『うちの執事が言うことには』の魅力を全巻ネタバレ紹介!登場人物がいい

更新:2018.11.22

2018年11月現在8巻までシリーズ化されている、高里椎奈の『うちの執事が言うことには』。名家の若き当主と、青年執事の凸凹コンビが活躍する、上流階級ミステリーです。2019年には、実写映画の公開も控えています。 今回は、独特の登場人物と世界観が支持される本作のコミカライズ版の魅力を、既存8巻分ご紹介。ネタバレ注意です。

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『うちの執事が言うことには』が面白い!漫画作品の魅力をネタバレ紹介【あらすじ】

 

烏丸家27代当主・烏丸花頴(からすま かえい)と、烏丸家執事・衣更月蒼馬(きさらぎ そうま)の若きコンビが、日本の上流階級社会を舞台に謎解きに挑みます。

 

著者
音中 さわき
出版日
2015-11-26

 

花頴は18歳という若さで、名門・烏丸家の27代当主になるため、留学から帰国。帰国すれば馴染みの老執事・鳳が待っていると思っていた彼ですが、そんな彼を待っていたのは、見ず知らずの青年執事・衣更月で……。

仕えられる側も、仕える側も不本意なままに、主人と執事としての生活が始まります。
 

ギクシャクしたコンビがくり広げる一触即発な主従関係と、華麗な上流階級の世界が堪能できる、ライトミステリーです。

 

作品の魅力とは?手軽に読めるミステリー!登場人物もいい!

作品の魅力とは?手軽に読めるミステリー!登場人物もいい!
出典:『うちの執事が言うことには』1巻

本作は、さらりと読める軽いミステリーでありながら、見事に伏線が回収されていく過程に満足感が得られます。探偵役となって推理するのは、主に花頴です。日常に巻き起こる盗難事件や暴力事件に挑みますが、ドロドロした展開はなく、あっさりと楽しめるでしょう。

漫画では、エピソードの収録順が小説と異なるところがあり、違った読み方ができるのも魅力の1つ。小説を読んでいても、読んでいなくても楽しめます。さらに原作小説で描かれる上流階級の世界観が、漫画表現で鮮やかに表現されているのもポイント。きらびやかな烏丸家内装、華やかな社交界、そして花頴や衣更月の所作も、繊細に美しく描かれている様子にも注目してみてください。

出典:『うちの執事が言うことには』1巻

 

また、よい意味で予想を裏切ってくれる登場人物たちも、この物語が愛されるポイントの1つ。まず、名家の当主としては若すぎる花頴。彼は、人並み外れた「色彩感知能力」を持っています。

そつなく仕事をこなす執事の衣更月は、無表情で何を考えているのかわかりません。そんな2人の唯一の共通点は、元執事の鳳が好きであること。

一生懸命、謎を解こうとする花頴。衣更月は、そんな主人を下に見ているようにすら感じます。一般的な主従関係の枠にはまらないところ、2人の関係性に伸びしろを感じるところが、読者を惹きつけるのでしょう。

 

出典:『うちの執事が言うことには』1巻

ほかにも、烏丸家と並ぶ名家・赤目家の子息で実業家の赤目刻弥(あかめ ときや)、彼の秘書補佐の沢鷹橘(おもだか たちばな)、烏丸家の料理人・雪倉叶絵(ゆきくら かなえ)、その息子で従者兼使用人頭の峻(しゅん)など、使用人や旧家の人々が登場します。

そのなかでも特に注目したいのは、赤目刻弥。彼はたびたび不穏な空気を醸す、謎の人物です。

花頴・衣更月のギクシャク主従コンビをメインに、個性が際立つ人物たちが活躍する面白さを感じることが出来るのでしょう。

漫画『うちの執事が言うことには』1巻の見所をネタバレ紹介!

 

烏丸花頴は、気まぐれな父の「引退する」という手紙により、留学先のイギリスから日本に呼び戻されました。これにより彼は、18歳にして烏丸家27代当主となったのです。

彼が当主となることをすぐに承知したのは、幼いころから信頼している老執事・鳳が自分に仕えてくれると思っていたから。しかし、烏丸家に着いても、鳳の出迎えはありません。

そして翌朝、さっそく執事を呼んだ彼の前に現れたのは、見ず知らずの青年・衣更月蒼馬だったのでした。

 

著者
音中 さわき
出版日
2015-11-26

 

衣更月は、烏丸家の新しい執事。花頴が当主になったのと時を同じくして、元はフットマンだった衣更月も、執事に就任したのです。

当主になりたての花頴と、執事になりたての衣更月。烏丸家にとって大きな変化が生じたこのタイミングで、なんと盗難事件が起こります。当主としてのメンツを守るため、花頴は衣更月とともに事件の捜査に乗り出しますが……。

邸内での犯行ということで、真っ先に疑いの目が向けられたのは、烏丸家の使用人たちです。庭師・桐山、臨時の料理人・片瀬優香、従者・雪倉峻らが疑われます。無実の使用人たちのためにも、犯人をつきとめなければならず、花頴は怪しい人物を追及していくのでした。

いったい、この事件の犯人とは……。

出会ったばかりで、息の合わない花頴と衣更月。それどころか、お互いを当主・執事と認めてもいません。彼らの出会いと、初めての謎解きにハラハラしてしまう本巻。

初めて読んだ方は特に、あっという間に新鮮で美麗な世界に引き込まれること請け合いです。すでに読んだことがある方は、想像の補てんをしながら、より深く物語に入り込めるでしょう。

 

漫画『うちの執事が言うことには』2巻の見所をネタバレ紹介!

 

2巻は、「白黒羊と七色の鬼」の完結編と、「ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家」の前編が収められています。

烏丸家当主の座について、初めてパーティーに出席した花頴。そこで出席者の1人でモデルの莉紗が、何者かに襲われるという事件が発生します。

第一発見者は花頴で、なんと、彼が犯人の濡れ衣を着せられる事態に発展してしまうのです。自らの疑いを晴らすため、犯人捜しが始まります。

 

著者
音中 さわき
出版日
2015-12-26

 

パーティーの参加者たちが見つめるなかで、花頴は衣更月の協力の元、事件当時の被害者と犯人の動きを確認していきます。被害者の莉紗と犯人の立ち位置や、その後犯人がとった行動を予測し、再現することで真相に近づいていくのでした。

本巻では、花頴はパーティーでの暴力事件以外に、誘拐事件にも関わることになります。まだまだ信頼できていないパートナー・衣更月とともに、無事に解決できるのでしょうか。

そんな本巻で度々登場するのが、烏丸家と並ぶ歴史ある旧家の子息で、大学生の赤目刻弥。意味深な発言をする彼は、敵なのか味方なのか……見極めるのが難しいキャラクターです。

そのほかに、これまた歴史ある旧家、久丞家の令嬢・久丞壱葉(くじょう ひとは)と、その乳母・藤崎も登場します。人物が増え、ストーリーの深みも増していくようです。

また事件をとおして、花頴の優れた色彩感知能力や、衣更月の前任の執事・鳳への敬愛が垣間見えます。まだ謎に包まれている部分も多い彼らの背景が、今後少しずつ明らかになっていく展開も楽しめるでしょう。

 

漫画『うちの執事が言うことには』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

3巻には「ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家」の完結編、「三本の木」が収録されています。

前巻から続く、誘拐事件。誘拐された花頴を取り戻すため、衣更月が身代金の受け渡しに臨みます。しかし、なんと受け渡しは失敗。あってはならない事態に、彼は執事としての自信をすっかりなくしてしまうのです。

そんな彼の元に、尊敬する鳳から電話がかかってきます。執事から家令に昇格し、花頴の父・真一郎と旅をしている鳳。

そんな彼から言葉で執事としての矜持を取り戻した衣更月は、果たして花頴を救うことができるのでしょうか。

 

著者
音中 さわき
出版日
2016-04-26

 

自信を取り戻した衣更月は、花頴からのメッセージに気づき、救出に向かいます。そして明かされる犯人と、その動機が明らかになるのです。その意外すぎる真相とは……。

この誘拐事件は、衣更月をはじめとする烏丸家の使用人たちと、花頴の関係性がわかるエピソード。急に家督を継ぐことになった花頴ですが、期間の短さに反して使用人たちは誘拐された彼を大切に思っています。この様子には、いつもは無表情な衣更月も珍しく取り乱し、感情をあらわにします。

1番の見所は、衣更月の過去が垣間見える場面。鳳からの電話がきっかけで、ミステリアスな衣更月の過去が明かされ、鳳との関係も知ることができます。

このエピソードは、花頴と衣更月が、違いを認め合うようになる重要なもの。とはいえ、まだギクシャクしたままではあるのですが。

さらに、花頴のイギリスでの恩師・ナイルが登場するエピソードも収められています。黒か白かわからない刻弥も再び登場し、ますます面白くなっていく物語から目が離せません。

 

漫画『うちの執事が言うことには』4巻の見所をネタバレ紹介!

 

「仔犬のワルツ」「お祖母さんの古時計」「屋根の上の仔犬」が収録されている本巻。

今度のお話は、時計にまつわる怪談です。花頴は、刻弥から烏丸家に代々伝わる怪談があると教えられ、その話の元になった古時計の幽霊に、伺いをたてることにします。

親戚である若嘴家の後継者問題に、自分が口を出してもいいものかどうか、尋ねようと思ったのです。

 

著者
音中 さわき
出版日
2016-08-26

 

花頴は刻弥にそそのかされるようにして、怪談のもとになったと思われる時計の場所に向かいます。刻弥と衣更月がいる手前、おばけなんていないと強がりながら、古時計の怪を探るのでした。

本巻には、感情をあまり表に出さない衣更月目線のシーンが多数あり、ミステリアスな彼が、普段どんなことを考えているのか伺い知ることができます。相変わらず花頴のことを主人と認めてはいませんが、淡々と職務をこなしながらも、花頴のことを考えているようです。

そんな4巻では、ニューフェイスが登場。子犬のペロです。久丞家の令嬢・壱葉も再び登場し、またしても花頴たちはドタバタに巻き込まれることになります。

18歳の半人前当主と、主人をクソガキ呼ばわりする新人執事の凸凹加減は、さまざまな事件を乗り越えてきた本巻でも健在。本巻では少しコメディ要素も加わって、より気楽に楽しめるエピソードとなっています。

 

漫画『うちの執事が言うことには』5巻の見所をネタバレ紹介!

 

「狼少年と裏切り執事」「五枚のオレンジの皮」のエピソード収録巻です。

ここまでずっと息が合わない花頴と衣更月ですが、そんな2人の仲をさらに悪化させる事件が起こります。料理人の雪倉が、スリの容疑をかけられたのです。さらに運転手・駒地が襲われるという事件も同時発生。

駒地が襲われた現場には、衣更月のネクタイが落ちていたのでした。弁解をしない衣更月に、花頴はクビを言い渡し……。

 

著者
音中 さわき
出版日
2016-12-26

 

用意周到に張り巡らされた罠によって、烏丸家の使用人たちが続々とピンチに陥っていきます。頼りになるはずの衣更月まで罠にかけられますが、犯人の真の狙いは、当主の花頴なのでした。自分たちもピンチであるにも関わらず、使用人たちは彼を心配し、一同協力態勢で危機に挑むのです。

そして、たどり着いた犯人は、以前から花頴に恨みを持っていた人物。いったい花頴は、犯人にどんな処遇を与えるのでしょうか。

1巻からじわじわと距離を縮めていったかと思えばそうでもない、ギクシャクコンビ。衣更月の執事にあるまじき発言にイライラする花頴と、クソガキな花頴にイライラする衣更月という関係が魅力的であり、しかし読者としては彼らに信頼し合ってほしいとも思ってしまいます。

本巻では、そんな2人のハラハラさせる関係が、変化の時を迎えるのです。

一方で、度々登場しては意味深な発言で不安を煽っていた、赤目刻弥。優しいお兄さんの顔が本当の彼なのか、はたまた、ちらつかせていた怖い顔が本性なのか……。

何かあるぞと匂わせ続けていた彼の本性が、遂に明かされます。前半戦の完結編といえる、必読のエピソードです。

 

漫画『うちの執事が言うことには』6巻の見所をネタバレ紹介!

 

「王子と乞食と仮面の執事」「綺羅星の集まる所」という、原作ファンの間でも人気のエピソードを収録した本巻。

花頴に関する噂の出所を調査する衣更月は、真相を確かめるために、とあるバーを訪れます。そのバーには、なんと花頴に瓜二つな人物がおり、衣更月はうろたえるのでした。執事として、主人を見間違えるわけにはいきません。

そっくりな人物の正体はいったい!?

 

著者
音中 さわき
出版日
2017-06-24

 

鳳とケンカした父・真一郎が、烏丸家に戻ってくることになります。花頴はケンカの仲裁をするため、自分が鳳を迎えに行き、その間、衣更月が父の世話をするのがよいと提案するのです。

主人が単身で鳳の元に向かうことに違和感を覚えながらも、提案を承知した衣更月。しかし、その間に花頴のよくない噂を耳にし、独自に調査を開始したのでした。

ケンカの行方、花頴が1人で出かけたわけ、花頴のそっくりさん……わからないことだらけの案件を、衣更月が紐解いていきます。

本巻では、花頴の父・真一郎が登場。再び衣更月目線で物語が進むので、彼の貴重な本音を知ることができるでしょう。

小説では新章スタートとして描かれるエピソードで、花頴と衣更月の関係も、今までとは少し違ってきます。未だ花頴は当主として未熟、衣更月も執事として半人前ですが、それでも2人の成長を感じることができるのではないでしょうか。

これまでの息の合わない彼らの関係を見てきたからこそ、一層楽しめるエピソードです。お互いに塩対応だった頃が懐かしくなって、また1巻から読み返したくなるかもしれません。

 

漫画『うちの執事が言うことには』7巻の見所をネタバレ紹介!

 

本巻には、「シンデレラと身元鑑定人」「蔵のネズミと鉄の鍵」が収められています。

使用人たちの腕の見せ所となる、クリスマスシーズン。しかし、花頴は演奏会に出かけることになり、衣更月は烏丸邸内で、手腕を発揮する必要はなくなります。主人が演奏会を楽しむ間、使用人たちは地下で舞踏会に参加するのですが、なんと、そこで事件が起きてしまうのでした。

衣更月、斎木家の派遣執事・夏原、赤目家の沢鷹、久丞家の藤崎たちが勢ぞろいです。彼らは主人たちの演奏会が終わるまでに、事件を解決できるのでしょうか。

 

著者
音中 さわき
出版日
2017-10-24

 

衣更月は花頴に勧められて、しぶしぶといった様子で舞踏会に参加。他家の使用人たちと交流しますが、またしても不本意に事件に巻き込まれます。

普段は花頴が謎解きを担当しますが、今回は衣更月が大活躍です。有能な執事は記憶力も優れているようで、その実力をフルに発揮します。

斎木家の夏原は本巻が初登場で、父が執事で、本人は過去に検事をしていたという異色の経歴の持ち主。衣更月たちが謎を解くなかでの、彼の活躍にもご期待ください。

使用人たちが大活躍する本巻は、読みごたえ満点。各家の実力ある使用人たちが集合しているさまは、まさに壮観です。

また、当主のお披露目会でも事件が起き、花頴と衣更月の周りは相変わらずの忙しなさ。しかし、これまでより2人の息が合ってきたことで、安心感もあります。ミステリーの合間に、信頼関係がちらちらと見え隠れするのが面白いポイントでしょう。

謎解きとともに徐々に進化している、彼らの主従関係も楽しんでみてください。

 

漫画『うちの執事が言うことには』8巻の見所をネタバレ紹介!

 

本巻には「夢見る執事と白鳥の子」「仔犬と骨」が収められています。

烏丸家に、身に覚えのない荷物がたびたび届くという、嫌がらせ事件が発生。大量の荷物が届けられて迷惑を被る烏丸家ですが、料金は犯人によって支払われており、これといって実害はありません。

不気味な嫌がらせの犯人と、その目的はいったい……?

 

著者
音中 さわき
出版日
2018-03-24

 

刻弥、沢鷹、沢鷹の妹・早苗が関わる今回の事件。花頴と過去に因縁がある面々です。現在は沢鷹が通っている大学に花頴が編入するため、勉強をみてもらうような仲ですが、果たして……。花頴たちが突き止めた、烏丸家への嫌がらせの黒幕は、刻弥たちとは無関係なのでしょうか。

最初と比べると落ち着いた関係になってきた花頴と衣更月ですが、お互い不器用なので、まだギクシャクした雰囲気が漂っています。しかし、完璧な執事であろうとする衣更月は、主人に対して過保護気味な一面も見せるのです。そんな意外な様子にクスリとしてしまうことでしょう。

これまで、主従のぎこちない関係が魅力でしたが、新章に突入してからは、ぎこちなさのなかに、時折ほのぼのした空気が見えることも、新たな魅力となっています。

完璧な当主、完璧な執事であろうとする2人。彼らが憧れている鳳にまつわるエピソードもあり、第8巻まできても読者を飽きさせません。ミステリーに人間模様、それぞれの成長と、見所満載です。
 

花頴が当主として、どう成長するのか。衣更月は執事として、当主をどう見守っていくのか。これからの展開にも期待が高まります。

 

人気ミステリーシリーズ『うちの執事が言うことには』。日本の上流階級を舞台に、半人前烏丸家当主・花頴と、半人前執事・衣更月がさまざまな事件を解決します。ミステリーとしても、彼らの成長ストーリーとしても楽しめる本作。繊細に描かれる世界観に、ゆっくり浸ってみてはいかがでしょう。

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