「エクスアーム」最新12巻まで全巻ネタバレ考察!クールなSF漫画アニメ化

更新:2021.11.29

漫画雑誌「グランドジャンプ」で連載されている本作『EX-ARM エクスアーム』。第1回さいとう・たかを賞の最終候補にも選ばれた作品で、アンドロイドが普通になった近未来の日本を舞台に、「EX-ARM」というオーバーテクノロジーの兵器として目覚めた少年・アキラの活劇を描くSF漫画です。2021年1月からテレビアニメも放送されており、これからますます注目したい本作を、既刊分12巻ご紹介します。

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『EX-ARM エクスアーム』が面白い!アニメ化原作漫画の魅力とは?【あらすじ】

 

2014年、男子高校生・夏目アキラ。彼は極度の機械音痴であることを覗けば、普通の高校生でした。

そんな彼は、ある日、不良に絡まれていた女の子を助けようとして、トラックにひかれてしまいます。しかし、そこで死亡したはずの彼は、2030年に、脳みそだけの状態である「EX-ARM No.00」として目覚めたのです。

2030年の日本は、ある理由から先進国としてのすべてを失っており、その原因はどうやら彼にあるようで……!? 

 

著者
["古味 慎也", "HiRocK"]
出版日
2015-06-19

 

さまざまな因縁、思惑、そして謎がからみ合いながら進んでいく本作。本作で登場し、タイトルにもなっている「EX-ARM」とは、2030年時点では本来存在するはずのない、オーバーテクノロジーの兵器です。人間が身に着けると特殊能力を発動することができ、それはとても生身の人間が対抗できるものではありません。

目覚めたアキラが仲間になったのは、この「EX-ARM」による犯罪が増えてきている日本で、それに対抗するべく結成された警察組織でした。こうして彼は「EX-ARM」を巡り、さまざまな事件に巻き込まれていくことになるのです。

 

著者
古味 慎也
出版日
2012-08-17

本作には、前身となる『EX-VITA』という作品があります。本作に登場する美波とアルマが主人公になっており、基本的な世界観は同じです。しかし本作とはパラレルワールド的な関係になっており、直接的な関係はありません。

そちらを未読でも本作を楽しむには問題ありませんが、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。

今回の記事では、アニメ化も発表されて話題の本作を、既刊全巻分ご紹介しましょう。

死んだはずのアキラが16年後に目覚める!?【1巻ネタバレ考察】

 

2014年に生きる男子高校生・夏目アキラは、極度の機械嫌いの男子。友達と同じようにスマホを使い、彼女も作りたいとは思っていましたが、なかなか自分を変えることができません。

ある日、彼はそんな自分を変えようと、不良に絡まれていた少女を助けようとします。しかし、その時トラックにひかれてしまい……!?

 

著者
["古味 慎也", "HiRocK"]
出版日
2015-06-19

 

2014年に死亡したアキラが、2030年に「EX-ARM」と呼ばれる兵器として蘇るSF作品。

2014年に生きていた頃の夏目アキラは、極度の機械嫌いな男子高校生でした。それはスマホどころか携帯すらも持てないほどで、そのため周りからはやや浮いた存在。そんな彼ですが、実はある特殊能力を持っていました。

それは、機械に触れるだけでその不具合箇所がどこかわかる、というもの。その力のせいで機械嫌いになってしまったものの、そんな自分自身を変えたいと願っていたのでした。

そんな時、コンビニで不良に絡まれている女の子を見かけます。逃げ出そうとする自分を抑えつけ、彼女を助けようとするアキラでしたが、そこでトラックにひかれて、まさかの死亡。次に彼が目を覚ましたのは、なんと2030年でした。

しかも、脳だけの「EX-ARM」の姿。彼を目覚めさせたのは、警察で働く上園美波と、その相棒でアンドロイドのアルマの2人です。しかも、「EX-ARM」を巡る銃撃戦の真っただ中で大ピンチに陥っていた2人を見たアキラは、彼女達を救うため、動き出すことになります。

以降、彼は「EX-ARM No.00」と呼ばれるようになるのです。

美しい絵と躍動感のあるバトルも魅力的で、序盤の数ページだけであっという間にその世界観に引き込まれること、間違いなしです。

 

日本を貶めたのはアキラか?【2巻ネタバレ考察】

 

かつて、日本を襲った大混乱。国の中枢を失った日本は世界中から見捨てられ、一夜にしてすべてを失ってしまったのでした。

その原因が、なんとアキラにあるというのですが……!?

 

著者
["古味 慎也", "HiRock"]
出版日
2015-09-18

 

かつて日本を混乱に貶め、すべてを失わせた原因が自身にあると言われたアキラ。「EX-ARM」として目覚める前の最後の記憶は、コンビニで女の子を助けようとしたこと。当然、混乱します。記憶も実感もないのだから当たり前です。

しかし「EX-ARM対策課」はアキラの関与を信じているようで、彼の能力に対して制限をかけています。

そんななか、人間が爆弾にされるという「人間爆弾」の事件を追っていた美波から、次に爆発するであろう少女がわかったという連絡が入ります。少女を助けるため、アキラは「EX-ARM対策課」のモノになるという条件をのみ、少女を助けるためにそのハッキング能力をフル活用することになりました。

本格的に「EX-ARM対策課」に協力する形となったアキラが、今回、美波やアルマとともに追いかけるのは、人間の体を爆弾にするという能力を持つ「EX-ARM No.09」。No.09に刻印を刻まれた人間は爆弾となってしまい、それを利用したテロが多発していたのです。

アルマの体を借りたアキラにも注目したい、第2巻です。

 

アンドロイドの苦悩【3巻ネタバレ考察】

 

「EX-ARM」が関わっているであろう事件に対抗するための警察組織「EX-ARM対策課」。

アキラも協力することになったその対策課に持ち込まれた次なる事件は、セクサロイドの働く娼館で起きた惨殺事件で……。

 

著者
古味 慎也
出版日
2015-12-18

 

アキラはなりゆきと、自分の体を取り戻したいという思いから、「EX-ARM対策課」に協力をしていました。

そんななか発生した事件は、娼館の人間4人と、アンドロイド7体が破壊されるというもの。そのやり口から「EX-ARM」の関与が疑われ、アキラ達が呼ばれたのです。

その操作の一環で再びアルマの中に入ったアキラは、「横須賀特区」と呼ばれている治外法権の指定区域へと足を踏み入れます。しかも、そこでセクサロイドとして働くことになりました。ちなみにセクサロイドとは、人間との性交機能を持ったアンドロイドのことです。

本巻は、アンドロイドのさまざまな面が強調されている一冊になっています。読者としては、最初から登場しているアルマが、もっとも親しみを感じることのできるアンドロイドではないでしょうか。そのため、アンドロイドは機械とはいえ、心も感情もある存在のように感じる方も多いかもしれません。

そんななかでアンドロイドが娼館で働いていたり、命令のままに戦って破壊されたりする様子には、複雑な感情を抱くことも多いでしょう。派手なバトルシーンも多く、手に汗握る展開の多い第3巻です。

 

戦うことが存在意義・エルミラとの決着【4巻ネタバレ考察】

 

遂に明かされた、謎のアンドロイド・エルミラの正体。暴走する彼女の力を前に、横須賀特区は戦場へと様変わりしてしまいます。

そんな彼女を止めるべく、アキラが新しく手に入れた追加装備とは……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2016-04-19

 

前巻に引き続き、娼館の惨殺事件に端を発した事件から始まる本巻。

そもそも事件の発端となっていたのは、エルミラというアンドロイドの存在でした。彼女は、モラウと呼ばれる男が所有するアンドロイド。彼は、日本に亡命してきた独裁国家ムアンジという国の元独裁者で、「EX-ARM No.13」の持ち主でもありました。

No.13は、空間消失という能力を保有しており、エルミラもまた、その力の使い手でした。圧倒的な力を前に窮地に立たされるアキラ達でしたが、そこに現れたのが、最新鋭の戦闘用ボディ・オーガ。このボディに入ったアキラは、すぐにその機能を使いこなし、エルミラとの戦いに挑むのです。

エルミラを巡りくり広げられたこの事件は、本巻で決着を迎えます。前巻からアンドロイドの存在や、人間とアンドロイドの違いなどが描かれてきましたが、その積み重ねを経てから読むエルミラの最期は、なかなか切ないものがあるでしょう。

派手なバトルや、テンポのよい展開に目を奪われがちではありますが、深いテーマも感じさせてくれる内容に、思わず考えこむなんてこともあるかもしれません。また、最新鋭のオーガを、まるで懐かしむように使いこなすアキラの姿に、何か予感めいたものを感じることのできる第4巻です。

 

アキラの記憶の中へ!【5巻ネタバレ考察】

 

オーガの中に入った自身の活躍によって、エルミラの暴走を止めることに成功したアキラ。

しかし、その際に彼のおこなったハッキング行為によって、「EX-ARM対策課」は国際社会からのバッシングを受けることになってしまい……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2016-08-19

 

娼館での事件に端を発し、エルミラの暴走による壮絶なバトルへと発展していった事件。アキラとオーガのおかげもあって事件は解決しましたが、その時のバトルをきっかけに、新たな事態が発生してしまいます。

アキラはエルミラを「逆・空間消失」によって制圧したのですが、その際、北米防空司令部のGPS衛星をハッキングしていました。当然、それは法に反した行為です。そのために、「EX-ARM対策課」は非難されるハメになってしまったのでした。

そして、その状態の打開策として、アキラの過去を探ることにした対策課のメンバー。そして、アキラの記憶をもとに作ったVR空間へと入り込むのですが、今度はその空間からログアウトできないという事態が発生!

しかし、度重なるトラブルに慌てるメンバー達をよそに、過去の記憶のなかで、アキラは学園生活を満喫するのです。

本来であれば、彼は2014年の世界で高校生活を送っていたはずでした。それがいきなり脳みそだけになり、2030年に目覚め、さらに自分の存在が国を揺るがす何かであるらしいという過酷な時間を過ごすことになったのです。

そんな彼が楽しそうに学校生活を送っている様子は、どこか切ないものがあります。普段、肉体がないということもあり、久しぶりに彼の人間らしいところを見れる貴重な巻ともいえるかもしれません。

またオーガについても、新情報が提示されていきます。オーガは最新鋭の戦闘用ボディとされていましたが、実は、かつてのテロで、アキラが装備していたとされているものだったのです。

それまであくまでも推定でしたが、オーガを使いこなすアキラを見て、それは確実なものとなってしまいました。このことが今後どういう展開につながっていくのか、これからも目が離せません。

 

美波の過去が明らかに【6巻ネタバレ考察】

 

記憶を巡る事件もどうにか収束し、アキラは美波につれられて四国へやってきていました。四国は美波のふるさとで、久しぶりの里帰りをしていたのです。

脳みそだけとはいえ、久しぶりの海水浴に喜びを感じるアキラでしたが……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2016-11-18

 

「EX-ARM」やアキラの存在の謎がいよいよ深まってきているなか、本巻は美波の里帰りの話から始まります。海水浴ということで、美波とアルマのサービスシーンも多く、ちょっとしたお楽しみ回。もちろんそれだけではなく、美波の過去や彼女が背負うものなども描かれ、そのキャラクターがさらに深堀りされていきます。

そして、本巻のメインともいえる事件が「EX-ARMオークション」です。招待状を受け取った「EX-ARM対策課」も動き出すなか、「EX-ARM」を巡ってさまざまな組織が蠢き、争うことに。オークションの目的はまだ謎めいているとはいえ、「EX-ARM」を巡り絡み合う組織についてもわかるエピソードとなっています。

アンドロイドによるバトルはもちろん、「EX-ARM」が多く登場してくることによって、どこか異能バトルのような雰囲気も味わうことができるでしょう。

がっつりSFだと少しハードルが高い、難しい、という方にとっては、ある種のわかりやすさがある「EX-ARM」の能力や、それによるバトル。考えすぎることなく、楽しむことができるかもしれません。

 

どの組織が入札する?「EX-ARMオークション」【7巻ネタバレ考察】

 

「EX-ARMオークション」に出品される「EX-ARM」は、全部で3つ。しかも入札できるのは3人というルールのため、オークションは「EX-ARM」を求める組織同士の争いへと変わっていきました。

アキラ達はオークションに参加するため、組織の1つ、仁國社の警護役となるのですが……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2017-04-19

 

オークションという名の組織同士の潰し合いが始まった前巻に引き続き、本巻ではその争いがますます激化していきます。

アキラ達が警護役となったのは、日本の政治結社・仁國社。葉山雅邦(はやま がほう)という会長を筆頭にした組織で、アキラ達が警護するのは、その孫娘で雅邦の代役である翠里です。ちなみに、本巻では彼女のサービスシーンもあるので、気になる方はチェックしてみてください。

そして、「EX-ARM」を巡る組織の勢力も明らかになっていきます。主な勢力は仁國社をはじめ、アラブの富豪であるアル・ジャード、ロシアのマフィアであるスピリタ・コーカサス、イタリアのマフィアであるファルコーネ一家、ベトナム系の武器商人と独裁国家ムアンジの革命家のレアン・ヴァリウス、さらに財力にものをいわせるウインター財団など、大きな勢力がうごめいていくのです。

なかでもチェックしておきたいのは、アラブの富豪アル・ジャード。彼自身の異常なまでの強さももちろんですが、彼とともに行動をしている少年・蒼真の正体には、驚く読者も多いはず。彼は、実は美波の生き別れの弟でした。

前巻で美波の過去回をやっていたのも、この辺りの伏線だったといえるでしょう。そのあたりも含め、オークションがどのような結末を迎えるのか目が離せません。

 

オークション仕掛け人との接触【8巻ネタバレ考察】

 

突如、アキラの前に現れた謎の男。アキラは、その男こそ、オークションという名の組織の潰し合い、そして殺し合いの首謀者であることを見抜きます。

男は彼に、仁國社から手を引くように求めてきますが……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2017-07-19

 

顔はドクロ、手には「EX-ARM No.11」を装着した謎の男。彼が何者かは結局よくわかりませんが、オークションの仕掛け人であることは間違いないようです。さらにその男は、アキラに仁國社から手を引き、さらに仲間になるように求めてきました。

その要求をアキラは一蹴しますが、彼は、いずれ必ず自分達の仲間になる、それが運命なのだ、と謎めいたことを告げるのです。

そんな謎だらけの冒頭から始まる本巻ですが、前巻から引き続き、アル・ジャードをはじめとしたさまざまな謎と、その解が展開されていきます。アル・ジャードと蒼馬、さらに美波の父親とアル・ジャードにも関わりがあったようで、このあたりの関係性からも目が離せません。

もちろん戦いも熾烈を極め始め、派手なバトル展開、次々に変わっていく状況など、とても緊迫した一冊になっています。シリアスな展開が多いので、場合によっては、最後まで読むのに多少の体力がいるかもしれません。ぜひ元気な時にじっくり読んでみてください。

 

生き別れた弟を発見したが…【9巻ネタバレ考察】

 

ますます激化する「EX-ARMオークション」での戦い。優勢に立つ組織、劣勢になる組織とさまざまな状況に陥っていくなかで、対策課はしだいに追い詰められていきます。

そんななか、美波とアキラの前に立ちはだかったのは……!?

 

著者
HiRock 古味慎也
出版日
2017-12-19

 

オークション編が始まって4冊目となる本巻。組織同士の戦いもますます激化しており、バトルのシーンもどんどん増えていきます。

アキラはもちろんのこと美波の活躍も著しいですが、そんな2人の前に現れたのは、なんとアルマ。彼女は美波の生き別れの弟・蒼真と、AIを書き換えられてしまっていたのです。それはつまり、敵の手に落ちたということ。

しかし、敵のなかには美波の弟がいるわけで、美波達にとっては、どちらに転んでもつらい戦いにしかなりません。

そんな辛い展開が続くなか、バトルシーンのスピード感や躍動感は、他の作品に追随を許しません。ただ、この頃になると、アルマと美波が相棒としてコンビを組んでいることはほとんどなくなってしまいます。

美波とアルマの2人が活躍した話を見たい方にとっては、少し物足りなさを感じることもあるかもしれません。しかし、その分を補うくらいにバトルはすごい一冊です。

 

オークションを潰しにきたβとは?【10巻ネタバレ考察】

 

さまざまな思惑や欲望が渦巻くなか、対策課はその潜伏先をリークされたことで窮地に陥ってしまいました。

やっとの思いで潜伏先へと戻ってきたアキラと美波でしたが、そこはもう、もぬけの殻で……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2018-04-19

 

オークションを舞台にした戦いも、本巻でついに5冊目。毎回迫力のあるバトルで魅せてくれていますが、ストーリーの展開はやや乏しく、少し飽きてきたなと思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そんな気分も本巻で晴れるはず。これまで「EX-ARM」を巡り組織同士がバトルをくり広げていましたが、そこへ乱入してきたのは、オークションを潰そうとしている謎の存在・βでした。それに対抗するべく、とうとうオークションの主催者も登場し、新たなバトルの構図ができあがっていくのです。

対策課、そして仁國社の翠里達が拉致されてしまうなど、ここしばらくアキラ達はやや後手後手に回っている感もありますが、それも含め、組織同士の勢力図もβの登場によって変わっていくことになります。

アキラを巡る物語が動き出した印象のある一方、アルマはまだ、アル・ジャードに洗脳されたまま……彼女が今後どうなるのかも気になるところです。美波の活躍があまりないのが少し寂しいところですが、それは次巻への期待にしてみてください。

抹殺部隊として送られた「復興委員会」【11巻ネタバレ考察】

 

βの正体――それは、かつて東京で起きたテロを起こした張本人でした。

そして、βに拉致された翠里達を救うため、アキラは電脳世界でβの制御プログラムを破壊しようしていましたが……!?

 

著者
古味 慎也
出版日
2018-08-17

 

オークションでの戦いは、すでにβとオークション側とのものになっていました。オークション側は、「EX-ARM No.11」の能力である「重力操作」を使い、その戦いは熾烈を極めるものに。しかも、その能力の特性上、戦いの規模も大きく、美波達にも危機が迫ってしまいます。

オークション編に入る前に、対策課は公安部の指揮下に置かれ、ともに仁國社の警護をしていたのですが、その1人がやられてしまいました。

一方、アキラ達の仲間が倒れていくなか、オークション側とβの両方をまとめて抹殺しようする組織がいます。それが「復興委員会」と呼ばれる組織。この組織は対策課をも切り捨て、βとオークション側を消すために軍を動かし、多量の戦力を送りこんできました。

もはや、あらゆる思惑がうごめき過ぎて、うっかりすると何が何だかわからなくなってしまいそうですが、そんななかでの見所といえば、やはり美波とアルマのエピソードでしょうか。

アルマはいまだに操られたままなのですが、そんな彼女を取り戻すため、美波は彼女の前に立ちはだかります。美波はアルマを取り戻すことができるのか……戦いに次ぐ戦いで、ハラハラしっぱなしの一冊です。

 

反撃開始!【12巻ネタバレ考察】

 

ついにアルマを取り戻した、美波とアキラ。

ようやく見えてきた希望の光にアキラ達は色めきたちますが、そんなアルマ達の前に立ちはだかったのは、あの人物……!?

 

EX-ARM エクスアーム 12 (ヤングジャンプコミックス)

2018年12月19日
古味 慎也 (著), HiRock (原著)
集英社

 

長いこと洗脳され、アキラ達と敵対してしまっていたアルマがようやく復帰し、ホッとした読者も多いのではないでしょうか。

本作ではこれまでも、アンドロイドの存在意味や扱いなど、人間との線引きがどこにあるのかを描いてきていました。今回も、アンドロイドであるアルマを取り戻すため傷だらけになりながら戦う美波に、そのテーマを思い出させられます。

一方、アル・ジャードを倒されたことで復讐の鬼となってしまったのは、美波の弟・蒼真でした。洗脳を解かれたアルマは、そんな彼の前に立ちはだかります。

これまで劣勢続きだったアキラ達が、ようやく反撃の糸口を手に入れた印象のある本巻。追い詰められながらハラハラしていたバトルも、今回からは少しずつ爽快感に似たものを感じることができるようになっていくでしょう。

オークション側もしだいに追い詰められていき、オークション編の収束も見えてきました。とはいえ、まだ、この巻では終わりません。次巻からはますますアキラ達の反撃が見られるのではないかと、期待を抱かされる最新刊です。

 


いかがでしたか?アンドロイドや「EX-ARM」による特殊能力など、SFをガッツリ楽しめる本作『EX-ARM エクスアーム』。バトルも満載なので、普段あまりSFを読まない、ちょっと苦手という方も、その迫力と展開の速さにつられてどんどん読み進めることができる作品です。

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