4歳児にプレゼントしたい絵本!自分でも読めるおすすめの47選

更新:2016.11.30

上手に話せるようになり、自分の気持ちも言葉で表現できるようになる4歳児。相手の気持ちを汲み取ろうとし、「今日、先生がね……」と、幼稚園や保育園で経験したことを一生懸命話してくれるようになる時期ですよね。そんな成長の芽が育つ時期のである4歳の子供におすすめの絵本をご紹介します。

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4歳の子どもが大好きなおもしろおかしい絵本!

キャベツくんとブタヤマさんの掛け合いが面白いお話です。

ブタヤマさんは、あまりにもお腹がすいてフラフラだったので、出会ったばかりのキャベツくんを食べようとします。すると、「ぼくをたべるとキャベツになるよ!」とキャベツくんは、自分を食べようとするブタヤマさんに訴えました。そして、キャベツを食べて鼻がキャベツになってしまったブタヤマさんの姿を空に浮かべてみせました。空に浮かんだ自分の姿を見たブタヤマさんは、たいそう驚くのでした。

著者
長 新太
出版日

ブタヤマさんが、自分の変身した姿を見て「ブキャ!」とびっくりするところで、子どもたちは大喜びします。声を上げて笑ったりと、とても楽しそうなのです。

ブタヤマさんは、続けてキャベツくんに聞きました。「じゃあ、ヘビがたべたら、どうなる?」「こうなる!」と、キャベツくんが空に、キャベツを食べたヘビの姿を浮かべます。

タヌキ、ゴリラ…とブタヤマさんは、質問を続けました。キャベツくんが体の一部がキャベツになった動物を空に浮かべる度にブタヤマさんが、「ブキャ!」

「ブキャ!」と声をあげる度に子どもたちが大声をあげて喜びます。面白い叫び声を自分でも言いたくなる絵本です。

4歳児にプレゼントしたい、父親の愛が表現された絵本

昔、ある晴れた日、アンキロサウルスという恐竜の赤ちゃんが生まれました。すると、そこに大きなティラノサウルスがやってきて「おまえうまそうだな」と食べようとします。恐竜の赤ちゃんは、ティラノサウルスをお父さんと思い込んでしまいました。だって、自分の名前を呼んだと思ったからです。「うまそうだな」って。

著者
宮西 達也
出版日

ティラノサウルスは、自分を父親と信じきって懐いてくる「ウマソウダナ」を食べる事ができません。逆に、「ウマソウダナ」をキランタイサウルスという肉食恐竜から守り、また、生きていくすべを教えていきます。

父親の愛情はこういうものなのだろうと感じながら読み進めることでしょう。題名の『おまえ うまそうだな』からは想像できなかった心あたたまるお話になっています。深い深い愛情を感じます。

「うまそうだな」という発言がカタカナで表記され「ウマソウダナ」という名前になるというところも、子供が自分で読むと印象の違いにお不思議に感じるかもしれない絵本です。

怖いどろぼうが残したものとは

黒いマントに黒い帽子の見るからに怖い泥棒が3人登場します。

絵本の色に、黒と青が多く使われていて、泥棒の怖さ、夜の闇の怖さが強調されているようです。この3人が、夜に山を下りて街に行けば、誰もがみんな怖がりました。3人はおどしの3つの道具、ラッパじゅう、こしょう、まっかなおおまさかりを使って、金銀宝石を奪うのです。

ある夜、いつものように馬車を止め、盗みを働こうとすると、その馬車には宝物はなく、小さい女の子が1人だけしか乗っていません。みなしごのティファニーちゃんです。3人は、ティファニーちゃんを大事にもって帰るのです。

著者
トミー=アンゲラー
出版日
1969-12-16

ティファニーちゃんと一緒に住むようになり、3人は変わっていきます。さて、どのように変わっていくのでしょう。

フランスの児童文学作家トミー・アンゲラー原作の絵本で、日本では、1989年から発売されているロングセラーです。ロングセラーには、訳があると納得できる1冊です。

黒と青の不思議で、少し怖い世界のお話。子供が自分で絵本の言葉を使って「すてきな」世界を探検するのも面白いですね。

ドキドキを言葉にして自分で読む

とてもわんぱくそうな可愛い坊やが主人公です。

『わゴムはどのくらいのびるかしら?』の題名からわかるように、坊やが、わゴムがどのくらい伸びるか、試してみるところから話が始まります。

まず、ベットにわゴムを掛けて外にでてみます。それから、自転車に乗って走って、バスに乗って、汽車に乗って……。わゴムを引っ張りながらどんどん進んでいきます。坊やはいったいどこまでいってしまうのでしょう。

著者
マイク サーラー
出版日

わゴムが切れてしまいそうな怖さは、風船をどんどん膨らませていって、いつわれるかと怖くなってしまう感覚に似ている気がします。

子どもたちは、わゴムがどこまでものびていくのを、びっくりしながら、また、わゴムがそんなに伸びるものなのかと少しばかり疑いながら見ているようです。

文字が少なくとても読みやすいので、絵本の世界に入りやすく、ハラハラドキドキが楽しめるお話です。そんな面白さがある本を自分のスピードで読み進める。自分で読むとどんな風に感じるでしょうか?

4歳の子どもにプレゼントしたい、愛の問答の絵本

ちいさな茶色いのうさぎは、おおきな茶色いのうさぎの長い耳につかまってベッドに向かいます。もう、お休みの時間なのです。

小さなうさぎは、大きなうさぎにたずねます。「どんなに、きみがすきだかあててごらん」。小さなうさぎは、腕をおもいっきり伸ばして「こんなにさ」と大きなうさぎにみせました。

著者
サム マクブラットニィ
出版日

すると、大きなうさぎも「どんなに、きみがすきだかあててごらん」と小さなうさぎにたずねます。小さなうさぎと大きなうさぎは、自分が相手をどれくらい好きか比べ合います。

「どんなに、きみがすきだかあててごらん」なんて素敵な言葉なのでしょう!大人になると、なかなか言う機会が少なくなってしまう言葉かもしれませんが、子どもはよく、「どれくらい好き?」「世界で1番目に好き?」などと聞いてきませんか?

素敵な言葉は秘めておかずに「こんなに好きだよ!」と、どんどん伝えたいものですね。まさに自分で読んでほしい1冊です。

新しい家族を迎えるために

待望の第2子。でも、上の子に大きくなっていくお腹のことを分かってもらうのがたいへん……そんなときには、『おへそのあな』を読んでみてください。きっと分かりやすく伝わるはずです。

行政によっては、新しくパパやママになるご夫婦むけの講座で、この本の読み聞かせをするところもあるそうで、胎教の大切さがよく分かると毎回講評だといいます。

著者
長谷川 義史
出版日

この絵本は、お腹のなかにいる赤ちゃんが、お父さんやお母さん、お兄ちゃんおねえちゃんが暮らしている様子をおへその穴から眺めているという内容になっています。

お母さんの胎内にいるときでも、赤ちゃんに周囲の音が聞こえているというのは、妊娠初期の段階で産婦人科から伝えられますし、知っている方も多いことでしょう。ですが、これからお兄ちゃんやお姉ちゃんになる上の子にとっては、まだ生まれていない赤ちゃんに声が聞こえているというのは分かりにくいかもしれません。

また、分かっていても、「ママをとられてしまう」という不安や焦りがあって、お腹のなかの赤ちゃんに優しく話しかける……というのはなかなか難しいお子さんもいるかもしれません。

そんなときに、この『おへそのあな』を読み聞かせてみると、ママのお腹のなかに赤ちゃんがいて、話をちゃんと聞いているんだよ……ということがお子さんにもわかりやすく伝わるでしょう。

「あなたがお腹のなかにいたときも、こんなふうだったんだよ」「みんなあなたに会えるのを楽しみにしていたよ」と語りかけるのもおすすめです。お母さんの大きくなっていくお腹を見て、赤ちゃんが生まれてくるのは楽しみだけど、寂しさや不安も同じくらい感じているはずの、お兄ちゃんお姉ちゃん。お母さんからそんなふうに声をかけてもらうと、気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

4歳の子どもがケンカしてきたあとに読ませたい絵本

子どもが保育園や幼稚園に通い始めると、仲のいい友達ができますよね。でも、どんなに仲良しの友達でも、四六時中仲がいいわけではなくて、時にはケンカをすることもあるでしょう。

そんなときに読んであげたいのが『しろちゃんとはりちゃん』。しょんぼりしている子どもに、さっと本棚からこの本を出してくるお母さん、素敵です。

著者
たしろ ちさと
出版日
2013-10-04

『しろちゃんとはりちゃん』は、たしろちさと作・絵の絵本です。

うさぎのしろちゃんとハリネズミのはりちゃんは、いつもとっても仲良しで、森の中のお家で一緒に暮らしていましたが、ある日、カレーの具のことがきっかけで大喧嘩。はりちゃんは雪の中を外に出て行ってしまいます……。

ほんとに些細なことがきっかけでケンカに発展しちゃうんだけど、それでも相手のことを気にしているしろちゃんとはりちゃんの姿がかわいいですね。

お友達とのケンカも、4歳児の学びの一つ。

ケンカの絵本といえば、『きみなんかだいきらいさ』もおすすめです。

『かいじゅうたちのいるところ』で有名なモーリス・センダックが絵を描いている絵本。文章はジャニス・メイ・ユードリイ。こちらは『木はいいなあ』という絵本が代表作です。 

きみなんかだいきらいさ (センダックの絵本)

1975年05月24日
ジャニス・メイ・ユードリー
冨山房

いっしょに水疱瘡にかかるくらい仲良しだったジェームズとジョン。けれども今はケンカ中。ジョンはジェームズに絶交を申し込みに行きますが……。

この『きみなんかだいきらいさ』、小学校で子どもたちに読み聞かせをすると、いつも大好評でした。あんなに嫌い嫌いと言っていたのに、最後いっしょにくるくるクッキーを食べることになる二人の姿を見て、子どもたちもにこにこしていました。「ぼくにも仲良しだけどよくケンカする友達がいるんだ……」と言って、そっと借りていく子もいました。

こちらもあわせて読んでみてください。

くすぐり遊びのような楽しさがある絵本

『あしにょきにょき』はナンセンス絵本です。

怪しいセールスマンからそら豆を買ったポコおじさん。それを食べたら、なぜだか急に足が伸びだしてしまいます。足の伸びる勢いは止まらず、林をぬけ、森をぬけ、町までのびて……それでも止まらない!どうなっちゃうの?

著者
深見 春夫
出版日
1980-10-20

以前勤めていた学校でも、ボランティアの読み聞かせグループの方が、読み聞かせ会でこの本を読み聞かせしてくださったことがあります。子どもたちはげらげらお腹をかかえて笑っていました。

この本には、子どもたちの心をくすぐるような楽しさがあると思います(くすぐるは本書のキーワードでもありますが)。初版が1980年と、ロングセラーになっているのも納得のユーモア絵本ですね。

たくさんのパンが出てきて楽しい

かこさとし作・絵の絵本『からすのパンやさん』。こちらも、1973年発売以来のロングセラーですね。

小学校の図書館で、保護者の方とお話しているときにも「あっ、これ、私が子どものとき読んでもらった記憶があります」とか「この絵懐かしい」とおっしゃるお母さんがたくさんいらっしゃいました。

からすのパンやさんは、夫婦二人で店を切り盛りしていましたが、四つ子のカラスの子どもたちが生まれてからは、なかなか思うように仕事に専念できなくなり、こげたパンや生焼けのパンをつくってしまうようになり……。

著者
加古 里子
出版日

見開きページに、たのしい、おいしいたくさんのパンがずらっと並んでいるところは、いつの時代も子どもたちの大好きなシーンですね。先述した保護者の方のなかにも「このページ大好きだったのをよく覚えています」とおっしゃっていた方がいました。描かれているパンの数はなんと80種類だそうですよ。

パンのカタログみたいですね。眺めていると、本当にこんな楽しいパンが作りたくなってしまうかも。

自信を持って4歳の子どもにおすすめできる良質な絵本

『おかあさんだいすき』、マージョリー・フラッグ作・絵の絵本。元学校司書として、自信を持っておすすめできる一冊です。

主人公の男の子、だにーは、お母さんの誕生日のプレゼントを探しています。

「おかあさんのたんじょう日のおいわいに、なにをあげたらいいかしら」

なかなか良いアイデアが思いつ来ません。だにーはおかあさんにあげるものを見つけにでかけます。そこで、めんどりやがちょうや、やぎなど、いろいろな動物に出会うのですが……。

著者
マージョリー・フラック
出版日

小学校でこの作品を読み聞かせしたことがありますが、聞いているときの子どもたちの目の輝きが、他の本とは違うんですよね。

だにーがどんどんかけていって、次々に新しい動物と出会うのですが、読んでいると、子どもたちが次に出てくる動物を予想して「犬!」「ねこ!」「さる!」などと、声に出してくれるんです。子どもたちの口から、自然と声が出てくるので、作品のなかにずいぶん惹きこまれているんだな……という印象でした。

最後のほうで、だにーがくまに会いに行くとなったとき、動物たちはみんな「わたしもごめん」となってしまって、一緒についてきてくれない。そのときも、子どもたちは「えー、誰もついていかないの!」と大ブーイング。

お話を聞きながら、もう、すっかりだにーの気持ちになりきってしまっているんですね。

他の本では、なかなかこうはいかないと思います。

その一体感がいいなあと心から感動しました。やっぱり質の高い本はちがうな……という感じです。幼いころから、本物の文学の素晴らしさに触れさせたいとお考えのお母さんには、マストの一冊。

また、母親になった立場で読んでみると、こんなにもお母さんのプレゼント選びに一生懸命になってくれているだにーの健気さにほろりとしてしまうことも。

大人もきゅんきゅんする恋の絵本

ガース・ウィリアムズ作・絵『しろいうさぎとくろいうさぎ』。こちらは2匹のうさぎによる、可愛い恋の物語です。

森の中に住んでいる二匹のちいさなうさぎ。ふわふわのしろいうさぎとくろいうさぎです。毎日、一緒にヒナギク跳びやクローバーくぐりをして遊んでいます。

ところが、ある日突然、くろいうさぎがふさぎこんでしまいます。くろいうさぎの悩み事とは……。

著者
ガース・ウイリアムズ
出版日
1965-06-01

子どものころ、母親から読み聞かせをしてもらった本です。当時はあまりぴんときていませんでしたが、今読み返してみると、甘酸っぱい初恋の物語できゅんきゅんしますね!

この絵本が大好きと言って、結婚式のウェルカムボードに、しろいうさぎとくろいうさぎの絵を描くカップルもあるそうです。それも納得の可愛らしさですね。

4歳児が思わずワクワク!遊び心たっぷりの不思議な家を探検しよう

「ぼくは100かいだてのいえのてっぺんにすんでいます。あそびにきてください」(作中より引用)

次にご紹介する絵本『100かいだてのいえ』は、主人公のトチくんが、こんな手紙をもらうところから始まります。こんな手紙がきたら、わくわくしないわけがない!

階段をのぼるトチくんと一緒に、読んでいるこちらもわくわくする一冊です。

著者
岩井 俊雄
出版日

さて、トチくんは早速100かいだてのいえを訪ねてみるのですが、おもしろいのはこのお家、10階ごとに住んでいる生き物の種類が変わるんです。

キツツキ、ミツバチ、コウモリなどなど……住んでいる生き物にあわせて、家のなかの様子も変わっているのがこの本の一番の魅力。

トチくんはキツツキに彫刻のモデルを頼まれたり、コウモリにトイレを借りてたいへんな目にあったり……。

最上階から地上につながるエレベーターも素敵で、実際にこんな経験してみたいな……と憧れてしまいます。眺めているだけでも楽しめる絵本ですよ。

4歳児に大人気!ゆるくて可愛いキャラが楽しくお買い物

大人気キャラクター、犬のバムとカエルのケロちゃんが大活躍する絵本、『バムとケロのおかいもの』。

いつもはお寝坊なケロちゃんが、珍しく早く起きました。それもそのはず、今日は楽しみにしている、1か月に一度のお買い物の日なのです。

いちばにはいろいろなお店があります。ケロちゃんのあたらしいチョッキの生地を買ったり、だいすきなこっとうやさんにいったり楽しいお買い物がいっぱい。

著者
島田 ゆか
出版日

この『バムとケロのおかいもの』も小学校の図書館では人気がありました。島田ゆかがお話と絵をかいています。

この本が好きでよく借りていってくれる子に聞いてみると絵本であるにもかかわらず、漫画のようなコマ割りがあるところが読みやすくて面白いということでした。

登場するキャラクターも可愛くて人気が高いですね。

優しくておおらか、包容力のある犬、バム。マイペースで、自分のやりたいことをやるタイプのカエル、ケロ。絵本から飛び出して、グッズなどもつくられているほどの人気ぶりです。

この絶妙な赤紫がたまらない

秋になると、幼稚園や保育園で「芋ほり遠足」があるというところも多いのでは。「芋ほり遠足」の前後に読んでみてほしいのが、こちら『おおきなおおきなおいも』。

『スーホの白い馬』などの絵を手掛けた画家・赤羽末吉と、東京都内で長く幼稚園教育に携わってきた実践者・市村久子の共著になっています。1972年が初版。長いあいだ読み継がれてきている一冊です。

著者
赤羽 末吉
出版日
1972-10-01

この本は「鶴巻幼稚園・市村久子の教育実践による」という副題がついています。そのサブタイトルのとおり、鶴巻幼稚園で幼稚園教育を行っていた市村久子が、実際に幼稚園での経験をもとに絵本にしているそうです。

あおぞらようちえんの子どもたちは、いもほりえんそくを楽しみにしています。ところが、なんと当日は雨。遠足が延期になったと知ると、子どもたちはがっかりします。

でも、「(おいもは)いっぱい おおきくなって まっててくれるよ」という先生の言葉に、みんなすぐに気持ちを切り替えて、土の中でどんなにおいもが大きくなっているか想像しはじめます。そこから広がりはじめる想像の世界!

この本、色は基本的に、白、黒、赤紫の三色だけというシンプルな色合い。ですが、この赤紫がいいんです。子どものころ、芋の絵を書くときこんな色で塗ったよね、という、いかにもなサツマイモカラー。懐かしい気分になります。

時にはおおかみの気持ちになって

子どもが言うことを聞かないとき、どんなふうに対応していますか?「そんなことばかりしているとおおかみがくるよ」なんて、脅かしてしまったことはないでしょうか。

我が家でも、子どもたちは布団に入っているのに自分だけ台所で明日の準備をしていると、次男(2歳)から「ママ、はやくねないとおおかみさんがくるよ」と声がかかります。

悪い子のところにおおかみがくるというのは、それくらい決まり文句になってしまっていますね。

『おおかみのでんわ』は、そんなおおかみの気持ちになってつくられた本です。

著者
せな けいこ
出版日

人間の男の子「ぼく」の家では、悪いことをしたとき、すぐにおかあさんがおおかみの家に電話をかけて「わるいこがいます。すぐにつれていってください」と言います。お友だちに聞いてみると、みんなのお家でも同じらしいのです。

ある日、おかあさんが留守のときに電話がなって、受話器がはずれて、おおかみが顔を出す……おおかみと出会ってしまった男の子、さあどうするのかな?

この『おおかみのでんわ』は、なぜ悪いことをすると「おおかみがくるよ」と言われるようになったのか、作者が不思議に思ったところが、この絵本の着想のきっかけになったそうです。

おおかみの家では悪いことをしたとき「にんげんがくるよ」と言われていて、おおかみも人間もお互いにお互いをこわい存在だと思い合っているという設定が面白いですね。

圧倒的な色彩に揺り動かされる作品

2011年に絵本作家としてデビューしたきくちちきのデビュー作です。アートとしても高い評価を得ている作品です。

みんなからしろねこばかり綺麗とほめられている様子を見て、くろねこは自分の容姿に自信をなくしてしまいます。そのためくろねこはしろねこと距離を置くようになってしまうのです。

著者
きくち ちき
出版日

しろねことくろねこを描く線は思い切った力強さを感じられます。モノトーンを基調としたページとビビットカラーを基調としたページの圧倒的な色彩力にまぶしさを感じる読者も多いでしょう。しかしその色の運び方から登場人物たちの心理を細かく表現しています。

くろねことしろねこの繊細な心の動きが色彩力を生かしたイラストに反映され、息をのむ読者が多い作品といえます。海外でも高く評価され、ブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞しました。名実ともに名作といえる一冊です。

これで風邪をひいても、つまらない時間はやってこない!

風邪を引いて退屈している女の子のお話です。誰もが持つ経験に、子どもの想像力が働いた作品といえるでしょう。

この作品は作者である越智典子の幼いころの実体験をもとに作られた作品です。風邪をひいて、おとなしく寝ていることができなかった子ども時代に母親にしてもらったことが印象に残ったという出来事から作られた作品です。

著者
["おち のりこ", "いく, でくね"]
出版日

主人公のひさこちゃんは風邪をひいてしまったために、大人しく寝ていなければならなくなりました。しかし横になっていたお布団には、風邪をひいた子どもにしか見えない秘密があったのです。

横になって寝ていたお布団に続々と小人たちが現れます。そしてひさこちゃんが風邪をひいていることを知り、小人のお医者さんを中心に看病をしてくれるのです。絵本としては珍しいコマ割りで展開していくストーリーにワクワクが止まりません。

子どもの想像力というのはいつどこでどんな場面で養われるか分かりません。その発想力を押さえつけず育んであげていくきっかけとして、良い作品といえるでしょう。読み聞かせでなくとも、お子様一人で読める作品です。

無垢なもの同士がつながることの愛おしさを教えてくれる絵本

デパートで売られていたクマのぬいぐるみの小さな冒険を描いた作品です。クマのぬいぐるみの無垢な様子にホッとできる作品です。

デパートのおもちゃ売り場で並べられていたクマのぬいぐるみ・コールテンくんはある時自分の服のボタンがとれていることに気づきます。コールテンくんはボタンを探しに、深夜のおもちゃ売り場を飛び出していきます。見たことのない世界に胸を躍らせるコールテンくんは夜のデパートで遊びまわるのです。

著者
ドン=フリーマン
出版日

おもちゃ売り場やお店にいるすべてのぬいぐるみの気持ちを代弁してくれている作品といえるでしょう。“早く誰かのもとに行きたい”“早く誰かと友達になりたい”という強い気持ちから物語は始まっていきます。友達というのは誰もが心の底から求める存在なのだと知らせてくれます。

物語の冒頭と最後に登場する女の子の言動にも注目です。コールテンくんを見るなり“この子が欲しい!”と母親にねだります。また、コールテンくんの取れてしまったボタンも付け直してくれるのです。物としても、友人としても彼女はコールテンくんを大切にしてくれます。

4歳という年齢は社会性が大きく発達し興味の範囲や友人も多くなってきます。友達を大切にするということ、物を大切に扱うことの大切さを伝えるにもちょうどよい作品でしょう。

パンツ大好きなキャラクターたちが面白い!

子どもが楽しめる要素がふんだんに盛り込まれているので、読んであげると目いっぱい楽しんでくれるでしょう!

パンツ好きな宇宙人が宇宙船の故障である星に不時着してしまいます。そこには同じくパンツ好きの恐竜がたくさんいました!最初はお互いのパンツを横取りされないようにケンカする両者でしたが、同じものが好きということで仲良しになっていきます。

著者
["クレア・フリードマン", "ベン・コート", "中川 ひろたか"]
出版日

表紙に描かれている恐竜と宇宙人の仲の良い様子に惹かれて、興味を持つ子どもも多い作品です。鮮やかな色使いをしたイラストは文字を読めない小さなお子様でも楽しめるでしょう。登場人物たちのイキイキとした様子も読んでいて元気をもらえます。

パンツという身近な衣類に注目しているので、子どもにとっては分かりやすく楽しめる作品となっています。読み聞かせている間はワクワクが止まらない様子の子どもを見ることができるでしょう。

子どもの心の成長の瞬間を見れる作品

ある姉弟ときつねのおはなしです。幼い姉弟の表情1つ1つがリアルに描かれ、愛おしさが募ります。

姉のりえと弟のけんちゃんは遊んでいた公園になわとびを忘れてきてしまいました。取りに行くと置いてあった場所にはありません。探し回るうちに楽しそうな声が聞こえてきました。それはなわとびで遊んでいるきつねたちの声だったのです。

著者
あまん きみこ
出版日

まずは姉弟の仲の良さに胸を打たれる読者も多いのではないでしょうか。子どもも“兄弟姉妹は仲の良いもの”と、この作品を通して感じるかもしれません。しっかり者の姉とまだまだ幼い弟は可愛らしさが強調されて描かれているようにも感じます。

きつねたちがなわとびで遊んでいる場面から描かれる姉弟のコロコロと表情や心理描写が変化する様子はモデルがいるのではないかと思うほどリアリティのあるものです。繊細なイラストから描かれる姉弟ときつねは表情の変化が細かく描かれているため、子どもにとっては感情移入しやすい作品ではないでしょうか。

たくさんきつねたちと遊んだあとのりえはなわとびをきつねたちに譲ります。それを見たけんちゃんが「おねえちゃんはきつねのかみさまだ」というセリフにははっとさせられるものがあります。子どもなりの優しさと、そこから得た発想力に脱帽する作品です。

かくれているのだあれ?

『もりのかくれんぼう』は、けいこが不思議な森に迷い込むお話です。

3歳頃までは難しかった目に見えていないものを探す、ということが4歳前後になると出来るようになってきます。かくれんぼでも、以前は隠れるほうが楽しかったけど、今はオニとして探すほうが楽しい!そんな4歳児にピッタリの一冊。

公園の帰り道、お兄ちゃんとはぐれたけいこ。生け垣の下にお兄ちゃんの足を見つけ、自分も通り抜けたのですが…目の前には見たことのない大きな森。枯れ葉の音だけが森に響き心細くなったその時、どこからか歌声が聞こえてきます。

著者
末吉 暁子
出版日

振り返っても誰もいません。みえなきゃさかだちしてごらん、という声だけが聞こえてきます。逆立ちできない、と言うと、足の間から逆さに覗いて見て、との返事。けいこが言われたとおりにすると、木立の間に男の子が!挿絵はだまし絵になっていて、本を逆さにすると、葉の間に男の子がいるのがわかる、という仕組み!楽しい!

この男の子はかくれんぼう。かくれんぼするものよっておいで、と叫ぶと森中の動物たちが大集合。最初はけいこがオニです。数え終えて振り向くと……動物達はやはり木立の中にだまし絵となって隠れています!大きなクマやわかりやすい形のキツネは探しやすいのですが、木のウロと同化しているフクロウや、木々の隙間と手前の枝で囲んだ形として隠し絵になっているシカは大人でも探すのに少し時間がかかるほどの難問!

つぎはクマさんがオニ。けいこはかくれんぼうに手を引かれて茂みに隠れます……しばらくするとお兄ちゃんの声が……。

探すことの楽しさを十分味わえ、見つけた喜びと充実感も親子で感じられるオススメ絵本、是非手にとってみてくださいね。

ずいぶんすてきだね

『だるまちゃんとてんぐちゃん』は、何でもてんぐちゃんのまねをしたがる、だるまちゃんのお話です。

4歳になると、外の世界への興味や理解が増えてきます。お友達の持ち物が気になったり、憧れのキャラクターやお友達の真似をしてみたい、というのは自然な成長過程。そんな時期にピッタリなのがこの絵本。

だるまちゃんはいつもてんぐちゃんの持ち物が気になります。

著者
加古 里子
出版日
1967-11-20

最初はうちわ。おおきいだるまどんにいろんなうちわを出してもらうけど、気に入ったものがありません。その時、やつでの葉っぱに気づき、てんぐちゃんに見せると、ずいぶんいいもの見つけたね、と言ってもらえます。

次に、ぼうしが気になります。家中の帽子という帽子を出してもらいますが、気に入りません。その時台所で目にしたのはおわん。逆さにして被ります。てんぐちゃんは、いいぼうしがあったね、と喜んでくれます。

それでも、だるまちゃんは満足できません。今度は下駄です……という具合に何でもてんぐちゃんと同じものにしたいだるまちゃん。挙句の果てには、てんぐちゃんの長い鼻まで欲しくなり……さてさてどうしたでしょう?

真似したいだるまちゃんが一生懸命てんぐちゃんに近づこうとがんばる姿と、真似されても怒ること無くクールに受け入れて褒め続けているてんぐちゃんの友情、おおきなだるまどんのサポートぶりにほのぼのとさせられます。ぜひ親子で読んでみてくださいね。

鬼より強い女の子

『まゆとおに―やまんばのむすめ まゆのおはなし』は、やまんばの娘まゆが鬼とどうやって友達になったかを描いているお話。

4歳児は想像力の固まり。主人公に感情移入したり、一緒に冒険している気分になったり。日常では経験できない学びが絵本の中には溢れています。楽しくて面白い!まゆもそんな主人公の一人です。

やまんばの娘のまゆは、雑木林の奥で不思議な大男と遭遇。頭についてる変なものはコブ?と聞くと、角にきまっとるわい、と大男。鹿じゃないのに角があるなんて……。お腹が空いていた鬼はまゆをお鍋で煮て食べようと考え、「うちにあそびにこないかね?」と優しい声で誘います。

著者
富安 陽子
出版日
2004-03-10

まゆは「うん、いく!」とついて行きます。今日は寒いからお風呂を沸かそう、と言う鬼の手伝いをするまゆ。木を根こそぎ引っこ抜きます!焚き火を囲む石が必要という鬼のために岩を鋭いキックで粉々にします!大きなお鍋のお湯がぐつぐつ湧くと、鬼はお腹がぐうぐう。

お鍋の湯がグラグラと沸き返ると、お嬢ちゃんお風呂へどうぞ、と鬼。

その時まゆは、親切な人にはいつも礼儀正しくしなさい、というお母さんの言葉を思い出します。そこで、鬼に礼儀正しく答えます。「おさきに どうぞ」!

さて、その後鬼とまゆはどうなったでしょう?鬼を恐れない純真なまゆとそのまゆに翻弄される鬼の心の様が楽しいお話。親子でドキドキしながら、ほっこりしながら、そして大笑いしながら、二人はどうやって仲良しになったのか、ぜひ読んでみてくださいね!

しりとり

『ままです すきです すてきです』は、最初から最後までしりとりでお話が進む絵本。

4歳になると急に語彙も増えてきて、言葉遊び、特にしりとりが楽しくなる頃。そんなしりとりのを一枚の絵で表現してみたら、いったいどんな世界になるのだろう、という疑問を具体化したようなワクワクドッキリするお話です。

鬼の親子がお買い物から帰ってくる表紙絵にまず目を引かれます。最初のページでは鬼の子どもが玄関のインターホンを押し、次のページではその建物の中にたくさんの動物が。

著者
["谷川 俊太郎", "タイガー立石"]
出版日

たぬき、きつね、ねこ、こあら、らくだ、だちょう、としりとりの動物以外にたくさんの動物があふれているリビング。

続いて、ちょうちょ、ちょんまげ、げた、たけうま、まり、りんご。水上で「ちょう」の切り紙芸を水上で行う「ちょんまげ」侍、「たけうま」で「まり」けりをしている子鬼たち、と不思議な世界。

そして、しりとりと共にどんどんとシュールな世界へと誘われます。

「しか」と「かかし」が見つめる「しばい」舞台の上で「いしゃ」が脈を取っている後ろから「しゃくはち」を演奏する老人。

そうしてこの後は「ちくおんんき」「きく」「くま」と文章しりとりへと発展。「ままです」「すきです」「すてきです」と4歳児の心をそして母の心をも揺さぶる題名と同じフレーズへと変化してゆきます!

カラフルでポップな色使いと鬼の世界というシュールな設定が、言葉遊びを超えて、その言葉の宝探しをしているようなワクワク感を高めてくれる絵本。

最後は擬音語オンパレード。真っ黒な部屋の中「みしみし」傾く柱「しくしく」涙を流す目玉「くすくす」笑う口……とドッキリ。

そして最後のページで子鬼がまたインターホンを押しています。でも、最初と番地が違います。いったいここはどこかしら?そんなドッキリも!意味のない繋がりに思えるしりとりの言葉同士が、意味のある関係のある絵になるという発想がなんともユニークな一冊、是非親子でたくさんの発見をしてみてくださいね。

いったいだれのおうち?

『とんとん とめてくださいな』は、森で迷った動物たちが次々と誰のお家かわからない小屋に泊まりにくるお話。

4歳になると、保育園、幼稚園、習い事などでお泊りをする機会が増えるのではないでしょうか?そんな時期に親子でどきどき楽しめる一冊。

3びきのねずみがハイキングで道に迷います。

著者
["こいで たん", "こいで やすこ"]
出版日

とめてくださいな、とドアをノックしても誰もいません。そっと入ってみると……居心地の良い部屋に大きなベッド。疲れているので寝かせてもらうことに。と、誰かが入ってきます。霧が深くなり迷ったうさぎ2匹。どうぞ、どうぞ、と皆でベッドへ。すると、そこへ足音が。とめてくださいな、と3匹のたぬき。

こうして次々迷った動物達がやってきて、ベッドはいっぱいに。その時、大きな足音と真っ黒い影の何ものかがベッドのほうへ……。

動物達はどうなってしまうのでしょうか?森で迷った時にお互い様、と助け合う動物達のあたたかい気持ちがいっぱい溢れているお話。相手を本当に思いやるとはどういうことか、優しい気持ちになれる絵本です!

ミラクル変身物語――きれいになりたい!女の子だもの

遊ぶのが大好きで、髪はとかさず、歯も磨かず、お風呂にも入らない女の子、マリカ。いつだってもしゃもしゃ髪なので、お友だちはみんな彼女のことを「もしゃもしゃちゃん」と呼んでいました。

仮装パーティをすることになったある日、もしゃもしゃちゃんは妖精になりたい気持ちを表明します。するとみんな大笑い。

「きみが妖精? 髪の毛がもしゃもしゃのくせに!」(『もしゃもしゃちゃん』より引用)

悲しくなったもしゃもしゃちゃんは家出して森へ入ります。そこにはもしゃもしゃちゃんの髪の毛みたいなハリネズミたちがいて――。

森で出会う友達に助けられながら、もしゃもしゃちゃんがミラクルな変身をとげていく物語です。

著者
["マレーク・ベロニカ", "マレーク・ベロニカ", "Veronika Mar´ek", "みや こうせい"]
出版日

北欧の雑貨やテキスタイルが好きな方なら、きっと絵本を開いたとたん虜(とりこ)になってしまうような、素敵なデザインと色合いの絵本です。美意識に目覚めはじめた4歳の女の子も、一心に見入ってしまうことでしょう。

ストーリーも魅力いっぱいです。変身願望というのはいったい何歳から芽生えるのか?芽生えるのではなく女性が生まれ持つ本能なのか?思わず考えさせられるほど、小さな女の子から大人の女性までもを夢中にさせる展開です。

なにより素晴らしいのは、魔法使いの杖のひとふりで一瞬にして美しくなる、といったお話ではないところです。仲良くなったハリネズミのアドバイスや、助けた小鳥やテントウムシの助けをかりながら、もしゃもしゃちゃんは、もしゃもしゃではなくなっていくのです。

はたしてもしゃもしゃちゃんは妖精に変身できるのでしょうか?いっしょに応援したくなる、子ども自身もいっしょにキレイを目指したくなる、素敵な絵本です。

おしゃまな「わたし」のアイデンティティ

「わたし」は、山口みちこ・5歳。男の子からみると「女の子」、お兄ちゃんからみると「妹」、お母さんやお父さんからみると「娘のみちこ」、けんいちおじさんからみると「姪のみっちゃん」、さっちゃんからみると「お友達」、きりんからみると「ちび」、宇宙人からみると……?

「〇〇からみると□□」という繰り返しのリズムが楽しく、ページをめくるたびに子どもはわくわくが高まっていくことでしょう。ビビットで親しみやすい長新太の絵と、シンプルで優しい谷川俊太郎の言葉が絶妙にマッチした絵本です。

著者
["谷川 俊太郎", "長 新太"]
出版日

子どもも大人も、見ているだけで知らず知らず笑顔になってくる可愛らしい絵本です。ところが、一見単調な繰り返しを重ねるうちに「わたし=山口みちこ」が多面的に見えてきて、なかなか深い内容とも思えてきます。

男の子にくらべると女の子は言葉の発達が早く、意識の面でも大人びてくるので、4歳という微妙な年頃には、絵本選びで悩まれる方も多いのではないでしょうか。この絵本は、単純すぎても複雑すぎてもお気に召さない「おしゃま」な女の子に、ぜひおすすめしたい一冊です。

4歳というと、言葉がぐんと増えて会話力が増し、家族だけではなくお友だちを気づかう気持ちも芽生えてくるなど、社会性が伸びてくる時期です。絵本を通じて「他者からみた自分」や「社会のなかの自分」を次々に発見していくことは、大きな楽しみとなるでしょう。

主人公「山口みちこ・5歳」の部分を、読んであげる子どもの名前と年齢に置き換えてあげると、よりいっそう楽しんでくれることと思います。ぜひお試しください!

大きくて繊細 × 小さくて豪快=美味しい関係

森で一番大きなクマさんは小さなものが大好き。森で一番小さなヤマネくんは大きなものが大好き。だから2人は出会うとすぐに仲良しになりました。

すべてが正反対にみえる2人ですが、甘いものに目がないところは同じです。ある日2人は森のケーキ屋さんにでかけました。クマさんははちみつたっぷりの可愛らしいモンブランを、ヤマネくんは果物たっぷりの巨大な3段重ねデコレーションケーキを注文します。その美味しそうなこと!

ケーキを堪能した2人に、店主のブルドッグさんが苗をプレゼントしてくれると言うので、もちろんクマさんは小さな苗を、ヤマネくんは大きな苗を選びます。2人がいっしょうけんめい育てると……?!

著者
ふくざわ ゆみこ
出版日
2002-10-15

この表紙、クマさんのふわふわの毛並みや、やわらかな森の植物、甘酸っぱいぶどうの香りまでしてくるようではありませんか?開いてみると、その色彩豊かな森の風景や美味しそうなスイーツに、4歳の女の子はもちろんお姉ちゃんもお母さんもおばあちゃんも、みんな胸がきゅんとし、わくわくすることでしょう。

絵の雰囲気そのままに、ストーリーもほんわかと素敵です。体の大きなクマさんは、じつは繊細な心の持ち主ゆえにヤマネくんのような小さいものをいとおしく思い、一方体の小さなヤマネくんは、じつは豪快な性格ゆえにクマさんのような大きなものを好むということが、読み進むにつれてわかってきます。でこぼこの構図が愉快なお話ですが、2人がお互いの違いを魅力と感じ、尊重しあっていることに、随所でほんわかと、あるいはじーんとさせられることと思います。

言動に女の子らしさが出てきて、お料理したり植物を育てたりといったことに興味が高まり、お友だちを気づかう気持ちも芽生えてくる4歳頃に、ぴったりの物語です。ぎゅっと抱きしめて頬ずりしたくなるような絵本なので、プレゼントとしても素敵です。

母を思い慕う気持ち。娘なりに案じる気持ち。

風邪をひいた主人公「わたし」のために、お母さんが薬を買いに出かけました。ふと気づくとあたりは暗くなり、外はたいへんな吹雪になっています。彼女はお母さんのことが心配になります。

雪に気づかずしゃべりこんだまま雪だるまになってはいまいか……?

サンダルで滑って南極まで飛んで行ってはいまいか……?

降り積もる雪のように不安が募って、ついに彼女は熱で赤くなった顔を涙でくしゃくしゃにしながら、お母さんを探しに行く決意を固めます。すると仲良しのぬいぐるみたちが言うのです。

「窓を開けて、ぼくたちを思いっきり外に投げて!」

「お母さんが北極行っちゃってもいいの?」(『おかあさんおかあさんおかあさん…』より引用)

はたしてお母さんは無事帰宅することができるのでしょうか?

著者
大島 妙子
出版日

母を思い慕う気持ちが『おかあさん おかあさん おかあさん…』の15文字に凝縮されています。ところが読み始めるとまもなく、彼女がお母さんに頼り甘えたい気持ちばかりでもないことに気づくことでしょう。

そうです、彼女はお母さんを”心配”しているのです。ハンバーグを作れば黒焦げ生焼けだし、夢中になると吹雪にも気づかないほどのおしゃべり好きだし、真冬だというのにサンダル履きで坂道に出かけていくのだから、それはもう心配しないわけにはいきません。

病気の夜、一人での留守番、窓のむこうの悪天候……。不安のオンパレードの中でお母さんを求める子どもらしい気持ちと、そそっかしいお母さんの身を精一杯案じる気持ちが、主人公の中にせめぎあっているのでしょう。

じつにこの年頃の女の子らしい愛らしさに、思わずホロリとしながら笑ってしまいます。きっと普段なら、ちょっと大人びた口をききお姉さんぶっているであろう、優しい女の子の様子が目に浮かびますね。

背伸びしたい、でもお母さんに甘えたい、そんな4歳頃の女の子といっしょに読みたい素敵な絵本です。

能あるねこは爪隠す――長ぐつに秘めた知略

貧しい靴屋がねこと暮らしていました。お客がさっぱりこないので、彼は途方に暮れ、もう店をたたむしかないとねこに打ち明けます。ところがねこは言います。

「良い考えがあります。ひとつわたしに、一番良い皮で長ぐつを作ってください」(『くつやのねこ』より引用)

靴屋は、ではこれが最後の仕事だと思いながら、一番上等の皮でねこの足にぴったりの長ぐつと、ついでにカバンも作ってあげます。

はたして、真っ赤な長ぐつをはいて、ねこが凛々しく出かけた先は……?

著者
あやの, いまい
出版日

じつはこの『くつやのねこ』、ヨーロッパに伝わる有名な民話「長靴をはいたねこ」のリメイクです。「長靴――」を読まれたことのない方は、とんちのきいた猫の恩返し物語、と聞くとなんとなくストーリーのイメージが湧くのではないでしょうか。構造はそのままに、物語はじつに味わいのある仕上がりになっています。

可愛いのに渋みのきいた絵の雰囲気とあいまって、「ちょっと怖い」と感じさせるサジ加減が絶妙なのです。背伸びした言動をしたがる4歳くらいの女の子には魅力たっぷりに感じるでしょうし、読み聞かせる大人も思わず引きこまれることでしょう。

作者・いまいあやのはこの絵本をつくるにあたり、まずねこを描きたくて主人公として選び、靴を履かせてみたところ今度は靴をたくさん描きたくなったため、「靴屋のねこ」という設定にしたといいます。描きたいという思いから生まれただけあって、ねこの毛やくつの皮革の質感まで感じる、どのページも絵画として額縁に入れて飾っておきたくなるような作品となっています。

子どもといっしょに、ぜひ味わっていただきたい絵画と物語です。

ニタニタ顔の犬のジローに4歳もハマる

ぼくが拾った子犬のジロー、いつも一緒に寝ていたけれどジローはどんどん大きくなっていきます。そこでぼくはお父さんと庭にジローの家を作ってあげますが、その晩ぼくとジローは入れ替わってしまうのです。

著者
大島 妙子
出版日

犬のジローとぼくが入れ替わって過ごす1日を、犬になったぼくとぼくになったジローの目線でうまく表しています。インパクトがあるニタニタ顔のジローや縁側にパジャマで腹巻姿のぼくなど、懐かしい風景のイラストも愉快です。犬になったぼくがおばあちゃんに「お手」をしていたり、嬉しくて家じゅう駆け回る様子も楽しく描かれています。

「犬も外で一人で寝るのは寂しいよね、ぼくも宿題とかあってたいへんなんだよ」と、相手の立場にたつとその気持ちが見えてくることを教えてくれるお話ですが、4歳の子どもたちには、それよりもぼくとジローの仲良しぶりが羨ましくなって「僕も犬を飼いたいー!」と言い出すかもしれません。裏表紙には巨大になったジローとぼくが仲良くグーグーと眠っていて、思わずニヤリとします。

ミニカー遊びが好きな4歳の子に

消防士のスモールさんと犬のティンカーが出動です。サイレンを鳴らし、ホースをつなぎ、ポンプ車から勢いよく水を出し、テキパキと仕事をして火事を消します。

1970年出版の親しみやすいクラシックなイラストで、消防士スモールさんが火事現場で活躍するお話を描いています。警報に気づいたスモールさんが、ポールから降りて消防服に着替え急いで消防車に飛び乗る姿や、火事の家から子どもとネコを助け出す姿に、男の子たちはみんなワクワクドキドキすることでしょう。

著者
["ロイス・レンスキー", "ロイス・レンスキー", "わたなべ しげお"]
出版日

ポンプ車の説明や、出動から消火までのお仕事内容が分かりやすいながらも、本格的に書かれているので知りたがりやの4歳たちにピッタリです。

火事の中で家具を持ち出す人々など、大人の目から見ると話の展開がおかしな部分もありますが、颯爽と働くスモールさんを子どもたちと一緒に応援しましょう。「スモールさん」シリーズには、他にも男の子が好きそうなおまわりさんやカウボーイのお仕事などもありますよ。

どうしてぼくは泣いちゃうんだろう?

「転んで泣いた。ぶつけて泣いた。ケンカして泣いた。叱られて泣いた……。でも大人はなんで泣かないんだろう?」というぼくの素直な気持ちが心に染みます。

著者
中川 ひろたか
出版日

子どもなりに泣くことにも色々な意味があり、悲しい時や痛い時だけではなくて、嬉しい時にだって涙は出てしまうもの。どれも身に覚えがあるシーンなので物語の中にすんなりと入っていくでしょう。

ともすれば「男の子なんだから泣かないの!」「いつまで赤ちゃんみたいに泣いているの!?」と、お家の人が叱ってしまうこともあるかもしれませんが、「男の子だって泣いたっていいんだよ」「感じる心がやわらかいから子どもはたくさん泣くのか」と、子どもも大人も安心させてくれる絵本です。長新太が描くユニークで味のあるイラストにも心が癒されることでしょう。

果たして子どもたちは、お母さんのお布団に主人公の僕が入ったとき、なぜお母さんの目からつーっと涙が枕に流れ出たのかを感じることはできるでしょうか。

虫好きの4歳児にはたまらない絵本!

昆虫が大好きなこんちゃんは、冬に森で見つけたカブトムシの幼虫を庭で育てました。するとある晩、巨大なカブトムシが地面から顔を出したのです。こんちゃんは「カブトくん」と名付け、公園で一緒に遊んだりお風呂に入ったりと仲良く楽しい時間を過ごしますが、カブトくんは生まれた森に帰りたいと元気がありません。

土から出てきたカブトくんはこんちゃんと同じくらいの大きさで、シャミシャミと食べるスイカはこんちゃんの倍以上あります。「大好きな夜なのに寝てなんかいられないや」と夜の町に飛び立つ姿や、こんちゃんを背中に乗せて生まれた森へ飛んでいく姿もダイナミック。昆虫に興味を持ち始めた男の子たちを魅了するストーリーです。

著者
タダ サトシ
出版日

森に帰りたいと元気がないカブトくんの気持ちを考えて、こんちゃんはカブトくんを森へ返してあげる決心をします。悲しいお別れでお話が終わるのではなく、森から帰り、眠っているこんちゃんにカブトくんが「待ってるからね。」とニッコリ振り向く姿も子どもたちには嬉しいエンディングです。

カブトムシの触覚やゴツゴツした肢などもしっかり描かれていますが、まん丸目玉が可愛いカブトくんなので、虫嫌いなお母さんでも大丈夫!昆虫と仲良くなれたらなぁ、と思っている男の子たちの夢がつまったお話を一緒に楽しんでください。

寝かしつけの絵本としても

静かになった閉園後の動物園で、警備員のおじさんの腰ベルトからそーっと鍵を抜き取るゴリラくん。夜の見回りをするおじさんの後をこっそりとついて行き、象やライオン、キリンたちの檻の鍵を次々に開けてしまいます。家に帰るおじさんは、自分の後を動物たちがゾロゾロとついて来ていることに気付かないのです。

舞台は夜の動物園なので、寝る前の定番の絵本になりそうな可愛らしいお話です。

著者
["ペギー ラスマン", "Rathmann,Peggy", "寛, 伊東"]
出版日

カラフルな色使いで長い文章はなく、警備員のおじさんや奥さん、動物たちの短いセリフによってストーリーが進みます。動物たちが後ろについて来ていることに気付かないおじさんや、奥さんに見つかってニカッと笑うゴリラくん、眠そうに体を丸める動物たちやいつでもゴリラくんにくっついて来るネズミの姿など、子どもたちと一緒に可愛い絵を見て場面を想像し、自然に笑みがこぼれてくるでしょう。

真っ暗な部屋にパチクリとした目玉や動物たちが口々に「おやすみ」と言うセリフの吹き出しも、どこかマンガのように親しみやすい作風なので、文字を読めない子どもが一人でじっくり眺めていても、想像をふくらませて楽しむことができるでしょう。長いお話ではありませんし、スピスピ眠るゴリラくんも幸せそうな顔をしているので、夜の静かなひと時を過ごす絵本としてもおすすめです。

時間について学べる絵本

1960年アメリカのランドマクナリー社から初めて出版された『TIME IS WHEN』の翻訳『チックタック じかんってなあに?』。1970年に偕成社より出版されました。

2008年にはカナダのツンドラブックス社から新しいイラストレーターを迎えて発行されています。時間によって同じ作者の絵本でもこうやって変化していくんだよ、と時間の変化によって変化するものもあることを知ります。

著者
ベス・ユーマン グレイク
出版日

時間はその時にやっていることの内容の積み重ねて変化していきます。絵本の中では、みんな同じように与えられた時間の中でやっていることは様々です。

「1びょうが60あつまると1ぷんかんです。1ぷんかんは、まちかどからつぎのまちかどまでとことこあるいていくくらいのじかんです。じてんしゃローラースケートで1ぷんかんはしったらあるくときよりずっとさきまでいくことができますね。」

(『チックタック じかんってなあに?』から引用)

どこか目的地に行くのでも、道具を使うか使わないかで到達する速さが違うことを知りますね。どのやり方が好きか聞いて、普段の時に応用してペース配分を決めるのもいいでしょう。

羨ましいくらいの天真爛漫

ニューヨークに住む子ブタのオリビアは、好奇心旺盛な6歳の女の子。特別な女の子?いいえ、どこにでもいそうな女の子です。

得意なことは逆立ち、縄跳び、歌にダンス……それと、周りの人を疲れさせること!

いつだって自分に素直で活発なオリビアに対し、その天真爛漫さに振りまわされる周囲の大人はヘトヘト。でもオリビアは、自分が楽しいと思うことをやっているだけで、悪いことをしているつもりはないのです。

ある日オリビアは、「砂のお城」ならぬ「砂の高層ビル」をつくり……。

著者
["イアン ファルコナー", "Falconer,Ian", "俊太郎, 谷川"]
出版日

作者のイアン・ファルコナーはアメリカ生まれ。イラストレーターでもあり、バレエ団やオペラ劇場の舞台セットや衣装デザインを担当した経験もあります。

自分に純粋に動き回る小さな子どもの行動が、柔らかいタッチのモノクロに鮮やかな赤を配色した画風で描かれており、そのシンプルな美しさは現代アートさながら。

絵の芸術性もさることながら、谷川俊太郎の翻訳も素晴らしいです。大人から見れば好き勝手ばかりのオリビアですが、それでもママが「なんてったって愛してるからね」というくだりは、谷川俊太郎らしい名訳といってもいいでしょう。

ニューヨークに実際にあるものが作品中に描かれており、アメリカの都会に暮らす風景が想像できるので、大人も絵を楽しむことができる作品です。

やる気を出すのもなくすのも、周りの大人の声がけ次第

絵を描くのが苦手な主人公ワシテ。学校で絵の時間が終わって、何も描いていない真っ白な紙を見た先生から「なにか しるしを つけてみて」と言われ、苦し紛れに、マーカーを力いっぱい紙に押し付け、サインをします。

次の週、お絵描きの教室に入ると、なんとその小さな“てん”が立派な額縁に入って飾ってあるではありませんか!

それからワシテは、次々に“てん”を描き始めます。さまざまな色で描いたり、大きな紙に大きく描いたり。

その何週間か後、学校で展覧会があり……。

著者
["ピーター レイノルズ", "Reynolds,Peter H.", "俊太郎, 谷川"]
出版日

水彩絵の具と紅茶で描かれた、シンプルかつ透明感のある色づかいが美しい絵本です。

学校の先生から作品にサインをするよう求められ、「いいわ、えは かけなくたって なまえくらい サインできるもん」というぐらい絵が苦手だったワシテ。

でも、先生がただの”てん”を”作品”として認めてくれたことで、絵に対する意識が変わっていきます。

絵は上手くなくてもいい。思うままに描いていい。

周囲の大人の何気ない一言で、子どもはやる気を失ったり、逆に自信をつけたりすることがあります。言葉は勇気を与えるアイテムであり、時として刃でもあり、ちょっとしたことで感動を創造する魔法のようなもの。

「世の図画ぎらいを勇気づける楽しい絵本」であり、子どもと関わる大人にこそ読んでほしい作品でもあります。

遠くても会えなくても、ずっと仲良しだよ

海辺に住むねずみのエーモスは、海が大好き。昼間は浜で船を造り、夜は航海術を勉強して、出来上がった船で航海へと旅立ちます。

エーモスには何もかもが不思議で素敵なのですが、興奮のあまり転がったエーモスは、船から海に落ちてしまいます。

通りかかったくじらのボーリスに助けられ、陸地へ向かっていく間にいろいろな話をしたエーモスとボーリス。二人は親友になりますが、ボーリスは陸にはあがれません。 

最後の別れを交わし、ボーリスは海で、エーモスは陸で、それぞれの暮らしに戻ります。

そして長い年月が経ち……。

著者
["ウィリアム・スタイグ", "せた ていじ"]
出版日

絵に対して文章の量は多く、「めをみはりました」「ほにゅうるいの なかまです」「ひびくこわね」など、小さい子どもには難解な言葉も出てきます。

しかしお話はシンプルなので、小さい子どもでも何となく理解はできるでしょう。

年月が経って年をとった二人は、思いがけない場面で再会します。

仲良しだけど、でも一緒にいることはできない二人。最後の別れのシーンは胸に刺さります。

「さようなら なかよしのくじら」「さようなら なかよしのねずみ」

ふたりは、このさき2どとあえないことを しっていました。

そしてぜったいに あいてをわすれないことも しっていました。(『ねずみとくじら』から引用)

遠く離れてしまうお友だちがいる子どもに読んであげたくなる、ちょっぴり切ないけど心温まる作品です。

“あくたれ”だけど憎めない、家族ってそういうもの?

猫のラルフは本当に悪さばかり。飼い主のセイラの邪魔ばかりするし、お父さんの大事なパイプでシャボン玉を吹くし、お母さんがかわいがっている鳥を追い回すし。

でも、叱られてもちっとも反省しません。

ある日、家族でサーカスを観に行ったラルフは、せっかくのサーカスを台無しにしてしまいます。

怒ったお父さんに「あいつをここへ おいていこう。サーカスにすむのが やつには ちょうど おにあいなんだ」と、置き去りにされたラルフ。

このサーカスではみんな働かなくてはならないのに、働くのが嫌になったラルフは、ナイフ投げの的になるのを断り……。

著者
["ウィリアム・スタイグ", "せた ていじ"]
出版日

まだ“あくたれ”の意味を知らない子どもでも、真っ赤なネコが人形の首をもいでしまった表紙をみたら、「何となく嫌なネコだな」と感じるのではないでしょうか。

ラルフのあくたれぶりは本当にひどい!飼い主(親)だったら「何でこんなことするのよ!」「そんなことしたらダメでしょ!!」と怒って当然という場面の連続ですが、お父さんが怒ってもお母さんが悲しんでもラルフはおかまいなし。

愛情を注ぎながらもときどき溜め息をついていそうなセイラやお父さんに、まだ善悪が分からない、あるいは反抗期の子どもを持つ親御さんの姿が重なります。

あくたれだけどそれでもラルフが大好きなセイラと、セイラに甘えるラルフ。家に帰ると、お父さんとお母さんも、ラルフを抱きしめて迎えてくれます。

ハンモックに揺られて気持ちよさそうに眠っているラルフの、安心しているかのような表情が、無条件に愛されることの幸せを教えてくれます。

いたずらっ子がいるご家庭におすすめしたい作品です。

たまには役目を変えてみる?

森の家で一緒に暮らす、ねこ、りす、あひる。3人で役割を分担してつくるかぼちゃスープは、世界一おいしいんです。

ある日、味付け係のあひるが「ぼくがスープをかきまぜる」と言いだしたから大変!

大喧嘩になって、あひるは「なんにも できない。そんなら でてく!」と、荷物をまとめて家を出て行ってしまいます。

夕方になって、スープの時間になっても戻ってこないあひる。りすとねこの二人だけでつくるスープは、塩を入れすぎてちっとも美味しくありません。

りすもねこも泣き出してしまいますが、暗い森へあひるを探しに出かけていくことに……。

著者
["ヘレン クーパー", "Cooper,Helen", "あいこ, せな"]
出版日

作者のヘレン・クーパーは元音楽教師。せなあいこの翻訳により、歌うかのようにリズミカルに読んでいける作品です。

絵のタッチが繊細で美しく、りすの尻尾やねこのヒゲなどは本物のように感じられます。

3人で眠っている顔、時計を見ながら不安そうな顔、あひるがいない食卓での悲しそうな顔、3人でスープをつくる笑顔など、どのシーンをとっても動物たちが表情豊かなのも高ポイント。

最後の絵にはセリフや文章はありませんが、次のトラブルを予感させる一枚で、クスッと笑えるエンディングになっています。

兄妹がいるご家庭や、スープがおいしい季節におすすめの作品です。

読み聞かせを通して親子で一緒に遊べる新しい仕掛け絵本

子どもとママが一緒になって思い切り身体を動かして楽しめる絵本です。

作者ののぶみは「しんかんくん」シリーズや『ママがおばけになっちゃった』でも知られています。作中に出てくる、「ボタンを押したらジャンプして」「おばけをやっつけて」「鬼が来たらにげろ」など、子どもにも分かりやすい絵で楽しい遊びを提案してくれているのが本作の魅力でしょう。

子ども達が大笑いしながら絵本にのめり込むこと間違いなしです。

著者
のぶみ
出版日
2016-03-16

4歳になるとルールがある遊びや指示遊びが楽しめるようになります。言葉の意味を理解してその通りに行動したり、絵から読み取って模倣を楽しんだりと遊びが広がっていく時期ですね。

そして、4歳はまだまだお母さんとの関わりが大好きで、その触れ合いが大切な時期でもあります。大好きなお母さんと思い切り遊ぶことで、子どもの気持ちは満たされるはずです。その手助けをしてくれるのがこの絵本。ぜひ親子で楽しんでみてくださいね。

ストーリーの中で4歳の子どもが自然と数に興味を持てる絵本

数に興味を持ち始めた4歳の子どもにぴったりの絵本です。

作者は優しい絵と色使いで絵本を描く、たむらたいへい。数をストーリーの中に組み込んだお話は子どもの頭の中にすっと入ってきます。

お話の主人公は5匹のコアラと2匹のカメ。海でおぼれて救助されたコアラとカメの元にたくさんの動物たちがお見舞いにやってきて……。

著者
たいへい, たむら
出版日

子どもが大好きな動物や乗り物がたくさん登場するので、楽しみながら数に触れることができます。親子で一緒に数を数えながら読む楽しさもありますね。絵が数えやすいように、5つごとに分けて描かれているのも嬉しいです。

100までの数を理解できるようになったら、「5匹のコアラのところに2匹のカメが来たら何匹になるかな」と足し算の基礎を学びながら読むのも楽しみ方の1つですね。4歳で足し算というと早いように感じますが、子どもの吸収力は果てしなく、興味を持つことでどんどん吸収しますので、算数に関心を持たせる第一歩となりますよ。

こんな道があったら面白い!4歳の子どもの想像力が膨らむ1冊

ユーモラスな絵で子どもの心を掴む市居みかが描いた、ちょっと不思議で子どもの空想を形にしたような絵本です。

「いっぽんみちをあるいていたら」の繰り返しのフレーズに続いてやった来たのは、腰の曲がったおばあさんやかわいい猫と思ったら……。この道を通るのは皆少し変わった人や動物。さらには道自体もとんでもないことに。「ぼく」はどうなってしまうのでしょうか。

著者
市居 みか
出版日

「一見普通の道に見えても本当に普通の道なのかな?もしかしたら面白いことが起きるかも。」という子どものドキドキワクワクした気持ちを形にしたお話は、子どもたちの想像力を豊かにしてくれます。

次はどんな人が出てくるかなと想像を膨らませ、親子で話しながら読むのも楽しいですね。ラストで登場する主人公「ぼく」のお母さんの笑顔が素敵で気持ちが暖かくなりますよ。

子ども心をくすぐる絵で家族のすばらしさを描いた物語

『くっついた』などの赤ちゃん絵本を多く手掛ける三浦太郎が、少し大きくなった子ども達に向けて描いた絵本です。「家族って素敵だね」と感じられるような作品になっています。

物語の主人公は、大きなお城で暮らしている小さな王様。大きなお風呂に大きなベット、そして大勢の家来に囲まれた王様はいつも寂しく暮らしています。ある時、小さな王様はとても大きなお姫様をお嫁にもらうことになりました。お姫様と結婚して、たくさんの子ども達に囲まれた王様は本当に幸せそう。今まで寂しかった、お城やお風呂、ベットも楽しい場所へと変わるのです。

「寂しい」と「楽しい」のギャップが絵を通してよく伝わってきて、家族がいるって幸せだなぁと感じられることでしょう。

著者
三浦太郎
出版日

子どもが大好きなおもちゃの様に楽しい絵で描かれた絵本です。大きい物と小さい物の対比の楽しさも子どもは大好きですよね。

王様の様子から、家族が傍にいてくれることの大切さや幸せな気持ちが子どもにも分かりやすい絵と文章で描かれていて、読み終わった後に心が暖かくなります。王様目線のお話なので、お父さんが読み聞かせるにもピッタリの絵本です。

王様と結婚したお姫様が主人公の『おおきなおひめさま』という絵本も出版されていますので、合わせて読むとより楽しめる作品となっています。

空想の世界と絵探しの楽しさが合わさって2度楽しい絵本

細部まで描かれた絵とストーリーで子どもの心を惹きつける絵本作家、鈴木のりたけが描く「こんなお風呂があったらいいな」と想像が膨らむ絵本です。

「たまにはちがうおふろにはいりたい」と思った主人公の男の子が想像したのは、長いお風呂に丸いお風呂、パパのための電車お風呂にママのためのお手伝いお風呂……。どんどん想像が膨らみます。想像の中で、お兄ちゃんと飛行機お風呂に入っていると、突然お風呂の栓を盗まれてしまうのです。犯人はもじゃもじゃ頭のサングラス!

ここから絵探しの楽しさが始まります。細かく描かれた絵の中から犯人を捜すことに子どもは夢中になることでしょう。

犯人を見つけた「ぼく」が一番好きなお風呂とは……。

著者
鈴木 のりたけ
出版日

身近なものを、想像で色んな物に変身させることが子ども達は大好きです。この絵本にはたくさんのお風呂が登場しますが、子どもに「他にはどんなお風呂があったら面白いかな?」と尋ねてみると、もっともっとたくさんのお風呂を考えてくれるでしょう。それだけ頭の中はアイデアで溢れているのでしょうね。

そして絵探しも子どもが好きな遊びの一つ。「もじゃもじゃ頭にサングラス」というキャラクターが面白く、夢中になって探すこと間違いなしです。

楽しさの中にも「パパのためのお風呂」や「ママのためのお風呂」が出てくるのも素敵ですね。

子どもの大好きな遊びを盛り込んだ絵本を、ぜひ親子や兄弟で楽しんでみてくださいね。

以上、4歳の子供が自分で読むのにおすすめな絵本をご紹介しました。4歳になって溢れる思いを言葉にしだした子どもたちに、楽しくて、愛の溢れる言葉をたくさんあびてもらいたいですね。

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