすくなっているのが魅力です。

入り口は入りやすく、中は奥深い古典の世界。ぜひ味わってみてください。

 

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漫画『おちくぼ』1巻の見所をネタバレ紹介!

 

惟成から落窪の話を聞いた道頼は、プレイボーイの才能を発揮して、落窪への完璧な文をしたためます。

道頼の噂を知るあこきは最初こそ渋っていたのですが、内にこもりがちな落窪を想って、取り次ぎを決意するのです。

 

著者
山内直実
出版日
2015-08-20

ところが肝心の落窪が、頑固一徹。彼女は自己評価が著しく低いため、数10通もの詩を送られても、自分には似つかわしくないと固辞し続けてしまうのです。それにしびれをきらした道頼は、石山詣(祭のようなもの)で人がいなくなったところを狙って、直接会いにいくことに。

身持ちの堅さは時代柄か、育ちのよさか。いじらしさが可愛らしくも、もどかしく感じます。チャラチャラしてるのに紳士の素行を守る道頼も、読んでいて意外と好感が持てるでしょう。

果たして、彼のアタックは彼女に響くのでしょうか。

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漫画『おちくぼ』2巻の見所をネタバレ紹介!

 

道頼がした落窪への強引な接近は、つまるところ夜這い。翌朝、放心状態の落窪の様子を見たあこきは、当然そういうことがあったのだと理解しましたが、後に、一晩中話をしていただけということがわかります。

さらには、初心のあまりに、落窪が道頼の顔すら見てなかったことも……。

 

著者
山内直実
出版日
2016-03-18

 

道頼とのあまりの身分の違いから、恥ずかしくて相手の顔もまともに見られなかった落窪。しかし裁縫好きのせいか、なぜか彼の衣装だけ覚えており、そのことについて、あこきに熱く語り出します。どこまでも純粋な彼女のかわいさが感じられるシーンです。

ここに至って、プレイボーイの評判にも関わらず、道頼が紳士的人物であることを、あこきが悟ります。彼が一晩一緒にいて一切手出ししなかったことから、落窪のためを思って彼女はさまざまな手を打ち始め、落窪をその気にさせようと東奔西走していきます。

徐々に惹かれて行く落窪の変化と、かなりマメな道頼が見所です。

 

漫画『おちくぼ』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

道頼は根気よく、何度も落窪をのもとにやってきます。その情熱は本物で、先の見通しも危うい豪雨の夜ですら尋ねてくるほどでした。

相変わらず落窪は受動的ですが、少しずつ彼のペースになっていくのです。

 

著者
山内直実
出版日
2016-11-18

 

2人は少しずつ少しずつ、仲を縮めていきました。落窪は、道頼からのちょっとした行動にドキドキするように。またプレイボーイであるはずの道頼も、彼女に対しては特別な想いを感じていました。

そんなある日、道頼は、落窪に対する北の方の横暴さを目撃してしまいます。そして、その後、彼は落窪にこのように告げるのでした。

姫をお迎えしたいと考えているのです
もちろん 私の妻として
(『おちくぼ 』3巻より引用)

このような環境に彼女がいるのは相応しくないと思った彼からの、素直な気持ちでした。しかし、自己評価の低い落窪。この言葉を受けても、素直に喜べません。
 

さらに、ここから絶体絶命の事態が起こります。数日間続いた逢瀬も、石山詣に行っていたはずの北の方が突然帰宅したことで、終わりを告げてしまったのです。落窪から道頼に宛てて送られた文が、よりにもよって荒れに荒れる北の方にバレてしまったのでした。

ゆっくり育まれる純愛ストーリーに、最大の危機が訪れます。この急激な変化が、2人にもたらすものとは?

 

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漫画『おちくぼ』4巻の見所をネタバレ紹介!

 

落窪への北の方の嫌がらせを目の当たりにした道頼は、怒り心頭で憤慨します。とはいえ、当時の社会背景として、親や目上の人に正面切ってものを言うのは、難しいものがあります。

内心思うところはあるものの、それでも落窪と道頼は、順調に交際を重ねていきました。

 

著者
山内直実
出版日
2017-06-20

 

ところが、北の方の目を盗んでおこなわれた逢瀬が、ついに知られてしまいます。心根の醜いこの継母は、ひっそりと落窪を陥れる策を練るのでした。

ようやく恋に前向きになった落窪に対して、北の方の酷い仕打ちが襲いかかります。しかし、その嫌がらせが加速すればするほど、2人の距離が縮んでいくのも事実。数少ない味方の機転が、どう働くのかがポイントでしょう。

本巻では、今まで自分を低く評価し続けてきた落窪が、考えをあらためるところが見所です。自分を卑下することは、自分を支えてくれている人達の気持ちを裏切ること。そのことに、彼女はようやく気づいたのでした。

今までの自分の評価の低さを謝られ、そして感謝を告げられたあこきの涙は、読んでいてグッとくるものがあるでしょう。前向きに変化していく落窪の姿に、ぜひ注目です。

 

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漫画『おちくぼ』5巻の見所をネタバレ紹介!

 

北の方の手引きによって、落窪は屋敷の奥の倉に幽閉されてしまいました。父親は北の方の言いなりで、道頼の力もおよびません。

さらに落窪は、北の方の叔父・典薬助(てんやくのすけ)と無理矢理結婚させられることに……。

 

著者
山内直実
出版日
2018-03-20

 

物語もいよいよ佳境に入ります。

お話はちょうど、囚われの姫を救う王子という構図。ネチネチと落窪をいじめ抜いた北の方に対して、強引に関係を迫る典薬助は、わかりやすい悪役です。

そんな盛り上がる本巻での見所は、あこきの活躍です。落窪を助けるため、策を練って奮闘する姿が見られます。さらに、惟成との関係にも進展が。強気な彼女が見せる、乙女な一面にも要注目です。

落窪とあこきは、窮地をどうしのぐのでしょうか。そして、道頼は間に合うのでしょうか。実質的なクライマックスとなる救出劇の顛末や、いかに。

 

漫画『おちくぼ』6巻の見所をネタバレ紹介!

 

ここからは最終6巻の収録内容をご紹介します。

無事に救い出された落窪。ついに道頼と2人で結婚生活を送ることとなりました。しかし、そんな幸せに水を差すように、新たな波乱の予感が!?

感動の最終回です。

 

著者
山内直実
出版日
2018-11-20

 

幽閉から救出された落窪は、道頼の庇護のもと、二条の屋敷で新生活を送り始めます。

その矢先に、こともあろうに道頼と、北の方の娘「四の君」との縁談話が持ち上がるのです。もちろん彼にその気はないので、意趣返しも兼ねて手の込んだ断りをおこなうのですが、それが思わぬ展開になっていくことに。

救出劇も一段落したエピローグに、もう一波乱が巻き起こります。北の方=中納言家を襲う手痛いしっぺ返し。無事に相思相愛になれたものの、落窪と道頼の先行きも、安定というわけにはいきません。

平安時代のシンデレラ的物語。その最後は、ぜひ実際にご覧ください。

 

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いかがでしたか?『おちくぼ』は、日本文学史に残る古典の名作を手軽に楽しく読める漫画となっています。原作を読むのはハードルが高いかも……という方は、ぜひこの機会に漫画でお試しください。

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