何をしても許してくれて、たくさん甘やかしてくれるおじいちゃんとおばあちゃん。孫にとっては特別な存在です。この記事では、おじいちゃんやおばあちゃんが登場する絵本を厳選してご紹介。敬老の日に読んでみるのもおすすめです。
- 著者
- いとう ひろし
- 出版日
- 1995-10-17
1995年に刊行されたいとうひろしの作品です。 柔らかいタッチの絵で、見ているだけでもほっとした気持ちになれるでしょう。
毎日のようにお散歩を楽しんでいた「ぼく」と「おじいちゃん」。家の近くをのんびり歩くだけで、ぼくの世界はどんどんと広がっていきます。
小さなぼくが初めて知る大きな世界。そこには楽しいことばかりではなく、怖いことや困ってしまうことがたくさんあります。でも、心配はいりません。ぼくのとなりには、おじいちゃんがいるからです。
「だいじょうぶだいじょうぶ」はおまじない。ぼくが怖いときや不安なとき、おじいちゃんは手を握りながら、魔法の言葉を唱えてくれるのです。
絵本に描かれているのはどこにでもある日常ですが、おじいちゃんの優しさからは、子どもを守り育てることの大切さがひしひしと伝わってくるでしょう。いつか子どもが壁にぶつかったときも、その優しさが見守ってくれるはずです。
- 著者
- 真珠 まりこ
- 出版日
- 2004-10-08
2004年に刊行された真珠まりこの作品です。
もったいないばあさんは、食べ残しやお茶碗についたご飯粒を見つけると、「もったいなーい」と言いながらやってきます。 さらに残ったご飯を大事に食べ、少年の口のまわりについた米粒までぺろぺろと舐めまわすのです。
最初はもったいないばあさんが苦手だった少年ですが、一緒に遊んでいるうちにどんどん楽しくなってきました。
「もったいない」を言葉で説明するのは難しいですが、もったいないばあさんが知恵と工夫で生活を豊かにする姿を見ていると、自然とものを大切にする心を育ててくれるでしょう。
- 著者
- 板橋 雅弘
- 出版日
2007年に刊行された作品。文を板橋雅弘、絵を西村敏雄が担当しています。
おじいちゃんとおばあちゃんの家に、ひとりでお泊まりをすることになったぼく。食べ物は好きなものばかり出てくるし、何をしても叱られません。
なぜおじいちゃんもおばあちゃんも、ぼくに優しくしてくれるんだろう。ぼくは不思議に思い、訪ねてみると、答えは「おまえが孫だから」とのことでした。答えを聞いてもぼくはすべてを理解できるわけではありませんが、「ぼくにも孫ができたらかわいがってあげなくちゃ」と思うようになるのです。
作中では「孫」の意味をイラストで解説してくれる場面もあるので、小さい子どもでもわかりやすいでしょう。損得では計れない愛情を教えてくれる物語になっています。
- 著者
- 佐野 洋子
- 出版日
『100万回生きたねこ』で有名な佐野洋子の作品です。2009年に刊行されました。
猫が魚釣りに誘っても、「だってわたしは98歳だもの」と断るおばあちゃん。ケーキを上手に作れる理由を聞いてみても、「だってわたしは98歳だもの」と答えます。
そんなおばあちゃんの99歳の誕生日がやってきました。しかし、あまりにも急いでいた猫が、ケーキに飾るろうそくを落としてしまうのです。ケーキに飾ることができたろうそくは、たったの5本でした。そして次の日からおばあさんは、猫に魚釣りに誘われると「だってわたしは5歳だもの」と答え、まるで本当の5歳児のように川を飛び越え、花のにおいをかぎ、魚釣りに行くようになるのです。
5歳になったおばあちゃんがとにかくキュート。いくつになっても気持ちしだいで楽しく過ごせることを教えてくれます。くり返しの言葉も気持ちよく、読み聞かせにもおすすめです。
- 著者
- 山西 ゲンイチ
- 出版日
- 2013-01-18
2013年に刊行された山西ゲンイチの作品です。
死んでしまったケンタくんのおじいさん。ながい階段をのぼってたどり着いたのは、「猫の天国」でした。別の階段をのぼって「人間の天国」に行くのも大変なので、おじいさんは猫の天国で働くことにします。しかし任された仕事がどれもうまくいかず、しょんぼり。その時、孫のケンタくんがほめてくれた「ちょびヒゲ」のことを思いだしました。
おじいさんが猫にちょびヒゲを描く仕事を始めたところ、大当たり。そして同じ頃、ケンタくんの家に猫の赤ちゃんが生まれるのですが、3匹ともちょびヒゲがついていて……。
身近な人の死を受け入れるのには時間がかかります。特に小さい子どもにとっては、大きな衝撃。これまで会えていた人に突然会えなくなってしまったことを、完全に理解するのは難しいかもしれません。しかし本作のおじいさんとケンタくんのように、どこかでつながっていると信じられれば乗り越えられるのではないでしょうか。
「死」という重たいテーマを描いていますが、イラストもかわいらしく、ほのぼのとした作風の絵本です。
- 著者
- ケリー ベネット
- 出版日
- 2014-01-20
ケリー・ベネットが文、デイヴィッド・ウォーカーが絵を担当した作品。2014年に刊行されました。
髪がふわふわだったこと、いないいないばあが好きだったこと……おばあちゃんが孫に「あなたのママはね」と、ママが小さかった頃の話をしてくれます。いつも口うるさく怒っているママが、自分と同じように子どもだったときがあったなんて、孫には想像ができません。
おじいちゃんやおばあちゃんしが語ることのできない、愛情たっぷりのエピソードがつまっています。本書を読んだ後は、同じようにママやパパが子どもの頃の話をしてあげてみてもよいでしょう。