世界中で親しまれている犬のキャラクター、スヌーピー。漫画『ピーナッツ』の連載は、なんと50年間も続いていたそうです。この記事では、スヌーピーに関する本のなかから特におすすめの本をご紹介。『ピーナッツ』ファンの方はもちろん、グッズは持っているけれど作品は読んだことがないという方も必見です。
1950年から新聞で連載が始まった漫画『ピーナッツ』。スヌーピーという犬のキャラクターで知られています。掲載された雑誌は2000以上、さらに20言語以上に翻訳をされているそう。なかでも日本では人気が高く、関連キャラクターの商品市場はアメリカを超えています。
連載はなんと2000年まで続きました。本書は、およそ半世紀をかけて生み出された膨大な数の物語から、年代ごとにおすすめのものをピックアップした作品です。
翻訳は、詩人の谷川俊太郎。彼は日本で初めて『ピーナッツ』の単行本が刊行された際にも、翻訳を務めています。
- 著者
- チャールズ・M・シュルツ
- 出版日
- 2015-07-25
年代によってイラストのタッチが変わる『ピーナッツ』。本書は1950年代の作品がセレクトされていますが、各年代ごとに1990年代までシリーズ化されているので、比較をしながら読むのもよいでしょう。
ビーグル犬であるスヌーピーも、初期は4足歩行をしています。また主人公でスヌーピーの飼い主でもある少年チャーリー・ブラウンは、初期のほうが丸いフォルムをしているのも特徴です。
ストーリーは単純で馴染みやすく、読むだけでほっとした気持ちになれるでしょう。日本語と英語が同じページに載っているので、英語の勉強にもおすすめです。
犬でありながら、人間並みの知能をもつスヌーピー。趣味はなんと小説を書くことです。『ピーナッツ』のなかでも、彼が原稿を出版社へ送り、何度もボツになるというエピソードがあります。
本書は、スヌーピーが書いていた小説がついに完成し、出版されたデビュー作という設定。タイトルは「暗い嵐の夜だった」です。
- 著者
- チャールズ・M・シュルツ
- 出版日
- 2011-10-18
スヌーピーが書く物語の書き出しは、いつも「It was a dark and stormy night...」と決まっています。これは、悪文家として知られるイギリスの小説家ブルワー・リットンの作品の冒頭文と同じです。
「暗い嵐の夜だった」自体は、2ページほどの短さ。しかしそのなかに、嵐の夜に鳴り響く銃声や、突然現れる海賊船など、スヌーピーのハチャメチャな想像力が展開され、脱帽の内容です。チャーリー・ブラウンの友人であるルーシーが書いた表紙の絵も見ることができます。
スヌーピーが書いた小説の前後には、投稿に関するストーリーが書かれた漫画も掲載。往年の『ピーナッツ』ファンにはぜひ手にとってほしい一冊です。
スヌーピー誕生の秘密にはじまり、作者シュルツの生い立ちや経歴、ひいては執筆当時のアメリカの情勢など、『ピーナッツ』にまつわるさまざまなことがA~Zのキーワードで紹介されている作品です。
谷川俊太郎のエッセイや、貴重な原画も収録されています。
- 著者
- ["チャールズ・M. シュルツ", "谷川 俊太郎", "今井 亮一", "井出 幸亮"]
- 出版日
- 2016-05-31
何よりもフルカラーなのが嬉しいポイント。大判のイラストや写真もたっぷり載っていて、眺めているだけでも満足できます。
しかし内容を読み込んでいくと、シュルツの人柄がわかるとともに、彼が『ピーナッツ』という作品にどのような思いを込めていたのを感じとることができるのです。
さまざまな切り口からスヌーピーを知れる、ファン必携の一冊だといえるでしょう。
『ピーナッツ』の連載50周年を記念してつくられた、歴史が詰まった作品です。
チャーリー・ブラウンにはじまりライナスやルーシー、ウッドストックなど、主要なキャラクターの初登場時を振り返ったり、厳選した漫画を掲載したりしながら、作者のシュルツの解説とともにその歴史を振り返ります。
- 著者
- ["チャールズ・M・シュルツ", "三川 基好"]
- 出版日
- 2004-02-14
「なぜスヌーピーは屋根の上で眠るのか?」「なぜ犬小屋は横向きなのか?」など、読者の気になる裏話が満載。また『ピーナッツ』はスヌーピーだけでなく、ほかのキャラクターたちも魅力的なので、それぞれの制作秘話を知れるのは貴重でしょう。
漫画をすべて読むにはかなりの量がありますが、本書ではエピソードを抜粋しながら歴史を振り返っているので、大枠を掴むための最初の一冊にもおすすめです。
スヌーピーをはじめ、彼の仲間たちの言葉を集めた名言集です。
『ピーナッツ』は、時として哲学的なセリフが飛び出すことでも有名。何かに迷っている時に、適当に開いたところを読んでみると、ふと心が和む言葉に出会えるかもしれません。
- 著者
- チャールズ・M・シュルツ
- 出版日
- 2007-11-28
見開きの1ページに、イラストと名言が英語と日本語で書かれているという構成です。日本語の翻訳は谷川俊太郎が担当。『ピーナッツ』のもつ世界観を、詩的に表現しています。
「誰にも愛されていないと、みんなに愛されているふりしなきゃなんないのよ」「人生ってソフトクリームみたいなもんさ……なめてかかることを学ばないとね!」 など、ドキッとする言葉が満載です。
また4コマ漫画の最後の1コマが表す意味の解説なども載っているので、読み物として楽しむこともできるでしょう。
本書は、作者であるシュルツ自身の名言がまとめられた作品です。
彼の言葉の横には、『ピーナッツ』のイラストが。「流されないようにしながら流されて生きる」など、頑張りすぎない言葉が読者に勇気を与えてくれます。
- 著者
- チャールズ・M・シュルツ
- 出版日
- 2013-11-01
なかには、思わず笑ってしまうような言葉とイラストの組み合わせも。たとえば「そもそも『ピーナッツ』は、本当は子ども向けの漫画ではないのです」の隣には、ペパーミントパティにキスした後のスヌーピーの姿が描かれているのですが、彼は心の中では「これで彼女も何週間かはいい気分でいられるんじゃないのかな」と思っているのです。
これは、恋人の機嫌をとるために大人がよく使う戦法。クスッと笑えるとともに、『ピーナッツ』は漫画作品ながら、なかなか深い意味が込められていることがわかります。
オールカラーでボリュームもたっぷり。人生や仕事に悩んだ時に、元気をもらえる一冊です。