努力し続ける人は楽しそうでとてもあこがれる。自分も夢に向かって頑張ってみようとするけど、あの人みたいに楽しむことができない。その時初めて努力すること=楽しいことではないことを知りました。よく挫折することはあるけど、本当に諦めたくないときはこの本を読んでいます。
早いことに2019年も始まって二週間が過ぎた。二週間も経つと年が明けた感覚なんて過ぎ去っていつも通りの生活の感覚に戻っている。 新年が明けてから初めて会う友人にも新年のあいさつを忘れ、別れの時に言う始末。変わっただけなのは体重だけとそんな感じの幕開けだ。
年が変わる感覚を失いつつも、なぜか毎年やってしまう「今年の目標決め」。SNSを見ても昨年の振り返りと来年の意気込み投稿、年の切り替えは自分の生活をリセット、リスタートするのに 絶好のタイミングなのだろう。
しかし、多くの人が実感するように目標を達成するのはなかなか難しい。壁にぶつかり挫折してしまう、目標自体を忘れてしまうなんてことも起こる。 当たり前だが、僕は全て順調に物事が進む人なんていないと思っている。皆なにかしらの壁にぶつかっている。
僕も中学生の時に駅伝をやっていたころ、何度も壁にぶつかっていた。グラウンドから家まで帰れなくなるほどきつい練習、どんなに練習しても勝てないライバルなどなど。当時からだいぶ時間 が経ってしまっているため、壁はこれ以上思い出せないが、何度も挫折しそうになった時のことはしっかりと覚えている。
しかし、挫折せずに駅伝を続けられたのはある小説のおかげだ。今読みかえすと読んでいるこっちが恥ずかしくなってしまうほどの青春小説だが、当時のことを思い出し懐かしくなると同時に勇気付けられた。
- 著者
- 金城 一紀
- 出版日
主人公は「やる時はやる男」だと思い込んでいる中肉中背で中年のサラリーマン。高校生の一人娘と奥さん、三人で幸せな生活を送っていたが、娘が高校ボクシングのチャンピオンである男子高校生に よって娘はケガを負わされてしまう。
偶然出会った体術の名手である朝鮮人とその仲間とともにサラリーマンが娘に暴行した男子高生に仕返しをするという復讐劇だ。
若い頃に特に目立った運動経験のない中年のサラリーマンがボクシングのチャンピオンに勝つなんて現実ならありえない話だが、中年サラリーマンは朝鮮人の指導の元、とんでもない量のトレーニングをおこなう。
印象的はシーンはサラリーマンが復讐を果たすべく死に物狂いにトレーニングをおこなう姿を見て、朝鮮人が「なんのために復讐するのか」と問うシーンだ。なにかに没頭していると目標を忘れてしまうことが起こり、目標が見えなくなった故今取り組んでいることの意義を見出せなくなることも起こる。
中学生の時の僕は何度もこのシーンに救われた。努力することはやめてしまうことは簡単だが、自分が望む結果を得られることができない。なんのために毎日走っているのだろうと何度も自答した。別に答えを持たなければいけないわけではないが、自分なりのしっかりとした答えを持った人間は貪欲になる。
主人公も最終的には「家族の絆を取り戻す」ために戦っていた。その姿は小説だから見えないけど、かっこいい。
人間は孤独になにか向かって努力し達成するにはあまりにも脆弱すぎる。自分を奮い立たせるための要素なら、なんでもいいと思う。ぼくはたまたまこの本だっただけだ。
今この記事を書いているのは渋谷のとあるジャズ喫茶だ。隣に座る老夫婦が隣合って「この音楽懐かしい」と流れる曲について話す声が聞こえた。浅学のため、その曲について何も知ることはないが 二人にとって、昔の記憶を思い出す一曲なのだろう。きっと今に至るまで様々な壁に出会い悩み、そんな時、癒してくれたのは音楽だったのだろう。
困シェルジュ
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