1970年に初めての作品が刊行されてから、たくさんの子どもたちの成長に寄り添ってきた絵本「こぐまちゃん」シリーズ。日常生活を送るなかで、たくさん遊び、成長していく過程が描かれていて、共感しながら楽しく読むことができます。この記事では、多数発表されている作品のなかから特におすすめの5冊をご紹介。ぜひお子さんと一緒に読んでみてください。
「こぐまちゃん」シリーズは、森比左志、わだよしおみ、わかやまけんの3人に加え、こぐま社の代表である佐藤栄和も企画に関わり共同で発表された絵本です。こぐまちゃんのお友達であるしろくまちゃんが活躍する『しろくまちゃんのほっとけーき』などの作品もあり、子どもたちから人気を博しています。
第1作目が発表されたのは、1970年のこと。それから半世紀近くが経過しても、多くの人に読み継がれているのです。
愛らしいこぐまちゃんは、わかやまけんの作画によるもの。どんな場面でも表情はほとんど変わりませんが、丸い目と耳をしていて、遊びまわる姿がかわいらしいのです。シンプルなつくりのなかに愛嬌を感じることのできる、不思議な力をもっています。
物語の構成はシンプルで、ストーリーは絵を中心に進んでいくもの。0歳から楽しむことができる初めての絵本として、プレゼントにも多く選ばれています。文章量も少ないため、読み聞かせに苦手意識のある親御さんにもおすすめです。
- 著者
- ["森 比左志", "わだ よしおみ"]
- 出版日
- 1970-10-01
そんな「こぐまちゃん」シリーズのなかから、まず紹介するのは『こぐまちゃんとどうぶつえん』です。お友達のしろくまちゃんを誘って動物園に行くこぐまちゃんの姿が描かれています。
きりんやゾウ、サル、ふくろうなどが登場し、本書を読む子どもたちもきっとこぐまちゃんと同じように興味をもってページをめくることができるでしょう。動物たちがご飯を食べたりうんちをしたりと生活をする様子も知ることができます。
動物の名前を覚えるために使うのもおすすめです。
- 著者
- 森 比左志 わだ よしおみ
- 出版日
こぐまちゃんとお友達のしろくまちゃんが、じょうろやホースで楽しく水遊びをしています。最初は花に水をあげたり、アリにかけてみたりしていますが、しまいには水のかけあいっこ。 びしょびしょになりながらも、はしゃぐふたりがかわいいです。
なかなか派手な水遊びが続きますが、叱ったり止めたりする人は出てきません。「いたずら」の大切さを教える狙いがあるそうで、思う存分遊ぶ様子に読んでいて楽しい気持ちになれる一冊です。
子どもにとっては水滴が飛ぶイラストも興味深く読めるでしょう。夏に読みたくなる絵本です。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
3歳のお誕生日を迎えたこぐまちゃん。お洋服も自分で着られるようになり、スプーンだって使えます。小さかった時よりもできることが増えました。でも高い鉄棒はまだ苦手な様子。できないことを悔しがる姿こそ、成長したのだなと思わせてくれます。
3歳といえば、人間の子どもに当てはめてみても、赤ちゃんからは一歩抜け出してひとりでできることが増える時期。でも新しいことにチャレンジするのを怖がってしまう子どもも多いでしょう。本書を読むと、きっと挑戦してみようという気持ちになれるはずです。
読んでいる大人も、子どもの成長に思いを馳せてしまうでしょう。プレゼントにもおすすめの一冊です。
- 著者
- ["森 比左志", "わだ よしおみ"]
- 出版日
- 1984-01-01
ボール遊びが大好きなこぐまちゃん。転がしたり放り投げたり、転がるのを追いかけてみたり……さまざまな遊び方を覚えて、ボール遊びはしだいにダイナミックになっていきます。「コロコロ」「ぽん」というオノマトペも子どもにとっては楽しく読むことができるでしょう。
ボールという馴染みのある道具がテーマなので、途中でボールを見失ってしまった時の悲しい気持ちや、見つかった時の嬉しい気持ちなどにも、共感しやすい一冊です。
- 著者
- わかやま けん
- 出版日
最初のページをめくって出会うのは、眠たそうな顔をしたこぐまちゃん。朝「おはよう」と目覚めたところから1日が始まります。
顔を洗って、ご飯を食べて、トイレに行って、ぬいぐるみで遊んで、金魚の世話をして、お風呂に入って……危なっかしいところもありながら、ひとりでなんでもできるこぐまちゃん。きっと読んでいる子どもも、自分でやってみようという気持ちになるはずです。朝起きたら顔を洗う、夜になったら眠るなど、1日の流れを理解させる手助けにもなるでしょう。