主人公は、保育士として働く愛花。ある日、園児のお迎えに現れたイケメンは、なんと俳優として活躍中の渋谷大海でした。立場をわきまえながら接する愛花でしたが、彼女に惹かれる大海からのアプローチに心が揺れてしまい……。今回は、「保育士と保護者」という禁断の恋を描いた『お迎え渋谷くん』の魅力とあらすじを、ネタバレしながら紹介します。 本作は、スマホの漫画アプリでも無料で読むことができるので、気になった方はそちらからもどうぞ!
主人公・青田愛花(あおたあいか)は保育士として働くアラサー女子。職場を平和にやり過ごすために、同僚よりも多めに仕事を引き受けがちです。
日々の仕事に追われるなか、ある園児の送り迎えに現れたのは、人気俳優の渋谷大海(しぶやたいかい)。妹のかすり傷を「大ケガ」と言ったり、園内の様子に厳しい表情を見せたりする彼に、愛花は過保護なクレーマーになるのではと危惧します。
しかし、大海はオーバーワークで体調を崩した愛花を医務室に運ぶなど、意外にも優しい一面があるようです。
互いに惹かれていく愛花と大海ですが、保育士と保護者という立場もあり、2人の恋は一足飛びにはうまくいきません。胸キュンとヤキモキが交錯する恋模様から目が離せません。
- 著者
- 蜜野 まこと
- 出版日
- 2018-07-25
一般的な職場に現れた芸能人という、非日常的なシチュエーション。しかし、愛花への恋心に苦悩する大海の姿からは、芸能人も1人の人間であることを思い出させてくれるような身近さを感じます。
また、働くアラサー女子が主人公なので、同年代の女性読者は主人公に共感できる点も多いでしょう。職場の同僚の困った言動、それを飲み込んで遂行しなければいけない自分の仕事、恋愛や結婚に対する考え方などなど……。
思わず「分かる~!」と頷いてしまう一面も、本作の魅力のひとつ。だからこそ、大海が見せる愛花への思いやりは読者の心に響き、ときめきを感じられるのです。
ここから先は、本作の胸キュンエピソードの一部を紹介します! ネタバレを含みますので、苦手な方はご注意ください。
すでに『お迎え渋谷くん』が気になった方は、まずはスマホの漫画アプリで読むことをおすすめしています。 下のボタンから簡単にインストールできるので、ぜひ利用してみてください。
作者は2012年にココハナという雑誌でデビュー。以来、読み切り作品などを発表してきました。女性的な柔らかさを持ちつつ、落ち着いた雰囲気の絵柄が特徴で、成人女性や男性が見ても読みやすい画面になっています。
2017年からは『デジログ恋愛生活』を連載。主人公が自分が務める会社のイケメン社長とシェアハウスで暮らすという物語です。
- 著者
- 蜜野 まこと
- 出版日
- 2017-10-25
「社長とシェアハウス」や「保育園のお迎えが芸能人」という、非日常的なシチュエーションのなかでも、読者が共感しやすい主人公が設定されており、自然に感情移入して楽しむことができるでしょう。 また、主人公に惜しみない好意を寄せる男性の描写からは、キャラクターの人間的な可愛らしさも感じることができ、思わず頬がゆるんでしまいそうです。
妹に対して過保護な様子を見せる大海に、初めは警戒していた愛花。しかし、熱を出して倒れた愛花を医務室まで運んでくれたり、保育園の人形劇がうまくできずにいるところを庇ってくれたり、彼のさりげない優しさに、少しずつ打ち解けていきます。
一方で、恋を自覚してしまった大海は初めての感情に戸惑うばかり。どんな顔で愛花と接していいのか分からなくなってしまい、思わず本来の自分とは別人のような陽気な性格を演じてしまうことも。
その後、いつもの様子に戻ったかと思いきや、愛花に花をプレゼントしたり、思い余って突然キスをしてしまったり……。もともとマイペースな大海でしたが、恋の感情に振り回されて自身でも制御できなくなっているようです。
そんな彼の行動は予測不能。次はどんな行動で愛花や読者をときめかせるのかが気になり、ドキドキが止まりません。
プレゼントを贈ったり、年下は嫌いかと訊ねたりする大海の行動に、「私のことが好きなのかな」と感じてしまう愛花。しかし相手は園児の保護者で、しかも芸能人。立場を考える彼女は、自惚れぬよう自身を戒めてしまうのでした。
いざ真正面から告白されても、やはり保護者と保育士という互いの立場が気になってしまいます。また、芸能人である大海との交際や将来について、具体的なイメージができないことも、愛花が交際になかなか踏み切ることができない理由の一つ。
とはいえ、彼からのアプローチに胸の高鳴りを抑えられません。しだいに彼女も大海への好意を自覚し始め……互いに惹かれ合っているのに、なかなかくっつかない2人。その様子を見守る読者はもどかしさに悶えてしまうことでしょう。
俳優仲間で、大海のことを敵視している神田隆平。彼は大海の弱点を探り、動揺させるためだけに愛花に接近します。
愛花と遊んでいる写真を送りつけたり、嘘を吹き込んだりして大海を落ち込ませることも。しかし実は身体が弱かったり、お酒に酔うと羽目を外してしまう一面もあり、2人の恋路を邪魔しつつも憎めないキャラクターです。
そして、共通の友人として2人と交流するうちに、神田は大海から恋愛相談の相手としてと頼られるようになっていきます。以前は自分に興味を示さなかった大海が、心を開いてくれていると感じて、神田は満更でもありません。
大海のことが嫌いだったはずなのに、彼に頼られて嬉しい気持ちや、大海が愛花を好きなことに寂しさを感じてしまう神田。自分の複雑な感情に戸惑いを抱えながらも、いつの間にか大海の恋を応援するような言動が増えていきます。
読者は、初めは神田に「嫌なヤツ!」という印象を持ってしまうかも知れません。しかし、少しずつ変化していく彼の心境にも、ぜひ注目してみてくださいね。
神田や大海のマネージャー・品川の横槍や手助けもあり、大海と愛花の距離は少しずつ縮まっていくように見えます。しかし、3巻では新たな波乱を予感させるキャラクターが登場。愛花が務める保育園に新任の先生として現れた大崎達也は、なんと愛花の学生時代の元カレだったのです。
お互い別れた気まずさもなく、同僚として良好な関係を築けそうな2人でしたが、どうやら達也は愛花のことをまだ好きな様子。愛花も、今は大海のことが好きなはずなのに、「彼と別れていなかったら今頃結婚していたのかな」と想像してしまう自分に戸惑いを感じます。
愛花と達也の関係を確認するため、大海は神田と品川の協力を得て2人を温泉旅行に誘い出しますが……。
新たな恋のライバルの登場に動揺してしまう大海は、いつにも増して感情に振り回されるような行動をしてしまいます。温泉旅行という普段とは違った環境下で空回りしてしまう大海の様子は、ハラハラせずには見られません。
- 著者
- 蜜野 まこと
- 出版日
- 2019-04-25
温泉旅行での愛花と達也のお似合いな様子に、すっかり落ち込んでしまった大海。気持ちは晴れないまま、しかし映画撮影のため京都に長期滞在することになってしまいます。
3週間も過ぎる頃には、愛花恋しさで情緒不安定に……。「声を聞きたいが、連絡先を知らない」と嘆く姿を見兼ねて、神田は愛花の電話番号を大海に教えるのでした。
一方、愛花は達也と映画鑑賞に出かけています。愛花も大海の不在を寂しく思っており、映画を観ている間も彼の妄想をしてしまうほどでした。そして映画の後、愛花は達也から「結婚を前提にもう一度付き合ってほしい」と告白されるのですが……。
- 著者
- 蜜野 まこと
- 出版日
- 2019-08-23
4巻では大海、愛花、神田、達也という主要な4人が、それぞれに自分の気持ちをはっきりと言葉に表し、人間関係が大きく動き出します。
神田の苦い過去が語られ、彼が大海に対して抱えていた複雑な気持ちの正体も明らかになります。その本心を告げられた大海が、驚きながらも、彼の気持ちを真剣に受け止めようとする様子は、読者の胸をうつものがあるでしょう。
これまで大海への気持ちに躊躇いを抱いていた愛花も、彼を好きだという気持ちに素直になっていき……。
恋に破れる者もおり、少し切ない空気が漂いますが、どこか清々しさも感じられるでしょう。それは、彼らの相手を好きだと思う気持ちが純粋で、優しさに溢れたものだからかも知れません。
そして、いよいよ再会した大海と愛花、2人がどのようにお互いの気持ちを伝え合うのか、ぜひご自身の目でお確かめください。
2人の恋の行方は?今後の展開は、ぜひ手にとって確かめてみてください。