上鳴電気は『僕のヒーローアカデミア』に登場する、主人公のクラスメイトです。体内から電気を発生させる強力な能力を持っていますが、言動がチャラくて頭が悪いという残念な少年。しかし、友情に篤いところがあり、キメる時にはキメるナイスガイでもあります。 今回はこの上鳴電気について詳しくご紹介しましょう。
『僕のヒーローアカデミア』はヒーローがいることが当たり前になった超人社会を舞台として、少年少女がヒーロー育成学校・雄英高校に通ってプロを目指していく少年漫画です。
上鳴電気(かみなりでんき)は1年A組の主人公のクラスメイトで、クラス全体のムードメーカー的存在。身長168cm、6月29日生まれで年齢は15歳の少年で、アニメ版の声優は畠中祐です。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2015-06-04
ヒーロー名は「チャージズマ」で、能力は「帯電」。ヒーロースーツは白い稲妻のアクセントが入った、黒い革ジャンのような衣装です。
雷模様のメッシュの入った金髪頭が特徴的で、黙っていればイケメンという典型的残念キャラ。外見どおり、チャラくて軽い性格、女好きでエロネタを好むことからクラスメイトの峰田実(みねたみのる)とは気が合うようです。
粗暴な問題児の爆豪勝己(ばくごうかつき)、単純な熱血漢の切島鋭児郎(きりしまえいじろう)とは特に仲が良く、常につるんでいます。
生徒の過去が次々と判明していくなか、彼の幼少期は謎に包まれています。そのことから、雄英高校は超人社会の敵・ヴィラン連合に情報を流している内通者が身内にいると考えていますが、ファンの中には過去が不明な上鳴が裏切り者なのではと考える人もいるようです。
本作に登場する超能力は「個性」と呼ばれます。彼の個性は、電気を発生させ全身にまとう「帯電」。電気関係の能力は強力とされることが多いですが、彼も攻撃力の点だけでいえば、強個性といえます。
「攻撃だけ」と断ったのは、欠点があるからです。非常に強力な個性ではあるのですが、放電には指向性がなく、特定の対象に向けて放つということができません。コントロールできるのは電撃の強弱だけで、基本は垂れ流しという欠点がありました。
物語が進むと、サポートアイテムを併用するようになり、狙った目標への攻撃が可能になりました。
必殺技は、放電能力を全開にすることで、周囲一帯に強力な電撃を放つ「無差別放電130万ボルト」。複数のヴィランを一度に制圧可能な攻撃ですが、対象の識別ができないので、使いどころを考えないと味方にも被害が出る諸刃の剣です。
すでに上鳴の個性の欠点を述べましたが、実はそれを上回る弱点が存在します。彼の電気攻撃は非常に強力なのですが、一度に大量に放電しすぎると、脳がショートして思考力が著しく低下するというデメリットがあるのです。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2016-11-04
特に必殺技を撃った後が顕著で、簡単に言えば一定時間アホになってしまい、デフォルメされた顔で「ウェーイ」としか言えなくなります。
彼の個性は指向性がなくて扱いづらく、使いすぎてもアホ化するという限定的な場面で効果を発揮する能力ですが、これを逆手に取って、爆豪がわざと「ウェーイ」状態にさせて場を和ませるというシーンも。ムードメーカーとしては頼りになります。
このシーンは、本作の11巻で読むことができますよ。
上鳴はいつも爆豪、切島と行動していますが、女子の中では耳郎響香が一番親しいようです。1年A組で最初に行われた対人訓練でコンビとなり、それ以来、何かにつけて軽口をたたき合う関係となったのではないでしょうか。ヴィラン連合が雄英を襲撃した時にも、2人は一緒になりました。
彼女の上鳴への扱いは基本雑です。ヴィラン相手にまごまごしている彼を蹴飛ばして発破をかけたり、軽口に対して個性の「イヤホンジャック」で突き刺す仕草を見せたり、容赦がありません。しかしこれは嫌っているというよりも、信頼しているからこそ安心して素を出しているのでしょう。
文化祭で耳郎がバンド演奏を勧められたときも、嫌がる彼女の理由を上鳴が真っ先に察するなど、何かとお似合いに思える場面が多々出てきます。
しかし22巻時点では、彼らが友人以上の関係になっている描写はありません。
それでは最後に上鳴電気が劇中で見せた名言、名シーンをご紹介しましょう。普段はダメダメなところが目立ち、戦闘中にも間抜けなところがありますが、ここぞという場面ではしっかり活躍するのが上鳴という男です。迷言も含まれていますが、そこはご愛敬。
「2人とも!!
俺を頼れ!!」
(『僕のヒーローアカデミア』2巻より引用)
一見するとカッコイイ台詞ですが、ヴィラン連合が雄英を襲撃した際、個性のコントロールができないので直前まで役立たず状態でした。
耳郎の機転で電気を発する人間スタンガンとなり、戦力になるのがわかった瞬間イキり出したときのセリフです。ムードメーカーな彼らしい名言です。
- 著者
- 堀越 耕平
- 出版日
- 2017-02-03
「これなら俺は…
クソ強え!」
(『僕のヒーローアカデミア』2巻より引用)
上記の直後、一緒にいた八百万百(やおよろずもも)の個性で絶縁シートを創りだし、味方に被害がでないようにしました。これで、指向性がないため使えなかった個性を全開にし、ヴィランを一網打尽にしてしまいます。ただ、この後に力を使い切って頭がショートし、一時的にアホになってしまうのが残念。
「体育祭終わったら飯とかどうよ?
俺でよけりゃ 慰めるよ
多分この勝負 一瞬で終わっから」
(『僕のヒーローアカデミア』4巻より引用)
雄英体育祭の決勝1回戦で言ったセリフです。個性に絶大な自信を持ち、勝利を確信したカッコイイ言葉……かと思いきや、直後にB組の塩崎茨(しおざきいばら)に完封負け。相性が悪い上に、いきなり放電をぶっ放して行動不能になりました。どこまでも締まらない三枚目、上鳴らしい名(迷)言です。
「ところで先輩
良い位置によろけましたね」
(『僕のヒーローアカデミア』12巻より引用)
ヒーロー仮免試験で、雄英高校に並ぶ名門・士傑高校の2年生、肉倉精児(ししくらせいじ)との対決。肉倉は爆豪をも手玉に取った強敵でしたが、なんと上鳴には珍しくテクニカルに立ち回り、サポートアイテムを駆使して勝利しました。
彼が単なるアホキャラではなくなったことと、仲間を想って静かに怒る新たな一面、いざという時には意外なほど頼れる姿が描かれた素晴らしいエピソードでした。
いかがでしたか? 上鳴は賑やかしが目立つ脇役ですが、主人公並みに活躍することもある面白いキャラクターです。彼の活躍には今後も目が離せません。