【無料】『箱庭のソレイユ』結末までの見所をネタバレ!悲しく、優しい物語

更新:2021.12.8

本作は川端志季(かわばた しき)による、新感覚サスペンス少女漫画です。幼い頃に起きたセンセーショナルな事件と、その真相を巡って3人の人物を軸に物語が展開されます。悲しい事件の裏にある、誰かを想う優しい行動……思わず全員の幸せを願ってしまいます。犯人は誰なのか?その真相とは……。 本作は、無料のスマホアプリでも読むことができます。4巻で完結している作品で、思わず一気読みしたくなる面白さが魅力の本作。この記事では作品の見所をご紹介します。ネタバレも含まれますので、ご注意ください。

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『箱庭のソレイユ』4巻までの見所をネタバレ紹介!無料で読める!【あらすじ】

美術教室の講師・戸張有希(とばり ゆうき)が、教室に通う生徒の少年・通称「天使(てんし)」と呼ばれる少年に殺害されたという事件から始まります。

同じくその教室に通っていた少女・瀬名あさひ(せな あさひ)は、この悲惨な事件によって、親友と、大好きだった先生を一度に失いました。犯人が天使だという事が信じられないあさひは、幼心に大きな傷を負います。

5年後、高校生になったあさひが先生の墓前で出会ったのは、先生によく似た彼女の弟・伊月(いつき)でした。天使が犯人ではないと信じ続けるあさひと、姉の死の理由を知りたいと願っていた伊月。納得できない思い、お互いの心の傷に共感した2人は、ともに事件の真相を探る事を決意します。

そして事件を追うあさひの前に、不意に姿を現した天使。

突然の再会に動揺していましたが、あるきっかけで伊月が心の中で秘めていた、天使への復讐心を知る事に……。大切な2人の間で葛藤するあさひ。3人の過去、記憶、心に閉まっていた思いが交錯していくなかで、少しずつ明らかになっていく真実……。

天使があさひを事件から遠ざけようとする理由……そして伊月の復讐とは?さらにあさひに突如訪れる試練……その結末とは……。

著者
川端 志季
出版日
2016-06-24

新感覚サスペンスと紹介される本作は、可愛らしい表紙からは想像できないシリアスな展開と、少し重めのストーリーに驚かされます。また暗い展開で終わるのではなく、切なさや悲しみを乗り越えていく結末は、未来への希望を感じさせてくれるので、バッドエンドが苦手な方もご安心ください。

「ソレイユ(soleil)」とは、フランス語で「太陽」の意味を持ちます。『箱庭のソレイユ』というタイトルの意味……それは最終巻で天使があさひに告げる台詞の中で明らかになります。

すでに本作がきになる方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。

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作者・川端志季とは?『宇宙を駆けるよだか』は名作!

著者
川端 志季
出版日
2015-02-25

作者・川端志季の代表作は、2018年8月にジャニーズWESTの重岡大毅・神山智洋のダブル主演で実写ドラマ化された『宇宙(そら)を駆けるよだか』。「このマンガがすごい!2016」オンナ編5位にランクインした本作品は、「愛されるのは外見か中身か」という問いかけがテーマに描かれている名作です。

人間のエゴや狂気、悪意を描きつつも、周囲の登場人物の優しさや、心の美しさを描き出す繊細な感情表現が特徴的。作品のテーマは少し考えさせるものが多いですが、線の細い絵柄の美しさに魅了されるファンも多くいます。

絵柄の美しさだけではなく、切なさや悲しみを含んだ読みごたえのある作品が特徴の漫画家だと言えます。

本作でも、その手腕が存分に発揮されています。ミステリを読み馴れている方には、物足りなさを感じられるかもしれませんが、登場人物たちの繊細な心の動き、迷いや不安、それを克服しながら強くなっていく姿は少女漫画とは思えない読みごたえに驚かされるでしょう。

『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!天使と伊月……2人の間で揺れ動くあさひの心の葛藤!

『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!天使と伊月……2人の間で揺れ動くあさひの心の葛藤!
出典:『箱庭のソレイユ』3巻

美術教室の先生を、当時小学生が殺し教室ごと放火するという凄惨な事件の真相を追うのが本作のメインストーリー。しかし、その事件を調査していく裏で、恋愛展開も描かれていきます。

事件について、何らかの決着がつくまでは恋愛なんてしている場合ではない、と思っているあさひ。そんな思いとは裏腹に、ともに事件の真相を追う伊月と、事件の真相を隠す天使は、彼女のことを想い続けます。あさひはそんな2人の間で、揺れ動いていきます。

幼馴染みで大切な親友・天使。彼の過去と優しさををよく知るあさひにとって、事件の犯人は彼ではないと信じ続けるのは当然のことです。しかし彼は、どんなに説得しても事件の真相を語ろうとしません。さらに困ったことに、高校生になってから再会したあとは、あさひへの好意を隠さないのです。

イケメンとなって登場した天使に戸惑いつつ、真相を頑なに話してくれないことに不満をもつあさひ。お互いのことが大切なのに、事件のこともあり心の距離がある2人。もどかしい彼らの関係に、ページをめくる手が止まりません。

そして、あさひを想うのは天使だけではありません。

大好きだった有希先生によく似た伊月。大人で、頼りがいのある彼の側は、安心できる場所だと感じるあさひ。伊月も、あさひのまっすぐさや包容力に救われ、彼女に好意を抱きます。

大人ながらも、嫉妬してしまう姿は、一部のファンの心を鷲掴みにします。冷静で優しそうなのに、たまに見せる心の闇。行動の読めない彼に、目が離せなくなってしまうでしょう。

2人の間で戸惑い、迷うあさひ。そしてそれぞれの理由から、あさひを大切に思う天使と伊月。3人それぞれの心情が丁寧に描かれており、事件の真相とはまた別の、ハラハラドキドキが楽しめるのではないでしょうか。

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『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!美しい絵柄で堪能できる繊細な表情変化!

『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!美しい絵柄で堪能できる繊細な表情変化!
出典:『箱庭のソレイユ』1巻

線の繊細さが魅力の本作は、登場人物の微かな表情の変化にも注目です。

ていねいに描かれている登場人物たちの表情は、本作品の見所の1つだといえるでしょう。怒りや悲しみ、大きな感情の波だけでなく、ふとしたタイミングで出てくる「心の暗さ」や、希望の光を見つけた瞬間の表情など、その小さな変化が彼らの微妙な感情を描きます。

物語の中で、心を揺らしたシーンを見つけるのは、作品を楽しむ1つだと感じます。美しい背景とともに、ストーリーを盛り上げていくその表情変化、ぜひ感じてほしい場面です。

『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!切ない真相から繋がるその後の物語とは……!?

『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!切ない真相から繋がるその後の物語とは……!?
出典:『箱庭のソレイユ』3巻

この物語が切ないのは、探していた事件の真相にたどり着いただけでは「物語が終着するわけではない」という所。あさひと伊月が追う、5年前の真相……。それを知る天使は、なぜ真相を語らず沈黙を守り通すのでしょうか……?

その理由は、3巻以降に明らかになっていきます。真相に向かっていく展開では、大切な人を守りたいという気持ちが逆に相手を傷つけてしまうという展開が描かれ、言葉で言い表すことが難しい、切ない感情を抱くことでしょう。

天使が自分を傷つけてでも、それでも守りたいと思ったもの。家族に居場所のなかった幼い天使に、居場所を与えてくれた大好きなあさひを救うために起こしたこと……何度も遠回りしながら、怒涛のように真相が語られていく展開には、目が離せません。

天使の優しい嘘と、全てを知った遺族である伊月、彼らの気持ちを知り守られていたのは自分だと気づくあさひ。結末に向かう3人の関係に、胸を締め付けられます。

全ての真相を知った後、13話の表紙の意味を理解することができるでしょう。ぜひ、真相を知ってからもう一度見てみてください。

『箱庭のソレイユ』の見所をネタバレ!居場所を見つけた2人の結末とは?【4巻(最終回)】

ついに、天使から「あの日」の真実を明かされた伊月。天使の意志を理解した伊月は、彼との和解を選びます。それは天使と2人で、あさひを守っていくという決意でもありました。

しかし、再び絵を描くことが出来るようになった天使は、その突出した才能ゆえに世間の注目を浴びる事になります。その事が、あさひに残酷な事実、過去の真実を突きつけてしまうきっかけになるとは知らずに……。

呼び起こされたあさひの記憶。天使の守りたかったもの、伊月の決断。それぞれの思いを胸に、事件の真相の先にある未来とは……?

著者
川端 志季
出版日
2017-06-23

天使が真相を隠し続けた理由、その意志を理解した伊月がともに守ろうとしたもの。

それが明らかになった事で、逆に壊れていってしまう1つの関係。切なさを感じるラストの展開は、胸に迫る痛みを感じてしまいます。

けれど、そこから生まれる未来には、希望や優しさを感じることができる結末です。その時の行動が間違っていたとしても、選択し、罪を償っていく続けた先にしかないものがあることを感じることができます。

幼い天使の決意は稚拙で、それこそ間違いだったのかもしれません。しかし彼からは、先生も、あさひも大好きだったということがしっかり伝わります。それによって伊月の心が動かされたのではないでしょうか。

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切なさのある展開ですが、最後には希望を感じられるストーリーです。

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