『ロード・エルメロイII世の事件簿』が面白い!アニメ化小説をネタバレ紹介

更新:2019.1.31

ビジュアルノベルゲーム「Fate/stay night」シリーズ。その外伝として描かれたのが、本作『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』です。 「Fate」に登場するウェイバー・ベルベットが、ロード・エロメロイⅡ世となり、魔術師の世界で起こるさまざまな事件を解決していく本作。2019年にはテレビアニメの放送も決まっており、これからますます注目が高くなることが予想されています。 今回は、既刊9巻の内容をご紹介しましょう。

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小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』が面白い!【あらすじ】

 

虚淵玄による小説『Fate/Zero』に登場するウェイバー・ベルベットを主人公にして描かれた外伝的小説。

ウェイバー・ベルベットとは、本作での主人公であるロード・エルメロイⅡ世のことです。世界観や設定、登場人物などは「Fate」のものを引き継いでいる一方で、本作の世界はそのパラレルワールド的な作りになっているので、ところどころに違いが見られるようになっています。

物語は、エルメロイⅡ世が内弟子のグレイとともに、魔術師の世界でくり広げられる殺人や誘拐など、さまざまな事件を解決していくミステリー。

ミステリーとはいえ内容は魔術が満載で、読者が推理しながら読むという形は難しいものになっているので、本格ミステリー好きというよりもオカルトや伝奇ものなどが好きな方は、特に楽しむことができるかもしれません。

もちろん「Fate」シリーズを知っている方であれば、また違う世界を楽しむことができるでしょう。

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』1巻の見所をネタバレ紹介!

 

日本でおこなわれた第4次聖杯戦争が終わりを告げて、10年。かつてウィバーと名乗っていた少年は、エルメロイⅡ世となり、「時計塔」の君主(ロード)にして、エルメロイ家の当主となっていました。

ある日、彼は他の魔術師とともに剥離城アドラに招待されますが、そこで事件に巻き込まれてしまい……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿1 case.剥離城アドラ

三田誠
TYPE-MOON

 

魔術師達が幻想的な事件を解決していく、魔術ミステリーである本作。

1巻では、ロード・エルメロイⅡ世となった元ウェイバーと、エルメロイⅡ世の内弟子である少女・グレイの他、「地上でもっとも優美なハイエナ」と言われている宝石魔術師のルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトや、錬金術師の青年ハイネ・イスタリ、その妹のロザリンド・イスタリ、修験道を修めた魔術師・時任次郎坊清玄など、さまざまな魔術師が登場します。

ルヴィアは、エルメロイⅡ世と同じく『Fate/stay night』『Fate/hollow ataraxia』にも登場しているので、そちらのシリーズを知っている方にとっては、また違う面白さを見つけることができるかもしれません。

物語は、剥離城アドラの「遺産」を巡るミステリー。ミステリーとはいえ魔術師絡みの話なのでファンタジー要素が強すぎる部分もありますが、魔術の世界に生きる魔術師達それぞれのドラマも色濃く描かれているので、最後まで読みごたえはたっぷりです。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』2巻の見所をネタバレ紹介!

 

魔術師の一族であるイゼルマ家当主バイロン・バリュエレータ・イゼルマは、双子の娘に黄金姫と白銀姫を襲名させることを決めました。

そのお披露目にエルメロイⅡ世の義妹ライネス・エルメロイ・アーチゾルテも参加することになるのですが、ある事件に巻き込まれてしまい……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿2 case.双貌塔イゼルマ(上)

三田誠
TYPE-MOON

 

魔術と幻想のミステリーが描かれる2巻では、魔術師達の社交界が描かれます。

本巻の主人公は、エルメロイⅡ世の義妹であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテ。まだ10代の若い少女ですが、ひとクセもふたクセもあって、エルメロイⅡ世も彼女の言動に巻き込まれてトラブルに見舞われることもしばしば。

ライネスも、自分で性格が悪いと認めているくらいのクセ者ではありますが、どこか憎めないキャラクターでもあります。

他にも、本巻に収録されているエピソードでにおいて、重要なキャラクターが登場。それが、黄金姫白銀姫。その名前から連想されるように、超越した「美」を追及し、それを体現している存在でもあります。

そんな2人のお披露目の場は、言ってみれば魔術師の社交界。魔術師の世界にもさまざまな派閥が存在しており、お披露目の場は、その縮図のようなものです。

お披露目に参加することになったライネスは、護衛としてエルメロイⅡ世の弟子・グレイを同行させました。黄金姫と白銀姫の存在もあって、より幻想的な雰囲気が漂っています。ラストは次巻へ持ち越しなので、気になる方は次も用意して読み始めてみてください。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

「至上の美」を体現する双子の少女・黄金姫と白銀姫のお披露目の場で起こった、凄惨な殺人事件。

その真相を探るエルメロイⅡ世と、圧倒的な強さを持つ冠位(グランド)の魔術師・蒼崎橙子(あおざき とうこ)が、遂にそのベールを脱ぎ……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿3 case.双貌塔イゼルマ(下)

三田誠
TYPE-MOON

 

前巻から引き続き、双貌塔イゼルマで巻き起こる事件が描かれる3巻です。前巻が事件発覚編とするなら、本巻は解決編。

そんな本巻の見所は、蒼崎燈子というキャラクターです。彼女はエルメロイⅡ世が、まだウェイバーと名乗っていた第4次聖杯戦争にも関わっていた人物。見た目はまだ若い女性ですが、その魔術は唯一無二の希少性と実力を兼ね備えているため、魔術の世界では危険視されています。

その危険性から、監視や監禁を強制的におこなえる対象という意味の「封印指定」を受けていたことがあるほど。そんな彼女の活躍が光る本巻では、謎の解決だけではなく、魔術師同士のバトルも多く描かれていきます。

燈子の強さが際立つ一方、本シリーズでは探偵役のポジションであるエルメロイⅡ世が、戦うための魔術の力はそれほど高くないということがよりわかるようになっていきます。

それは、周りからは君主(ロード)を名乗るにはふさわしくないと思われる要因にもなっているのですが、反面、彼の魔術に対する知識や理解は他の誰よりも抜きんでています。この辺りの設定が、本シリーズのミステリーをより深く、魅力的にしている一因でもあるのかもしれません。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』4巻の見所をネタバレ紹介!

 

魔眼蒐集列車(レール・ツェッツペリン)。それは、魔眼と呼ばれる魔術の力を高めるアイテムの、オークションが開かれる場所でした。

ひょんなことから、エルメロイⅡ世もオークションに参加することになり列車へ乗り込みますが、そこにいたのは、ひとクセもふたクセもある人物ばかりで……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿4 case.魔眼蒐集列車(上)

三田誠
TYPE-MOON

 

3巻も次巻とストーリーがセットで上下巻となっているので、一気に解決編まで読みたいという方は、次巻も一緒に用意してから読み始めてみてください。

今回の事件の舞台は、魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)という魔眼のオークションが開かれる列車です。オークション会場とはいっても、それだけではなく、そこでは魔眼を奪ったり移植したりする行為もくり広げられており、集う人物達も、魔眼を欲する者、疎む者とさまざま。

そんなくせ者揃いの魔術師達が集うなかで、本巻からエルメロイⅡ世側に新しい仲間が加わっています。カウレス・フォルヴェッジという少年で、『Fate/Apocrypha』にも登場しているキャラクターです。とはいえ同作と本シリーズはパラレルワールドのような別世界設定になっているため、同一人物でありながら同一ではないといった感じになっています。

ちなみに、そういった立ち位置で登場するキャラクターは他にもいるので、「Fate」シリーズを知っている方は、混乱しないように注意してください。

本巻では、オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィアという少女がそうです。彼女は今回の事件のキーパーソンでもあるので、ぜひチェックしてみてください。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』5巻の見所をネタバレ紹介!

 

魔眼のオークションがおこなわれる魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)で起こった、殺人事件。

その真相はエルメロイⅡ世によって明かされようとしていましたが、列車はある人物の策略により、アインナッシュの森へと入ってしまい……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿5 case.魔眼蒐集列車(下)

三田誠
TYPE-MOON

 

4巻に引き続き、魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン)の話。下巻であるこの5巻が解決編となります。3巻、双貌塔の話でも、解決編ではバトルシーンが多く描かれていましたが、本巻はその上をいくバトルシーンが描かれています。

なかでも、グレイとエルメロイⅡ世の共闘シーンは、迫力があって思わず手に汗にぎってしまうでしょう。そんなバトルの他に、本巻の見所はいよいよ開催される魔眼オークションです。

そこで注目したいキャラクターは、本エピソードから登場するメルヴィン・ウェインズ

性格が悪いと自認しているライネスからもクズ扱いされるようなクセのある人物ですが、エルメロイⅡ世がウェイバーであった頃からの友人でもあり、金持ちキャラとして費用の面でエルメロイⅡ世を助けることもしばしば。

虚弱体質と白髪、しょっちゅう血を吐くのが特徴です。オークションで特に生き生きと活躍しているので、ぜひ注目してみてください。

また事件解決後には、オルガマリーがエルメロイにある事実を伝えています。それが今後どういうふうに関わってくるのかが気になるところですが、どういう事実なのかはぜひ本編を手に取って確認してみてください。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』6巻の見所をネタバレ紹介!

 

弟子のフラット・エルカルドススヴィン・グラシュエート、そしてグレイとともにエルメロイⅡ世が向かったのは、ウェールズにある田舎村。そこは、かつてエルメロイⅡ世がグレイと出会った場所であり、グレイの故郷でもありました。

そこで2人を待ち受けていたのは、過去の未解決事件と、新たに起こった事件で……。

 

ロード・エルメロイII世の事件簿6 case.アトラスの契約(上)

三田誠
TYPE-MOON

 

本巻より新たに始まる事件の舞台は、グレイの故郷であり、エルメロイⅡ世と彼女の出会った田舎の村。

ウェールズにあるその村は、とても閉鎖的な村です。ミステリーでは閉鎖された村や島が舞台になることはよくありますが、本巻でも、そういったどこか陰鬱な雰囲気と、閉鎖的な村ならではの独自の風習のようなものが、ミステリーの色をより濃いものにしています。

そういう意味では、他の巻よりもよりミステリーとしての面白さが増していくかもしれません。

今回はグレイの他に、エルメロイⅡ世の弟子が2人同行しています。それが、フラットとスヴィンです。

スヴィンは、「獣性魔術」という獣の爪と牙をまとって戦うことのできる魔術を得意している少年。真面目な性格ではありますが、グレイのことを極端に気に入っており、その執着ぶりはエルメロイⅡ世からグレイの半径5メートル以内に入るなと言われてしまうほどです。

そして、もう1人のフラットは『Fate/strange Fake』で主人公だったキャラクター。戦いはあまり得意ではない一方、分析や解析が得意なタイプです。

グレイの故郷を舞台に、彼女の過去やエルメロイⅡ世との出会いや関係が描かれていくなかで、この2人がどんな活躍を見せてくれるのかにも、ぜひ注目してみてください。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』7巻の見所をネタバレ紹介!

 

七大兵器・ロゴスリアクトによって時間を遡り、時間の「2周目」を辿ることになってしまったエルメロイⅡ世とグレイ。

明かされる村の目的と、グレイの存在する意味を知った時、エルメロイⅡ世の取った行動とは……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿7 case.アトラスの契約(下)

三田誠
TYPE-MOON

 

前巻に引き続き、グレイの故郷である村を舞台にした物語。本巻は解決編となります。

前巻の終わりで、七大兵器・ロゴスリアクトによって過去に飛ばされてしまった、エルメロイⅡ世とグレイ。それは、同じ時間を再び歩く「2周目」でありながら、同時に「1周目」では遭遇しなかった出来事も起こり、それが事件の解決へとつながっていくことになります。

そして、本巻の何よりの見所は、村人達による長年の悲願の正体が明かされること。そして、そのためにグレイは生贄にされる存在であったということです。

彼女の村では、アーサー王を復活させるという悲願を抱えていました。グレイの一族は王を復活させるためにさまざまな研究をおこなっており、その実験体であったグレイは、唯一の適合者でもあったのです。

今回はさまざまな設定や思惑、意外な展開などが複雑に絡み合っているので、場合によってはわかりにくさを感じることもあるかもしれません。ですが、グレイが過去を乗り越え、エルメロイⅡ世とあらためて深い信頼関係を築いていく様子には、微笑ましさを感じることもできるでしょう。

次巻以降からは最終章が始まるということもあり、終わりの始まりといった雰囲気のある一冊です。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』8巻の見所をネタバレ紹介!

 

妖精に心臓を盗まれたという、ドクター・ハートレス。これまでさまざまな策謀を張り巡らせてきた彼は、エルメロイⅡ世にとっては倒すべき敵となっていました。

そんななか、エルメロイⅡ世とグレイは、君主(ロード)が一同に会する会議「冠位決議」に呼び出されて……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿8 case.冠位決議(上)

三田誠
TYPE-MOON

 

本シリーズの、最終エピソードの前半となる8巻。最終ということもあり、エルメロイⅡ世にとって倒すべき敵となったドクター・ハートレスとの決戦を描くためのストーリーとなっています。

ドクター・ハートレスとは、本シリーズでは「魔眼蒐集列車」のエピソードから登場した人物で、時計塔現代魔術科の先代学部長である魔術師。赤い髪が特徴の男で、本巻では「冠位決議」を利用したある陰謀を実現しようと動いています。

また、時計塔の地下に残る迷宮や謎の失踪事件など、気になる出来事が次々に起こっていきます。

上中下巻の上巻である本巻では、ハートレスとエルメロイⅡ世が最終決戦をするまでに至るエピソードや伏線などが多く描かれているため、どちらかというとクライマックスに向けた準備巻。

そのため多少迫力に欠けるところやストーリーの進行に物足りなさを感じる部分もあるかもしれませんが、それを補うくらいに続きへの期待を高まらせてくれる内容になっています。

 

小説『ロード・エルメロイII世の事件簿』9巻の見所をネタバレ紹介!

 

ハートレスの目的は、英霊イスカンダルの召喚でした。かつて、マスターとしてイスカンダルを召喚していたエルメロイⅡ世は、その目的を知り衝撃を受けます。

傷つくエルメロイⅡ世の姿を見た、グレイの取った行動とは……!?

 

ロード・エルメロイII世の事件簿9 case.冠位決議(中)

三田誠
TYPE-MOON

 

最終エピソードの中巻となる9巻。前巻は、上巻として導入部分らしい展開が描かれていましたが、本巻ではそれを受けての大きなうねりが描かれていきます。大きなうねりとは、すなわちどん底に落とされるエルメロイⅡ世です。

彼と敵対するハートレスの目的は、英霊イスカンダルの召喚でした。かつて、エルメロイⅡ世は、イスカンダルを召喚して聖杯戦争に参加していました。以来、彼にとってイスカンダルとの再会は悲願だったのです。

その悲願を、ハートレスの野望が叶えようとしているのでした。ハートレスを倒そうとしているエルメロイⅡ世の心境がかなり複雑なものであることが、読者にも手に取るようにわかるでしょう。

そして、それはグレイも同じでした。傷つくエルメロイⅡ世を見た彼女が、自らも傷つきながら一生懸命彼を励ます姿は、これまでの2人の物語を読んできた読者にとっては、とても感動的なシーンとして読むことができるはずです。

中巻ということで、クライマックスに向けての加速度がいよいよ増してきたという感じの本巻。下巻となる最終巻はまだ発売されていませんが、期待値が高まるばかりの本巻をぜひ読んでみてください。

 

いかがでしたか?本シリーズは「Fate」の外伝にあたる物語なので、そちらを知っている方にとってはさまざまな面から楽しむことができるでしょう。しかし、知らない方にとっても最初から読めば十分に理解し、楽しむことはできるはず。まずは、気軽に手にとってみてください。

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