小説『ライラの冒険』三部作を5分でネタバレ!人間の分身「ダイモン」って?

更新:2019.2.20

現実世界とよく似た平行世界(パラレルワールド)の地球。そこでは人間の魂は「ダイモン(守護精霊)」と呼ばれて動物の姿をし、自分とは別に存在しています。誰かが自分のダイモンに触れたり、また一定の距離以上離れるたりすると恐怖や苦痛を感じ、本体の人が死ぬと一緒に消えてしまう不思議な存在です。 このページでは、そんな不思議な世界で生まれた少女・ライラが主人公の小説『ライラの冒険』についてご紹介しましょう。フィリップ・プルマンのファンタジー小説で、第1部『黄金の羅針盤』(1995年)、第2部『神秘の探検』(1997年)、第3部『琥珀の望遠鏡』(2000年)の3部作構成です。映画・ドラマ化もした世界的名作の魅力をお伝えします。

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小説『ライラの冒険』とは?あらすじをネタバレ紹介!テレビドラマ化決定作品

 

両親を亡くし、オックスフォードのジョーダン学寮に預けられている11歳の少女・ライラ。彼女はおてんばで、いたずら好きの問題児でした。ダイモン(守護精霊)の名前は、パンタライモン(愛称はパン)です。

親友であり子分でもあるロジャーと、他の学寮や街の子供達、ジプシャンと呼ばれる船上生活者の子供達を巻き込んで「戦争ごっこ」をしたりして、自由奔放な生活を送っていました。

しかし、平穏だった生活は、少しずつ変わり始めます。謎の粒子・ダストの調査と研究をおこなっていて、この世界で大きな権力を持つ教会(マジステリアム)から異端とされて忌み嫌われるアスリエル卿の毒殺未遂、ゴブラーという組織に拐われて失踪した子供達、美しく魅力的な女性・コールター夫人との出会い……。

「真実を教えてくれる」とされる道具・真理計(アレシオメーター)を託されたライラは、己の運命を知らないまま、世界の真実へと近付いていくのでした。

親友・ロジャーや、ジプシャンの少年・ビリーが失踪し、信頼を寄せたコールター夫人が子供達の失踪に関わっていると知ったライラは、彼女の元から逃亡。子供達を救うために集結したジプシャン達に助けられます。

ジプシャンの首領・ジョン・ファーから明かされる自分の出生と本当の両親、賢者・ファーダー・コーラムから教えられる真理計の秘密……。

さまざまな出来事がライラを翻弄するなか、よろいをつけたクマのイオレク・バーニソンやテキサスの気球乗り・リー・スコーズビー、魔女のセラフィナ・ペカーラという多くの協力者を得て、恐ろしい実験がおこなわれている北の果ての実験基地・ボルバンガーへと向かいます。

ライラは、拐われた子供達を助ける事が出来るのでしょうか。そして、スバーバルの地で軟禁されているアスリエル卿のダスト研究の、本当の目的とは……?

 

著者
フィリップ・プルマン 大久保 寛 Philip Pullman
出版日

 

複雑な世界観を持つ本作は、第1部『黄金の羅針盤』がクリス・ワイツ監督、ダコタ・ブルー・リチャーズ(ライラ役)主演で映画化、2007年に公開されました。ダニエル・クレイグ(アスリエル卿役)、ニコール・キッドマン(コールター夫人役)らの人気キャストが出演し、北米以外では多くの観客動員数を記録したのです。

しかし、第1部公開後の2008年10月に、制作の無期限延期、翌2009年12月には制作会社から続編制作の断念が発表されて、本来の3部作構成の途中で打ち切りとなっています。

理由としては世界的な金融危機や、カトリック系の宗教団体・北米カトリック連盟が「子供達に無神論を奨励する映画」だとしてボイコット運動を呼びかけた事によって、アメリカでの興行収入が振るわなかったためとされています。

しかし、欧州では特にボイコット運動はなく、著者の生国イギリスでは公開3日間の興行成績が『ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女』を上回る約18億円を突破しました。

2008年3月に『ライラの冒険 黄金の羅針盤』のタイトルでPS3用日本語版・DS用日本語版でゲームとしても発売されており、また2018年3月にはトム・フーパー監督で全8話のテレビシリーズ化が発表され、話題になりました。主演はダフネ・キーン。放送開始は2019年の予定で、開始前ですがすでに第2シーズンの制作も決定しています。

世界中に多くの読者を持つこの本は、C・S・ルイスの『ナルニア国物語』、トールキンの『指輪物語』に匹敵するファンタジー作品として高い評価を受け、1996年にはカーネギー賞・ガーディアン賞をダブル受賞しています。

 

作者フィリップ・プルマンを紹介!

 

『マハラジャのルビー』から始まる「サリー・ロックハートの冒険」シリーズや『かかしと召使い』などの著作を持つ、イギリスの児童文学作家。

著者
フィリップ プルマン
出版日

 

1946年にイギリスのノリッチで生まれた彼は英国空軍の父を持ち、幼い頃はアフリカやオーストラリアなど世界の各地を転々としていました。その事によって、イマジネーションが養われたといいます。

7歳の時に飛行機事故で父親を亡くし、母が働きに出ていたため、英国国教会派の牧師だった祖父に育てられました。『ライラの冒険』シリーズに見られる父親の不在という要素や深い宗教観は、こういった生い立ちが下地になっているのではないかと、日本語版の訳者・大久保寛は推察しています。

『ライラの冒険』は、第1部に2年、第2部に2年、第3部に3年の7年をかけて執筆され、日本語版で全編とおして1600ページの長編作品となっています。

大長編ではありますが、展開がスピーディで次に何が起こるか分からないワクワク感、不安と期待、多くの伏線と、詳細に設定された世界観や魅力的な登場人物達によって、読者を飽きさせずに結末まで導く面白さがあるのです。

『ライラの冒険』の登場人物を紹介!ダイモンや仲間たち

 

このシリーズには、主人公以外にも数多くの魅力的なキャラクターが登場します。この項では、先にご紹介した主人公・ライラ以外の登場人物達について説明していきましょう。

・アスリエル卿
 

ライラのおじ。勘が鋭くて怒りっぽい激情家で、ライラは彼に対して敬意と同時に恐ろしさも感じています。ある秘密を抱えた人物です。

ダストと呼ばれる粒子に関する研究をしており、宗教関係者から異端とされる考え方を持っています。そのために北極の地・スバールバルに軟禁されてしまう事になりました。

教会が崇拝する全知全能の神・オーソリティ(権威)を嫌っており、とある望みを抱いて己の研究に邁進しています。彼がおこなおうとしている事が、正しい事なのかどうかは最終巻までわからないという、非常にスリリングな人物です。ダイモンはユキヒョウの、ステルマリア

・マリサ・コールター

コールター夫人と呼ばれる人物。ライラを自分の北極探検の助手にしたいと言って、オックスフォードから連れ出した女性です。美しく魅力的な未亡人ですが、非常に残忍で冷酷な一面を隠し持っています。ライラの実の母親でもありますが、実際にライラに出会うまで娘のことはまったく気にもとめていませんでした。

全編とおして悪役らしい顔を見せてくれますが、それだけでは彼女のすべてを語れない、複雑な人物です。ダイモンは、黄金色の毛を持つサルです。

・ロジャー・パースロー

ライラの親友で、ジョーダン学寮の調理場の下働きの男の子。ライラとともに多くのいたずらをおこなう、忠実な子分でもあります。ゴブラーという正体不明の組織が子供を拐っているという噂が流れるなか姿を消した事から、ライラは彼がゴブラーに拐われたのだと考え、救出を望みます。ダイモンの名前は、サルシリアです。

・イオレク・バーニソン

「パンサービョルネ」と呼ばれる、北極に住む鎧をつけたクマ(鎧熊)の戦士で、優秀な鍛冶師。ダイモンは持っていませんが、人と同じように言葉を話し、自らの魂と呼ぶ鎧を作り出す事ができます。

しかし、彼は掟を破ったとしてクマ達の王国から追放され、そのうえ人間に騙されて鎧を奪われてしまい、酒浸りの日々を送っていました。そんななかライラと出会い、彼女が鎧を取り返す手伝いをしてくれたことから親友になり、ともに行動するようになるのです。ライラに「シルバータン(雄弁)」の名を与えました。

魔女

北方で自然と共存しながら暮らす一族。長命で、1000年近く生きている者もいるといいます。雲マツ(クラウドバイン)の枝にまたがって空を飛び、まじないをおこなったり姿を消したりする事が可能。

空中から弓を射て戦う事が得意で、自分達独自の神を持ち、普通の人間達と違ってダイモンと遠くまで離れる事が出来ます。ライラについて「運命上の名前」を知っており、彼女が生まれる前からその存在に注目していました。

・天使

オーソリティ(権威)を頂点とし、「クラウデット・マウンテン」と呼ばれる空中要塞を本拠地とする一派とそれに反乱を起こしている一派がおり、反乱軍はアスリエル卿に味方しています。肉体を持たない精神だけの存在であるため、人間よりも弱いとされている種族です。

オーソリティと呼ばれる存在は、創造主ではなく1番最初に誕生した天使でしたが、以降に生まれた天使達には自らが創造主であると偽り、絶対的な権力を有していました。

そして、そのオーソリティの下僕として使える人間世界の教会の人々は、世界のあらゆる事象について「自分達が認めた解釈以外認めない」という姿勢を取り、「認められない存在」については総じて悪魔として、迫害をおこなうなどしてきたのでした。

そういった傾向を嫌うアスリエル卿は、オーソリティの真実を暴き、人々に神からの自立を促すためにさまざまな活動をおこなっているのです。

・スペクター

ライラと第2部の主人公・ウィルが、それぞれ自分の世界から迷い込んだ平行世界に存在する魔物。人間の魂を喰らうとされ、大人のみに姿が見え、襲われるのも大人だけです。子供達にとっては無害のため、チッタガーゼという世界の街やその他の街では、大勢のスペクター孤児と呼ばれる子供達が彼らだけで生活しています。

ここで紹介した他にも、魅力的なキャラクターや不思議な種族が数多く登場する本作。ぜひ原作を読んで、たくさん想像していただけたらと思います。

「オートバイとレイヨウを合体させたような種族」ミレファなど、ちょっと想像が追い付かない存在もいますが、その姿をあれこれ想像してみるのも面白いのではないでしょうか。

 

「黄金の羅針盤」、アレシオメーターとは?

 

第1部から登場するキーアイテム「黄金の羅針盤」とは、一体何なのでしょうか。本項では、「真理計(アレシオメーター)」ともいわれるこのアイテムについて、少しお話させていただきます。

使用者に「真実を教える」といわれる「真理計(アレシオメーター)」。この名前は、ギリシア語の「アレテイア(真理)」に由来するといいます。羅針盤に似た大きな懐中時計のような形状のこの道具は、金で出来ているため非常に重く、本体はこのうえなく精密です。

時計の文字盤に当たる所には36個のさまざまなシンボルが描かれており、自分で動かせる3本の短針と、勝手に動く1本の長針が付いています。現存しているものは少なく、この道具が示す真実を読み取る事が出来る人間も、ごく僅かしかいません。

ライラはオックスフォードの学寮長から、この道具を託されました。渡された時は使い方すらわからなかった彼女ですが、この貴重な道具は、これから待ち受ける長い冒険の旅路のなかで何度も行くべき道を指し示し、助けになってくれる事になるのです。

ライラはこの道具を直感的に使いこなす事が出来るようになりますが、それは彼女が帯びている使命のためでもあり、まだ子供であるためでもありました。大人はこの道具と向き合う時に、それ専用の解読書を必要とし、解読するには長い時間と根気が必要なのです。

この道具はライラが「大人になった」時にも、彼女の心を支える強い味方となります。読了後にはきっと、使命を果たし、子供の直感を失った彼女が再び真理計を読む事が出来るようになる日を想像してしまうのではないでしょうか。

 

『ライラの冒険』第1部「黄金の羅針盤」の見所をネタバレ解説!

 

両親を亡くし、オックスフォードのジョーダン学寮で暮らす11歳の少女・ライラ。彼女はいたずら心で、学寮長の奥の間に忍び込みます。

しかし、そこで彼女が見たのは、学寮長が客人のために用意したワインに毒を盛る所でした。そして、やってきた客人が彼女のおじ・アスリエル卿だと知理、彼がワインを飲む事を阻止。毒殺を未然に防ぎますが……。

彼女の家族ともいえる学寮長が、アスリエル卿を毒殺しようと思い詰めたのは、なぜなのでしょうか?それはアスリエル卿がおこなっている、ダストと呼ばれる謎の粒子についての研究に関連しているようで……。

キリスト教的世界観を下敷きに、緻密な構成と詳細な設定、想像力の限界を超えているような世界観のなかで進む、壮大なストーリーが幕を開けます。

 

著者
フィリップ・プルマン 大久保 寛 Philip Pullman
出版日

 

このシリーズには多くの伏線が張られていて、第1部でほんの少し登場しただけ、名前が出てきただけ、という人物が後になって現れたり、正体が判明したりと、多くの驚きが隠されています。一度読み終えたらもう一度最初から読み返してみたくなる、そんな作品です。

そして嘘の名人・ライラが、ほんの少し聞きかじった情報を元にハッタリと推測、ハッタリでその場を切り抜けていくさまは、時に可笑しみを、時にスリルを感じさせてくれます。鎧グマのイオレク・バーニソンは、彼女を「ライラ・シルバータン(雄弁)」と呼び、彼女は以降、自身の名乗りをそう定めるのでした。

主人公がうそつき、という部分に抵抗感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、彼女の嘘は(悪ノリの時もありますが)精一杯の情報戦でもあります。身を守り、仲間を助け、自分達を意のままにしようとする大人の手を振り払うための、彼女の武器ともいえるものなのです。

 

『ライラの冒険』第2部「神秘の短剣」の見所をネタバレ解説!

 

10年前に北極で消息を絶った探検家の父親を持ち、精神を病んだ母親を守る少年・ウィル。彼は、ダイモンがいない世界の地球で暮らしていました。

しかし、ある時から父の残した手紙を求めて、彼と母親をしつこく訪ねてくる謎の男達が生活を脅かし始めます。彼らから逃れるために母親を安全な場所へ隠して1人逃亡するウィルは、中空に浮かぶ不思議な「窓」を見つけるのです。片側からしか見えないそれは、なんと異世界に通じていたのでした……。

その世界では、シャドー粒子と呼ばれるダストを研究するメアリー・マローン博士との出会いがあり、ウィルはアスリエル卿の戦いに大きな影響を与えるといわれる神秘の短剣の守り手となります。そして、真理計はライラに、「ウィルの父親を探せ」と伝えるのです。

異世界の1つに要塞を築き、オーソリティ(権威)と呼ばれる全知全能の神を倒すというアスリエル卿の望み……多次元世界のすべてに影響をおよぼす戦いは、すでに始まっていたのでした。

 

著者
フィリップ プルマン
出版日

 

ダイモンを持たない世界(私たちが生活している地球がある世界)が登場し、その世界に暮らす12歳の少年・ウィリアム・パリー(通称・ウィル)にスポットが当てられて始まる第2部です。

追っ手から逃れるために窓の向こうへと足を踏み入れたウィルは、無人の街で、向こう見ずで勝ち気な少女と出会います。彼女こそ、第1部で異世界へと旅立ったライラでした。彼女の実父・アスリエル卿が世界と世界を繋ぐ架け橋を完成させ、異世界へと渡った事を知ってその後を追った彼女は、そこでウィルと出会ったのです。

ウィルとライラ、出会った瞬間に取っ組み合いの喧嘩をしてしまう2人ですが……お互い本気でボコボコにやり合って、こんな事でこの主人公達はうまくやっていけるのか心配するのもつかの間、どんどんコンビとして形を成していきます。

ライラは慎重なウィルに自分の無謀さを反省し、ウィルは行動的な彼女の勇気に強さを見て、互いに助け合って成長していく事になるのです。

この巻で登場する新たなキーアイテムは、どんなものでも切り裂けるという「神秘の短剣」。ウィルは短剣の守り手となり、世界と世界の間を切り開く事で異世界同士を繋ぐ窓を出現させ、冒険に訪れる危機を乗り越えます。

世界の運命に大きく関わってくるキーアイテムで、神の破壊者とも呼ばれるこの短剣。ライラとウィルは「どこでもドア」的な使い方をしているこれが、物語のなかで一体どのような役割を持っているのか注目です。

 

最後に『ライラの冒険』第3部「琥珀の望遠鏡」の結末をネタバレ解説!

 

ライラの世界の探検家・スタニスラウス・グラマン……彼こそがウィルの父親・ジョン・パリーでした。父と再会したウィルは、彼から「アスリエル卿に会い、神秘の短剣で彼を助けよ」と言われます。

しかし行動をともにしていた魔女達がスペクターに襲われ、ライラがコールター夫人に拐われてしまった事を知り、ウィルは何よりもまずライラを助ける事を優先するのです。

アスリエル卿の元へウィルを連れていこうとする天使達、コールター夫人に投薬されて眠り続けるライラ、ウィルとイオレク・バーニソンの出会い、そして再会したウィルとライラの死者の国への旅……。

オーソリティ(権威)はもはや老いて、実権は天使・メタトロン側にありました。この反乱を押さえたら、この天使はもっと直接的に人間を支配・管理しようと考えていたのです。

メタトロンとアスリエル卿の戦いは佳境を迎え、ライラの「運命上の名前」も明らかになった事で、彼女の生死が運命を分けると双方が知ってしまいます。世界の命運を懸けた戦いの結末は、どのような終わりを迎えるのでしょうか。

 

著者
フィリップ プルマン
出版日

 

最終巻となる本巻では、ライラとウィルの関係が大きく変化していきます。死者の国への旅路を経て、ダイモンを得たウィル。そしてそんな彼を助けられる自分を誇らしくさえ感じるようになったライラ。

親友のような、違うような、お互いに対して曖昧で強い感情を持っている2人が「その感情の名前」を体と心が理解した時、少年と少女は大人になり、彼らのダイモンはついに姿を定める事となるのです。

そして見逃せないのは、アスリエル卿とコールター夫人、2人の最後です。彼らは最後まで「彼ららしい」姿勢を貫きとおします。恐ろしく残酷で、自信に満ちた激情家……しかし彼らは、確かにライラの両親なのです。彼女と同じで、とてつもない嘘の名人でもあります。

愛情の形はわかりにくく、それを愛といっていいのかもわかりません。しかし2人は確かに彼ららしいやり方で、ライラに愛を示していたようにも思えるでしょう。

解説者の大久保寛は、本作がジョン・レノンの『Imagine(イマジン)』を連想させると解説で述べていますが、狂信の恐ろしさを描き出し、「神」からの解放へと導くこの物語は、信仰を否定しているのではなく、狂信や排他的性格に対しての警鐘のように感じられます。

ライラとウィル、異なる世界で生まれ育った2人の辿る運命。あらゆる世界に存在して世界を支える、ダストという不思議な粒子。愛を知り、大人になった運命の子供達が選ぶ物語の結末とは……悲しみを前にして決然と前を向く、そんな2人の姿が心を震わせてくれます。

 

難しい設定や思想を抜きにしても十分に楽しめる作品『ライラの冒険』、おすすめです。

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