ハードボイルドアクションコメディとして知られる名作漫画『シティハンター』。なんと2019年2月には、かつてのスタッフ・キャストが再集結した新作アニメ映画が公開されました。 本作といえば「もっこりスケベ」で、超一流スイーパーの主人公・冴羽獠。今回取り上げる野上冴子はその彼をも手玉に取る、ある意味では最強の女性なのです。その理由と魅力を、余すとこなくご紹介しましょう。 本作はスマホアプリから無料で読むことも可能。この機会に、ぜひお試しください。
新宿を拠点に活動する凄腕の始末人(スイーパー)コンビ、通称「シティーハンター」の活躍を描いたアクション漫画。
主人公・冴羽獠は傭兵の経験もあるという謎めいた男です。黙っていれば二枚目のいい男なのですが、美女と見るや口説かずにいられない、まるで軟派な気質が残念なところ。もっこり(スケベ)が目当てだと、臆面もなく言いきれるのはある意味凄いです。
- 著者
- 北条 司
- 出版日
- 2003-12-15
獠はもっぱらヒロイン・槇村香を相棒としていますが、まれに依頼人や事件の関係者として登場する、野上冴子と行動をともにすることもあります。
警察官の野上冴子はクールビューティ!魅惑のボディと目の覚めるような美貌の持ち主で、何度彼女のせいで痛い目に遭おうと獠を魅了してやみません。前下がり気味のボブカットの髪型がトレードマークです。
彼女は本編には何度も登場する、準レギュラー。およそ20年振りに作られた新作アニメ映画『劇場版シティーハンター/新宿プライベート・アイズ』にも、変わらない妖艶な姿でスクリーンに登場します。
そんな冴子の魅力について、6つの項目に分けてご紹介していきましょう。なお、文中で巻数が表記されている場合は、基本的にジャンプコミックス版のものとなりますのでご注意ください。
『シティーハンター』をおさらいしたい方は<漫画『シティーハンター』を最終回まで本気でネタバレ考察!2019年映画化>の記事もおすすめです。気になる方はぜひご覧ください。
警察官としての冴子は非常に有能で、「警視庁の女狐」と呼ばれることもある敏腕美人刑事。
女狐とされるその所以は、自身の外見と言動が異性に与える影響を完全に理解しており、まるでマインドコントロールするが如く巧みに操ってしまうからです。ちなみに、彼女のバストは87cm。すごい。
敵対者はもちろんのこと、味方(主に獠ですが)も色香で惑わせ、術中にはめて自分に有利な状況を作り出します。ただし、そのセクシーな肉体に触れさせることは、基本的にありません。つまり生殺しです(被害者は主に獠ですが)。
彼女はまさに、手練手管で異性を惑わせる魔性の女なのです。
次のセクションは、冴子の気になる恋愛関係について!獠も含めた三角関係とは!?
冴子というキャラクターをご存知の方には、独身のキャリアウーマンという印象があるでしょう。ところが、彼女には交際相手がいるのです。正確には過去形ですが。
実は彼女は、獠の盟友にして同僚の警官だった、そして香の義兄である槇村秀幸と、ただならぬ関係にありました。獠と槇村、冴子の3人で三角関係だった時期があるのです。二人の間で揺れていたところ、槇村が事件に巻き込まれて死亡し、彼女のなかで消えないしこりとなって残ることになります。
獠に気がある素振りを見せるのも、このため。ヒロインの香は、彼女の言動に何かとヤキモキすることになりますが、上述の一件から、冴子自身は槇村へのこだわりが強いようなのです。
気が強く、男を翻弄させるイメージの強い彼女ですが、実は深い悲しみを心に抱えているのでした。
野上冴子といえば、無理難題を獠に持ちかける依頼人でもあります。しかも、そのほとんどの場合、報酬はもっこり払い。平たく言えばエッチです。では、その報酬は劇中で払われたことがあるのでしょうか?
結論からいうと、一度もありません。常にはぐらかし、時には前後不覚にさせて、支払ったと錯覚させているのです。メタ的には、掲載誌がジャンプという少年誌だったというのも1つの理由でしょうが、獠も冴子も、亡くなった槇村を気にしているからなのでしょう。
「こと」におよぶ寸前までいくほどいい雰囲気になる場面があっても、冴子がシャワーを浴びている間に獠は姿を眩ます、という場面もあります。彼女の本心を察して、自分から避けているようです。
これまでの内容からすると、野上冴子は策士な印象が強いかと思います。
しかし、彼女は実戦でも一流の腕前があるのです。射撃演習では、全弾を的の中央サークルに当てる実力者。ただし同じ射撃演習をした獠は、ワンホールショット(寸分の狂いもなく当てることで、穴を1つしか開けない撃ち方)を披露していましたが……。
獠は規格外としても、スイーパーに見劣りしない能力は、さすが優秀な現職刑事といったところでしょうか。
また、太股には常に隠しナイフを忍ばせており、丸腰と油断させてから制圧することもしばしば。女狐の異名通り、狡猾に立ち回るのです。
次からは、『エンジェル・ハート』での冴子について!名言もご紹介します。
『エンジェル・ハート』は、『シティーハンター』から数年ほど経った時代のパラレル・ワールドの物語です。
香の心臓を移植された暗殺者・香瑩(シャンイン)が主人公となって、冴羽獠のもとに身を寄せて、スイーパーとして活躍していきます。基本的な設定は本編に準拠していますが、主要人物である香が亡くなっていたり、キャラの出自や関係性に食い違いがあるなど、微妙な差が存在しているのです。
- 著者
- 北条 司
- 出版日
- 2012-03-19
そこでは、冴子は警察署署長まで出世していますが、未だ独身のまま。充分若々しくはありますが、本人は年齢を気にしており、年齢や誕生日に関することを聞かれると怒り出します。
クールな姿とのギャップが、逆に魅力にもなっているといえるでしょう。
『エンジェル・ハート』については<『エンジェル・ハート』5分でわかる『シティハンター』との違い!打ち切りから生まれた?【完結作品・ネタバレあり】>で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
野上冴子というキャラクターの魅力を理解するためには、気の利いた言い回しも忘れてはいけない要素。彼女は準レギュラーキャラなので、獠たちほどは目立ちませんが、出番の際にはピリッとした存在感を発揮してくれるのです。
あなたを起こすにはこれが一番でしょ!!
(『シティーハンター』5巻より引用)
冴子が初登場した時の台詞。朝方に獠を訪れた彼女は、挨拶代わりに、愛銃を構えた気配で彼を起こしました。
- 著者
- 北条 司
- 出版日
また同じエピソード内では、ロキシア国の王冠を狙って現れた賊に対し、油断させてから一撃で昏倒させる手並みを見せて、こともなげにこう言ってのけるのです。
これでもあたし一応刑事なの
ごめんなさい♡
(『シティーハンター』5巻より引用)
有利に立ち回るためならなんでも使う狡猾さが垣間見えます。
- 著者
- 北条 司
- 出版日
- 2005-02-15
その一方、恋愛関係については……。
わたしより弱い男と結婚しようとは思わないもの
(『シティーハンター』29巻より引用)
お見合いを進めてくる父親(警視総監)への一言。「強い女」を体現する冴子だけに、言葉の重みが違います。ちなみに1人を除いてお見合い相手は全員、「腕試し」と称して病院送りにしました。
野上冴子というキャラクターのあり方が見えてくるような名言です。
いかがでしたか?これでも、野上冴子というキャラクターのすべての魅力をご紹介するにはまだまだ足りません。ぜひとも原作漫画で、その活躍をご覧になってください。
新作アニメ映画でも話題になった本作『シティーハンター 』は、スマホアプリで無料!この機会にぜひ。