知っておきたい天照大神!「天の岩戸」や系譜、ご利益などをわかりやすく解説

更新:2019.1.13

日本神話に登場する有名な神さま、「天照大神(あまてらすおおみかみ)」。名前は聞いたことがあっても、具体的に何の神さまなのか、どんなご利益があるのか知っている方は少ないのではないでしょうか。この記事では、天照大神が誕生するまでの過程や、有名な「天の岩戸」のエピソードなどと交えて解説していきます。あわせておすすめの関連本も紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

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天照大神の系図を紹介。父親のイザナギが左目を洗った時に生まれた?

 

日本の神話に登場する神さまで、皇室の祖神や、日本人の総氏神ともいわれている天照大神(あまてらすおおみかみ)。太陽を神格化した存在で、伊勢神宮に祀られていることで有名でしょう。『古事記』や『日本書紀』には女性の姿として登場しています。

では、天照大神がどのようにして誕生したのか、ご紹介しましょう。


日本神話において世界は、天上にある神々が暮らす「高天原(たかあまはら)」、地上にある人間たちが暮らす「葦原中国(あしはらのなかつくに)」、死者の世界でる「黄泉(よみ)」の3つに分かれていました。

高天原に住んでいたイザナギとイザナミという兄妹は、海に漂う脂のようなものを矛でかき回し、「オノコロジマ」という小さな国を作ると、そこで結婚します。その後たくさんの神を生み出しますが、ある日イザナミは火の神カグツチを生むと、火傷を負って死んでしまいました。

イザナミを失ったイザナギはひどく悲しみ、どうしても彼女に会いたいと黄泉の国へ向かいます。2人は再会を果たすものの、イザナギはあまりに腐敗したイザナミの姿を見て怖くなり、黄泉の世界から逃げ出してしまいました。イザナギは、黄泉の国と地上の堺を大きな岩でふさぎます。

そうしてなんとか帰還をすると、黄泉の国で身についた穢れを落とすため、禊をおこないました。その際、左目から天照大神が、右目からは月読命が、そして鼻から須佐之男命(すさのお)が誕生したのです。イザナギはそれぞれに高天原、夜、海原の統治を任せました。

天照大神が皇室の祖神といわれる理由は、彼女の孫にあたる瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、葦原中国の主となり、後に彼の子孫である神武天皇が地上を治めることになったといわれているからです。

天照大神が天の岩戸に隠れた?伝説のエピソードを紹介

 

天照大神を紹介するうえで欠かせない、須佐之男命と「天の岩戸」にまつわるエピソードを紹介しましょう。


天照大神、月読命、須佐之男命の姉弟は、父親であるイザナギから、それぞれに統治する場所を言い渡されました。しかし須佐之男命は、母親のイザナミに会いたいと駄々をこねたため、天と地に甚大な被害が生じ、追放されてしまいます。

自由の身になった須佐之男命は、母親に会いに行く前に天照大神のいる高天原へ寄ろうと向かうのですが、彼女はこれを、須佐之男命が高天原を奪いにきたと思い、武装して待ち構えたのです。

なんとか身の潔白を証明した須佐之男命は、気をよくして高天原に居座り、さまざまな乱暴行為をはたらいて他の神さまを困らせていました。

弟の素行に嫌気が差した天照大神は、「天の岩戸」に隠れてしまいます。太陽神である天照大神が隠れると、世界は闇に覆われ、多くの災いや秩序の乱れが起きました。

残された神さまたちは困り果て、試案した結果、岩戸の前で神楽や舞いをおこないます。すると、彼らのあまりにも楽しそうな姿を見た天照大神は、扉を少し開けて、なぜそんなにも楽しそうにしているのか問いかけました。

ある神さまは、「あなたよりも尊い神が現れたからだ」と答え、鏡を見せます。天照大神は鏡に映った自分の姿が「尊い神」だと勘違いし、その姿をもっと近くで見ようとさらに扉を開けました。その瞬間、手を引かれて岩戸の外に出され、世界は再び明るさを取り戻したのです。

「天の岩戸」には二度と近づけぬよう注連縄が施され、須佐之男命は高天原を追放されることとなりました。

天照大神はどんなご利益があるといわれている?

 

天照大神のご利益は、「国土の平和」です。「天の岩戸」のエピソードにも示されているとおり、太陽そのものである彼女が岩戸の中に隠れてしまった際、世界は闇に覆われ、秩序が乱れて多くの災いが起きてしまいました。他の神さまが機転を利かせていなければ、世界はずっと暗闇のままだったかもしれません。

太陽は、生きるためのエネルギーや希望を与えてくれる存在でもあります。生き物が生きていくうえで、作物や自然はなくてはならないもの。自然界の営みを支えるのも太陽の役目です。

そのほか天照大神のご利益は、「生命力の上昇」「子孫繁栄」「五穀豊穣」があると考えられています。生まれてから健やかに人生を歩んでこれたこと、そしてこれからの人生を豊かに過ごしていけるよう、参拝をする際には感謝の気持ちを伝えるとよいでしょう。

天照大神をはじめとする日本の神々の解説書

著者
戸部 民夫
出版日
2004-01-06

 

日本に存在する神さまたちの由来や性格を、祀られている神社やご利益とともに解説している作品。作者の戸部民夫は、神道関係の作品を多数執筆している作家で、本書も発行部数20万部を越えるベストセラーとなっています。

見どころは、神さまたちの系図が収録されているところでしょう。天照大神をはじめとする神々の関係が一目でわかる構成です。

文庫本のため持ち運びにも最適。神社巡りをする際のガイドブックとしてもおすすめです。

太陽神の成り立ちを古代史から読み解く

著者
溝口 睦子
出版日
2009-01-20

 

天照大神が日本の祖神になるまでの過程には、高句麗の神話と北方ユーラシアの伝承が背景にあるのではないかという、独自の解釈で記された作品です。

実は大和王権の時代には、タカミムスヒという神が太陽神とされていたそう。この交代劇がどのように起こったのか、日本神話が作られた当時の状況とあわせて解説し、古代史をひも解いていきます。

日本神話を学術的に読んでみたいという方におすすめの一冊です。

天照大神がコミカルになって登場する『古事記』

著者
小野寺 優
出版日
2017-07-12

 

タイトルにもあるとおり、『古事記』をライトノベル風に改変した作品です。もともとは作者である小野寺優のWebサイト上で公開されていたもので、口コミで話題となり書籍化されました。

難しい言葉遣いや、登場人物の関係が複雑でわかりづらい印象のある『古事記』ですが、実は下ネタもたくさんあり、ギャグ要素が満載なのだとか。本書では、天照大神などの神さまたちが親しみやすいキャラクターとなって登場し、楽しく読み進めることができるでしょう。

日本神話が好きな方から初心者の方まで満足できる一冊です。

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