『僕のヒーローアカデミア』は「週刊少年ジャンプ」で連載されている、堀越耕平の作品です。特殊能力が当たり前の世界で、ヒーローを職業にしている人々が悪と戦う、王道少年漫画。 学園漫画の側面もあり、プロのヒーローを志す少年少女の成長が熱く描かれます。今回はその中の1人、ヒロインの麗日お茶子についてご紹介したいと思います。
麗日お茶子は『僕のヒーローアカデミア』(以下、ヒロアカ)に登場する、主人公・緑谷出久(通称、デク )のクラスメイトで、本作のヒロインです。
ヒロアカは、世界の約8割もの人口が特殊能力「個性」を持つという超人社会が舞台。そこには個性を正しいことに使い、秩序を守る職業としてのヒーローがいます。
お茶子はそんなプロヒーロー目指す卵として、ヒーローの名門・雄英高校に通っています。デクと同じクラスの1年A組の生徒です。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2014-11-04
12月27日生まれ、年齢15歳。身長156cmで、血液型はB型です。三重県出身のため関西弁を話す方言女子でもあります。アニメ版での声優は、佐倉綾音が務めました。
あだ名はありませんが、全体的に丸っこい容姿をしていることから、爆豪勝己に「丸顔」と呼ばれることがあります。
ヒーロー名は「ウラビティ」。彼女の重力を操る個性「無重力(ゼログラビティ)」と本名をかけています。コスチュームはボディラインの浮き出るパツパツスーツです。
彼女がヒーローを目指すのは家族を養うためでもあります。そんな理由からも分かるように、心根が優しいお茶子。誰でも分け隔てなく接し、性格をこじらせていたデクからは、天使のように思われています。
ヒーローという題材から、かっこいいキャラの多いヒロアカですが、お茶子は恋バナで照れる場面があったりと、普段はかわいい女の子。しかし、いざ戦うとなれば、芯の通った強さを発揮します。
ヒロアカの世界には「個性」と呼ばれる超能力があり、社会が乱れないよう、使用には法律で制限がかかっています。
しかし、ルールを破って犯罪に使う敵(ヴィラン)も中にはいるので、それに対抗するためあるのが、ヒーローという職業。個性を自分のためではなく、他人や公ともに役立てるのです。
その職業柄、ヒーロー志望の若者には社会奉仕を志す者も少なくありません。ヒーローは人気職なので、アイドル的に目指す者もいます。お茶子も、人々を笑顔にするヒーローに憧れていました。
しかし、彼女がヒーローを目指す理由は他にもあります。実家が建設会社を営んでいるのですが、請け負う仕事は小さな仕事ばかり。
いわゆる零細企業だったため、幼少期から両親が金銭面で苦労する姿を見ていました。一時は実家を手伝おうとしましたが、両親はお茶子の夢を応援してくれたのです。
そこで彼女は、両親のためにも、ヒーローになることを決意しました。人気ヒーローになれば収入も上がり、家族を養えると考える健気な理由なのです。
現実的な設定ですが、ヒーローが当たり前の社会であることを考えると、このような志望動機もこの世界ではリアルなのかもしれません。
デクとお茶子は、物語冒頭の入学試験からずっと一緒に行動しているクラスメイト。彼女にとっては、一番身近に接している存在です。
もともと家族のためにヒーローになろうとしてた彼女ですが、デクの人助けをする姿や、プロヒーローになるための努力を間近でみることで、しだいにより大きな目標を持つように感化されていきます。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2017-02-03
そしてお茶子にとって、デクは尊敬すべき友人であると同時に、知らずに惹かれていく異性となります。
恋心が芽生えはじめた当初、彼女自身はその気持ちから目を逸らしていました。ところがサポート科の発目明(はつめ めい)が、頻繁にデクと接点を持つようになると、あからさまにヤキモチを焼くようになります。
発目明は12巻から登場。そのときのお茶子の表情、ヤキモチを焼く姿は可愛くて必見。2人の関係は、進展するのでしょうか。
彼女の個性は「無重力(ゼログラビティ)」です。
両手の指先には肉球状の器官があり、5つの肉球で触れると、触れた物体にかかる引力を任意で無効化することが出来る能力です。
効果の対象となる物体や、数、重量によって限界は存在しますが、触れるだけで発動する便利な技。応用すれば自身を対象として浮遊することも可能となっています。
ただし副作用があり、限界を超えると反動で酔ってしまいます。ヒロインなのに嘔吐することもしばしば。特に自分を対象にすると負担が大きくなるようです。個性は、ただ便利な超能力というわけではないことが分かります。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2015-06-04
触れたものを無重力にするという特性上、災害救助などで多大な効力を発揮します。しかし、戦闘力がないのかと言えばそんなことはありません。
浮かせることができれば、相手を戦闘不能にでき、重量物を落下させれば絶大な破壊力を得ることもできるこの能力。体育祭で爆豪と対決したときには、切り札として使用します。
4巻では、穏やかな雰囲気とは裏腹に、自分の能力の限界以上に戦うお茶子のエピソードが収録されています。普段は見せないハングリー精神に、胸を打たれるかもしれません。
お茶子が本編で活躍したシーンを3つご紹介いたします。彼女は最前線で戦う様子がクローズアップされることは少ないですが、物語の重要なポイントで印象的な行動を見せてくれる人物です。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2019-02-04
「でも『デク』って…
『頑張れ!!』って感じで
なんか好きだ 私」
(『僕のヒーローアカデミア』1巻より引用)
蔑称として呼ばれていた「デク」というあだ名に対して、お茶子が登場人物で初めて前向きな反応をしました。彼女のこの一言から、主人公デクのヒーロー名が決まったと言っても過言ではありません。
「決勝で会おうぜ!」
(『僕のヒーローアカデミア』4巻より引用)
雄英名物・体育祭の決勝トーナメントで、強敵の爆豪勝己との戦いに挑むお茶子が、デクにかけた言葉です。決して戦闘向きとはいえない個性を持ちながら、デクに触発されて奮起し前向きな姿を見せた、やる気が感じられるセリフでした。
「ヒーローが辛い時
誰がヒーローを守ってあげられるだろう」
(『僕のヒーローアカデミア』22巻より引用)
お茶子は入学以来、ずっと自分より他人を優先するデクをみてきました。力に振り回されるデクを前にして、心優しいお茶子は思わずこう思ってしまうのです。
お茶子は、人々を笑顔にするためにヒーローを目指しています。目の前で辛い思いをしているデクをみて、どうにかしてデクを助けたいという気持ちが伝わるセリフです。
いかがでしたか? 普段のほんわかしたお茶子もいいですが、臨戦態勢のキリッとした姿を見せる彼女も、とっても魅力的です。