「色」は、幼児期に覚えておきたい基礎知識のひとつ。幼いころからたくさんの色に触れると、色彩感覚を豊かにすることができるといわれています。そこで今回は、読むだけで自然と色を覚えられる絵本をご紹介。年齢別になっているので、参考にしてみてくださいね。
赤、青、黄、3色の絵の具たち。
「いっくよー!」(『いろいろばあ』より引用)
チューブの中に潜んでいた色おばけたちが、勢いよく飛び出します。
- 著者
- 新井洋行
- 出版日
- 2011-07-01
「いろいろばあ」シリーズの1作目。作者は、パパやママと赤ちゃんが一緒に楽しめる絵本を制作している新井洋行です。
縦開きのページいっぱいに描かれた、カラフルな絵の具たち。「いろいろ……」という掛け声とともにめくると、チューブから色おばけが登場!いろんな形に変身します。
「いないいないばあ」のリズムにのっとった構成で、0歳~1歳の小さなお子さんにぴったり。元気いっぱいな物語の勢いそのままに、明るく読み聞かせてあげてください。大胆に描かれた色おばけたちのイラストに夢中になるはずです。絵本を楽しみながら、自然と色を覚えられるでしょう。
「くまさん くまさん ちゃいろい くまさん なにみてるの?」
「あかい とりを みているの」(『くまさん くまさん なに みているの?』より引用
くまさんが見ている先には、赤い鳥がいます。赤い鳥は黄色いあひるを、黄色いあひるは青い馬を見つめていました。
さあ次はどんな色の、どんな動物が登場するのでしょうか?
- 著者
- ビル=マーチン
- 出版日
作者は、アメリカで数々のベストセラーを生み出した絵本作家ビル=マーチン。イラストは日本でもおなじみ『はらぺこあおむし』を手掛けたエリック・カールが担当しています。
茶色いくま、赤い鳥、黄色いあひる、青い馬、緑のカエル、紫のねこ……見開き2ページにわたって描かれる色とりどりの動物たちは、とても美しく、思わず大人も見入ってしまいます。
動物たちが次々と繋がっていく展開は、単純ながら遊び心がいっぱい。次にどんな動物が出てくるか気になってたまらないはずです。
色や動物に興味が出てくる1歳前後のお子さんにうってつけ。最後のページには、これまでに登場した動物たちが勢ぞろいするので、動物や色の名前を当てっこするのも楽しいですよ。
パパとママと一緒に暮らしている「あおくん」。美しい色のお友達がたくさんいますが、なかでも1番仲良しなのは、「きいろちゃん」です。
ある日2人は、ひょんなことからくっついて、なんと「みどり」になってしまいました。
- 著者
- Leo Lionni
- 出版日
- 1995-08-24
アメリカを代表するアーティスト、レオ・レオニの絵本デビュー作です。自らの孫のために即興で作ったそうで、1959年に刊行されて以来、国境も世代も超えて世界中で愛されています。
作中に出てくるキャラクターは、まるで紙をちぎったかのような「まる」の形をしています。顔も目も、手も足もありません。不揃いでとても抽象的です。
そんな「あお」と「きいろ」のまるが重なり、「みどり」になるという展開は、子どもにとっては衝撃的。色の仕組みを学べるとともに、人と人の融和を心で感じとることができるでしょう。想像力を豊かなものへと導く、柔軟で自由な発想にあふれています。
読後は、人間味ある「まる」たちが愛おしくてしかたなくなるはず。大人も夢中になれる不思議な世界観をぜひご堪能ください。
赤いバスがやってきました。扉が開いてごろごろと降りてきたのは、たくさんのトマトたち。タコがにゅるりと乗りこんだら、出発です。
いろいろな色のバスに、バスと同じ色をしたものが乗ったり降りたり。さあ、次は何色のバスがやってくるのでしょうか?
- 著者
- tupera tupera
- 出版日
- 2013-06-01
ユーモラスだけど、洗練されていてとってもおしゃれ。独特のセンスが光る作品を数多く発表しているユニット「tupera tupera(ツペラツペラ)」らしい一冊です。
トマトやタコ、オムレツ、星、かっぱ、木、クジラ、影……バスの乗客たちは、読者の想像もつかないものばかり。次はどんな驚きが待っているのか、ページをめくるたびにドキドキワクワクしてしまいます。
終点に到着した色とりどりのバスから、たくさんの乗客が一斉に降りてくるシーンは圧巻。描写はひとつひとつ繊細で、イラストに没頭できます。バスの運転手さんたちがかわいらしい姿をしているのも、楽しいポイントです。綺麗な色使いを楽しめるので、プレゼントにもよいでしょう。
絵本を開くと、現れる「おへそ」。このおへそをぽんと叩くと、すばらしい冒険がはじまります。
いろんな
いろと いろとで いろがわり
いろいろあって
いろって おもしろい!
さあ、いろの ぼうけんを はじめよう!(『いろいろいろのほん』より引用)
- 著者
- エルヴェ・テュレ
- 出版日
- 2014-05-17
たくさんのアイデアと色の不思議をつめこんだこの絵本で、
君にすばらしい冒険と発見をプレゼントできますように。(『いろいろいろのほん』より引用)
フランスの絵本作家エルヴェ・テュレの心のこもったメッセージからはじまる本作。まるで本当に絵の具で遊んでいるかのような気分を味わえる、画期的な絵本です。
遊び方はとても簡単。お友達のように話しかけてくる絵本の言うとおりに、絵本をなでたり、つまんだり、ゆすったり、とじたりするだけ。すると、あら不思議!まったく違う色や形に大変身するのです。この楽しさに子どもたちはやみつきになり、遊べば遊ぶほど色が大好きになるでしょう。
簡潔でありながら親しみやすい谷川俊太郎の翻訳も、作品の魅力を一層引き立てます。ひとり遊びはもちろん、お友達と一緒に大勢で読むのも楽しいでしょう。
新品のクレヨンがあります。色は全部で10色。でも、ずっと新品のままなので、みんな退屈していました。
そんな日々に耐えられなくなったある日、ついに黄色くんが箱を飛びだしてしまいます。机の上をトットコ走っていくと、なんと大きくて真っ白い画用紙を見つけました。みんなも大喜びで、次々と絵を描き始めます。
だけど、くろくんだけは仲間にいれてもらえません。みんな、きれいに描いた絵を黒くされてはたまらないと言うのです。
さみしそうにしているくろくん。そこへ、シャーペンのお兄さんがやってきました。
- 著者
- なかや みわ
- 出版日
- 2001-10-15
なかやみわが手掛けた、大人気絵本「くれよんのくろくん」シリーズの1作目です。
このお話の主人公は、黒色のクレヨン「くろくん」。ひとりぼっちで寂しくしていましたが、シャーペンのお兄さんが教えてくれたとっておきの秘策のおかげで、仲間たちの前で本領発揮!大活躍します。
感受性豊かな5歳前後の子どもたちは、仲間はずれになってしまったくろくんの切ない気持ちにも共感できるはず。だからこそ、くろくんの活躍ぶりが嬉しいのです。また同時に、それぞれが個性をもつことの大切さにも気づくでしょう。
気になるくろくんの大健闘は、とびっきりに美しいラストシーンとともにぜひご自身の目でお確かめください。
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