子どもに食事や電車、交通安全などのマナーやルールを教えたいと思っても、なかなか理解をしてもらうのは難しいもの。そんなときは、絵本を活用してみましょう。かわいらしいイラストと文章で、口で伝えるよりもわかりやすいはずです。今回は、さまざまなマナーやルールを学べるおすすめの絵本を紹介していきます。ぜひ親子で読んでみてください。
今日は、仲良しのまみちゃんの誕生日。たろうは、すみれの花とお母さんが作ったアイスクリームを持って、動物たちと一緒にまみちゃんの家へお祝いに行くことにしました。
嬉しくてたまらないたろうたちは、元気いっぱいにぴょこぴょこはねながら歩いていきますが……。
- 著者
- 村山 桂子
- 出版日
- 1966-07-01
人や車の多いところで走る、黄色信号で慌てて渡る、横断歩道以外のところで車道を横断する……まみちゃんのお誕生日会へ早く行きたいからと、たろうたちは危険な交通違反をくり返してしまいます。でもそのたびに周りの大人たちが注意をしてくれて、彼らは無事にまみちゃんの家へ到着することができました。
子どもは嬉しいことや楽しいことがあると、他のことに目がいかなくなってしまうもの。この絵本は、基本的な交通ルールだけでなく「交通ルールとはいつどんなときでも守らなければいけない」ということも教えてくれるのです。
デザイナーである堀内誠一のセンスが光る、ポップでかわいらしいイラストにも注目。プレゼントにもおすすめです。
男の子の家に、おじいちゃんが遊びに来ることになりました。特急の止まる大きな駅まで迎えに行きましょう。
しかし道中には、たくさんの難関が待ち受けています。男の子は無事におじいちゃんと会うことができるのでしょうか?
- 著者
- ["斉藤 洋", "田中 六大"]
- 出版日
- 2013-10-01
大人気の絵本作家、斎藤洋と田中六大がタッグを組んだ、体験型学び絵本。小学校での1日を学べる絵本『しょうがっこうへいこう』の続編です。
絵本を開くと、間違い探しや迷路、数当て、絵探しなど子どもの心をときめかせる仕掛けがいっぱい。ひとつひとつクリアしていくと、電車でのマナーや乗り継ぎ方、時計の読み方など、子どもに覚えさせたい一般常識やルールが自然と身につくという、なんとも魅力的な作りになっています。
「ネコひげえき」などのナンセンスな駅名や、ゆるいイラストなど、脱力感あふれるユーモアも満載。読めば読むほど癖になるでしょう。
ひとり読みはもちろん、大勢で楽しむのもおすすめです。外出先でも重宝しますよ。
気をつけてね、とママに見送られて自転車で出かけた男の子。しかし男の子の行く先は、どこもかしこも妖怪だらけ!
ぶっぽうそうにちょうちんおばけ、やまんば、河童、ひとつめおやじ……たくさんの妖怪たちが、交通安全の正しいルールをおもしろおかしく教えてくれます。
- 著者
- 広瀬 克也
- 出版日
- 2014-06-10
絵本作家の広瀬克也がてがけた「妖怪絵本」シリーズの5作目。今回のテーマは交通安全です。
「ぬりかべも まんなかあるかず みぎがわに」
「だいじゃぶと ゆだんの きもちが じこのもと」(『妖怪交通安全』より引用)
たくさんの妖怪たちと、彼らの名前をダジャレのようにして作られた交通安全ルールの標語。独特のリズムが心地よく、声に出して読むだけでワクワクしてしまいます。
怖いものが苦手なお子さんも安心してください。出てくる妖怪たちは、にぎやかなイラストの効果もあり、怖いどころかむしろ親しみやすいものばかり。ぜひ手に取ってみてくださいね。
みんなで楽しく、おいしく食事をするためにどうしたらよいか、この本でいっしょに考えてみましょう。(『テーブルマナーの絵本』より引用)
絵本作家である高野紀子の、心のこもったメッセージからはじまる本作。くまのおばあちゃんの「テーブルマナー教室」が幕を開けます。
- 著者
- 高野 紀子
- 出版日
- 2011-11-17
大人でも目からうろこな本格的なテーブルマナーの数々が、丁寧で繊細、かつ温かみのあるイラストとともにわかりやすく描かれた作品です。
テーブルマナーだけでなく、外食時やよそのおうちへ遊びに行ったときのマナー、紅茶の楽しみ方、旬の野菜や季節のお菓子など、「食育」にもつながる知識が幅広く紹介されているのも嬉しいポイントになっています。
食事のマナーは、何度言ってもなかなか伝わらないもの。このような絵本をとおして読めば、シチュエーションも理解しやすく、実践に繋がるでしょう。
子どもが大きくなっても読めるよう、いつまでも手元においておきたい一冊。ほんわかとした優しい世界観もあわせてご堪能ください。
うさこちゃんとお母さんは、クッキーを買おうと買い物にでかけました。お母さんがお会計をしているあいだに、うさこちゃんはお店のあちこちを眺めています。そして、隅の方に置いてあるキャラメルを見つけました。キャラメルは、赤、青、黄色、いろんな紙に包まれています。
「まあ、なんて おいしそう!ほしいなあ」(『うさこちゃんときゃらめる』より引用)
そう思ったうさこちゃんは、とても悪いことをしてしまうのです。
- 著者
- ディック・ブルーナ
- 出版日
- 2009-04-15
オランダの絵本作家、ディック・ブルーナの「ミッフィー」シリーズ。50ヶ国以上で翻訳されている大人気作です。
そんな「ミッフィー」シリーズのなかでも、本作の内容はなかなか衝撃的。なんとうさこちゃんは、お店のキャラメルをこっそりポケットに入れて、持って帰ってきてしまうのです。
その晩のうさこちゃんは、ベッドに入っても眠れません。自分のしたことが恥ずかしくて、罪悪感と後悔でいっぱいになっていました。次の日、黙ってキャラメルを取ってしまったことをお母さんに打ち明け、いっしょにお店に謝りに行くことになります。
善悪の判断があいまいな子どもだからこそ、過ちを犯してしまうこともあるでしょう。間違ったことをしてしまっても、反省して謝ることが大切だというマナーを教えてくれる作品です。
身に着けると、すてきでかわいくてかっこよくなれるマナー。
みんなと仲良く生活するためのマナーを、親子で一緒に楽しく学びましょう。
- 著者
- ["西出 ひろ子", "川道 映里"]
- 出版日
- 2018-05-19
マナーコンサルタントの西出ひろ子と川道映里の作品。お風呂に入ったときやエレベーターに乗ったときなど、「日常や公共の場での一般的なマナー」はもちろん、あいさつは笑顔を忘れないようにするなど「周りの人たちと仲良く生活するためのマナー」も多く紹介されています。
この絵本の魅力は、親子で楽しみながら一緒にマナーを学ぶことができるところ。子どもにとっては、新しい知識がふんだんに盛り込まれた教科書として、大人にとっては円滑な人間関係を築くうえでのマナーの大切さをあらためて見直すきっかけになるでしょう。
マナーを学ぶことは、思いやりや優しさを育てることにもつながります。日常生活のなかでどうふるまえばよいか困ったときは、この本を開いてみてください。きっとあなたの助けになってくれるはずです。
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