引っ込み思案で気が弱い、そんなイメージが強いヒナタ。作中では活躍出来ないのではと思させるほど優しい性格のヒナタですが、作中終盤ではとても大きな成長が見られるキャラでもあります。ヒナタに纏わる5つの事柄についてご紹介していきます。
優しく、とても穏和な性格のヒナタ。仲間からも「気が弱い引っ込み思案」と言われています。初登場時でも、その性格は一目瞭然です。体も、同期内のくノ一と比べて非常に小柄。
第8班で犬塚キバと油女シノとともに、夕日紅に師事しています。第1部での髪型はおかっぱのようなショートヘアですが、第2部では腰あたりまでのロングヘアになり、一段と女性らしい見た目になりました。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2006-08-04
実は、彼女は木ノ葉の里で名門とされている「日向一族」の一員で、当主であるヒアシの娘。5歳下にはハナビという妹がいます。日向は「白眼」という血継限界を持った一族。戦闘では白眼を使った秘伝の体術「柔拳」を駆使します。白眼という名の通り、日向一族は目の色が白色なのが特徴です。
名門とされているだけあり、他里にもその名が知れ渡っている日向一族。そんななかでヒナタは、その性格が災いしてか、「才能がない」とヒアシから見放されてしまいます。しかし、物語が進んで戦いに身を投じていくなかで、彼女は心身ともに大きく成長を遂げていくことになるのです。
そんな彼女は初登場当初から主人公・うずまきナルトを一途に想い続けており、当初は周りから差別されがちだった彼にとっての、理解ある数少ない人物でもありました。
テレビアニメ版のミニコーナーでは、普段は大人しい彼女の意外な一面も見られます。大食い選手権では、なんとラーメン店「一楽」のみそチャーシュー麺を46杯食べて優勝したという、驚きの実力を発揮しました。
一楽の常連で、ラーメンが大好きなナルトでも30杯だったことを考えると、他を寄せ付けない強さ。食べきった後も、余裕の表情で「ごちそうさまでした」と言える程だったので、本当に大食漢なのでしょう。
漫画本編では2部の中盤、終盤辺りまで大きな活躍が見られなかったヒナタ。しかし、ご紹介した通りアニメ版では以外にも出番が多かったりします。これには、ファンから「ヒナタ贔屓だ」という意見も……。
実はその背景には、アニメスタッフに彼女のファンが多くいることが影響しているようなのです。公言しているファンも多くいるのだとか。スタッフすら贔屓したくなるほど、彼女には魅力があるということなのでしょう。
日向一族には「宗家」と「分家」が存在し、ヒナタは宗家に産まれました。そして、ヒナタの父親であるヒアシの双子の弟・ヒザシの息子として分家に産まれたのが、ネジ。母親の描写はなかったため、その存在は不明です。
両家には、大きな隔たりがありました。分家は、宗家に対して生涯尽くさなければならない運命と定めされていたのです。
これは日向が名門であるがゆえに、他里から狙われる可能性があるからでした。そのため分家は、宗家の身代わりになる可能性があったのです。両家を区別するために、分家の者には額に「卍」マークの呪印が刻まれています。
そんななか、ある出来事が起こります。他里と一触即発のなか「日向の白眼を寄越せ」と、ヒアシが要求されたのです。その際に犠牲となったのは、分家のヒザシでした。このことで戦争への発展は回避できたものの、その事をきっかけに、ネジは宗家を酷く恨むようになりました。
そういった確執から、彼とヒナタ関係は従兄妹というものながら、非常に悪い状態だったのです。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2001-10-04
父がヒアシの罠にはめられて殺された、と思っていたネジ。しかし実際は、里を、一族を守るため、ヒザシ自ら身を差し出したのでした。後にヒアシがネジにこの真相を話した事で、長年のわだかまりが解けて和解。そしてヒナタとネジの関係も、徐々に改善されていくのです。
第2部ではヒナタとネジ、ヒアシの関係がより改善されたことが伺えます。ヒナタとネジが実の兄妹のような微笑ましい関係であることもわかり、ファンとしては嬉しいところ。第4次忍界大戦では、2人の柔拳の連携による交戦が見られるのもアツいところでしょう。
しかし、その後ペインとの戦いの最中に、ナルトとヒナタを庇ってネジは死亡。悲しみに暮れるなか、この事をきっかけに、ナルトとヒナタの関係に大きな変化が起きました。
後にヒナタとナルトの間に産まれた子供は、ネジの名前に由来するだろうと思われる名前です。原作者である岸本も「ネジには、ナルトとヒナタのキューピッドになってもらいました」と発言。ヒナタにとっても、物語においても、ネジは非常に重要なキャラクターだったのでした。
日向一族の血継限界である白眼は、写輪眼や輪廻眼に並ぶ「三大瞳術」とされています。元々は大筒木ハムラ(チャクラの祖となった大筒木カグヤの次男)を先祖に持つ一族です。
白眼には透視能力があり、それは写輪眼以上。体内の流れなどを見て、そこを狙って直接攻撃をしたりするため、日向一族は忍術というより体術に特化した忍の一族といえるかもしれません。
特徴的なのは、体内の流れを透視して、チャクラを放つ事で内臓を損傷させる体術「柔拳」の使用です。宗家当主であるヒサシは、「日向は木ノ葉にて最強」という自負を持っているほどの威力を有しています。
必殺技は「八卦六十四掌」。柔拳で戦う、日向一族最強の体術です。回転しながら技を放つ事で、大勢を相手にしても対応出来ます。
ヒナタは当初、性格が災いしてか柔拳を使いこなせていませんでしたが、第4次忍界大戦では見違える程に成長。ネジと共闘して、戦場でも大きく活躍しました。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2013-04-04
また、アニメ版でのみになりますが、医療忍術を使用する姿も披露しています。原作では習得している描写は一切ありませんが、体の流れを透視出来る白眼を持っているなら適役ともいえるでしょう。
さらに、映画版で敵として現れた大筒木カグヤの子孫・トネリ。大筒木一族である彼はハムラの系譜の末裔で、日向一族とは遠縁の関係にあたります。彼は、白眼を封印し続ける事で蓄えたエネルギー「転生眼」を開眼させようとするのです。
転生眼は、輪廻眼と対になる最強の瞳術。そのことを考えると、白眼は忍界最強の瞳術にもなりえるといえるでしょう。
彼女は幼少期からずっと、ナルトを一途に想い続けていました。ですが彼は春野サクラが好きという事で、ヒナタの想いは報われないまま……と思っていた方も多かったはず。将来はナルトとサクラが結婚する、と予想していた方もいたことでしょう。
しかし、そんな大方の予想を裏切り、ナルトと結婚したのはヒナタでした。2人が最初に急接近したのは、ペインが木ノ葉の里へ襲撃した時です。ナルトのピンチに駆け付け、勇敢に立ち向かったヒナタの姿は非常に印象的でした。
しかも、なんとヒナタは、その時にナルトへ告白もしています。この戦いで重傷を負ってしまった彼女がナルトへの想いの一途さと忍としての成長を見せたこの場面は、大きな見せ場となりました。
そして2度目の急接近は、ネジが戦死した時でした。目の前で、しかも自分を庇って死んでしまった彼を前に、ナルトは戦意を失いかけるほどに動揺します。そんな彼の頬を叩き、目を覚まさせたのはヒナタでした。
時を経て心身ともに成長した彼女は、ナルトの精神的な支えにもなったというのがわかる場面です。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2015-02-04
彼女の献身的なナルトへの想いに感激する方が多くいる一方、マイナスイメージを持つ方もいたよう。特にアニメ版ではヒナタが贔屓されて登場が多くなるなど、そういった面からもアンチが増えたのかもしれません。
一途過ぎる思いがうざいように感じたり、ナルトとくっ付けるのを無理やりなこじ付けとも感じてしまった方もいたのでしょう。
しかし最終回では、ヒナタとナルトは結婚し、息子のボルトと、娘のヒマワリを設けています。火影になったナルトを支え、立派な妻、そして母親となったヒナタ。2人の結婚式の様子はアニメ版で描かれ、ヒナタは綺麗な白無垢姿でした。
ラストに彼女の幸せそうな姿を見られて、微笑ましく思った方も多かったでしょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2006-08-04
内気で引っ込み思案だった彼女だからこそ、勇気を振り絞って発した言葉には重みがあります。そんななかから、名言をランキング形式でご紹介しましょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2001-10-04
私はもう…逃げたくない!
(『NARUTO』9巻より引用)
中忍試験の予選で、ネジと対戦する事になったヒナタ。宗家を恨んでいるネジにいつも怯えるばかりだった彼女が、立ち向かうことを決意をした際のセリフです。
ネジの実力は、自分より明らかに上。気が弱く内気なヒナタなら、棄権してもおかしくない状況でした。ですが彼女はナルトに勇姿を見せようと、弱い自分に別れを告げるべく戦う決意をしたのでした。
…ま……まっすぐ……
自分の……言葉は曲げない…
私も…それが忍道だから…!
(『NARUTO』9巻より引用)
実力差からネジに敵う事が出来ず、傷だらけになるヒナタに対し、ネジは棄権するよう促します。しかし、彼女はボロボロになりながらも、戦う事を諦めようとはしません。「戦うと決めたのだから」と懸命に立ち上がり、ネジにこう言い放ちます。
この言葉はナルトの忍道の受け売りですが、彼女にとっても救われた言葉だったのでしょう。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2009-08-04
失敗をするからこそ…
そこから立ち向かっていく強さがあって…………
そんな強さが本当の強さだと私は思うから…
ナ…ナルトくんはすごく強い人だと思う…
(『NARUTO』11巻より引用)
中忍試験の本戦前、ヒナタがナルトに言ったセリフ。彼女は、ナルトの事を幼少期からずっと見てきました。彼の本当の強さ、すごいところをしっかり理解しているからこそ言えたセリフでしょう。
人の長所を見付けられるのは、ただ好きだからというだけでなく、きちんと相手を観察出来ているからです。ヒナタは人を見た目や上辺だけでなく、内面も含めた全体を見て判断出来る女の子という事がよく分かりますよね。
ナルト君を守るためなら死ぬ事なんて怖くない!!
私はナルト君が…………大好きだから…
(『NARUTO』47巻より引用)
ペインの襲撃時、窮地に陥るナルトの元へ駆けつけたヒナタ。圧倒的に力の差がある相手を前にしても、彼女は決して臆する事なく果敢に挑みます。そして、ナルトの目の前で自分の気持ちを、はっきりと口にしました。
この時の彼女の表情は、本当に死を恐れていないことが伝わってくるもの。思いの強さがわかる名言です。
- 著者
- 岸本 斉史
- 出版日
- 2012-05-02
この戦争が終わったら
もうアナタを追いかけるのはやめにします
次はナルト君の横にいてしっかりアナタの手を握ったまま……
同じ歩幅で歩きたいんです!
(『NARUTO』60巻より引用)
第4次忍界大戦中、ネジが戦死。仲間を目の前で亡くし、不安定になったナルトの精神を支えたのはヒナタでした。彼女のおかげで、ナルトは自分を取り戻し、再び戦う決意をします。彼女はそんな彼を、近くで支えたいと強く思うのでした。
憧れて、いつも見ているだけだった存在であるナルトと、今度は同じ歩幅で並んで未来に向かっていきたいというヒナタ。「戦争が終わったら」という未来へ向けた発言も、「確実に未来がある」と思ったからこそ出たセリフで、この場面で言うことに感動させられますよね。
いつも自分に自信がなく、オドオドしていたヒナタの成長は、作中でも目まぐるしいもの。想いをハッキリと口にする事の出来るようになった彼女は、表情にもその想いがよく表れるようにもなっていきます。ぜひ漫画本編で確認してみてください。白眼を使いこなし、強くなった戦闘っぷりも必見です。