射精したら、世界が滅亡!? 恐怖の女王を股間に封印された主人公が、その解放を狙う妖艶な悪魔に翻弄されるエロコメディである『オレたま ~オレが地球を救うって!?~』。本作は「ヤングアニマル嵐」で連載されていた原田重光原作、瀬口たかひろ作画の作品です。果たして主人公は、己の邪念に打ち勝つことができるのでしょうか。 本作はスマホの漫画アプリでも読むことが出来るので、気になった方はぜひそちらで読んでみてください。
20XX年7月。この月に恐怖の女王が降臨し、世界は破滅するという噂がありました。
しかし、それは単なる噂ではなく、なんと真実だったのです。古来の契約により、恐怖の女王・エマニエルが降誕することで、人間界は魔界に支配されることになっていました。
そうとは知らない人類。密かに地球は、ピンチに陥っていたのです。
- 著者
- 原田 重光
- 出版日
- 2007-08-29
ところが、やはり人知れず神の使者がエマニエルを追い詰め、封印することに成功しました。が、本来「聖玉」に封じられるはずが、偶然にも居合わせてしまった主人公・佐藤航太の股間――なんと、2つあるうちの1つの「玉」に入ってしまったのです。
エマニエルは「玉」の中で未だ健在。そのため、契約が有効な7月の間に航太が欲望を発散してしまうと、女王はたちまち復活して人類は危機に陥ってしまいます。
そのため彼は1ヶ月間、完全な禁欲に努めなくてはいけないのですが……魔界から女王の補佐として派遣された小悪魔・エリスをはじめとする悪魔の手先が、あの手この手で誘惑してくるのです。
本作の原作は、高性能ラブドールのくり広げるドタバタコメディを描いた『ユリア100式』の原田重光です。際どいエロには定評がある作家です。そして作画は、デビュー作『オヤマ!菊之助』が少年誌連載ながらギリギリを攻め続けた瀬口たかひろ。まさしく規制を潜り抜けるエロマイスターなの」です。
この2人がタッグを組んだことで、「オレたま」は加減を知らない、超ド級エロコメディとなりました。
航太は人類存亡のため、悪魔達の誘惑を振り切って、究極の我慢をしなければなりません。過激過ぎるゆえに直接的に表現することは出来ませんが、「出す」以外のあらゆる快楽行為がおこなわれているといっても過言ではないのです。
ただ、傍目にはただの寸止め過激エロに見えても、これは生死をかけた戦い。ことがことだけに、「せいし」は「せいし」でも、別のものかもしれませんが……。
手違いによって、股間に女王を封印された航太。全人類の未来のため、何がなんでも女王を解き放つわけにはいきません。
そんな彼の元に訪れるのが、ヒロインである小悪魔・エリスです。まさしく小悪魔的な魅力を駆使して、彼に迫るのですが……。
- 著者
- 原田 重光
- 出版日
- 2007-08-29
まず見所は、ここまでやるのか!というエリスの奉仕なのですが、単純にいかないのが本作のエロコメディたる所以です。航太は女性経験もなく、従って免疫もほぼ皆無の童貞。誘惑されれば、ころっと落ちます。
……が、実はエリスの方も未経験なのです。エロ行為とかけ離れた、初心な反応がたまらないことでしょう。
彼女は、女王を解放するためにさまざまな手段に出ます。なんと航太が好意を寄せるバイト先の同僚・相沢美奈与の服を、彼にだけ透けて見えるようにするのです。嬉しいような気もしますが、しかし人類滅亡がかかっているので、そんなことも言ってられません。
その他にもありとあらゆる手段で、甘い罠を仕掛けてきます。果たして航太は、自分自身に打ち勝つことができるのでしょうか。
恐怖の女王解放=航太の貞操の危機といえますが、しかし、彼の貞操を脅かすのは悪魔だけに限りません。
なんと美奈与とデートをして、なし崩しでラブホテルに行ってしまうのです。
- 著者
- 原田 重光
- 出版日
- 2008-03-28
飲酒も手伝って、清楚な印象に反して美奈与はかなり積極的。いきなりAとBをすっ飛ばした彼らは、Cを経て挿入までしてしまいます。無論、明るい家族計画は装着して。
この事態を面白く思わないのが、ヒロインどころかちょろインと化したエリスです。女王解放には好都合なはずですが、航太が他の女と致すのは不服なうえ、人類の破滅で彼も犠牲になるのが気がかりな様子。
こうしたエリスの乙女心を楽しむのも、本作の醍醐味といえるでしょう。
エリスは魔界を裏切って、航太と契約を結びました。これで女王復活も阻止出来たかと思いきや、事態を察知した魔界から新たな刺客が送られてくるのです。
最初の刺客は、透明化出来る悪魔のアッシュでした。
- 著者
- 原田 重光
- 出版日
- 2008-09-29
エリスの裏切りと前後して、ラブ度とエロ度(とバカ度)が急激に上がっていきます。激化する魔界の攻勢の尖兵・アッシュも例外ではありません。
透明化を利用して航太を追い詰めるも、それが功を奏して美奈与が勘違いしたおかげでことなきを得ます。透明化のおかげで、航太が下半身露出という滑稽な姿で翻弄されるところは、本巻でも特に面白い場面でしょう。
エリスに嫉妬されながら美奈与と付き合う航太は、傍目から見たら羨ましい限り。アッシュからの過激な攻撃も見ものです。
7月も、1週間を残すところとなりました。それはすなわち、人類滅亡の回避まで秒読みということを意味します。
ことここに至って、焦れた魔界は女王の復活を待たず、ハルマゲドンの準備を始めるのでした。
オレたま 4―オレが地球を救うって!? (ジェッツコミックス)
2009年06月29日
ハルマゲドンは、悪魔と人類の最終戦争です。人類が未熟な時代ならともかく、科学技術の発展した現代では双方共倒れの危険性がある、最悪の展開といえます。
人類破滅を回避したい航太と、悪魔の天下を欲する女王・エマニエルの思惑が合致し、2人で魔界を止めに行くところが見所。
しかし、そんな意外なシリアス展開であろうとエロバカ要素は健在です。男のモノの扱いを熟知した両性具有の悪魔を、逆にやり込めるところはアホらしくて最高といえるでしょう。
7月最終日まで、残り3日。エリスや天使の協力でどうにか持ち堪えているものの、航太の我慢も限界に近付いていました。
そこへ、新たに上級悪魔が送り込まれてきます。結界のおかげで悪魔は手出し出来ないはずですが……?
- 著者
- 原田 重光
- 出版日
- 2010-01-29
いよいよ、おバカなエロコメディもクライマックスを迎えようとしています。航太は枝豆の感触だけで妄想が広がってしまうほど、もう我慢の限界でした(常人にはわからないレベルの妄想ですね……)。
そんななか、魔族の王、魔王・サタンまでもが出てくることに。知名度と反比例するかのような、控えめな彼のスタイルに注目してください。
また、結界で手の出せない悪魔による意外な誘惑もポイント。間接的な分、妄想で補ってしまうのでより興奮度が高くなります。
運命の7月31日。サタン率いる悪魔達が地上に現れ、天使も交えた最後の戦いが始まりました。
エリスの機転でサタンもエマニエルと同じく、航太の股間に閉じ込めることに成功するのですが、勢い余って彼女まで入り込んでしまうのです。
- 著者
- 原田 重光
- 出版日
- 2010-04-28
人類の滅亡を回避するだけなら、このまま封印してしまえばよいのですが……航太は危険を承知で、エリスの救出を決意します。
「このガマンがすごい!」というしょうもないキャッチコピーの付けられた本作も、これで完結です。
やってることは直球の下ネタなのですが、当事者は真剣そのもの。どこまでいってもくだらないエロコメディなのに、奇妙な感動が生まれるのだから不思議なものです。
種族の垣根を越えて、航太とエリスは結ばれるのでしょうか?人類の未来は?その結末にご期待ください。
いかがでしたか?「オレたま」は過激なエロの楽しめるコメディ漫画です。馬鹿馬鹿しくもおかしいやり取りを読めば、普段の鬱憤も吹き飛ぶこと間違いなしです。