図書館に通いつめる女子高生と、吸血鬼の血が混ざっている男子高校生の少しおかしなピュアラブストーリーです。周りとは違う雰囲気を持つ男の子にはある秘密がありました。ファンタジー小説が大好きな彼女は、ふと彼の秘密を当ててしまい……?秘密の共有から始まる、恋愛初心者同士の恋愛に、キュンが止まらない作品です。ふわっとした絵柄も相まって、かわいいが止まりません!この記事では、あらすじや作品の見所についてご紹介いたします。 スマホの無料アプリで読むこともできるので、少しでも気になった方はぜひどうぞ。
主人公は、読書が大好きな女子高生・望月杏子(もちづき あんこ)です。彼女には気になる人が。それは、ほぼ毎日遅刻をする、いつも眠そうな不思議な雰囲気の男の子・由良(ゆら)。彼は白い肌に色素の薄い髪、さらには年中長袖の洋服を着ています。
杏子はそれを「吸血鬼みたい」と友人に話していると、偶然にも本人に聞かれてしまいます。変なことを言ったことに謝ろうとしますが、実は本当に吸血鬼であることをカミングアウトされて……!?
さらに、あることがきっかけで杏子は非常に珍しいとされる「稀血」であることが判明します。由良から告白をされるも、血が狙われると思った杏子はそれを拒否。しかし、唯一の理解者として2人の距離は近くなっていきます。
- 著者
- 吉田 夢美
- 出版日
- 2016-09-23
恋愛初心者な彼女らは、とっても不器用で、お互い好きなはずなのにスレ違いが……!そんな姿がもどかしいけど、面白い。ついつい2人を応援したくなってしまう、全2巻で完結する作品です。
すでに『由良くんの10%には秘密がある』が気になる方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。
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作者は月刊誌「マーガレット」で連載を持つ漫画家です。『由良くんの10%には秘密がある』の連載後、『つまさきだちのアリス』を連載していました。
- 著者
- 吉田 夢美
- 出版日
- 2018-08-24
『つまさきだちのアリス』は、女子高生・亜梨寿が年下の幼馴染みである悠太郎と、彼の叔父である萄真に振り回されてしまうピュアなラブストーリー。中学生男子の葛藤や、大人に憧れる女子高生の心がよく描かれています。
繊細な絵柄で、キャラクターの瞳は細かく書き込まれており、キャラクターの表情を多彩にしています。斬新かつピュアな気持ちを、甘酸っぱくも可愛らしく描く吉田夢美は、これからの作品にも期待が高まります。
由良は、90%が人間で、10%だけ吸血鬼の血が混ざっている男子高校生。ほとんど人間のため、人の血を吸わなくても生きていけますが、太陽が苦手で、午前中はうとうとしていることが多く、体育もほとんど見学。普段からボケっとしていることが多く、マイペースな性格をしています。
そして杏子が稀血であることを知り、彼女に好意を示します。伝え方も独特で、稀血と知った直後に告白をしたり、翌日からお昼ご飯に誘ったりと積極的。他の女子に見向きもしない姿にキュンとしてしまうかもしれません。
そんな彼は、一度も血を吸ったことがありません。しかしあることをきっかけに、杏子の血を吸うことがありました。その後、由良の性格が変わってしまいます。まるで別人のようです。滅多に見せることのなかった笑顔を振りまき、少なかった口数が饒舌になり、チャラ男のようになってしまいます。しかし、天然でタラシなその姿もかっこよかったり……。
普段のクールでマイペースな由良もいいですが、王子のようなキラキラな彼もとても魅力的。ギャップを楽しめるキャラクターです。
主人公の杏子は、読書好きでファンタジー作品が好きな女子高生です。図書室通いをするほど本が好きで、それがきっかけで由良が吸血鬼であることを当ててしまいます。
そして彼が本当に吸血鬼の血を引いていることを知り、さらに自分が吸血鬼にとって極上の血・稀血であることを知ります。しかし彼女は寛大な心の持ち主。吸血鬼であるということも由良を疑うことなく信じ、彼の秘密を守る素直で優しい子です。
また、意外にも由良のボケっとした発言にツッコミを入れる姿も。2人の掛け合いも楽しく読むことができますよ。
正義感が強く、由良に振り回されながらも、徐々に恋心を自覚していく杏子。彼女のそんな姿はとても可愛く、心から応援したくなります。
この作品で一番注目してほしいのは、由良と杏子の恋模様です。
2人の初めての接点は、由良が杏子に吸血鬼であることがバレたと勘違いしたことにありました。同じクラスなのに杏子の名前も知らなかった由良ですが、彼女に吸血鬼であることを話し、そして彼女が稀血であることを知ると動悸が……。人とあまり関わったことがない由良は、自分の気持ちがなんなのか、さしよははっきりしませんでした。
一方杏子は、由良に好意を持たれているのは、稀血であるからと思い込みます。血液しかみてないのだろうと、由良の好意を真に受けません。
しかし由良は、自分の気持ちをだんだん理解していきます。自分の秘密を唯一知る人物であり、周りと分け隔てなく接してくれる杏子の存在は彼の中でしだいに大きくなり、かけがえのない人だという自覚が芽生えました。
恋愛に不器用な杏子と由良の気持ちのすれ違いはとてもじれったく、可愛らしくてたまりません。しかし、もちろん2人が簡単に結ばれるわけもなく……。由良の弟の存在や、恋のライバルまで登場します。
杏子の血を吸ったことが原因で、キラキラ王子に変化してしまいます。今までの由良とはまったく異なり、男女ともにフランクで接する姿に、彼の弟であるサツキすらも驚きました。
変貌ぶりに戸惑う杏子でしたが、社交的になったのなら良かったと安堵しますが……それも束の間、由良は女の子たちに囲まれながら、自分が吸血鬼であることを簡単に言ってしまうのです。さらに何も知らない女子生徒に血を吸ってもいいかと聞く始末。
杏子は慌て、由良を元に戻す方法を探すのですが……。最後の最後に恋のライバルが登場して、人のいい杏子は由良との仲を協力することを約束してしまったり、2巻もじれったさ満載です。
- 著者
- 吉田 夢美
- 出版日
- 2016-12-22
由良が元に戻る方法を必死で探します。彼の弟でもあるサツキに助けを求めますが、「社交的になったならいいんじゃないか」と言われ、納得するもモヤモヤする杏子。彼女の由良への気持ちは、ゆっくり変化していることが伝わります。
そんな時、吸血鬼が大好きな稀血の女の子が杏子の前に現れます。自ら吸血鬼に血を吸われたいと考えているくらい吸血鬼が大好きで、杏子は由良と会わせたくない、と思ってしまいます。自分に自信のない杏子は、不安を抱くのでした……。
不器用な恋愛模様にハラハラドキドキしつつもキュンとする場面が多い本作。ラストに描かれている、由良の杏子に対する気持ちを伝えるシーンは、かっこよくてたまりません。
本作は2回読むことをおすすめします。完結を見届けてからもう一度1巻を読むと、由良の表情の変わり方や二人の気持ちの変化が分かり、より一層本作を楽しめることでしょう。