寒い冬にピッタリな、おすすめの心温まる本

心のわだかまりが溶けていく様が印象的

人付き合いが苦手な主人公が、大学入学を機に引っ越しをします。生活を始めると、女性の幽霊と子猫が側に居ることに気づきます。2人と1匹の、不思議な共同生活の始まりです。

この本は、小学6年生の時に初めて読んだ本です。高校生になってもう一度読み返してみたのですが、涙が止まりませんでした。悲しいお話ではありませんが、不思議な感覚です。

心のわだかまりが少しずつ、1人と1匹によって溶かされいく様がとても印象的です。乙一さんの「暗いところで待ち合わせ」を彷彿させるような設定と、主人公の心情の変化、そして、乙一さんらしい謎解き。是非読んでみてください。

ストレートな青春小説に温かさを感じる

主人公が図書室で本を借りると、一枚の紙が挟んであることに気づきます。そこには「サクラチル」の文字が。他の本にも沢山のメッセージが挟まれており、意を決して、主人公は名前の分からない相手へ返事を書きます。

とてもストレートな青春小説だと思います。人の温かさを感じる作品です。落ち込んでいる謎の相手を励まし続けるのですが、私も中学の時、沢山の友達と先生方に支えてもらいました。学校へ行けない時も、「いつでも待ってるよ」とメッセージを書いてくれたりしていました。

そんな、過去の自分に少し当てはまるような、お話です。中学時代を思い出しながら、読んでもらえたらと思います。