子どもにどんな絵本を選ぼうか迷った時は、表紙がおしゃれなものを選ぶのもひとつの方法です。飾っておくだけでも美しいので、プレゼントにもおすすめ。この記事では、おしゃれな表紙が魅力の絵本のなかからおすすめのものを紹介していきます。
カメレオンは悩んでいました。他の動物たちはみんなそれぞれの色をもっているのに、自分は草むらにいると緑色になるし、土の上にいると茶色に変わってしまいます。
自分の本当の色はなんなんだろう、どうして自分の色をもてないのだろう……ある時、もう1匹のカメレオンと出会い、その苦しみを共有します。
自分の色が変わる時、相手の色も一緒に変わる、そのなかで気付いた色をもつことの本当の意味とは。アイデンティティについて考えさせてくれる絵本です。
- 著者
- レオ・レオニ
- 出版日
- 1978-04-01
鮮やかな色彩で多くのファンがいるレオ・レオニの作品。本作はさらに、はっと胸を掴まれるようなストーリーで、読者を惹きつけています。
カメレオンは環境によって色を変えることから、「心変わり」や「優柔不断」などの代名詞にもなっている動物。そんなカメレオンをあえて主人公に据えて、「本当の自分とは何なのか」を問う物語になっています。
イラストを眺めているだけでもよいですし、孤独に過ごす彼らが、仲間と出会うことによって見つけたものを知ることで、大人の心にも響く一冊です。
高い崖に囲まれて、町中の煙突から毎日もくもくと煙があがる「えんとつ町」。住民たちは外の世界を知りません。それどころか、常に黒い煙に覆われているため、青空も星空も見たことがないのでした。
あるハロウィンの夜、空を駆けていた配達屋さんが「心臓」を落としてしまい、えんとつ町に「ごみ人間」のプペルが生まれます。彼はみんなから疎まれていましたが、孤独な少年と出会い、この世界には星空があることを教えるのです。プペルと少年にまつわる、小さな奇跡の物語です。
- 著者
- にしの あきひろ
- 出版日
- 2016-10-21
お笑いコンビ「キングコング」のメンバーで、タレントのにしのあきひろがプロデュースした作品。絵本制作としては異例の分業体制をとり、人物や背景などそれぞれ33人のクリエイターが手掛けました。
その結果生まれたのが、本書の最大の特徴でもあるイラストの精密さです。1枚1枚が独立した絵画としても成立するほどのクオリティを誇っています。
本書で描かれているテーマは、「信じる」ということ。生きていくことは迷いの連続で、周囲の人の言葉に流されてしまうこともあるかもしれません。自分を信じること、自分の信じるものを信じぬくことの大切さを教えてくれる作品です。
ある日、トチくんは知らない誰かから手紙をもらいます。そこには「ぼくは100階建ての家のてっぺんに住んでいます。遊びに来てね」とありました。
トチくんは100階建ての家を見つけますが、とても高くて、上に何があるのかわかりません。どんどん階段をのぼっていくと、ネズミやカエル、ヘビなどさまざまな動物たちが暮らしていました。最上階で出会うのはいったい誰なのでしょうか。
- 著者
- 岩井 俊雄
- 出版日
- 2009-10-30
絵本の常識を覆し、縦方向に長いレイアウト。実に1m以上あり、見開きに10階分のイラストが展開されています。
食事をして、お風呂に入って、眠って……時にコミカルに、時にリアルに生活の様子が描かれていて、次の階にはどんな生き物がいるのかなと子どもたちの興味もわいてくるはずです。
数字を覚える知育にもおすすめ。通常サイズにしたものや、『ちか100かいだてのいえ』などシリーズも出ているので、気になった方はそちらもお手にとってみてください。
色とりどりの美しいうろこをもっていて、「にじうお」と呼ばれている小さな魚。今日は仲間たちとかくれんぼをして遊びます。ところがそこへくじらが現れて……。
飛び出す仕掛けがあったり、みんなで岩に隠れたり、一緒にかくれんぼをしている気分になれる絵本です。
- 著者
- マーカス・フィスター
- 出版日
- 2009-07-04
色彩の美しさから人気が出て、シリーズ化された「にじいろのさかな」。海の中でもかすかな光を放つように描かれ、こんな魚がいるのかと子どもたちの想像力を掻き立てるでしょう。表紙も綺麗で、部屋に飾っておくだけでインテリアにもなります。
さらにページを開いてみると、ポップアップする仕掛けが。特にくじらの尾びれが飛び出るシーンは、迫力満点です。文章は短めで、まだ小さな子どもでも眺めているだけでも楽しめるはず。プレゼントにもおすすめの一冊です。
ぼくのママは、とっても素敵なスカートをもっています。ママのことが大好きなぼくは、1日中ママのスカートの中で生活すると決めました。
ママのスカートの中にはプールもあるし、お風呂もベッドもあるんです。ママが大好きな男の子の成長する姿を描いた、おしゃれなアート絵本です。
- 著者
- キャロル・フィブ
- 出版日
- 2013-10-15
赤と白のコントラストが目を引くシンプルなデザインが特徴です。日常生活を送るママのスカートをめくってみると、中にぼくがいるいるという構成の仕掛け絵本。
フランスでは、親のそばを離れない子どものことを「ママのスカートの中にいる」と形容するそうです。本書でも、大好きなママに甘えている男の子の様子がわかります。その姿だけでもかわいらしく、一緒に読んでいる大人もつい微笑んでしまうのではないでしょうか。
でも最後には、ママのスカートを飛び出して友達のもとへ遊びにいく姿が。ママにべったりだった小さな男の子が、成長して自分の世界を広げていく様子が描かれ、あたたかい気持ちになれる作品です。
色彩やデザイン性が魅力的な絵本を紹介しました。子どもたちを楽しませようとする工夫や、大人の心にも語りかけるような内容が人気を集めているのでしょう。美しいイラストを堪能しつつ、ぜひ親子で読んでみてください。