イヤイヤ期の真っ只中の2歳~3歳の着替え。逃げたり暴れたりと、なかなかうまくいかずに苦労をしている方も多いのではないでしょうか。この記事では、しつけにも役立つ、着替えの手順が楽しく学べるおすすめの絵本を紹介していきます。
ひとりで着替えをしようとチャレンジしてみたぼく。しかし、頭に服が引っ掛かってしまい、脱げなくなってしまいました。
頭を振ってみても、くるくる回ってみても、ちっとも脱げません。このままずっと脱ぐことができないまま、大人になってしまうのでしょうか。
- 著者
- ヨシタケ シンスケ
- 出版日
- 2015-10-08
頭に服が引っ掛かって、なかなか脱げない……そんな「着替えあるある」を独特な視点でおもしろおかしく描いた絵本。人気作家ヨシタケシンスケの作品です。
やんなきゃよかった もうおしまいだ(『もう ぬげない』より引用)
大人にはどうってことないことでも、子どもにとっては一大事。ぼくは絶望し、お腹を出したままこの世の終わりとばかりに思い悩むのです。
このまま大人になったらどうなるの?子どもらしい突拍子もない妄想をくり広げた結果、なんとかなるような気がしてきました。ずっとこの状態で生きていこうと決意をするのですが……思いもよらない結末は、大人も子どもも爆笑必死。着替えをするのが楽しくなる絵本です。
しろくまは、パンツをなくして困っていました。そこへねずみさんがやって来ます。
「どこにいったんだろう」
「だいじょうぶ きっと みつかるよ
ぼくが いっしょに さがしてあげる」(『しろくまのパンツ』より引用)
一緒にしろくまのパンツを探すことにした2人。無事に見つけることができるのでしょうか。
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
赤いパンツをはいているしろくまの表紙が印象的な本作。個性的な作品を数多く発表しているユニット「tupera tupera(ツペラツペラ)」の仕掛け絵本です。まず表紙のパンツを脱がせるところから物語が始まるという、ワクワクする作りです。
中身にも仕掛けがたくさん。パンツの形に穴が開いていて、ページをめくってみると持ち主がわかるという構成です。動物たちがはいているパンツは、ユニークでおしゃれなものばかり。オムツからパンツに移行する時期の子どもに読めば、パンツに興味をもつきっかけにもなるでしょう。
ひとりでトイレに行った子ブタの女の子。その後は、ひとりでパンツをはき始めます。
まず片足を入れて、それから反対の足を入れて、ぎゅーっとひっぱって……コロコロと転がってしまいました。無事にひとりではくことができるのでしょうか。
- 著者
- 岸田今日子
- 出版日
- 2011-01-20
パンツはね
はじめに かたあし いれるでしょ
それから
もう かたっぽ いれるでしょ
それから きゅーっと ひっぱって
そこまで できたら たちましょう(『パンツのはきかた』より引用)
本書の作者は、女優としても有名な岸田今日子。語りかけるような優しい口調で、パンツのはき方を教えてくれます。また佐野洋子が描くピンク色の子ブタも魅力的。まん丸な体にちょこんとついた短い手足を一生懸命のばして、頑張る姿がいじらしいのです。
大人にとっては簡単にできることでも、小さな子どもにとってはものすごく複雑に見えることってありますよね。着替えはその最たるものかもしれません。教訓めいていないので、子ブタの姿を見ながら、自然とパンツをはくことができるようになるでしょう。
おはよう わたし ペネロペ。
きょうは ひとりで ふくを きて ようちえんに いくって きめたの。
パパとママ、びっくりするかな。(『ペネロペ ひとりでふくをきる』より引用)
ペネロペは、さっそく最初に着る服を探し始めました。コートかな?ちがうちがう、コートを着るのは1番最後です。
- 著者
- アン グットマン
- 出版日
- 2005-01-27
フランス発の人気絵本「ペネロペ」シリーズ。作者は、「リサとガスパール」シリーズでも有名な、アン・グットマンとゲオルク・ハレンスレーベン夫婦です。
靴下を手にはめてみたり、パンツがズボンからちょっぴりはみ出ていたり……小さい子どもがよくする失敗をしながらも、ペネロペはひとつずつ着実に服を着ていきます。無事に最後まで着ることができました。しかし実は幼稚園が……うっかり屋さんのペネロペらしいストーリーで、ほっこりできるでしょう。
幼稚園に入園した子どもへのプレゼントにもおすすめです。
大きな洋服の中にもぐりこんだ子ども。すっぽりと埋まってしまって、何も見えません。
もぞもぞと動いていると……ぱっと手が片方出てきました。頭も少しずつ出てきたようです。次はどこが出るのかな?
- 著者
- 林 明子
- 出版日
- 1986-06-20
人気絵本作家、林明子の作品です。
少しサイズの大きい洋服を着ようとしている子。洋服からぱっと手や顔が出せると嬉しいようで、きゃっきゃと楽しそうに笑います。ぱっ、ぬうー、すぽんなど、擬音がたくさん用いられていて、小さな子どもでも飽きずに読み進めることができるでしょう。
着替えをしながら手や頭、足がひとつずつ洋服から出てくるので、体の部位の名前を覚えるのにもおすすめです。
腕を組み考え事をしているくまくん。シャツをはいたらどうなるのかな?
実際にはいてみると、なんだか違う。うまくいきません。今度はシャツを着てみました。これならしっくりくる。そうそう、シャツは着るものでした。
くまくんはまた考えます。パンツを着たらどうなるのかな?
- 著者
- ["しげお, わたなべ", "やすお, おおとも"]
- 出版日
作者は、日本絵本界の礎を築いたといっても過言ではないわたなべしげお。本シリーズは国境を越え、世界各国で愛されています。
シャツを足からはいてみたり、パンツを頭からかぶってみたり、間違った着替えをするくまくん。そのたびに「どうすればいいのかな?」と自分で考え、正しい着方を見つけていきます。
子どもは失敗をしながら物事を覚えていくもの。ついつい手を貸したくなってしまいますが、優しく見守ってあげましょう。文章も短くリズミカルなので、読み聞かせにもおすすめです。