オーバーラップ文庫で刊行中の本作。シリーズ累計発行部数は70万部で、テレビアニメや漫画でも注目を浴びた人気作品です。グリムガルという異世界に転生したハルヒロ達は、モンスターを倒す義勇兵となり、慣れない世界で必死に生きようと足掻きます。異世界転生ものでありながら、最弱のモンスターであるゴブリンすら倒せない主人公という設定が現実に近いと、話題になりました。 そんな人気作品に登場するキャラクラーの強さを、今回はランキング形式でご紹介。ストーリーに関しても、見所を含めてご紹介します。ネタバレ注意です。
暗い塔の中で目を覚ましたハルヒロと11人の男女は、案内された事務所で、グリムガルという異世界にいると説明されます。なぜここにいるのか考えるハルヒロは、名前以外に元の世界の記憶が思い出せない事に気付くのです。
しかし、状況が飲み込めない彼らを余所に、所長のブリトニーはモンスターを狩る義勇兵になることを彼らに勧めます。そして見習い義勇兵となったハルヒロは、マナト、ランタ、モクゾー、ユメ、シホルの6人でチームを組み、そこから冒険の日々が始まるのです。
仲間を失い、多くの人との出会いと別れをくり返しながら成長し、元の世界に戻る方法を探る異世界冒険譚。果たして、彼らに待ち受ける未来とは……。
- 著者
- 十文字 青
- 出版日
- 2013-06-22
本作はオーバーラップ文庫から刊行され、売上が70万部を突破している人気のラノベ作品です。2016年にはテレビアニメが放送され、漫画も発売されました。作者は十文字青、表紙・挿絵は白井鋭利が担当しています。
十文字は、『灰と幻想のグリムガル』と同じ世界観を舞台とした『大英雄が無職で何が悪い」を「小説家になろう」で描いているので、気になる方はぜひそちらもチェックしてみてください。
テレビアニメは、美しい背景と心情に寄り添った音楽とともに、小説の1~2巻の内容が放映された内容でした。第2期の放送も期待されています。漫画は、残念ながら打ち切りにより3巻で完結。 ぜひ、合わせてお楽しみください。
出会いと別れをくり返す本作には、多くのキャラクターが登場します。その皆が個性的で、強さも大きく違うのです。ここらは考察を交えて、キャラクターの強さをランキングで発表いたしましょう。
個性豊かな義勇兵が集まるトッキ―ズというチームで、回復を司る光魔法を扱う神官。神官は後方支援が一般的ですが、元戦士という経歴から、戦槌を武器に前線で戦います。神官のなかでも戦闘を好む、珍しいタイプです。
戦槌は人ほどの大きさがあるハンマーで、一撃の攻撃力が高く、刃の効かないモンスターであってもダメージを与えることが可能。
しかし、彼の本当の強さは攻撃力よりも、そのタフさにあります。黄昏世界で白い教団員に教われたときは、仲間を逃すために1人で時間を稼ぎました。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2015-02-24
「僕はあんたのことをほとんど伝聞でしか知らないが、
僕自身のことはよくわかっている」
(『灰と幻想のグリムガル』5巻から引用)
寂し野前哨基地の屋台に並んでいたハルヒロ達は、伝説の義勇兵であるアキラに声を掛けられます。軽い自己紹介もそこそこに、タダはアキラに黄昏世界の巨神討伐を物おじせずに提案。
数百メートルはあるモンスターの巨神討伐と、彼らとの共闘が楽しそうだというアキラに、タダが返したのが上記のセリフです。相手のことは知らないけど、自分達といることの楽しさは保証するという意味の込められており、彼の傲慢さが窺えます。
本作の主人公。チームのリーダーを務めます。職業は偵察や隠密を得意とする盗賊であり、武器はガターナイフなどの刀身の短いものです。いつも眠そうな目をしているため、二つ名は「年寄り猫」。
突出した才能があるわけではありませんが、敵の急所へと繋がる光る線を見る「直死の魔眼」を持っています。相手の隙を突き、背後から攻撃を仕掛けることが得意です。トッキ―ズのミモリンや死霊術師のセトラからの告白をきっぱりと断るほど、メインヒロインであるメリイに一途な人物。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2015-02-24
「弱くたって、運が悪くたって、人は生きてる」
(『灰と幻想のグリムガル』5巻から引用)
暁連隊のソウマは黄昏世界から撤退するために、同じ義勇兵を見捨てようと考えます。それを察したハルヒロは、アキラのチームメンバーのゴッホに、止めてほしいと懇願。しかし、生き残るのは運だ、と返されてしまいます。
そんなゴッホに、ハルヒロが放ったのが上記のセリフです。何かできるのならやりたいと、彼の優しさが際立ったシーンでしょう。その言葉に、ゴッホとシマは、ソウマが彼を暁連隊に誘ったのは正しかったと確信しました。
ハルヒロ達と同期の義勇兵。初期の段階から頭一つ抜けていて、早い段階で義勇兵になりました。気骨隆々の体躯に優れた戦闘能力を有して、若手のなかでも有望株です。
同じチームのロンを力で屈服させる反面、モクゾーが死んだ時にハルヒロ達に声を掛けるなど気遣う側面も。真っ赤な防具を身に付けているため、酒場でも視線を集めます。
- 著者
- 十文字 青
- 出版日
- 2013-06-22
「殺れるもんならやってみろ、変態所長」
(『灰と幻想のグリムガル』1巻から引用)
暗い塔で目を覚まし、義勇兵事務所でブリトニーからグリムガルや義勇兵について教えられます。ブリトニーを変態呼ばわりしたレンジが、ブリトニーにナイフを突きつけられた際に言い放ったセリフです。
この際、ナイフの刀身を素手で掴み、ブリトニーを睨みつけました。この世界に来たばかりの新人でありながら刃を素手で掴む彼に、皆が驚きます。挑発的な態度をとる彼が、口だけの男ではないと示したシーンです。レンジに選ばれたメンバーが、彼とチームを組むことに納得したきっかけとなります。
義勇兵団「レッドムーン」事務所の所長。グリムガルに来たばかりのハルヒロ達に、この世界のことを教えた人物です。デットヘット監視砦の奪取作戦では、彼の髪色から命名した緑嵐隊の指揮を執りました。
一人称は「アタシ」で、言葉の端々がオネェ口調なのが特徴です。
- 著者
- 十文字 青
- 出版日
- 2013-06-22
「諦めないこと。
死ぬときは死ぬけど、諦めたら確実に死ぬわ」
(『灰と幻想のグリムガル』1巻から引用)
彼の名言は、ハルヒロたちに贈ったアドバイスです。目覚めたばかりのハルヒロ達に、グリムガルのことや、モンスターを狩ってお金を稼ぐことを教えます。しかし、レンジに何をすればいいか訊ねられても、自分で考えるようにと突き放すのです。そして突き放しながらも、彼は上記のアドバイスを贈りました。
多くの義勇兵と出逢い、諦めて死んでいく兵を見てきた所長という立場だからこそのアドバイス。当時その真意を汲み取れなったハルヒロも、旅を続けるうちに言葉の意味を理解していきます。
モンスターを狩って生活する義勇兵にとっては、強さよりも何よりも、とにかく生きることがもっとも大事なことなのです。
グリムガルに帰還し、隠れの里で出会った死霊術師の少女。人造人間のエンバを使役し、ニャアという生き物を飼っています。料理が得意というかわいい一面もあり、ハルヒロいわく、幼馴染みであるチョコに似ているとのこと。
囚われたメリイを助けるために、ハルヒロの左目と引き換えに手を貸します。しかし、仲間のために自己犠牲を厭わない彼の姿勢に惹かれ、手を貸す条件を恋人のフリをすることに変更しました。その後、ハルヒロ達の旅に同行しています。
普段はハルヒロへの求愛が過剰ですが、戦闘においては一線を引く人物。戦闘ではエンバを使う他、槍や剣などの武器を一通り扱うことも可能です。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2017-07-22
「死者は生き返らない。
ここで止めを刺すのも一つの選択だ」
(『灰と幻想のグリムガル』11巻から引用)
メリイの蘇生を願うハルヒロに、彼女がかけたセリフ。10巻で、大猿のグォレラに襲われたメリイは死亡。元義勇兵のジェシーに、ハルヒロはメリイの蘇生をお願いします。しかし、蘇ったメリイが彼女本人である保証はないと、セトラは蘇生に反対するのです。
これは恋敵であるメリイを嫌ったからではなく、人造人間を使役する死霊術師としての言葉。エンバのような不完全な人造人間しか生まれない悲しみを、ハルヒロには経験してほしくないという想いがあったのでしょう。
メリイを求めるハルヒロを見た彼女は、彼の心が自分には向かないと理解し、後に涙を流したのでした。
伝説の義勇兵アキラの、チームメンバーです。職業は神官ですが、以前は魔法使いでした。
アキラがクザクに戦士としてのアドバイスを送る姿を見たシホルに、魔法について教えてほしいと懇願されます。その際、手解きのために、ギルドで教えられる魔法の、さらにその先を見せました。この手解きは、シホルが魔法使いとして成長するきっかけになったのです。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2015-10-22
「世に一握りもいない天才でもなければ、
結局のところ、踏んだ場数がものをいう」
(『灰と幻想のグリムガル』6巻から引用)
モンスターの攻撃を受け止め、固い甲殻に傷を負わせるアキラを見たハルヒロ達は、天才と感じます。しかし、ゴッホはそれを否定。天才ではないアキラのことを、側で見続けてきたからこその言葉です。
最強の義勇兵と言われるソウマとは違い、凡人だったアキラが伝説とまで言われるようになるまでの過程を、彼は知っています。突出した才能のないハルヒロ達には、焦らず、地道な努力を重ねてほしいという願いが込められているのでしょう。
焦らず1つ1つ考えて経験を重ねるという彼の考えは、シホルの魔法にも大きな影響を与えることになるのです。
最強の義勇兵ソウマがリーダーを務める、暁連隊のメンバー。銀髪のサファイヤのような瞳を持った美少女のエルフです。
舞踏のように舞う剣技は、華麗でいて壮絶。そのため、「剣舞師」と呼ばれています。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2015-12-23
「歩みを止めなければ、道はそこにあり続けます」
(『灰と幻想のグリムガル』7巻から引用)
ハルヒロ達は太陽の昇らない世界に迷い込み、そのまま200日が経過してしまいます。そんななか、グリムガルへと繋がる唯一の洞窟がオークの国にあり、竜の住処になっていると知るのです。
チームでも倒すことに苦労するオークが数百匹いる国を通り抜けることは、まさに困難を極めます。そんな状況からグリムガルへの帰還を諦めようとした時、電話のように声を伝える受信石を通じて、ソウマの声が届くのです。
そんなソウマに言葉を求められたリーリヤが、ハルヒロ達に贈った励ましの言葉が上記のセリフ。普段はツンデレキャラの彼女ですが、諦めて立ち止まろうとしていたハルヒロの歩みを再び進めるきっかけを与えました。
ブリトニーの言葉と同じように彼女も、諦めずに足掻き続ければ活路は見えると励ましたのです。
ここまで、ランキング10~4位を発表しました。トップ3のに入る前に、本作のファンの間で人気の名言を紹介しましょう。
泣くのは弱いからじゃない。
耐えられるのは強いからじゃない
(テレビアニメ『灰と幻想のグリムガル』第5話)
これは登場人物のセリフや心情ではありません。テレビアニメ版、第5話のサブタイトルです。マナトを死なせたメンバーがすれ違い、初めて命のやり取りを実感する話となっています。
リーダーであるマナトを失い、結束力が緩み、それでもなんとか進もうとハルヒロは思考します。そして、その後メリイを仲間に加えますが、そこでチームにすれ違いが起きてしまうのです。そこでユメが、自分の想いを拙い言葉で、泣きながら訴えるシーンは非常に印象的でした。
セリフではありませんでしたが、ファンのなかで人気の高い名言です。
颱風ロックスのリーダー。彼らも暁連隊に加入していて、義勇兵のなかでは名の知れたチームです。
ロックは異性に対して惚れ癖があり、そのうえ惚れる女性も変わり者ばかり。しかし、惚れた女には一途で、チームを巻き込んででも手助けをします。ハルヒロ達が隠れの里とフォルガンの争いに巻き込まれる原因も、ロックが隠れの里のアララという女性に惚れたことがきっかけでした。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2016-03-24
「惚れた女が命懸けで何か成し遂げようとしてたら、
身体の一つや二つ張るだろ」
(『灰と幻想のグリムガル』8巻から引用)
異世界から帰還したハルヒロは颱風ロックスと出会い、モンスターの村のフォルガンと隠れの里の争いに巻き込まれます。ロックは、隠密に優れたセトラに手を貸すよう依頼。その際セトラから、部外者であるロックが、争いの原因であるアララに助太刀する理由を訊いたときに返ってきたのが、上記の言葉でした。
彼が一目惚れしたアララは、政治利用のためフォルガンの首領との結婚が決まっていた人物。しかし彼女自身は、別の男性に想いを寄せています。そのため自分に振り向くことはないと知りながら、それでも惚れた女のためにロックは力を貸しました。
そのカッコよさは、男も惚れる勢いでしょう。女性に対して惚れ癖はありますが、どこまでも一途で健気な男。そこが魅力なのです。
伝説の義勇兵と囁かれる、チーム・アキラのリーダー。職業は聖騎士です。
歳の離れたハルヒロやタダにも気さくに話しかけることからわかる通り面倒見がよく、戦闘中であってもアドバイスを送ったり、皆の手本となったりします。天才的な戦闘センスはありませんが、バランス感覚に優れた人物です。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2015-10-22
「自分で感じて、積み上げる。
身につけただけでは、技は技でしかない。力はその先にある。
実感して掴みとるには、実地で繰り返すしかない」
(『灰と幻想のグリムガル』6巻から引用)
同じ聖騎士であるクザクに対して、戦い方を教えるシーンでのセリフ。黄昏世界でモンスターに苦戦するクザクに、盾で体を庇いつつ剣を振り下ろす基本動作を見せます。聖騎士として基本の動作であるはずなのに、ハルヒロ達にも練度の違いがわかりました。
そして、傷を付けることさえも苦戦していたモンスターを、たった一撃で仕留めてしまうのです。この一連の動作を見せたアキラは、同じことのくり返しでしか強くなれないと教えます。年寄りのお節介と本人は口にしていますが、面倒見のよさが窺える場面でしょう。
多数のモンスターを相手取りながらも、しっかりと後輩を育てることから、伝説と呼ばれながらも多くの義勇兵に慕われるのです。
暁連隊のリーダーであり、最強の義勇兵と呼ばれる男性。隠れ里での修行により、武士となります。皆が苦戦するモンスターであっても、刀一本で太刀打ちしてしまう人物です。
元の世界に戻ることと、ニノという女性を蘇らせることが暁連隊を結成した理由。自分の言動を仲間から冷たくあしらわれると落ち込む反面、暁連隊以外の義勇兵を捨て駒と考える冷酷な側面も。
- 著者
- 十文字青
- 出版日
- 2015-12-23
「またおまえたちに会える日を楽しみにしている。
待っている。またな」
(『灰と幻想のグリムガル』7巻から引用)
太陽の昇らない世界で、グリムガルに繋がる唯一の洞窟がオークの国にあり、そのうえ竜の住処であることを知ったハルヒロ達は絶望します。この世界で生きようと諦めかけた時、受信石を通して伝えられたソウマからの励ましが、上記の言葉です。
受信石は一方通行で、ハルヒロ達の言葉はソウマに届きません。しかし、グリムガルに戻る意味を見失っていたハルヒロに帰る意味を与え、再び歩き始めるきっかけを与えました。仲間を何よりも大事に考えるソウマは、彼らと逸れて以降、発信石で呼びかけていたのです。
ファンの間でも、このエピソードが登場する7巻は評価が高く、特に励ましを受けるシーンは泣けるポイントとなっています。
義勇兵となってチームを組んだハルヒロ達。最初こそ苦戦していた戦闘にも慣れてきた頃、敵の奇襲でリーダーのマナトが死亡。その後モクゾーも死亡し、仲間を失ってしまいます。一方で、同じように仲間を失っていたメリイが仲間に加入。一行は、出会いと別れを経験したのでした。
仲間の喪失によって力不足を感じたハルヒロ達は、さらに聖騎士のクザクを仲間に加え、成長のために新たな狩場へと向かいます。その途中で、最強の義勇兵と呼ばれるソウマに遭遇。彼は、仲間の死を憂いながらも忘れずに前に進もうとするハルヒロを、暁連隊に誘うのです。
ハルヒロは転換点になると察し、加入を即答。順調にことが進んでいるように見えたその頃、クザクとメリイが2人だけで話す姿を見た彼の中に、嫉妬に近い感情が芽生え始め……。
その後、別の異世界「黄昏世界」へ繋がる穴を発見した一行は、ハルヒロの同期であるキッカワが所属するトッキ―ズに乗せられ、暁連隊を巻き込み黄昏世界のモンスター、巨神の討伐に乗り出します。
しかし、巨神討伐は難航。そして、そこから撤退する際に、ハルヒロ達はグリムガルでも黄昏世界でもない、別の異世界へと迷い込んでしまうのです。グリムガルに戻る手段もわからないまま、「太陽の昇らない世界」で生活を始めます。
そのまま200日が経過した頃、遺物の受信石から聞こえたのは、ソウマの声でした。帰還を諦めていた一行は、重傷を負いながらも試行錯誤の末にグリムガルに戻ったのです。
グリムガルの霧に覆われた森に出たハルヒロ達は、颱風ロックスと遭遇。人の住む隠れ里と、モンスターの村であるフォルガンの争いに巻き込まれます。そして、メリイとランタが、フォルガンの捕虜となってしまうのです。
その際にハルヒロは、死霊術師の少女・セトラに、自らの左目を引き換えに手を借りるのです。颱風ロックスと彼女の協力によりメリイを助け出すことに成功した彼らは、霧の深い森を離れました。
しかし、そんななか、人間族のほぼ唯一の国家であるオルタナを目指す途中で大猿のグォレラに襲われ、なんとメリイが死亡。彼女への恋心を抱くハルヒロはセトラの忠告を振り切り、元義勇兵のジェシーに彼女の蘇生を懇願します。
そして生き返ったメリイを連れ、海を目指しますが……蘇った彼女は、まるで以前とは別人のようになってしまっていたのです。
海辺に到着すると、海賊のモモヒナに出逢います。彼女の頼みを受け入れ、竜の怒りを鎮めた一行。この時、海賊を目の当たりにしたユメは彼らのように強くなりたいと願い、自らチームを離れて海賊船に残ることを決めたのでした。
オルタナを目指すハルヒロ達は、「レスリーキャンプ」と呼ばれる楽器を奏でる伝説のテントの中で、幾つも扉があるのを発見。そのうちの1つの扉の先には、新しい異世界、パラノが広がっていました。
そして空に浮かぶ星が弾け、そのことがきっかけでチームはバラバラに。ハルヒロはアリスCと名乗るシャベルを持った雨合羽を着た美少女と出逢い、仲間たちを探します。
一方で闇落ちの果てに体が肥大化し、結晶の涙を流すシホルは、トリックスターという怪物になりかけ、クザクを襲うのでした。
闇落ちしたシホルに襲われるクザクを救ったのは、同じ暁連隊のイオ様チームでした。2人の部下を従えるイオは、クザクをこの世界の王に会わせるため、彼を天の猩猩緋の森に連れていくのです。
ハルヒロはアリスCともに猩猩緋の森を目指す途中で、複数の夢魔と対峙。その際、レゾナンスという魔法が、他者の魔法を増幅させるだけではないことに気付きます。
その後、再会を果たしたハルヒロ達は、この世界の王に謁見。イオやアリスCが王の気を引き、ハルヒロが王の懐に潜りこむ隙を伺います。ステルスで隠れたハルヒロは、王の周りに数十~数百の少年がいることに気付くのです。それは王が隠す、彼の弱みであり、秘密でした。
想いが溢れて闇落ちしたシホルが心から望んでいたものと、彼女の過去が明かされます。その願いと王の弱点を探る鍵は、ハルヒロの魔法「レゾナンス」です。他者の魔法を増幅させる魔法の、その本質とは……他界パラノ編完結です。
- 著者
- ["十文字青", "白井鋭利"]
- 出版日
そこから1年、ハルヒロ達は再び記憶をなくしてしまいますが成長し相手がだれであっても対応できるようになりました。
アンデッド・オーク・ゴブリン・コボルド・灰色エルフによる「諸王連合」が人間族への侵攻を開始していて、オルタナはゴブリンによって占拠されてしまっていました。しかし、流れの中で人間族の王国であるアラバキア王国の遠征軍に巻き込まれ、ゴブリンからオルタナ奪還に成功しました。
師匠であるバルバラとも再開を果たしますが、戦いの中でバルバラは殺されてしまいます。
その後、オルタナ周辺の辺境を1つの国家にすることをモーギス将軍が画策。その一歩としてゴブリンとの同盟を結びます。
シホルを人質に取らてしまい、ハルヒロ達は仕方なくゴブリンとの同盟結成のためダムローに潜入。同盟を結成したのにも関わらずシホルを返してもらえず、ユメとランタも合わせて力づくてモーギスを倒そうとします。
しかし、レリックの力があまりに強大で返り討ちにあってしまいます。シホルは人質どころではなく、レスリーによっておそらく記憶を抹消されてしまったようです。
シホルを人質に取られ、モーギス将軍の手足となってしまっているハルヒロ達。お嘆き山攻略の命令を受け、侵攻していくこととなります。
チーム・ハルヒロ、チーム・トキムネ、チーム・レンジ、オリオンの4チームが別動隊として行動していきます。
墓所攻略もあと一息といったところまでリッチキングを追い詰めますが、即死魔法を受け犠牲者が出てしまいます。
勇敢に戦ったレンジや、仲間の死を怒りに変えて追従したシノハラの活躍によりどうにかリッチキングを討伐します。
- 著者
- ["十文字 青", "白井鋭利"]
- 出版日
墓所を制圧した別動体は、そのまま古城へと通じる通路を進んでいく。古城は七つの塔をつなぐ城壁に囲われた場所に建てられていた。だが、これまでの激戦からくる疲労や大量の敵、辺境軍との合流失敗により、全滅してしまう可能性までありました。
そんな中、ハルヒロたちを救ったのは、レリックとおぼしき飛行物体。
そこにはイオ様や、ゴミにタスケテ、そして、シホルの姿までありました。
人質となってしまったはずのシホルが登場し、今後どのように物語が展開していくのか気になります。