『広告会社、男子寮のおかずくん』のレシピ、登場人物を解説!ドラマ、映画化

更新:2021.11.18

さまざまなグルメ漫画が登場しているなか、グルメも、人間模様も、リアリティも、すべて凝縮された贅沢な漫画が存在します。イラスト・漫画・小説に特化したSNS「Pixiv」で連載されていた『広告会社、男子寮のおかずくん』は、その人気の高さからPixivコミックでの連載、そして書籍化、さらにはドラマ化と、多くのコンテンツで展開されている素晴らしい漫画なのです。 今回はそんな本作の見所をご紹介。これを機に、ぜひご一読を!

ブックカルテ リンク

『広告会社、男子寮のおかずくん』が面白い!ドラマ化に引き続き、映画化決定!【あらすじ】

 

本作は名前の通り、広告会社に勤めている社員たちのお話です。

広告代理店で営業職をしている西尾和(通称・おかずくん)は、3K(体力的にキツイ・精神的にキツイ・人間がキツイ)に悩まされ、日々さまざまな意見の板挟みにあいながらストレスを抱えて生きています。

そんな彼のストレスを軽減してくれるのは、毎週金曜日の夜ごはんの時間。同じ男子寮で暮らしている東良啓介・北一平・南郷正の3人と各自料理を持ち寄り、癒しのひと時と温かい食事を噛みしめるのです。

 

著者
オトクニ
出版日
2017-06-23

夕方の癒しにスポットライトを当てた本作はテレビドラマ化だけではなく、2019年には『広告会社、男子寮のおかずくん 劇場版』の題で映画化。キャストはドラマと変わらず、黒羽麻璃央、崎山つばさ、小林且弥、大山真志が起用され、銀幕で4人のハートフルなやり取りがさらに楽しめるようです。映画は2019年7月12日公開です!

映画が全国公開される前にドラマのDVDボックスが発売されるようなので、話の内容を見返すことも可能。漫画と合わせて要チェックです。

作品の魅力とは?

作品の魅力とは?
出典:『広告会社、男子寮のおかずくん』1巻

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』の魅力は、広告会社のシビアな現実と人間関係、夕方に4人で食卓を囲む癒しの時間の対比とバランスでしょう。

社会人にとっては頷けるようなシビアなリアリティがありながらも、そこに仲間同士の結束と料理という癒しが丁度よい配合でブレンドされ、見ていて後味のよい作品に仕上がっているのです。

 

出典:『広告会社、男子寮のおかずくん』1巻

なにより作中に出てくる料理がとにかく美味しそうで、飯テロ漫画といわれるのも頷くほかないでしょう。けして難しい料理ではなく、珍しい食材を使っているわけではありません。ありふれたレシピも紹介されていて、見慣れた料理も数多くあるはず。

だからこそ感情移入がしやすく、作品と読者の距離がぐっと近づくのです。

作り方も丁寧に描かれているので、作品を見て同じ料理を作ることもできます。「『広告会社、男子寮のおかずくん』を読んで、試しに作ってみた」という読者も多いため、レシピブックとしても役に立つこと間違いなし。

少なくとも第1話を読めば、あなたはきっと肉じゃがが食べたくて仕方なくなるでしょうし、もしかすると作り始めてしまうかもしれません。

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物1:西尾和

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物1:西尾和
出典:『広告会社、男子寮のおかずくん』1巻

 

主人公で、営業2課に所属している熱血思考の男性。大阪出身のため口調は関西訛りですが、会社内で頻繁に起こるマーケティングとクリエイティブの衝突にツッコミは入れられない、少し立場の弱い面もあります。

名前が西尾和(にしお かず)なのと、持ち寄る品がおかずというのも合わさって、他の3人からは「おかずくん」という愛称で呼ばれています。メインメニューを持ち寄るキャラクターが主人公というのもわかりやすくて、読者はすぐに覚えられるのではないでしょうか。

彼は主人公なので大体どのお話でも活躍しますが、「ホクホクにんにくトンテキ」を見れば、彼のエネルギッシュで野心的な面を見ることができるでしょう。

新人時代にビックプロジェクトへの参加権を求めて多少の無理をするおかずくんと、器用に仕事をこなす同期の東良との対比は見所です。どうして4人でご飯を食べるようになったかという疑問も解消できます。

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物2:東良啓介

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物2:東良啓介
出典:『広告会社、男子寮のおかずくん』1巻

 

マーケティングチームに所属している男性。いつも笑顔を絶やさず、器用に人間関係も仕事もこなしている、世渡りがうまいキャラクターです。

落ち着いている人間として描かれることが多く、おかずくんとは対照的なところも特徴的。しかし、おかずくんとは仲が悪いわけではなく、お互いに実力を認め合い、社会人としては理想的な関係を築いています。

持ち寄る品は汁物担当で、「たまねぎトロリ肉じゃが」では卵入りの味噌汁を提供しており、卵を割る前と割った後で2度美味しいという食べ方を紹介しました。

いつでも笑顔で人付き合いにそつのない彼ですが、仕事に対して不真面目な人間に対しては一切の容赦がなく、普段の朗らかさとは打って変わった冷たさを見せることもあります。

「4人でお花見おにぎり唐揚げ」では、おかずくんの話を聞かずに仕事を軽く見ていた新人の最上翼に、現実を突きつけ冷ややかな対応を見せました。普段の笑顔の彼からは想像のつかない場面なので、気になる方はぜひご一読ください。

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物3:北一平

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物3:北一平
出典:『広告会社、男子寮のおかずくん』1巻

 

4人のなかで1番の年長者。デザイン会社から転職し、クリエイティブチームに所属しているクリエイターの男性です。

人生経験の豊富さから表れる飄々とした性格と余裕のある言動は、他の3人にはない大人な魅力が秘められています。仕事に対して適当そうに見えて意外と厳しく、駄目なものは駄目だと甘やかすことなく切って捨てる面もあるところが魅力でしょう。 

持ち寄る品は米飯担当で、お米の炊き方では他の追随を許しません。新潟出身の母仕込みらしく、本人も自分の米の炊き方には自信がある様子。

活躍回とは少し違うかもしれませんが、「徹夜チームにもちもちおにぎり」の彼は必見です。

若手社員であるおかずくんと東良を含めたチームがプレゼンに向けて話し合うも途中で問題が発生し、徹夜してしまうことに。

そんな徹夜チームに差し入れを作る北の優しさと、徹夜チームに対して「懐かしいなぁって……羨ましいなぁって思ってさ」という台詞に彼の現状や心境が現れていて、じんわりとした読後感を覚えること間違いありません。

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物4:南郷正

『広告会社、男子寮のおかずくん』の登場人物4:南郷正
出典:『広告会社、男子寮のおかずくん』1巻

 

メンバーのなかで、もっとも安心感のある癒し系。経理部に所属している彼は、大柄な体格とは正反対な心優しい性格で、穏やかで他者を気遣う縁の下の力持ちのような男性です。柔らかな言動はメンバー内の良心ともいえる存在で、作中ではその穏やかさにあらゆるキャラクターを救っています。

持ち寄る品は小鉢(はしやすめ)担当で、「はしやすまらぬ、はしやすめ」と言われるくらいに美味しい品を持参。「たまねぎトロリ肉じゃが」内で以前からやってみたいと思っていたぬか漬けに手を出しており、凝り性なところもうかがえます。

「徹夜チームにもちもちおにぎり」では北とともにおにぎりを作り、徹夜チームに差し入れをしました。気遣い屋なところもそうですが、羨ましいという北に優しい視線を向けながら肯定する姿は、彼の心の広さと優しさが表現されているようで非常に魅力的です。

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』3巻の見所をネタバレ紹介!

 

食材の単価が上がり、毎週のごはん用のお金が思っていたよりも足りなくなってしまった事実にぶつかってしまう、おかずくん。

来週分は持ち寄るお金を増やそうかと悩んでいると、南郷が笑顔で一言。「できますよ!やりくり!」

 

著者
オトクニ
出版日
2018-11-22

 

前向きな南郷と悩むおかずくんの対比は、キャラクター性が出ている場面でしょう。お金がないなかでどう対処するか。誰だってぶつかる問題に、おかずくんたちはユニーク且つ合理的な発想で解決の糸口をつかみます。

「予算のやりくりは大変やけど、無理なことやない」そんなおかずくんの言葉に大きく共感すること間違いないでしょう。

金銭的に辛い時でも楽しめるワンコインディナーや、アイデア勝負の料理レシピ、さらにはおかずくんと東良の就活時代の思い出話を、美味しそうなごはんとともに味わうことができます。

巻末にはドラマのレポ漫画も掲載されていて、ドラマファンの方にも必見の内容です。

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』4巻の見所をネタバレ紹介!

ある日、おかずくんが偶然再開したのは大学の同級生の中村。久しぶりに飲みに行くことにしますが、何やら彼は浮かない顔。

出版社に就職した彼は、文芸志望だったのにファッション誌に異動になったそう。自分の好きじゃないものを売らなくてはいけない辛さ、ついついグチを言ってしまうけど、そこで働いてお金をもらってるのは確かだというジレンマに悩んでいたようなのです……。

著者
オトクニ
出版日
2019-04-23

そんな気持ちを打ち明けられたおかずくんは、その場では何と言っていいか分かりませんでした。しかし自分をかっこ悪いと言う中村に、まったくそんなことはないのにな、と歯がゆく思うのでした。

そんな時、おかずくんが作ることにしたのは、カット野菜を使ったお手軽焼きそば。まずはフライパンで麺をしっかり焦げ目がつくまで焼き、その間にウスターソース大さじ2、その他ソース大さじ3、水大さじ4、ケチャップ大さじ1、オイスターソース大さじ1で麺2玉分の合わせ調味料を作っておきます。

その後、目玉焼きをやいたら、それを更に取り出し、野菜を炒めます。その後フライパンで野菜をドーナツ状に端っこに寄せ、真ん中に合わせ調味料、麺を入れ、上に野菜を乗せて蒸し焼きに。

その後箸がするっと入れられるようになったら麺をほぐし、水分を完全に飛ばして目玉焼きや青のり、紅ショウガ、マヨネーズなどを盛り込み完成です。

よくこのお手軽焼きそばを一緒に中村と食べていたおかずくん。うまいことは言えないものの、「こんど焼きそば定食一緒に食べよう!」とメッセージを送りました。

  • twitter
  • facebook
  • line
  • hatena
もっと見る もっと見る