『星と旅する』は正統派冒険ファンタジー!見所を全巻ネタバレ紹介!

更新:2021.11.25

巨大な母星の周りに浮かぶ星「超近接衛星」で人々が暮らす世界。「超近接衛星」のなかでも最小の星単位である家星に暮らす青年・ゲンジは、母星を漂っていた記憶喪失の少女・ルナとともに旅をすることになりました。 この記事では、そんな星で暮らす人々と主人公たちの旅の様子を描いた『星と旅する』について、その魅力と見所を紹介していきます。スマホアプリで読むこともできるので、そちらもどうぞ。

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『星と旅する』が面白い!魅力をネタバレ紹介!【あらすじ】

 

99.9%海でできた、超巨大な母星。その周りの星々のなかでも1番小さい、出来立てほやほやの家星に暮らす人物がゲンジです。

ある日、母星の海で釣りをしていると、気絶した少女を乗せた船が流れてきました。彼女が、母星に住む巨大な魚に食べられそうになっているところを間一髪で助けたゲンジ。それをきっかけに、記憶のないその不思議な少女と一緒に生活することを決めます。

 

著者
石沢 庸介
出版日
2017-10-17

 

家星で生活するための必要な物資を調達すべく、彼は彼女とともに旅を始めます。桃源郷といえる星を作ることを目標に、そのために必要なものを集め、一歩一歩夢に近づいていくのです。そのなかでは、かつての旧友との再会、No.1家星を決める祭への参加など、多くの出会いもありました。

果たして彼らは、夢を叶えることができるのでしょうか。

作品の魅力1:設定が面白い!

作品の魅力1:設定が面白い!
出典:『星と旅する』1巻

 

『星と旅する』の魅力は、やはり、その世界設定ではないでしょうか。

99.9%海だという大きな母星の周りを、多くの星々が漂い、人は皆、その星で生まれ育つのだそう。ゲンジが暮らす家星というのは個人所有の星で、その名のとおり家のある星です。

次に村星、町星、国星と、住む人が多くなるごとに星も大きくなります。星を作り上げれば、村長どころか国王にさえなれるという世界。ちなみに家星などは本当に小さく、歩いて簡単に1周回れるほどの大きさです。

 

出典:『星と旅する』1巻

世界のイメージとしては、ほぼ水に終われた地球の周りを、小さい星に乗って漂っている感じですね。そした大中小さまざまな星が同じように周りに浮いており、その空間で普通に呼吸し、生活することができます。自分だけの星が持てるというのは、なんともロマンがありますよね。

それぞれの星の中心には重力があり、星の下になっている部分に立っても落ちることはありません。地球も丸い形をしていますが、真逆の場所にいる人が逆さまになって落ちることがないのと、同じ原理ですね。

別の星へ移動する場合は、重力の中心地が移動するので、慣れていないと地面に体を打ちつけます。世界を旅する形で星を旅するという感覚が、非常に面白く感じられるでしょう。

作品の魅力2:戦闘シーンがかっこいい!

作品の魅力2:戦闘シーンがかっこいい!
出典:『星と旅する』1巻

 

本作は、一家に一星ある以外は普通の生活をしているようほかにもちょっと変わった設定がなされています。

この世界には独自の動植物がおり、なかでも害獣と呼ばれる巨大な生き物が特徴的。フォルムとしては、人間の何倍もある巨大な虫や、動物といった感じですね。

そういった害獣を駆除するための狩人が存在するのですが、ゲンジも実は元狩人。普段はゆるーっと、のほほん顔をしていますが、いざ害獣を前にすると、そのゆるさを微塵も見せないというギャップが、非常にかっこいいのです。

狩人としての戦い方は人によって違うのですが、彼はいつも持っている釣り竿を使用します。それを武器にして、相手の体を引き裂いたりするのです。

釣り竿を使用することで戦闘シーンにはスピード感、ダイナミックさを感じることができます。逆にそれを使わず相手の体を手掴みするシーンでは、まるで時が止まったような静けさがあるのです。そうしたメリハリも、大きな魅力といえるでしょう。

物語後半では、害獣相手ではない戦闘も見られます。人間離れした能力を持つ異星の民との戦闘があるのですが、人知を超えた人々の戦いは、やはり迫力満点。それまでのゆるい雰囲気が、嘘のように感じられます。

ただのんびり旅をするのがメインかと思えば、戦闘シーンもガッツリやるのが魅力的。また、主人公の能力値の上限が見えないというのも、アクション漫画の主人公らしくかっこいいですよね。

 

『星と旅する』1巻の見所をネタバレ紹介!

 

陸のない超巨大な海の星の周りを漂う、小さな星に人々が暮らす世界。

初めて自分の家星を手に入れ喜んでいた放浪者のゲンジですが、目の前の母星に漂う少女を救ったことで、想像以上に楽しく賑やかな旅と、多くの人との出会いを経験することになります。

 

著者
石沢 庸介
出版日
2017-10-17

 

本作は、そのタイトルとおり、さまざまな星に向かうために、星で旅をします。その楽しさも魅力ですが、ゲンジの普段時と戦闘シーンのギャップ、そして一緒に旅をすることになった少女・ルナのかわいらしさや、ゲンジに対する想いなども見所になります。

1巻では、ゲンジへのラブ度が高くて、感情がすぐ顔に出るルナが大きな見所。家星から母星へ釣り糸を垂らしていたゲンジは、船で漂う彼女の服に釣り針をひっかけ、自分のところに釣り上げます。このあたりから、彼のただ者じゃない感が伺えますよね。

この2人の出会いの場面では、成金が自分の星を自慢したいがためにゲンジの家星に星をぶつけるのですが、そこでのルナの行動のかわいさといったらないです。また、素直すぎて成金のプライドを傷つけてしまうルナ・ゲンジコンビのやりとりも、とても面白いですよ。

おそらく、ゲンジの星にわざと星をぶつけたのが気に入らないのでしょうが、成金への態度とゲンジに対する態度がまるで違うのも、見てて楽しいところ。

ゲンジのやることや行動には嬉しそうなのに、それ以外にはちょっと辛辣な、最初から好感度MAXなルナがたくさん見られます。

 

『星と旅する』2巻の見所をネタバレ紹介!

 

立ち寄った村星で、国星・アダムの王となった旧知の友に出会ったゲンジ。

同じく狩人だった彼とともに行方不明のルナを助け、凶悪な害獣を退治したゲンジは、友人から自分の国星に来るよう提案を受けるのでした。

 

著者
石沢 庸介
出版日
2018-02-16

本巻では、ゲンジをどうしても手に入れたい最強の狩人・ベイダーの想いを受け、彼のメイド・ローリエがゲンジの家星で一緒に住むことになりました。そして、ゲンジの急所であるルナを懐柔するという命を受けたローリエが、それを遂行しようと動くのです。

しかし、ついつい彼らのペースにはまってしまう彼女。そんな展開が2巻の見所ではないでしょうか。

ルナを餌にしてゲンジを釣るというベイダーの考えを実行しようと、ルナとともに行動しながら、いろいろ遠回しな言葉をかけるものの、すべて「ゲンジのため」「ゲンジが」とその行動すべてをゲンジ主導で考えるルナに、しだいにローリエのほうが懐柔されていくように……。

一生懸命、相手のために動くルナに、好感を持ったのでしょう。その後も、なんだかんだいいながら、ルナのために1人作業をしようとしたりするなど、ルナのための行動をとるようになるのです。このあたりからローリエの優しい性格が窺えますね。

もちろん、ルナのために行動を起こすことで彼女を懐柔しようという意味でも、それは正解です。しかしローリエはついつい本心で彼女に優しくしてしまっているようなのです。最終的に仲良くなる美少女2人の戯れは、非常に愛らしいものがあります。

またローリエの登場で、ルナにほっとかれて落ち込むゲンジも見所ですよ。

 

『星と旅する』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

母星降誕を祝う祭でもあり、世界一の家星を決める祭でもある、星歌祭。これに出場することを夢見ていたゲンジは、ついにNo.1家星を決める「星歌ラン」に参加することが決まりました。

しかし、妨害ありのそのレースには異星の民と呼ばれる、常人離れした能力を持った人々も参加していたのです。しかも、早くゴールを目指せばいいというわけでもなさそうで……。

 

著者
石沢 庸介
出版日
2018-08-17

 

巨大な国星を舞台に、その国星の衛星軌道に乗り、何日もかけて家星を使ったレースをおこなうという、なんとも壮大で夢のあるレースが「星歌ラン」。レースなのに、ほぼ旅と変わらないという不思議な競技ですよね。これもまた『星と旅する』の面白い設定部分。

3巻での見所は、ルナがなぜ母星を漂っていたのかわかる最終話ではないでしょうか。

そもそもゲンジも、陸のない母星に人がいることに違和感を持っていました。人はみな必ずその周りの星々で生まれるのです。今まで多くの者と出会い、戦ってきたからこそ、ゲンジはきっと早い段階で彼女がどういう存在なのかに気づいていたのでしょう。

炎を操る異星の民・イカロスとの戦闘で家が燃え、また人としての一線を越えようとしているゲンジに、ついにルナはその力を覚醒させます。そのシーンは、恐ろしくも美しく、また自然の恐怖を感じられる場面。星と生きていく人間の、運命のようなものが感じられるでしょう。

ラストシーンでは、物語の冒頭を思い出させる、新たな旅のスタートを表すような描写となっています。彼らの旅での人々の出会いなどを感じられるラスト。ぜひ、その場面は、ご自身の目でお確かめください。

 

「星に住む」という、ある意味私たちにとって当たり前のテーマですが、星のサイズが家単位からあるという変わった設定を用いたことで、その独自性が生まれた『星と旅する』。こんな星に住んでみたい、こんな星に立ち寄ってみたい、と想像を掻き立てられる設定は、ストーリー以外のところでも多くの楽しみがあります。

街や世界を巡るストーリーが好きな方には、特にオススメの作品です。

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