食欲をそそるグルメ要素はもちろん、お色気に、人間ドラマに、さらには戦闘アクションまで!? ただのグルメ漫画に収まらない、多くの要素が詰め込まれた見所盛りだくさんの作品が『華麗なる食卓』です。 全49巻という長期連載作品ですが、最終巻までしっかりと魅力の詰まった内容となっています。今回は、そんな本作の魅力を最終回までご紹介。下のボタンのアプリから読むことができます!
浮浪者同然の様相で行き倒れていた青年・高円寺マキト(こうえんじ まきと)は、ある日女子高生の曽根崎結維(そねざき ゆい)に救われ、九死に一生を得ます。
マキトは、父である佐久間鋭司(さくま えいじ)を探すために各地を旅しており、その手がかりとして結維の父であり、彼の兄弟子だった総一郎(そういちろう)の店であるカレー店「ガネーシャ」を探していたのでした。
華麗なる食卓 1 (ヤングジャンプコミックス)
2001年07月19日
しかし、見つけた当の総一郎本人は不在で、かつガネーシャは客足が遠のき、閉店の危機。
マキトは結維に救われた恩を返すためにもガネーシャの再建を目指し、カレー料理人としての腕を振るう決意をしたのでした。
- 著者
- ふなつ かずき
- 出版日
- 2017-07-19
ふなつは、1997年に「週刊ヤングジャンプ」にて月例ヤングジャンプ新人賞にて準入選を果たした後、読切作品「漆黒のレムネア」が掲載されたことで、デビューしました。そして、2001年に同誌にて『華麗なる食卓』の連載を開始。代表作となりました。
基本的に女性キャラの性的な描写が多く盛り込まれているのが特徴で、本作でもほとんどのエピソードにおいて、お色気シーンが目白押しとなっています。
現在は「グランドジャンプ」にて『すんどめ!!ミルキーウェイ』を連載中。本作を読んで気になった方は、そちらもあわせてご一読ください。
本作は、そのタイトルからもわかる通り、カレーに特化した作品となっています。主人公・マキトがカレー料理人である事ももちろん、彼が住み込みで経営を立て直すことになる「ガネーシャ」もカレー屋ですし、旅の道中で登場する料理もカレー料理が大半です。
マキトの前に立ちはだかる料理人達は必ずしもカレー料理人というわけではないのですが、物語のなかで料理勝負に発展する際には、その品目は必ずといっていいほどにカレーとなります。
そのような事もあり、作中では非常に多くのカレー料理が登場し、そのどれもが読者の胃袋を刺激する魅力に満ちているのです。
華麗なる食卓 2 (ヤングジャンプコミックス)
2001年10月19日
特に、身近にあるカレー料理や、思わず真似したくなるような料理の数々は、カレーが恋しくなること間違いなし。
たとえば、結維のクラスメイトである穂積尚(ほづみ なお)がマキトにカレーパンをリクエストするというエピソードでは、マキトは、本職のパン職人にカレーパン作りを学びにいきます。
パンに合わせるカレーにはどういったものが最適なのか、どうしたら美味しくなるのか。試行錯誤を重ねたうえ、ついにカレーパンを完成させる事に成功したマキト。
カレーパンのお披露目シーンは、食事シーンのリアクションも含めて、読んでいるこちらにまで味や香りが伝わってきそうです。
また、マキトのライバルキャラとして登場したヤンキー料理人・二ノ宮光生(にのみや こうせい)が、コンビニのカレーヌードルをアレンジして作った「カレーカルボナーラ」という料理も印象的。
これは料理勝負などで登場する趣向を凝らした作品ではありませんが、思わず真似して作りたくなってしまうようなお手軽レシピとしての面白さがあります。
こうしたカレーに特化した面白さを全編通して貫き続けており、カレー好きには堪らない内容なのです。
ここまでグルメ漫画としての魅力をご紹介してきましたが、本作はラブコメ要素も注目!多くのカップルによる恋模様が展開されているのです。
やはり特筆すべきはマキトと結維の関係ですが、この2人の関係は本当にゆっく〜り進展していきます。
というのも、結維の父親である総一郎の妨害があったり、ようやく「ガネーシャ」の経営が軌道に乗ったかと思えば、マキトが父親探しの旅に再出発してしまったり、さらに旅の途中では次々と美人のヒロイン達が登場したりと、とにかく障害が多いのです。
華麗なる食卓 (3) (ヤングジャンプ・コミックス)
そうした事件の数々のなかで、マキトと結維の揺れ動くそれぞれの心理描写が詳細に描かれており、読者としてもヤキモキしながら読み進めることとなります。
そんな主人公カップルペアはもちろん、その他の登場人物達の間でも同様の恋の障害と、その解決という一連の顛末が描かれているため、その度にドキドキさせられます。
- 著者
- ふなつ 一輝
- 出版日
- 2006-04-19
上記しましたが、結維以外にマキトの前に現れる魅力的な女性たちにも注目。嘉手納碧琉(かでな へきる)はひょんなことから彼に辱め(?)を受け、その責任を取ってもらうために求婚をします。
美少女に迫られて揺れるマキトの心。彼が最後に誰を選ぶのか、というハラハラも楽しめます。作中キャラクター同士による恋模様も、本作の大きな魅力の1つなのです。
先述の通り、本作はマキトを筆頭に多くの凄腕料理人達が登場し、料理対決が随所でおこなわれます。そして、そんな対決を取り巻く設定の数々が、実に多種多様かつハチャメチャ。
たとえば「翠蓮」という老舗料理屋は「ガネーシャ」を潰すために、料理人を刺客として送り込んできます。そのメンツが、クセが強い者ばかり。
華麗なる食卓 (4) (ヤングジャンプ・コミックス)
2002年04月19日
数々の店を閉店に追い込んだ「潰し屋」と呼ばれるヤクザのような強面の男だったり、インドカレーに異常な恨みを持ち、キレた末に「ガネーシャ」に放火してしまうような情緒不安定な人物だったり……。
キャラクターが、個性という言葉では収まらないほどのトンデモ設定を持っており、作品を盛り上げます。
また、それ以外に料理人の持つ能力も徐々に超人じみたものに。後半になると料理中は人格が変わったり、悪霊をその身に宿していたり、素材のよし悪しを見分ける尺度として食材が光り輝いて見えるようになったりと、異能力バトルのような様相を呈していくのです。
こうした読者を飽きさせない設定の数々が、長編ストーリーであっても最後まで読み進めたくなってしまう魅力となっているのでしょう。
恋愛にお色気と、女性キャラクターの見せ場には事欠かない本作。そんな本作には、実に魅力的なヒロイン達が数多く登場します。ここで、本作のなかでも主要なヒロイン達をご紹介しましょう。
本作のメインヒロイン。お腹を空かしている動物を見ると保護せずにはいられないというクセがあり、マキトはそんな彼女によって拾われた(?)形です。
「ガネーシャ」の経営を立て直そうと彼とともに奮闘するうちに心惹かれるようになっていき、いつしか両想いとなっていきます。
若干小さい胸がコンプレックスで、作中でも何度もイジられる事に。当初、料理の腕は酷い有様でしたが、徐々に修行を重ねる事で家庭料理程度であれば作れるようになりました。
- 著者
- ふなつ 一輝
- 出版日
- 2006-01-19
「ガネーシャ」の経営を軌道に乗せた後、父親探しの旅を再開したマキトが食い逃げしようとした料理店「華屋敷(はなやしき)」のシェフとして働く、巨乳の女の子。
幼少期に母親と食べていた「華屋敷」のカツカレーが大好きで、カレーに対する思い入れも他のシェフより強いようです。かなりの大酒飲み。
華麗なる食卓 13 (ヤングジャンプコミックス)
2004年09月17日
フランス人であり、マキトのライバルの1人である榊圭吾(さかき けいご)とともに行動する女の子。基本的には圭吾の事が好きなのですが、初登場時はマキトに対しても好意を寄せており、結維との関係のこじれを生むトラブルメーカー的な立ち位置でもありました。
身長は148㎝と小柄ですが、胸はそれなりにあるようです。
「月刊ぐるめいと」にてルポライターとして働く女性。旅の途中のマキトに出会って興味を持って以降、カレー料理人である彼に対して熱心に取材をおこなうようになります。比較的サバサバした性格ですが、マキトの事は気に入っている様子です。
- 著者
- ふなつ 一輝
- 出版日
- 2005-11-18
嘉手納三姉妹という、沖縄の料理人姉妹の二女。マキトが父親の手がかりを追うなかでカレー料理人としての腕を競う大会「エディブルファイト」に出場するのですが、その本戦リーグ第1戦で戦った相手でした。
本戦前にマキトを闇討ちして不戦勝を得ようとしていましたが、その際に失敗して報復(セクハラ)に遭ってしまいます。
結局本戦にて敗北してしまうのですが、それ以降彼に辱められた責任を取ってもらおうと、積極的にアプローチをくり返すようになるのでした。
本作に登場するヒロイン達のなかで、もっとも献身的に尽くそうとする姿が見られたからか、読者人気は1番高いようです。
このように、本作にはいずれも魅力的なヒロイン達が揃っています。最後まで読み終わる頃には、きっとお気に入りのキャラクターが見つかるのではないでしょうか。
ここまで多くの魅力をご紹介してきた本作ですが、49巻をもって完結となりました。
父親探しにも決着が着いたマキト。さまざまな想いを抱えたなかで、エディブルファイトの決勝に挑みます。
最後の勝負。彼が用意したのは、なんとオーソドックスなチキンカレーでした。しかし、ここには彼の過去から現在に至るまでの想いが込められていたのです。
今の彼だからこそ作り得たカレー。それを食べた、審査員たちの反応は……?
長編名作カレー漫画、ここに完結です。
- 著者
- ふなつ 一輝
- 出版日
- 2013-01-18
一見シンプルに見えた、マキトのカレー。しかし、ここにはさまざまな工夫が凝らされていました。
隠し味から米の炊き方まで、すべてに徹底したこだわり。読んでいて、そんなカレーを食べてみたい!と思わずにはいられないでしょう。
また、勝負の行方もさることながら、マキトと結維の関係も注目したいところ。これまで描かれなかった2人の情事がついに描かれ……待ちに待った2人のドキドキ展開は、まさに必見。今まで散々ヤキモキした分、読者としては自分ごとのように嬉しいはずです。
そして最終回では、そんな彼らの輝かしい未来を予想させる、実に清々しいエンディングが待ち受けています。まさしく大団円といったハッピーエンドですので、ぜひ最後までお楽しみください。
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