ギャルで一途な恋がオタク心をくすぐると話題!漫画『その着せ替え人形は恋をする』各巻の魅力とあらすじを紹介! 好きなものに一途な少年少女の情熱と、恋を描いた『その着せ替え人形は恋をする』。本作は「このマンガがすごい!2020」にてトップ20に選ばれ、アニメ化も大成功した恋愛漫画です。この記事ではその魅力をご紹介。スマホの漫画アプリ『マンガUP!』から無料で読むこともできますよ!
2018年に「ヤングガンガン」で連載が始まって以来、全国書店員が選んだおすすめコミック3位、電子コミック大賞男性部門賞受賞など、様々な漫画賞にも輝いている話題作『その着せ替え人形は恋をする』。
雛人形を作る職人を夢見る内気な男子高校生とギャルでオタクで天真爛漫な女子高生が、コスプレを通して一途な恋心を育んでいくラブコメ。アニメ化するとのニュースも発表されています!
本作は男女にかかわらず楽しめる作品ですが、読者層は男性が7割と多め。そんな男性ファンの心をくすぐるのが、可愛さとエロティックの絶妙なバランス。いやらしさを感じないのにちょっとドキドキしてしまうシーンは本作の魅力の1つといえるでしょう。
アニメ化に関しては、残念ながら放送時間や内容などはまだ発表されておらず、詳細については期待して待つしかありません。ただ、公式PVが発表されていました。公式PVを見る限り、本作にとって重要なコスプレの制作過程を始め、ヒロインのちょっぴりドキドキなシーンも期待できそうです。原作オリジナルのコスプレ衣装がアニメではどんな色使いで描かれるのかも楽しみにしたいですね!
雛人形の顔を作る「頭師」を目指している男子高校生・五条新菜(ごじょう わかな)。ある日、雛人形の着物を作ろうとしているところを、クラスの中心人物でギャルの喜多川海夢(きたがわ まりん)に目撃されてしまいます。
このことがきっかけで、新菜は海夢からコスプレ衣装の製作を依頼されるのです。そして彼女と親しくなっていくたびに、引っ込み思案な彼は、人の輪に入っていく機会を得ることになるのでした。
好きなことを、臆することなく好きだという海夢に魅了されていく新菜。一方、海夢も、優しく、一生懸命に人のために動く彼に心惹かれていくようになるのです。
- 著者
- 福田 晋一
- 出版日
- 2018-11-24
やはり、本作の魅力としてあげられるのは「コスプレ」ではないでしょうか。メインテーマの1つであり、主人公2人が関係を構築していくために必要な要素が、このコスプレなのです。
今までもコスプレを題材にした作品はありましたし、そのメイクや着ている様子を記した作品も多々あります。
しかし、本作はただ好きな衣装に着替える、ただ化粧方法を載せるのではなく、素材の選び方や、コスプレをするために必要な衣装情報、またそれを着る際に留意しておきたいことなどの具体的な要素が、きちんと描かれているのです。
もともと雛人形の着物を作成していて、物を作るということに慣れていた新菜だからこその着眼点や、動きのない雛人形の着物を作っていたからこそ見落としてしまうことなどが、丁寧に描写されています。
また、既存のアニメやマンガ作品ではなく、作中オリジナルのキャラクターコスプレというのも注目点。知らないアニメや漫画のキャラクターのコスプレをした衣装を載せられるより、オリジナル作品のコスプレを載せられる方が読みやすく、また興味も惹かれやすいでしょう。
他にも、実際のコスプレイヤーの方がどんなことに気をつけているのか、どういうところで小物などを集めているのかなどがわかり、コスプレをしたことがない人でもわかりやすく楽しめるのが魅力的なところなのです。
作品のタイトルにもあるように、本作は恋の物語でもあります。新菜と海夢の恋愛が中心となって進んでいくのです。
新菜が海夢のことを恋愛対象として好きかどうかは明記されていませんが、女性としては最初から意識していますし、今まで特別な言葉としてめったに使わなかった「奇麗」という言葉を彼女に言ったりするなど、魅力的な相手として意識していることがうかがえます。
しかし、海夢が勧めてきたということもあると思いますが、アダルトゲームのきわどい内容を平気で話したり、見つめ合うこと以外には大した反応を示さないなど、なかなか鈍い部分も……。今後、気持ちがどう変化するのか楽しみですね。
一方、海夢に関しては、ギャルというだけあって男性との対話は慣れているのか、新菜に採寸されるのも、きわどい格好を見られるのも特に気にしていません。しかし、そんな状態だったのが、あることをきっかけに新菜を意識するようになるのです。
彼女は彼に対して、恋をしかけているのですね。彼女自身、その気持ちに確証は持っていないようですが、「好きかも」という想いは積み重なっている様子。一気に乙女になっていく姿は非常にかわいいので注目です。
本作の最大の魅力は、やはり登場人物たちがかわいいところではないでしょうか。
顔が出て、たくさんセリフのあるキャラクターは、基本的に全員とてもかわいいのです。しかし、やはり新菜と海夢はダントツ。
まず新菜ですが、海夢の接近に赤面したり、1つ1つに大きなリアクションを返すところが非常にかわいらしいところ。また、自分を育ててくれた祖父に対するセリフや、大好きな雛人形に接したときの幼さは、彼のピュアさ加減が前面に出ていて微笑ましい気持ちになります。
好きな人や好きなもの、好きなことに対して、少々精神年齢が下がり気味になるあたりも微笑ましいもの。
また海夢は作中でモデルなどもやっており、そもそも外見がかわいいということで設定されているのですが、好きなキャラクターを想っているときや、コスプレが現実のものとなってきたとき、本当に好きなものに触れられたときに無邪気に喜ぶ姿が、とてもかわいいです。
意外と食いしん坊なのか、ご飯を食べているときに幸せそうにしているのも魅力的。彼女はコロコロとよく表情が変わり、物事をはっきりというので、感情が顔に出やすいタイプ。そこが人間味のあるところで、魅力でもあります。
両親を亡くし、祖父に育てられた五条新菜。彼は祖父の営む雛人形店で、雛人形の顔を作る「頭師」を目指して日々技術を磨いていました。
雛人形の着物も手がけていた彼は、自宅のミシンが壊れたことを受け、学校で着物の続きを縫うことに。しかしそこに、クラスのギャル・喜多川海夢がやってきて、雛人形と接する姿を見られてしまったのでした。
- 著者
- 福田 晋一
- 出版日
- 2018-11-24
新菜は、子どもの頃友だちだった女の子に、お雛様が好きだということを「気持ち悪い」と言われたトラウマから、ずっと人の輪に入れず、友だちがいない生活を送ってきました。もう少し素を出しても問題ないとは思いますが、幼少期に「好き」という気持ちを否定されたら、それはトラウマものですよね。
そんな彼の前に現れたのは、アニメやゲームが好きで、好きなものを「好き」ということに抵抗のない同じクラスのギャル・喜多川海夢でした。彼女は、彼が雛人形を奇麗だと思う気持ちや、雛人形に着物を作っていたことを、否定するどころか受け入れて、さらに肯定したのです。
自分の好きなものを「好き」と言うのは決して悪くないことですが、やはり周りにどう思われるかと考えたら、言えなくなってしまうものですよね。そんな不安や葛藤がまるでないように、海夢は自分の気持ちを素直にさらけ出します。
物語最初の方の2人のシーンは、非常に多くの人の心に刺さる見所ではないでしょうか。自分の気持ちをさらけ出せない新菜と、それは違うと真っ向から向き合う海夢のシーンは、読み手に「好き」と言える勇気を与えてくれますよ。
コスプレイベントが2週間後だと聞いた新菜は、それまでに間に合わせることができるのか不安になります。
そんななか、海夢と買ったコスプレ衣装のストッキングを見た新菜の祖父が倒れて怪我をし、なおかつテストも近いという2重3重の精神的プレッシャーが新菜を襲うことになるのです。
- 著者
- 福田 晋一
- 出版日
- 2018-11-24
本巻では、新菜が精神的なしんどさを乗り越えてコスプレ衣装を作り上げる場面、衣装に袖を通して2人で完成を喜ぶ場面など、見所が非常に多いです。そのなかでも、やはりコスプレイベント中の2人と、その後の2人の様子が見所となるのではないでしょうか。
新菜は、海夢に同行する形でコスプレイベントの会場へと向かうのですが、そこで彼女との繋がりはこれでなくなったのかと感傷に浸ります。そして愛らしく笑う彼女に、一気に心を奪われていますのです。ここから恋愛面が加速していきます。
その後イベントから帰る電車のなかで、海夢から「次」があることを告げられて安心するのですが、このときの初々しい彼は非常にかわいいので、注目したいところです。そして、そんな彼のある言葉がきっかけで、海夢は彼を意識するように。
このあたりの流れは少女漫画を彷彿とさせる、胸がキュンなもの。家に帰ってからあからさまに意識してしまう海夢がかわいらしいです。好きが溢れすぎた彼女のモノローグのテンションの高さも、見所となっていますよ。
あれほど下ネタ単語を言ってきたなかでの突然の純情さは、どこかおかしさもありますね。
海夢が憧れる美少女コスプレイヤー・ジュジュは、ネット上では大人気の存在。しかし、コスプレイベントに参加することはなく、その存在はまるで幻のようなものでした。そんなジュジュが新菜の前に現れ、なんとコスプレ衣装の制作を依頼してきます。海夢も憧れのジュジュと対面し、2人は一緒にコスプレをすることになりました。
- 著者
- 福田 晋一
- 出版日
本巻初登場のジュジュこと乾紗寿叶(いぬいさじゅな)。彼女はネットに投稿された「まりん」の写真を見て新菜の作った衣装に一目惚れし、自分のぶんも作ってほしいと思いました。
そこからの沙寿叶の行動がすごいのです。海夢がイベントに参加することを知ると、そこから新菜のことを嗅ぎ付け家まで調べ上げてしまいました。コスプレに対する「ジュジュ」の熱意がわかるエピソードですね。
他にも、沙寿叶と海夢がコスプレについて語り合ったり、沙寿叶の妹で「ジュジュ」のコスプレ写真を撮る心寿(しんじゅ)が登場したり、それぞれのコスプレに対する想いや価値観を知ることができます。あらためてキャラクター達のコスプレに対する情熱やコスプレの魅力を知ることができるのも見所ですよ。
憧れのコスプレイヤーの「ジュジュ」こと沙寿叶と初めての「あわせ」をすることになった海夢。新菜にコスプレ衣装の製作を依頼していた沙寿叶も、その出来にすっかり感動していました。細部にまでこだわる沙寿叶の熱意に触発された海夢も張り切って準備を進めます。そうして迎えた「あわせ」当日。しかしその日は大雨だったのです。
- 著者
- 福田 晋一
- 出版日
沙寿叶と海夢のコスプレに対する熱をひしひしと感じられる第4巻。これまでもコスプレに関する知識や技術が描かれてきましたが、今回は「あわせ」と呼ばれるコスプレの楽しみの1つが描かれます。
「あわせ」とは、複数のコスプレイヤー達が関連性のあるキャラクターのコスプレを一緒におこなうこと。海夢と沙寿叶は「フラワープリンセス烈!!」という魔法少女もののコスプレで「あわせ」をすることになっていて、複数だからこそできるキャラクターの絡みも見所の1つですね。
そして最大の見所が、沙寿叶の妹・心寿がコスプレに初挑戦するところです。密かにコスプレに対する想いを抱いていた心寿が、新菜の力も借りて自分の本当にやりたいことに挑戦する姿にはきっと勇気をもらえますよ。
学校はいよいよ夏休み。これまで誰かと一緒に夏休みを過ごしたことのない新菜でしたが、今年ばかりは違います。海夢とのコスプレはもちろんプールや花火と充実した予定が盛りだくさんです。そんななか、海夢が次なるコスプレの撮影場所に選んだ先はまさかの場所でした。
- 著者
- 福田晋一
- 出版日
第5巻の見所は、何と言ってもサキュバスのリズきゅんというキャラクターにコスプレした海夢と、その撮影のために一緒にホテルへ行く新菜の話。しかし、そのホテルとはなんとラブホテルだったのです。
行くまで気が付かなかった新菜は焦りますが、海夢が言うにはコスプレイヤー達が撮影に使うことはあるよう。しかしやはり場所が場所だけに、ちょっぴりドキドキする展開も。2人の関係がどうなるかにも注目です。
ところで、前巻の表紙にも登場した褐色肌のベロニカたゃのコスプレは本巻でも描かれているのですが、反省点がいくつかあって完成されることはありませんでした。ただ、このエピソードは新菜と海夢が互いに意識するかわいい内容でもあるので、こちらにもぜひ注目してみてくださいね。
ちょっぴり関係が変わってきた新菜と海夢。そんななか、2人はコスプレ姿で池袋中を散策できるというイベントに参加することになりました。そこで2人が出会ったのは、姫野あまねというコスプレイヤー。どう見ても美少女のあまねですが、仲良くなった新菜達はあまねのとある事実を知ることになるのです。
- 著者
- 福田晋一
- 出版日
新しく登場する美少女コスプレイヤーの姫野あまねと仲良くなった新菜と海夢。新菜はコスプレを通してどんどん交流が広がっていきますね。人付き合いが苦手でずっと1人だった頃からはとても考えられません。第6巻では、そんな新菜がさらに成長するエピソードが見所となっています。
コスプレするあまねはどこからどう見ても美少女ですが、実は男性。女装レイヤーでした。男性のあまねがどうやって美少女に変身しているのか興味を持った新菜はいろいろと教えてもらいます。また、コスプレの技術だけではなく、女装レイヤーだからこその過去や苦悩も持っているあまねの話を聞いて、新菜の気持ちにも変化が。
他にも、衣装製作がうまくいかないなど、本巻の新菜はいろいろな壁を乗り越えていきます。バニーガールにコスプレする海夢のドキドキ展開も見逃せないですが、新菜の成長にぜひ注目してみてください。
季節は進み、海夢と新菜の通う学校では文化祭の準備が始まっていました。過去のトラウマから人付き合いが苦手な新菜にとって、学校は決して楽しい場所ではありませんでした。しかし、海夢が文化祭でコスプレをすることになり、新菜の学校生活も一気に変わっていくことになりました。
- 著者
- 福田晋一
- 出版日
『その着せ替え人形は恋をする』最新刊では、文化祭のエピソードが描かれます。自分の好きなものは堂々と話す海夢と違い、新菜は自分のことはこれまでずっと隠してきました。
そんな新菜が学校で衣装を作るのはなかなか勇気がいることかもしれません。しかしいざやってみると案外大丈夫なもので、新菜の学校生活は今までとすっかり変わったものになっていきます。
そして、海夢は初めての男装コスプレに挑むことに。スーツ姿のホストでミスコンに出場することになったのです。これまで海夢の可愛らしさやスタイルの良さ全開のコスプレばかりでしたが、男装ということでそれらをあえて殺してかっこよくならなければなりません。これまでとは違う学園青春ものらしい雰囲気も楽しんでみてください。
好きなものを好きと言えない少年と、好きなものを好きと言える少女。そんな相容れないようでいて、もっとも互いを理解し合える彼らの様子を描いた『その着せ替え人形は恋をする』。雛人形やコスプレのことに関しても、非常に丁寧に描かれていて、そこも注目ポイントです。
互いを意識してしまう青春っぽさ、そして初々しさ。そういった点も含めて、非常に見所の多い作品となっていますよ。