子育てはうれしいことや楽しいことだけじゃなく、大変なこともたくさんあります。子どもの気持ちがわからなくなったり、こちらの気持ちが伝わらなかったりしてもどかしくなることも多いのではないでしょうか。この記事では、日々子育てに奮闘しているママが読むとつい泣いてしまうような、感動のおすすめ絵本をご紹介していきます。ぜひお子さんと一緒に読んでみてください。
「ぼくおかあさんのこと…キライ!」ウサギの男の子は、ママに対して不満がたくさん。マンガを読ませてくれないし、早くしなさいって言うくせに自分はゆっくりしているし、すぐに怒るし、ぼくとは結婚できないって言うし……。
小さな男の子が母親に対して抱く、繊細な気持ちを描いた作品です。
- 著者
- 酒井 駒子
- 出版日
- 2000-05-01
ママと男の子、パパと女の子の関係は、親密ながらも少し複雑。結婚したいほど好きなのに、ついつい嫌いという言葉を言ってしまうのです。しかしそれは、もっと自分を見てほしいという愛情表現に他なりません。
絵本に登場するママの多くは素敵な人柄をしていることが多いですが、本書に登場するママはちょっぴりルーズなところもあり、とってもリアル。読みながら親子で共感できることも多いのではないでしょうか。そんなママだけど、子どもにとっては大切な拠りどころになっていることもわかり、思わず泣けてくるはずです。
酒井駒子のイラストは少しざらついたタッチで、複雑な気持ちを抱えている男の子の心情をよく表しています。男の子を育てているママに特におすすめの一冊です。
赤ちゃんが生まれ、子育てが始まり、日々成長していく子どもの姿に翻弄されてばかりのお母さん。もう動物園に売っちゃおうかなと追い詰められてしまいます。
でも子どもが眠ると、そっと抱き上げてゆらしながら、歌うのです。いつまでもわたしがいきているかぎり、あたなはずっと、わたしのあかちゃん……。
お母さんの無償の愛を描いた感動の作品です。
- 著者
- ロバート マンチ
- 出版日
- 1997-09-30
いつまでも泣き止まない赤ちゃん、いやいや期の幼児、わがまま放題の少年少女……いつまでたってもお母さんの気苦労は絶えません。
でも、どんな時も、どんなに大きくなっても、お母さんにとって子どもは子どもです。すっかり大きくなった子どもが眠っている姿を見ながら、お母さんは歌いかけます。
子育てをしているすべてのお母さんに読んでもらいたいのはもちろん、子どもの立場で読んでも自分がどれだけ愛されているかを感じられるでしょう。世代を超えて繋いでいきたい、親子の絆を描いた物語です。
「ぼくはいつもおこられる。いえでもがっこうでもおこられる。」(『おこだでませんように』より引用)
小学1年生のぼく。悪いことをしていないのに、一生懸命なだけなのに、先生もお母さんもぼくを叱ってばっかりです。
ある日、学校で七夕の短冊を書くことになりました。習ったばかりのひらがなで、お願いごとを書きます。でも1番最後になってしまいました。きっとまたおこられるんだ……。
- 著者
- くすのき しげのり
- 出版日
大人は自分で意識しているよりも、ついきつく子どもを叱ってしまうもの。子どもにとってそれは時に、理不尽に感じることもあります。
本作の主人公のぼくも、妹の面倒をみていたから宿題ができなかったのに、学校で友だちがなかまはずれにするからなぐったのに、その理由を言うときっともっとおこられるからと、だまって横を向くのです。
つい余裕がなくなってカリカリしてしまうお母さんは、本書を読んであらためて子どもの声に耳を傾けることの大切さを痛感するのではないでしょうか。
絵本を読み聞かせする時間は、たとえ数分でも親子が同じ方向を向いていられる貴重な時間です。ぜひ本書を読んで、大切な時間を共有してみてください。
なっちゃんの「ちょっとだけ」は、弟がやってきた日からはじまりました。ママは赤ちゃんのお世話をしなければならないから、一緒に遊ぶのもちょっとだけ。おやつの時間もちょっとだけ。
ちょっとだけ、ちょっとだけ……と少しずつ我慢を覚えて、なっちゃんはお姉ちゃんになろとします。ママと弟を気遣う健気な姿が涙を誘う作品です。
- 著者
- 瀧村 有子
- 出版日
- 2007-11-15
2人目の子どもが生まれると、お姉さんやお兄さんになった上の子どもは、大好きなママが急に遠くにいってしまったように感じます。赤ちゃん帰りしてしまう子どもも多いなか、本作のなっちゃんは「ちょっとだけ」「ちょっとだけ」と我慢を重ねていくことで、乗り越えようとしていくのです。
作者の瀧村有子は、3人の子どもをもつ母親。本書には、彼女が実際に子育てをした際に感じた子どもたちの純粋な気持ちが込められています。なっちゃんのひたむきな姿を応援したくなるとともに、子どもへの接し方をあらためて考えさせられる作品。
2人目の子どもを出産した方へのプレゼントにもおすすめです。
「ぼくがいまよりずっとあかちゃんに近く、おじいちゃんがいまよりずっとげんきだったころ、ぼくとおじいちゃんは、まいにちのように、おさんぽをたのしんでいました。」(『だいじょうぶ だいじょうぶ』より引用)
ぼくが少し大きくなって、困ったことや怖いことに出会うと、おじいちゃんはぼくの手をとって「だいじょうぶだいじょうぶ」とつぶやいてくれます。
やがて成長してひとりで生きていくことになるぼくを思う、お守りのような物語です。
- 著者
- いとう ひろし
- 出版日
- 1995-10-17
おじいちゃんやおばあちゃんの存在は、パパやママとはまた違ったもの。無条件に子どもを受け入れてくれる懐の広さをもっているでしょう。
やがて子どもが大きくなり、さまざまなことを見聞きするようになると、時に世界の恐ろしさを知ることになります。そんな時おじいちゃんが声かけてくれた言葉は、どれほど心強いでしょうか。
また「だいじょうぶ」という言葉は、子育てをするママにとっても背中を押してくれるものになるはず。生きていくための強さを教えてくれる、心にしみる作品です。