齋藤孝「声にだすことばえほん」シリーズおすすめ6選!古典や名作に触れよう

更新:2019.6.18

ベストセラー『声に出して読みたい日本語』でおなじみ齋藤孝と、人気絵本作家がタッグを組んだ「声にだすことばえほん」シリーズ。タイトルのとおり、実際に声に出すと気持ちのよい日本語がたくさん登場します。この記事では、特におすすめのタイトルを厳選してご紹介。子どもはもちろん、大人も楽しめる古典や名作が揃っています。

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齋藤孝「声にだすことばえほん」シリーズ1作目『おっと合点承知乃助』

 

齋藤孝の「声にだすことばえほん」シリーズ1作目。2003年に刊行されました。

おじいちゃんと、孫の男の子と女の子が、忍者ごっこをしながら楽しい言葉遊びをくり広げます。

 

著者
斎藤 孝
出版日
2003-01-01

 

ある言葉の後に、本来であれば付ける必要のない言葉を繋げて語感を楽しむ「付け足し言葉」。本作では、「驚き桃の木山椒の木」「しーらんペッタンゴリラ」「さよなら三角また来て四角」など、15の付け足し言葉がかわいいイラストとともに紹介されています。

声に出して読んでみると、不思議とぴったりとはまるリズムのよさが特徴。深い意味はないのに、快感なのです。

日常で使う言葉の後に付け足されるものが多いので、新しい言葉を覚え始める年齢の子どもに読んであげれば楽しさ倍増。普段の生活が豊かになるでしょう。

 

「声にだすことばえほん」シリーズで言葉のもつ不思議な魔力を楽しむ絵本『寿限無』

 

あるところにそれは、長い名前の男の子がおりました。その子の名前は、
「寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの、長久命の長助」
といいました。(『寿限無』より引用)

落語の有名な前座噺が、脱力感あふれる愉快な絵本になりました。

 

著者
斎藤 孝
出版日
2004-09-01

 

なんともいえない微笑を浮かべる少年の表紙が印象的な本作。「声にだすことばえほん」シリーズの4作目です。

齋藤孝が「寿限無とは、言葉の持つ不思議な魔力を教えてくれる言葉」だと書いているとおり、声に出して読むだけでワクワクする気持ちになれるでしょう。早口言葉としても知られていますが、小さな子どもでも意外と丸暗記できてしまうそうです。

漫画家の工藤ノリコが描くイラストも魅力的。寿限無に隠されたストーリーが描かれていて、想像力を掻き立てながら物語の世界に惹き込んでくれます。

 

がまの油売りになりきって読みたい絵本『がまの油』

 

さあさ、お立ちあい、
御用とおいそぎのないかたは、
ゆっくりと聞いておいで。(『がまの油』より引用)

ハチマキを巻いた男が取り出したのは、前足の指が四本、後ろ足の指が六本の「四六のがま」。さまざまな効能があるという「がまの油」を売るために、男の物売り口上が始まります。

 

著者
斎藤 孝
出版日
2005-01-01

 

古典落語のひとつ、「がまの油」。江戸時代の筑波に生息するカエルを路上で販売する際に、売り子たちは客寄せのために口上に工夫を凝らしていたそう。長谷川義史の豪快でダイナミックなイラストは、物売り口上のパワフルさを見事に表現しています。

「がまの油」は、エネルギッシュにお腹から声を出して読むのがおすすめ。慣れてきたら身振り手振りを交えてみてもよいでしょう。

物語のオチも秀逸で、最後まで読者を飽きさせません。ぜひ油売りになりきって読んでみてください。

 

「声にだすことばえほん」シリーズが古典作品を現代風に大胆アレンジした絵本『春はあけぼの』

 

春はあけぼの。
やうやうしろくなり行く、
山ぎはすこしあかりて、
むらさきだちたる雲の
ほそくたなびきたる。(『春はあけぼの』より引用)

平安時代中期に活躍した歌人、清少納言の随筆『枕草子』の冒頭部分です。四季の美しさを表現した古典の傑作が、かわいらしい絵本になりました。

 

著者
清少納言
出版日
2005-12-01

 

「声にだすことばえほん」シリーズの6作目。現代的でポップな世界観が人気のたんじあきこがイラストを担当していて、古典なのに新しさを感じる絵本になっています。

全編をとおして登場するキュートな清少納言は、なんとくるくるのアフロヘア―。この髪の毛のなかで、四季折々の風景が展開されていくのです。

古典というと難しく考えがちですが、声に出して読んでみると、リズムのよさや選ばれた言葉の美しさなどをあらためて感じられるはずです。

 

まさに「声にだすことばえほん」シリーズの真骨頂!早口言葉にのせて日本の風景を描く『生麦生米生卵』

 

今日はおねえちゃんの結婚の日。
お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、みんな着飾って結婚式に向かいます。(『生麦生米生卵』より引用)

「生麦生米生卵」「竹屋にたけ高い竹立てかけた」などお馴染みの早口言葉にのせて、昔ながらの日本の結婚式の1日を描きます。

 

著者
長谷川 義史
出版日
2006-12-01

 

「声にだすことばえほん」シリーズの9作目です。

「瓜売り」「頂戴」「赤巻紙」など、現代ではあまり聞かなくなった言葉がたくさん残っている早口言葉。本書には、昔ながらの日本人の心意気がたくさん詰まっている早口言葉が、ひと昔前の風景とともに描かれています。味のあるイラストも、ノスタルジックかつユニークな魅力を引き立てているでしょう。

早口言葉は、間違えた時こそおもしろいもの。親子で読んでも友達と読んでも盛り上がるはずです。ぜひ挑戦してみてください。

 

齋藤孝の想いが込められた「声にだすことばえほん」シリーズ『走れメロス』

 

メロスは激怒していました。人を信じることができない王様が、すぐに人を殺すと聞いたからです。

こんな邪知暴虐の王は生かしておけないと決意し、城に乗り込みますが、たちまち捕縛されてしまいます。しかし、処刑される前にどうしても妹に結婚式を挙げさせたかったメロスは、親友のセリヌンティウスを人質にして、3日間の猶予を手に入れるのです。

初夏、満点の星のなか、メロスは出発します。無事に身代わりの友を救い、王のひねくれた心を打ち破ることができるのでしょうか。

 

著者
太宰治
出版日
2009-04-30

 

「声にだすことばえほん」シリーズの15作目。近代文学を代表する小説家、太宰治の『走れメロス』です。

親友セリヌンティウスとの約束を守るため、メロスはとにかく走り続けます。齋藤孝は「苦しくても、約束のため、信念のために、がんばって走り続けよう」というメッセージを伝えようと、走るシーンを多く抜粋して本書を作ったそうです。

竹内通雅が描く力強いイラストと相まって、迫力満点。読者の心を惹きつけるでしょう。邪知暴虐、奸佞邪知、疲労恢復、南無三など、文章は原文のまま。耳馴染みがない言葉や漢語の表現も多く登場しますが、イラストを見ればストーリーはわかるのも絵本の魅力です。

声に出して読んでみると、太宰治特有の端切れのよい文章が心地よく感じられるはず。メロスからほとばしる正義のエネルギーを体感してみてください。

 

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