絵本「ねずみくん」シリーズのおすすめ5選!全冊セットで揃えたい!

更新:2019.3.7

子どもから大人まで、幅広い世代に愛される絵本「ねずみくん」シリーズ。かわいらしい絵と、やさしくて温かみにあふれたお話に思わず全冊そろえたくなってしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなシリーズのなかでも特におすすめの5作を紹介していきます。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena

絵本「ねずみくん」シリーズとは

 

1974年に第1作目が出版されて以来、幅広い世代に愛されている絵本「ねずみくん」シリーズ。文は夫のなかえよしを、絵は妻の上野紀子が担当している、夫婦で手掛けている作品です。

2019年3月現在、シリーズのタイトル数は40を超え、累計発行部数も400万部を突破するロングセラーとなりました。「講談社出版文化賞」など数多くの権威ある賞も受賞しています。

優しいタッチで描かれる小さなねずみくんや、ガールフレンドのねみちゃん、かわいくてユーモラスな動物たちが子どもたちに大人気です。

またかわいいだけでなく、白と黒を基調とした配色や額縁のようなフレームの中で展開される物語は、まるで絵画を見ているようでスタイリッシュ。メッセージ性が強いストーリーも多く、大人も夢中になれるシリーズでしょう。

 

「ねずみくん」シリーズはやっぱり第1作目がおすすめ『ねずみくんのチョッキ』

 

お母さんが編んでくれた赤いチョッキは、ねずみくんにぴったり。そこへ、あひるくんがやってきました。ねずみくんの素敵なチョッキを見て、自分も着てみたくなります。

「いいチョッキだね ちょっときせてよ」
「うん」(『ねずみくんのチョッキ』より引用)

ねずみくんは、あひるくんに快くチョッキを貸してあげます。しかしチョッキは、あひるくんには少しきついようです。

次にさるくんがやってきて同じようにチョッキを借り、あざらしくん、ライオンくん、うまくん、そしてぞうくん……。動物たちが次々とやってきては、ねずみくんのチョッキを着るのです。

「うわー ぼくのチョッキだ!」(『ねずみくんのチョッキ』より引用)

手元に戻ってきたチョッキを見て、ねずみくんは驚きます。床を引きずるほどに伸びきってしまったチョッキを着て悲しみに暮れますが……。

 

著者
なかえ よしを
出版日

 

「ねずみくん」シリーズの記念すべき1作目、『ねずみくんのチョッキ』は、何度でも読み返したい不朽の名作です。

小さいねずみくんのチョッキを、彼よりも何倍も大きい動物たちが着ていくシンプルなお話ですが、チョッキが破れてしまうんじゃないかとハラハラしたり、のびきってしまったチョッキを悲しそうに着るねずみくんに同情したりと、さまざまな感情が掻き立てられるでしょう。ラストは思いがけない展開で微笑ましく、そんな考え方もあったのかとはっとさせられます。

きつめのチョッキを着る動物たちの表情もユーモラスで、いろんなところに注目しながら読める作品。文章の量は少なく、絵だけでも十分楽しめるので、小さいお子さんにもおすすめです。

 

みんな違ってみんないい『りんごがたべたいねずみくん』

 

木になっているおいしそうな赤いりんご。ねずみくんは食べたいと思いますが、小さいので手が届きません。

そこへとりくんが飛んできて、りんごをひとつ取っていってしまいました。ねずみくんはとりくんの翼が羨ましくてたまりません。その後も動物たちが次々と現れ、それぞれ自身の特技を活かしてりんごを取っていきます。

ねずみくんは、最後にやってきたあしかくんに尋ねました。

「きみはそらをとべるかい? 
きみはきのぼりできるかい? 
きみははながながいかい? 
きみはくびがながいかい? 
きみはたかくとべるかい? 
きみはちからがつよいかい?」(『りんごがたべたいねずみくん』より引用)

どれもできないけれど、あしかくんはボールを操ることが得意。小さなねずみくんをポーンと投げあげると……?

 

著者
なかえ よしを
出版日

 

手をバタバタして飛ぼうとしたり、目玉をひんむいて木を登ろうとしたりと、一生懸命りんごを取ろうとするねずみくんの姿はかわいらしくてコミカル。その一方で、りんごを取る力が無い自分を嘆き、他の動物たちを羨ましがる気持ちもひしひしと伝わってきます。

最後にやってきたあしかくんは、ねずみくんが小さかったからこそ、特技を活かすことができました。

みんな違ってみんないい、ひとりでできないことも協力すれば実現できるという、大切な気づきを教えてくれる絵本です。

 

最後のしかけにびっくりする「ねずみくん」シリーズ『ねずみくんのクリスマス』

 

大好きなねみちゃんを驚かせようと、ねずみくんはクリスマスツリーにせっせと飾り付けをしています。それを見たあひるくんは、彼のクリスマスツリーを小さいと笑い、自分のクリスマスツリーの方が大きいとふんぞり返るのです。

しかし、うさぎくんのクリスマスツリーはあひるくんのよりもっと大きく、さらにぶたくん、くまくん、ぞうさん……みんな体の大きさに合わせたクリスマスツリーを持っていて、自慢気です。

最後に登場したのは、ねみちゃん。持ってきたクリスマスツリーは、ねずみくんのものよりも小さいサイズでした。

「わー
ちいさい ちいさい
ちいさすぎだ~
パオッ
ウオホッ
ブフッ
キュッ
ガァハッ
ワッハッハッハッハ」(『ねずみくんのクリスマス』より引用)

しかしねみちゃんは、何を言われてもどこ吹く風、みんなを家に招きます。その小さいクリスマスツリーは、みんなのために作った大きな大きなクリスマスケーキの飾りでした。

 

著者
なかえ よしを
出版日
2003-10-01

 

ねずみくんやねみちゃんの小さなクリスマスツリーをからかう動物たちを見て、子どもたちは何を思うのでしょうか。

大きさにこだわっていた動物たちも、ねみちゃんのおおらかな優しさに触れて最後には反省します。最後のページには仕掛けがあって、めくるとみんながねみちゃんに贈ったお礼のプレゼントが。さてどんなものでしょうか。

季節感のある絵本なので、ぜひクリスマスシーズンに読んであげてください。

 

いちばん大切なことって何?文章中心の「ねずみくん」シリーズ『ねずみくんのきもち』

 

ある日ねずみくんは、ブランコに乗りながらねみちゃんが来るのを待っていました。そこにいじわるねこくんがやって来て、ブランコを横取りされてしまいます。

ねずみくんは、いじわるをされてしまったのは、小さくて気が弱くて失敗ばかりの自分に原因があると落ち込んでしまうのです。

そんな彼に、ふくろうさんが「いちばん大切なこと」を教えてくれました。

 

著者
なかえ よしを
出版日
2007-03-01

 

本書は、ほとんどが文章で構成された「ねずみくん」シリーズのなかの異色の作品です。

「おたがいに思いやることが大切なんだよ 
よく考えてみればじぶんがひとりで生きているのではないことに気づくはずなんだ 
みんながたすけあって生きなくてはならないことがわかるはずなんだ」(『ねずみくんのきもち』より引用)

ふくろうさんは、作者の想いを代弁しているのでしょうか。あらためて、相手を思いやること、相手の気持ちを想像することの大切さを考えさせられます。

小さなお子さんには少し難しいかもしれませんが、その一方で「相手の気持ちを考えなさい」と日頃から言われてもなかなか実行できない子も多いでしょう。周りの人との付き合い方を考えるきっかけになる作品です。

 

ねみちゃんが喜ぶものとは?「ねずみくん」シリーズのおすすめ絵本『ねずみくんのプレゼント』

 

ねみちゃんの誕生日に、大きな風船をプレゼントしたねずみくん。ねみちゃんはとても喜びました。

しかし時間が経つと、風船はどんどんしぼんでいき、小さくなってしまいます。ねみちゃんも悲しそう。

「わーい
おかしいな おかしいな
ちぢんできたら
とんがってきたよ
へんなプレゼントだなあ」(『ねずみくんのプレゼント』より引用)

周りの動物たちは、ねずみくんをからかいます。ついには割れてしまった風船。中から出てきたものとは……?

 

著者
なかえ よしを
出版日
2004-07-01

 

風船がしぼんでいくにつれてねみちゃんの表情も暗くなり、文字の大きさもどんどん小さくなっていって、読者も悲しい気持ちになります。

しかし風船の中から出てきた本当のプレゼントに、ねずみくんの男前な一面が表れているのです。喜ぶねみちゃんの姿に、周りの動物たちが嫉妬している表情もやけにリアル。最後は手をつないでどこかへ向かうふたりを、羨ましそうに見つめています。

場面ごとに感情の動きがある物語なので、この時にこの登場人物はどんな気持ちなのか、考えながら読むといいでしょう。

 

「ねずみくん」シリーズが伝えてくれるおもいやりの大切さは、時代が変わっても普遍的なテーマです。絵本をとおして、優しい世界に触れてみてください。

もっと見る もっと見る